No.955686

真・恋姫†無双~真田の獅子~06

どうでもいい話し、僕が戦国BASARAを始めたのは、BASARA2からです。

2018-06-09 08:48:40 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:3527   閲覧ユーザー数:3246

前書き

 

 

 

 

 

 

わたくしが書く作品は、駄文、文才皆無、酷過ぎる話し、キャラが活かしきれていない、気に入らない、原作を穢すな、などと言う含まれる可能性があります。これに対して不快なお気持ちなる場合、ブラウザーバックを推奨します。どうかご了承ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第六章 鈴の音との決闘、慈悲無き獅子

 

 

 

 

 

 

信之「......」

 

 

 

その夜、信之は1人梯子槍の手入れを行っていた。明日には甘寧との一騎打ちが始まる。そんな彼の傍には孫乾が控えて、じっと彼の後ろ姿を見つめていた。

 

 

 

孫乾「.....」

 

 

信之「....如何した、公佑」

 

 

孫乾「信之様」

 

 

信之「何だ」

 

 

孫乾「どうして、あのような事を為されたのですか?」

 

 

信之「あのような?」

 

 

孫乾「孫権様とのことです」

 

 

信之「お主は、まだ真名で呼ぶことを許されては居らなんだか」

 

 

孫乾「はい....わたくしが信之様の従者だというのが気に入らないのでしょう....」

 

 

信之「くだらぬ」

 

 

孫乾「え?」

 

 

信之「あれで....次代を担う者だというのがだ。あれでもし仲謀殿が、文台から家督を継げば間違いなく、孫呉は我が真田が嘗て仕えた主家である武田と同じ運命を辿るは必定」

 

 

孫乾「武田?それは、信之様が居た天の世界の方々なのですか?」

 

 

信之「ああ。武田家....我が真田が仕え、御支えした主家であった。しかし、その家の当主であった信玄公が病に倒れてしまい、家督はその遺児である勝頼様が引き継がれたが、勝頼様には御父君のように、戦国乱世を生き残れる程のお力はなかった。それを示すかのように、武田は敵の策略によって次々と離反や裏切りが横行し続け、疑心暗鬼に駆られてしまい、最期は敵であった織田信長の手によって....滅びた」

 

 

それを語る姿の信之は儚げで悲しいものであった。

 

 

孫乾「信之様....」

 

 

信之「....いや、滅ぼしたのは....俺だ」

 

 

孫乾「え?」

 

 

信之「....当時、天目山の戦いにて勝頼様は織田に捕えられた。それを御救いせんと、俺、父昌幸、弟の幸村の三人で織田に挑み、勝頼様救出に向かった....だが」

 

 

孫乾「....」

 

 

信之「囚われた勝頼様の下に最初に辿り着いたのは、父昌幸...親父殿だった。親父殿は1人で織田信長に挑んだ。だが最後には敗れてしまった。その時に漸く俺も辿り着き、今にも命を奪われそうになっておられた親父殿を助けようとしたが、親父殿は己の命より勝頼様を頼むと言った」

 

 

孫乾「主想いの御方だったのですね」

 

 

信之「ああ。俺は親父殿の言葉通りに勝頼様を御救いしようとしたが、信長に阻まれて失敗してしまった。そして信長は俺に....命を選べと言ってきた」

 

 

孫乾「命を選べって、まさか...!」

 

 

 

 

 

孫乾はまさかと思った。

 

 

 

 

 

信之「そうだ.......信長は、俺に救いたい命どちらか選べと言ってきたのだ」

 

 

孫乾は言葉を無くしてしまった。目の前で親の命と主の命、どちかを救うと同時に、もう片方が命を失うという状況に自分が立たされれば、間違いなく迷い苦しむのは必至である。

 

 

孫乾「....信之様は....選んだのですか?」

 

 

信之「......ああ」

 

 

孫乾「......どちらの?」

 

 

信之「......俺は......親父殿の命を選んだ」

 

 

それを言った信之は、自分たちを照らす月を見上げながら話した。

 

 

孫乾「そ...それでは...」

 

 

信之「親父殿を助け、代わりに勝頼様を見殺しにしたのだ....俺は」

 

 

孫乾「信之様....」

 

 

信之「これでも...お主は俺に仕えたいか?公佑」

 

 

信之は孫乾に振り向いて問いかけた。これに彼女は....。

 

 

