アークを押し退けてピーターは家に上がり込みました。ナタの部屋の前でアークが先回りして通せんぼします。
「クソッ!ネズミの姿なら、こんなとろくせぇやろうに先回りなんかさせなかったのによ…」
「ここから先には行かせません!行きたければ私を倒して進みなさい」
「こんな狭い場所じゃ、ご自慢の槍も使えねぇだろ?バカが!」
「槍だけが私の武器ではありませんよ?見くびらないでいただきたい」
アークが雷のように輝く光の矢を放つと、ピーターは小柄な身体を機敏に動かして、全てギリギリのところで素早く躱しています。
「当たったら即死だな…。オイラを本気で殺す気か?」
「一発も当たらないとは…!流石ですね…?」
「ゲイザーと戦った時は手加減してた癖に…」
「手加減などしていませんよ?私は常に全力で戦っております」
「いいや、あの時の雷の威力はここまでヤバくはなかったぜ?」
「それは多分、あの時より私の魔力が何倍も上がっているからでしょう?」
「ちくしょう!ナタの顔を見る前に死んじまうわけにゃいかねぇのに」
その時、部屋のドアをナタが開けました。
「アーク、何をドタバタ騒いでるの?うるさくて集中できないんだけど…」
「ナ、ナターシャ様!早くお部屋にお戻りください。今、怪しい侵入者を退治して」
「ナタ!オイラだよ?わかるか」
「えっ、誰…この子?可愛い!」
ピーターがナタの胸に飛び込むと、顔をナタの胸に埋めました。アークは怒りでプルプル拳を震わせています。
「オイラ、こう見えても大人なんだけどなぁ。背が低いから子供に見えるか?」
「そうなの?こんな可愛い男の子が私の弟だったら良かったのにー!」
「ナターシャ様!その怪しい侵入者から離れてください!」
「なんで?こんな可愛い子が悪い事するわけないよー」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第107話です。