No.968982

スマブラ Abandon World 33「シークVSゼルダ」

Nobuさん

洗脳ゼルダ戦。
ゼルダをこういう風にしたのは、スマブラDXのとあるイベント戦の影響です。

2018-10-01 15:23:48 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:907   閲覧ユーザー数:907

「みずしゅりけん!」

 ゲッコウガが粘膜から手裏剣を作り出し、グールの群れに乱射して攻撃する。

「ゼルダ……目を覚ましてくれ!」

 シークが細い針を何本もゼルダに投げる。

 ゼルダはそれをネールの愛で全て弾いたが、シークが投げた仕込針は囮だった。

「ぐぅっ!」

 シークの飛び蹴りがゼルダに命中し、ゼルダはよろめいた。

「PKサンダー!」

 リュカがPKサンダーを自分にぶつけ、グールに体当たりをする。

 その威力は強烈で、グールを大きく吹っ飛ばした。

 ゼルダはグールに的確な指示を出し、シーク達を襲わせた。

「死ね!」

「やめるんだ、ゼルダ!」

 さらに、ゼルダはシークに精神的なダメージを与えるためにシークに近づき、手に魔力を溜めた。

 シークはそれを何とかかわし、ゼルダに組み付く。

「ゼルダ! 僕の話を聞いてくれないか。こんな戦いをして、いいと思っているのか?」

「……貴様っ……」

「僕の声が聞こえないのか、ゼルダ!?」

「離せっ!」

 ゼルダはネールの愛でシークの組み付きを解き、体勢を整え直した後、ディンの炎を唱える。

 攻撃を受けたシークはよろめき、グールの接近を許してしまう。

「危ない! シールド!」

 グールがシークに噛みついてくるが、ネスがシールドを張ったためダメージは受けなかった。

「このグールを先に片付けなければ、ゼルダをまともに相手にできない」

「でも、凄くタフだよ?」

「うふふ、私に任せて。ヒステリックボム!」

 ピーチは魔力で大量の小型爆弾を作り出し、グールの群れ目掛けて投げ、爆発させた。

 その場にはシークやゲッコウガもいたため、ネスとリュカは危ないと目を瞑ったが、

 味方が巻き込まれる事はなかった。

「これは敵だけを攻撃する魔法の爆弾。あなたも食らいたくなかったら私を怒らせないでね?」

 確かに、爆発の後には全てのグールが瀕死状態になっていた。

 ヒステリックボムの威力を一同は思い知った。

「後は起き上がらないうちに倒してちょうだい!」

「PKフラッシュ!」

「PKファイアー!」

「ハイドロポンプ!」

「跳魚!」

 そして、瀕死のグールに一斉に必殺技が炸裂し、グールはその威力に耐え切れずに全滅した。

 

「ゼルダ、君は僕が救ってみせる!」

 ようやくグールを全員倒し、シークはゼルダに再び組み付くため突っ込んでいく。

 ゼルダを傷つけずに捕らえれば、彼女を助ける事ができる。

 シークはゼルダに組みついて動けなくさせ、取っ組み合いになった。

「何をする!」

「ゼルダ、正気に戻ってくれ!」

 シークがゼルダを説得しようとすると、シークの頭の中に女性の声が聞こえてきた。

 ゼルダを洗脳した張本人、ハオスの声だ。

「無駄な事はやめなよ。彼女はボクのものになったんだよ?」

「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 シークは珍しく感情的な声を上げた。

 もちろん、ゼルダに怒っているのではなく、ハオスに怒っている。

「シーク、頑張って!」

「この人になんか負けちゃダメだよ!」

 ネスとリュカも、シークを応援して士気を高める。

「ゼルダ! スマブラメンバーである事を、あなたは忘れちゃったの?」

「スマブラメンバーは、一人でも欠けたらスマブラメンバーとは言えないんだ。

 そんな奴になんか、負けるんじゃない……ゼルダ!」

「ち、違う……。私は……ハオス様の……しもべだぁぁぁぁぁぁ!!」

 ピーチも、シークと共にゼルダを説得し、彼女をハオスの呪縛から解放しようとした。

 しかし、最後に勝利したのはゼルダだった。

 

