ナタは久しぶりに笑顔に戻りました。
「やっぱりニアと遊ぶのは楽しい!」
「十年後にまた遊びに来るわ。ナタの寿命が十年後に尽きてしまうそうだから」
「十年も待てないよー」
「私は妖精の国から出られないけど、ナタが遊びに来てくれたら嬉しいわ」
「うん、遊びに行くー」
「それじゃ長寿の薬を飲んで?」
「あれ、めちゃくちゃ不味いんだけど…」
「勇者ゲイザーやユリアーノ、あなたの元カレのアークさんも長寿の薬を作る為に頑張ってくれたの。その努力を無駄にする気?」
「アークはどうして私と別れたいって言ったのかな?まだ愛してるって言ってた癖に…」
「私から見てもアークさんはナタの事、大好きみたいよ?」
「嫌いじゃないなら別れる理由がわかんない」
「異種族間恋愛は悩みが多いものよ?妖精も人間に恋をして知恵の実で人間になったのに、裏切られて死んだ者もいたわ」
「私はアークを裏切ったりなんかしないよ?」
「そうね、ナタなら妖精もずっと大事にしてくれそうだわ」
「おじさんも私よりフラウおばさまを選んだ癖に、私の事も愛してるって嘘つくの」
「それは嘘ではないと思うわ。愛には色々な形があるのよ」
「二人とも私が子供だから愛してなんかいないんだよ。お師匠様だってミネルヴァおばさまの方が大事なんだから…」
「ナタは大勢の人から愛されてるの。その事に気付いていないだけよ」
「毎日毎日、学校の私のロッカーに嫌がらせの手紙が入ってるの。お前なんか誰からも愛されてないって」
「そんな手紙を書く人の方が誰からも愛されてないのよ?ナタがたくさんの人から愛されてるから羨ましくて書いてるの」
「そうなのかな…。私、悪口言われ過ぎて自信なくなって来ちゃった」
「悪口ってね。言ってる人がそうだったりするの。例えばお前はバカだって言う人は、バカな人が多いのよ?」
「バカってよその国の言葉では天才って意味なんだよ?だから私、バカって言われたらありがとうって言う事にしてるの。だって私はバカだから!」
「そうね、その国の言葉の意味ならナタはバカな子よ」
ナタとティターニアはそう言って笑い合いました。
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第68話です。