侍女たちの控え室では、メサイアの話題で持ちきりでした。
「ああ、アーク様が手柄を上げて、私が褒美に与えられないかしら?」
「それってアーク様の褒美じゃなくて、あんたにとってのご褒美じゃないの?」
「あんなイケメンに抱かれたいわー」
「騎士団にはイケメンあんまりいないしねー」
「騎士団長のテオドール様はまだマシな方じゃない?」
「あの人、彼女いるらしくて、相手にしてくれないわよ?」
「ギルバート様もイケメンだったのに、国王様はイケメンはすぐに首をはねちゃうから、ロクなのが残ってないのよ」
「ギルバート様は結構、誰でも抱いてたみたいだけど、やってる最中に殴ったりするそうよ?」
「あの人は拷問が趣味みたいな人だからねー」
「顔が良くても、女に手を上げるような男はごめんだわー」
「ねぇ、ダークはゲイだと思わない?あれは絶対、アークに惚れてる目だわー」
「ああ、私もそう思った!」
「アーク様はお美しいから、女性に見間違えそうなくらいお綺麗だし」
アークは国王の寝室に呼び出されました。
「アークとやら、服を脱いで見せよ」
「えっ、ここで脱ぐんですか?」
「良いから早く脱ぐんじゃ」
「女性が大勢見ておられますので…」
「皆、裸の付き合いだから気にするでないぞ」
「ああ、人間は裸の付き合いで絆を深めるものだと聞いたことがあります」
アークは納得して衣服を脱ぎました。
「なんだ…。お前は男だったのか!余は男には興味はない。下がって良いぞ?」
侍女の控え室ではまたアークの噂が立ちます。
「華奢な身体かと思ってたら、アーク様は脱いでもすごいの!鍛え抜かれた肉体美が素敵だったわー」
…つづく
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昔、書いていたオリジナル小説の第121話です。