太陽が昇り始めてカーテンの向こう側がだんだん明るくなってきます。
「いけない!もうタイムリミットが…。太陽が昇ったらナターシャ様は…」
「先程アーク殿が少しだけ飲ませたので寿命は延びていると思うが…」
「せっかくティターニア様がご自分の命を削ってまで作った薬だと言うのに…」
「ナタ、ちょっとお話しましょう?昔みたいにね」
ティターニアはバスローブのようにハンドタオルを巻いて着ています。
「わーい!ニアと遊ぶー!」
「皆さんは出て行ってください。私とナタ、二人っきりで話したいのです」
「わかりました。よろしくお願いします。ティターニア様」
ゲイザーたちが出て行くとティターニアはナタの肩に腰掛けました。ナタはパジャマのままでお菓子を食べ始めます。
「ねぇ、ナタ。あなたは今、恋はしてるの?」
「今は別にいないかなー。アークにはフラれちゃったし…」
「そう…それで嫌になっちゃったんだ?」
「そう!だからやけ食いしてるのー」
「ファーストキスは誰としたの?教えて」
「えへへ、実はアークじゃないんだよね」
「誰にも言わないから、私にだけお願い」
ナタはティターニアの耳元で囁きました。
「実はね、ファーストキスはおじさんなの。私がまだ六歳の頃、おじさんが寝てる時にこっそり…。だからおじさんは気付いてないよ」
「そっかぁ、ナタは勇者ゲイザーの事が好きだったのね?」
「絶対に内緒だよ?誰にも言っちゃダメだからね!特にアークには絶対に言えない」
「ふふ、約束は守るわ」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第67話です。