ナタが泣き止むまでアークはずっとナタの背中をさすってあげました。
「ナターシャ様…、大丈夫ですか?」
「ううっ…ジョルジュは優しいから…ぐすっ、あのおじいちゃんが可哀想になったんだと思うの…ひっく」
「ジョルジュはオイラとは違って、ユリアーノの味方だったからなぁ」
「ジョルジュはお師匠様のこと…なんて言ってたの?」
「ユリアーノはナタのことを本気で心配してるんだとよ?」
「ジョルジュがそう言ったんだね?」
「オイラは納得いかなくてさ、ゲイザーの護衛よりナタの護衛を優先してたんだけどな」
「いつもそばにいてくれたよね、ありがとう」
「本当はナタに近付くなって言われてたんだけど、ゲイザーもオイラがナタのそばにいる事、望んでたみたいだから、ユリアーノのかけた呪いは発動しなかった!」
「ピーターには呪いがかけられてるの?」
「ああ、ゲイザーの望まない事をすると、痛い思いをするってやつだな…」
「酷い!すぐ解除してあげるね」
「まあ、今のところ呪いは発動してねぇから大丈夫だろ?」
「私、お師匠様が本当に良い人なのか、わかんなくなって来ちゃった」
「んー、ユリアーノは使い魔遣いが荒いからなぁ」
「そうなの?知らなかった…。お師匠様は邪悪な波動はなかったのに」
「オズワルドって奴よりはマシみたいだけど、第一級魔術師ってのは大概性格悪いぜ?」
「オズワルド様はやり方が汚いです。私から見ればユリアーノ様は善良な魔導師ですよ」
「お師匠様から時々、変な波動が出る事あったけど、それって他の人もあるから、気にしてなかったの…」
ナタと一緒に風呂に入りながらピーターは尋ねました。
「ところで、ナタ。アークからたまに出てる邪悪な波動は気付いてるのかい?」
「うん、時々…魔王の波動っぽいのが出てる」
「アークには気を付けろよ?オイラでも一瞬、ゾクッとくるくらいにヤバイ波動だぜ…」
「おじさんみたいに邪悪な波動が、ほとんど出ない人の方が珍しいのよ…」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第117話です。