孫乾「わたくしは、あの時貴方様と出会った時に決めております。どこまでもお供し、離れぬと...」

 

 

信之の問い掛けに、孫乾が出した答えは正に侍女の鑑なのであろうものだった。彼女がそれを語る際の顔は微笑んで一切の迷いがなかった。

 

 

信之「....俺は何れ日ノ本に帰る身だぞ?」

 

 

孫乾「それならばわたくしも共に参ります。貴方様が天の世界に帰るならば、わたくしも傍におります。貴方様から決して離れません。ですので信之様...どうかこれからも.....御傍に....」

 

 

気付けば彼女の瞳から涙が流れていた。それを信之は手入れしていた梯子槍を地に置いて自分は立ち上がり、彼女の傍まで近寄り涙を指で拭った。

 

 

孫乾「.....のぶ...ゆき.....さま?」

 

 

信之「....為れば.....好きにしろ」

 

 

孫乾「宜しいのですか?....本当に?ずっと御傍に?」

 

 

信之「好きにしろと言った。それとももう俺の傍に居るのが嫌になったのか?」

 

 

孫乾「いえ...いいえ!決して!!わたくしはずっと御傍から離れません!!」

 

 

彼女は我慢できず彼の大きな体に抱き着いた。これを信之は拒まず唯受け入れて抱きしめてこう言ってやった。

 

 

信之「....これからも頼むぞ....((美花|みーふぁ))」

 

 

孫乾「っ!?....はい.....はいっ///!!信之様ぁ///!!」

 

 

真名で呼んで貰えた事に嬉しくなり、頬を赤く染めて返事しながら更に彼の体に頭を埋める美...「勝手に真名でお呼びしないでくださいます?」...アッハイ、ス...スイマセンシタァァァァァァァァ―――っ!!

 

 

....彼の体に頭を埋める孫乾であった。(ああ~、死ぬかと思ったぁ~)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日......。

 

 

 

孫堅「ほう...これは中々に賑わってるなぁ...」

 

黄蓋「そうじゃな」

 

程普「そうね」

 

 

彼女たちが見ている先には、信之と甘寧の仕合が行われる中庭がある。その仕合観戦をしたいと思える城中の文官、武官、侍女が集まっていた。そのほとんどが女性である、中には男も居るが決して多くは無い。その侍女たちの中には、嘗て信之が助けた女性たちの姿もあった。

 

 

 

孫策「彼女たち、今は美花と一緒に信之の世話係に努めているそうね?」

 

周瑜「ああ。彼女たちが自ら希望したそうだ。自分たちを救ってくれた彼に少しでも恩を返したいとな」

 

太史慈「それだけなの?」

 

周瑜「...いや、それだけでは無い」

 

孫策「と、言うと?」

 

周瑜「彼女たち皆彼に懸想をしている節がある。その証拠に、彼の部屋に昨夜赴こうしてた者まで出る始末だ」

 

 

彼女の説明に、太史慈と孫策は顔をしかめる。

 

 

孫策「まさか....夜這いを?」

 

周瑜「ああ....だが安心しろ2人とも。それは全て未然に防がれている、何故ならそれらは全て美花が阻止したそうだ」

 

太史慈「ホッとしたけど、なんか...気が気でないんだけど....」

 

周瑜「ああ...私もだ」

 

 

確かに、昨日の夜、梯子槍の手入れを終わらせた彼は部屋に戻った。その後、信之の下に何人かの侍女たちが夜這いを行おうと赴いたが、それら全て孫乾によって阻止されたそうな。余談ではあるが、その夜這いを妨げた時の孫乾は微笑んではいたが、眼は完全に虚ろになっていたようだ。

 

 

孫策「これは....何が何でも早めに彼を虜にした方がいいんじゃない?」

 

太史慈「そだねぇ~、あ!信之だ!お~い!信之ー!」

 

 

 

太史慈は嬉々とした表情で、彼に手を振った。

 

 

 

信之「.....」

 

 

 

しかし本人の反応は、その性格上やはりと言ったもので、無視。

 

 

 

太史慈「なんだよぉ!無視すんなぁー!」

 

孫策「はぁ~、ねぇ冥琳、何かいい方法は無い?このままだと信之に一生真名で呼んでくらないままで全てが終わっちゃうわぁ」

 

周瑜「ふむ....考えても何とも思い浮かばないのが現状だ」

 

