ナタは布団の中でもぞもぞしながら向きを変えてアークと向き合いました。
「ねぇ、キスして…アーク」
アークはナタに情熱的なキスをしました。
「ナターシャ様、もう性欲を抑えられそうにないです。すみません…」
「いいよ…。しても…」
前回よりも少し野生的でありながら、どこか優しさのあるやり方で愛し合いました。
「ナターシャ様を性欲の捌け口にしてしまって申し訳ないと思います」
「ううん、私がアークに人間になってって頼んだんだもん」
「もしお嫌でしたら、無理に相手はせず拒否なさってください。ナターシャ様が嫌がる事はしたくないのです」
「うーん、別に嫌じゃないんだけど、してる時にナターシャ様って呼ぶのやめてくれない?」
「呼び捨てにして欲しいと以前、仰ってましたね」
「うん、なんか他人行儀な感じがして嫌なの」
「私はナターシャ様の使い魔なので、ご主人様であるナターシャ様を呼び捨てにするわけにはいきません」
「でもお友達のニアは今、私の使い魔だけど私のことナタって呼ぶよ?」
「ティターニア様は妖精の国の女王であられますし、ナターシャ様とはご親友なので呼び捨てにされるのは当然でしょう。私は天界でも階級は下位の天使でしたし、ナターシャ様の方が私より天界の階級も上です」
「階級とかどうでもいいよ?私、別に使い魔が私より階級が下とか思ってないし、みんなお友達だから階級があるなら同じ階級でしょ?アークは恋人だから階級があったとしたら、むしろ私より上かもしれないよ?」
「なるほど…。ナターシャ様にはそのような立派なお考えがあったのですね!」
「立派って言うか…なんでビーストテイマーってみんな使い魔に呪いをかけるの?真っ白なビーストカードにも、最初から強制送還魔法がかけてあって、主人から離れ過ぎると無理やりカードに戻されるんだけど、それは全部解除してあるよ」
「ナターシャ様は本当にお優しいですね」
「もし私のこと嫌になったらいなくなっちゃうと思うけど、嫌いなら我慢して側にいて欲しくないの」
「ええ、私は私の意思でここにいますからね」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第97話です。