No.976261

新ビーストテイマー・ナタ79

リュートさん

書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第79話です。

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2018-12-10 08:26:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:110   閲覧ユーザー数:110

翼を失ったアークは徒歩でユリアーノの塔まで帰って来ましたが、想像以上に時間がかかってしまいましたので、昼から出かけたと言うのに帰った時はもう日が暮れていました。

 

「アーク、翼がなくなってる…」

 

「お待たせしました。申し訳ありません」

 

「歩いてここまで帰って来るの大変だったでしょ?私が一緒に行けば良かった」

 

「大丈夫です。人間になった時の為に地上を歩く練習もしていました」

 

「しばらくは不便に感じるかもしれないね…」

 

アークはナタを強く抱き締めます。そのままナタをベッドに押し倒して貪るように唇を奪います。

 

「もう抑えられない…」

 

「ちょ、ちょっと待って!まだ心の準備が…」

 

「いいえ、待てません」

 

「なんだかいつものアークと違う…」

 

「私は元々こう言う性格でしたよ?」

 

「そうなんだ?意外…」

 

「後悔していますか?私が人間になった事を」

 

「ううん、後悔はしてないけど、ちょっとビックリしただけ…」

 

その頃、ゲイザーの寝室の窓のカーテンが光り輝きました。フラウはこの日休暇を取っていたので、一日中イチャイチャしていたようです。

 

「おかしい、日が沈んだのに妙に明るいな…」

 

「カーテンに人影のようなものが見えます。なんだか怖いわ…」

 

「この塔は普通の人間には見えないはずだし、かなりの高さがあるからな。魔物だろうか?」

 

ゲイザーは素早く服を着ると剣を構えてカーテンに近付きました。フラウも服を着ます。フラウの着替えが終わったところで、カーテンを押して窓を一気に開けました。

 

「ミ、ミカエル様!どうしてここに…?」

 

「勇者ゲイザー。緊急事態なので、慌てて来てしまいました。お邪魔でしたらすみません…」

 

「いえ、大丈夫です。妻と一緒に寛いでいたところでしたから」

 

「ミカエル様、初めまして。妻のフラウです」

 

ミカエルがふらついたのでゲイザーは抱きとめました。

 

「どうかされましたか?ミカエル様」

 

「お綺麗な方ですね。私なんかよりずっと…」

 

「フラウ、ミカエル様は…。いや、なんでもない」

 

ミカエルはゲイザーにすがりつくように震えながら声を絞り出します。

 

「私にはもう…あの子を倒す事は出来ない。あの子には過去の記憶があります。同じ手は通用しないでしょう」

 

「まさか…アーク殿が鍵を使ったと言うのか?いつかこの日が来るのを覚悟してはいたが…こんなに早く来るとは…」

 

「ルシファーが…完全に復活してしまったようです。私にはもう止められません。勇者ゲイザー、この世界を救ってください」

 

…つづく


 
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