No.95598 真剣で私に恋しなさい!! ―――if story――― 6話「 冬馬少年の決意 」おっかさんさん 2009-09-15 22:07:23 投稿 / 全5ページ 総閲覧数:4066 閲覧ユーザー数:3726 |
6話「 冬馬少年の決意 」
―――― 冬馬 side ――――
私は川神院から出た後、商店街の本屋に向かった。
「そろそろ高校の勉強に入りますか」
と言ってみたが、一緒に勉強をしてくれる準のことも考えると
(やはり、中学の方にしましょう)
中学三年までの総復習の問題集を三冊買った。
多馬川のところを歩いている。
空を見てみると星がたくさんあり、つい見入ってしまう。
「今日はよく天気が晴れていたので、星が多く見れますね」
そう言いながら、考えていたことは今日の出来事であった。
――――不良相手に何もできない自分
――――女の子(百代先輩)が一人でケンカしているのにただ見ているだけの自分
などなどが挙がる。
「私も少し武を鍛えた方が良いのでしょうか?」
そう考えてしまう。
(そういえば、確か準は………)
『若は体を動かさなくてもいい。知力ではどうしてもそっちに勝てないからな、そちらは若に任せる、……だから武力は俺に任しとけって』
と少し前に言ったことを思い出した。
(だけど……今日のことも考えると、)
私も強くなりたいと思ってしまう自分がいた。
今までは父さんに褒めてもらうことがうれしかったが、そんな私が変わってしまう感じがした。
「準に習いましょうか……」
せめて、自分の身は守れるくらいに………
「おーーーーーーーーーーい、わーーかー!」
「ん?」
声が後ろから聞こえてきた。
振り返ると物凄い速さでこちらに向かってくる、自分の親友準の姿があった。
――――――――キキキキキキキッ!!
「ふぅ、はぁはぁ、やっと追いついた。若、今日は大丈夫だったか?」
「ええ、今日は色々とありましたが、この通り大丈夫です」
その言葉を聞いて準はホッとした表情をした。
「すみません、準に心配をかけてしまいましたね。見た様子、私を探すために今日は走り回ったでしょう」
よく見ていると準はとても汗をかいていた。
「ああ、まったくだ。今日は疲れた、早く家に帰ってシャワーを浴びたい」
「ほんと『謝らなくてもいいぜ若』え?」
準は私の話を遮って言った。
「今日は若を守ることができなかったが……、次からはそうならないよう俺自身も気をつける」
その言葉はうれしかったが、今の私自身の気持ちは……
「しかしよう、川神院の娘さん。ありゃ、自分達より年上だっけ?百代先輩はすげぇや」
「え?」
どうして、百代先輩の話が今出てくるのかわからなかった。
「つい、この髪のことを侮辱されたんで手が出てしまったが………、軽くいなされてしまった。ほんと無敵だぜ、あれは」
(まあ、確かにその髪型を初めてみると………)
と準に失礼なことを考えてしまっている自分がいた。
「川神院に行ったのですか?準」
「ああ、商店街で若のことを聞いてな」
ああ、商店街で……………………ね。
今日の商店街でのその出来事を思い出すと不快な気持ちになった。
「ま、それで川神院に向かった訳だが………?若?どうした?」
「いえ、何でもないです。気にしないでください」
ふーん、そーかと準は聞き流した。
人の中(まあ、百代先輩や準ですね)には明るい『心』を持つ人もいたが、今日の商店街の不良やそこを通る通行人の暗い『心』を持つ人もいる…………
私は百代先輩や準みたいに明るい『心』を持つ人間になりたい………
そのためには、まず………
「ねぇ、準………」
「ん?何だ。若」
私より少し前に歩いている準が首だけ私の方に向けた。
「私に武術を教えていただけないでしょうか?」
「はぁ!?」
私の言葉を聞くと準は首だけではなく、体を私の方に向けた。表情はとても驚いている。
「理由を聞くが、若どうしてだ?俺は一応自分の親父と若の親父からは若を守るよう言われている。まぁ今日は俺のミスがあったがな」
「特にはないですが……せめて言うには今日の私が情けなく感じたからですね」
「いや、それは若のせいでは『違うんです』?」
「改めて私は、周りの人に守られながら育てられてきたんだなと実感したのですよ」
「…………」
「そのような私は、正直ゴメンですしね……自分を変えようかと」
準は真剣な表情をして私を見ている。
「しかし、若。武術はいいが、勉強の方はどうなる?父の後を継ぐんだろ?」
「ええ、当然です。だから私は文武両道を目指します!」
「はぁ、これ以上はもう言っても無駄だな。わかったよ、俺でよければ教えてやる」
聞いて私はホッとした。
「ありがとうございます、準」
「武術はそんなに簡単なことでもないぞ……正直に言うが、若。若には武術の才能はないと俺は思っている。知の方では天才だがな……」
「ええ」
私の視線と準の視線がぶつかる。
「覚悟はあるみたいだな。それじゃ、まず最初にやることは基礎体力を鍛えることからだな」
「はい」
こうして、私は準の教えのもと武術を習うことになった。
あとがき
「よっしゃーーー!!今回は俺達の出番だぜ!!」
「そんなに張り切らないでよ……ガクト……」
モロ(師岡 卓也)とガクト(島津 岳人)が二人で話していた。
「次回なんだけど……ガクト……何かしたの?女の子が泣いているじゃん……」
「う………!俺様が過去忘れたい出来事の一つを……」
何かを思い出したガクトは俯いた……
「昔はヤンチャだったんだ……俺様は…」
「何言ってるの、今もなんだろ…」
「なんだと!こいつ」
「うわ!首、首が痛い!ちょっと止めてよガクト!」
「うるさい!」
「そんなこんなで俺参上!」
そんな時、キャップ(風間 翔一)がここに現われた!
「次回は7話『一人でいる寂しさ、そして出会い 前編』だ!お楽しみな!」
そう言って、キャップは去っていった……
「「あーーーーーーーーーーーー!!」」
そして、置き去りにされる二人……
「くそ!せっかく出番があったというのに……!」
「キャップに取られちゃったね、まぁキャップの言うとおり楽しんでよ……じゃあ、次回……」
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