少し時間を進めてゲイザーは紅茶を飲みながらアークと話しています。
「ゲイザー様、ミカエル様の事はあまり信用しない方がよろしいかと思います」
「なぜですか?ミカエル様は本当に良いお方だと思いますよ?」
「あのお方は一番信用ならないです。いざとなれば我々ではなく神の側に付くでしょう」
「家臣が主君に忠誠を尽くすのは当然の事でしょう?」
「私はミカエル様を味方につけようと前世で何度も説得しましたが、あのお方は首を縦に振る事はありませんでした」
「ミカエル様は本当に心の底からルシフェル様の事を想っておられたと思うのです」
「いいえ!あのお方は私がリリスを選んだ事を妬んでいたのです。記憶を取り戻す前は親の様に慕っていましたが…」
「確かにミカエル様は…ルシフェル様の事を…愛しておられたのでは?と私も思いましたが、ミカエル様は人間のような恋愛感情は持たないようです。そもそも天使には性欲がないのでしょう?」
「全て思い出したのですよ。私がルシフェル…いえ、ルシファーだった頃の事を…」
「ところで…少し気になっていたのですが、ルシフェルからルシファーに改名したのはなぜですか?」
「天使族の名を捨てたかったからです。私は魔界の王として生まれ変わりたかった」
「そう言えばセラフィムの名はほとんど最後にエルが付いていますね」
「私はミカエル様が男性だと思い込んでいました。私の心眼にはミカエル様が男性に見えていたからです」
「人間の私にはミカエル様が女性にしか見えませんでしたが…」
「ミカエル様との戦いに敗れた後、私が転生する際にミカエル様は意識の遠のいてゆく私の鍵を無断で使ったのです」
「えっ…ミカエル様はお一人で子を成せると仰ってましたが…」
「私の魂が行方不明になると探すのが手間だったからでしょう。無理やり封印する為にミカエル様の腹の中に私を閉じ込めたのですよ」
「それも神の指示だったのでしょうか…」
「私がリリス以外の女性と交わるなどと…不愉快極まりない!」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第39話です。