「……今回はひとまず退散しよう。だが、次に出会った時は、必ず貴様らを仕留める……覚えておけ」

 そう言うと、ゼルダはフロルの風で姿を消した。

「……ゼルダ……」

「……」

 シークは、ゼルダがいた方をぽつんと見ていた。

 ピーチ達はシークの気を悪くしないよう、何も言わなかった。

「やはり君は、彼女を選んだのか……。君は、とても自己犠牲心が強かった。

 僕は、そんな君とまた一緒にいたかった。でも、そうはならなかった……」

 はぁ、と溜息をついた後、シークはがっくりとうなだれた。

 そんなシークの肩に手を置いたのはピーチだった。

「シーク、今回の探索は悪い事ばかりじゃなかったわよ。

 ラストホープに持ち運ぶ物資が見つかっただけでも、良い結果が得られたじゃない」

「そう……だな」

 元々、シーク達がアンノウンリージョンに向かった目的は、物資の調達だ。

 だが今もシークは「ゼルダを助けたい」という目的に囚われている。

 そして今回、ゼルダを見つけたはいいが逃がしてしまったため、シークは再び落ち込んでしまった。

 それを何とかするためにピーチはシークを励ましたのだ。

「きっと、ゼルダは今でもハオスの呪縛と戦ってるんだと思うわ。

 今日はダメでも次があるのよ! だからシーク、これ以上落ち込まないで、ね?」

「ピーチ……」

「何よ、まだしょ気てるわけ? だったら、このフライパンで……」

「わっ、待て待て! 頼むからそのフライパンはしまってくれ!」

 いつもの調子を取り戻したシークに、一同もまた元気づけられた。

 

「じゃ、この物資はラストホープに運びましょう? アスティマが待ってるわよ」

「ああ!」

 

 こうして、シーク一行は何とか物資をラストホープに運び出す事に成功した。

 ……ゼルダ救出は、失敗に終わったが。

 

「お帰りなさい、ませ……シーク、さま」

 アスティマはまだ調子が悪いようで、杖で支えながら何とか立っている状態だ。

「……アスティマ、どうしたの?」

「向こうにあった闇の力が引いてきましたので、私の調子も戻ってきています、

 が、まだ本調子とは言えません」

 アスティマは杖で身体を支えながら歩いていった。

「うーん、アスティマって闇の力に弱いのかしら? とりあえず、マリオに報告はしなくちゃね」

 そう言って、ピーチは今回の出来事をスマブラ四天王に報告しに行った。

 

「結構、物資は集まったんだな」

「わぁ~、食べ物がいっぱいあるね。ラストホープから出なければ安全だよね!」

「……カービィ、俺達の目的はそれじゃなくて、この世界からの脱出だぞ」

「あっ、そうだった!」

 カービィのボケにマリオが突っ込んだ。

 しかし、未だに脱出する手段が見つからず、ただ時間だけが過ぎていくばかりだった。

 もちろん、時間を無駄にしないように、その間に仲間や物資を見つけたが……。

「でも、どうすれば脱出できるんだろう……」

「こんな時に、あいつらがいたらな……」

「いや、あいつらでもここから脱出できないと思う。

 何というか……元いた世界から切り離されたような感じがするからな」

 元の世界から切り離された、とは一体どういう事なのだろうか。

 確かに、この世界とは異なる魔物が現れ、空は灰色に染まり大地も赤茶けているが……。

「一度、アスティマに話を聞いてみるか」

「そうだね」

 

 この世界は何故、滅びたのか。

 何故、この世界は他の世界と切り離されたのか。

 その答えを知るため、スマブラ四天王は自分達をこの世界に呼んだ

 張本人・アスティマの元へ行くのだった。


 
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