ナタはアークにしがみ付きました。アークもナタを強く抱き締めます。
「大丈夫だよ。アークからは邪悪な波動は出てないから、ルシファーに覚醒しても悪いことなんかしないと思うよ?」
「もう一つの世界でルシファーに覚醒した私は大勢の人間を殺します」
「もう一つの世界ってどう言う事?」
「勇者が死ぬとウルド様のお力で時間を巻き戻されます。巻き戻されてやり直したのが今の世界です」
「えっ、それって…。パラレルワールド?別の世界ではおじさん死んじゃったの?」
「はい、勇者は死なないのではなく、死んでも時間を戻してやり直してるだけなんです」
「それってズルくない?魔王は一度倒されたら終わりって事でしょ?」
「はい、天界はズルばかりしています。神に逆らっても絶対に勝てません。おそらくルシファーが倒されるまで、ミカエル様は何度も死んでウルド様が時間を巻き戻したのでしょう」
「さっきの話も聞いてたけど、ルシファーは全然、悪くないし、なんで負けたのかわかんなかったの」
「ユダ様が神の子であるイエス様を裏切った時も、私はユダ様を弁護したのですよ。ユダ様の味方をしてるのは私だけでしたので、聞き入れられませんでしたが…」
「ユダって人はどんな悪いことしたの?」
「ユダ様はイエス様が風呂に高価な薔薇の香油を使って無駄遣いをしていたので、不満を抱いてしまったようですね」
「おじさんも無駄使いしちゃダメ!っていつも言ってたから、それはイエスって人が悪い!」
「しかもイエス様がユダ様が裏切ると予言なさった時はまだ裏切るつもりはなくて、信仰心の強いユダ様はイエス様が嘘つき呼ばわりされたら困るので、仕方なく裏切ったようです」
「えーっ!そのユダって人、全然、悪くないじゃん?」
「神は言ってる事がむちゃくちゃなんです…」
「私、神って嫌い…。ルシファーの方が正しいと思う」
「はい、だから私に味方する者も多くいましたが、神がズルをして全員倒されました。ミカエル様は親友だと思っていたのに、私を倒しに来てショックでしたよ…」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第37話です。