孫策「もぉう!なによぉ!使えないわねぇ~!」

 

周瑜「....ならば、お前には何か妙案があるのか?」

 

孫策「それが無いから聞いてんじゃない!」

 

周瑜「....はぁ~」

 

 

そんな話しをしていると孫乾がやって来た。

 

 

孫乾「皆様、おはようございます」

 

太史慈「お!美花!おはよん♪」

 

孫策「おはよう美花。よく眠れた?」

 

孫乾「はい、今回の勝負に関して何の心配はしておりませんから」

 

周瑜「ほう?随分と自信があるなぁ?戦うのは信之なんだぞ?」

 

孫乾「だからです。信之様の勝利に何の疑いはありませんから」

 

太史慈「へぇ~、知ったかぶっちゃうんだぁ~?信之の侍女になってまだ日が浅い筈なのにぃ~?」

 

孫乾「それは...あの方を信じる気持ちの強さが、わたくしには持ち合わせていて...皆様にはそれがないというだけのことですわ(ドヤァ)」

 

孫策「(イラッ!)」

 

太史慈「....ハ?」

 

周瑜「あ゛あ゛?」

 

 

 

仕合場とは別の場所で、別の戦いが起きそうである....。そんな、いつ爆発するか分からないような所に、孫策の妹の孫権がやって来た。

 

 

孫権「姉様、おはようございます」

 

孫策「おはよう、蓮華」

 

周瑜「おはようございます、蓮華様」

 

太史慈「おはよう!」

 

孫権「ええ。ん?貴方も居たのね?公佑」

 

孫乾「はい、おはようございます、孫権様」

 

 

孫権の鋭くなった視線を、何事も無かったように受け流す辺り、流石は侍女である。

 

 

孫権「今回貴方には悪いけど、あの男にはここで敗れて貰うわ」

 

孫乾「そうですか。ですが、我が主は貴方様が考える程、甘い御方ではありませよ?」

 

孫権「そうかしら?うちの甘寧は孫呉の親衛隊隊長を務めるほどの実力。その彼女の相手に、あの男が太刀打ち出来るのかしらね...?」

 

孫乾「それはそちらが勝手に思っていればいいのでは?」

 

 

 

 

 

 

孫権「.....」

 

孫乾「.....」

 

 

 

 

 

 

こ...怖えェェェェェェェ.....おっと!そうこうしていると、対戦者である甘寧がやってきたようだ。

 

 

 

 

 

甘寧「待たせたな」

 

信之「差ほど待っておらん」

 

 

信之は腕を組んで眼を閉じたまま答えてやった。

 

 

 

甘寧「降参するならば今だぞ?真田信之」

 

信之「...生意気だけが取り柄の小娘」

 

甘寧「なんだと...?」

 

信之「審判、さっさと始めよ」

 

審判「は、はい!」

 

 

 

 

信之は、審判者に仕合の開始を促す。その間、甘寧は.......。

 

 

 

 

 

甘寧「コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスッ!!!」

 

 

 

 

 

審判「ひえ~!」

 

 

信之「さっさとしろ」

 

 

審判「は、はぃ~...それでは!....」

 

 

互いに得物を構える。

 

 

審判「仕合!!.....始めぇ!!」

 

 

 

 

開始直後、先手を取ったのは甘寧だった。 

 

 

 

甘寧「はああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

信之「....」

 

 

その俊敏からの斬撃で瞬殺を狙ってのものだろう.....しかし。

 

 

 

 

 

孫堅「ほう...フフッ」

 

黄蓋「流石じゃな」

 

程普「あれぐらい、簡単みたいね」

 

 

 

 

甘寧「ばかな....」

 

 

信之「....」

 

 

彼女の瞬殺を目的とした斬撃は、信之の梯子槍に阻まれ止められた。これに彼女は衝撃を受けたような顔を見せる。そうとうショックのようだ。

 

 

 

孫権「そんな...!」

 

孫策「ウソ....思春の動きを見破るなんて....私でも手こずったのに」

 

周瑜「どうやら思春は、あの一撃で仕留める自信があったようだが?」

 

太史慈「でもまぁ、上には上が居た....みたいな?」

 

 

 

 

甘寧「くっ!!」

 

彼女は一度、距離を離そうとした.....だが。

 

 

信之「フンッ!!」

 

 

甘寧「なに!?...ぐふぉあ!!」

 

 

 

 

信之はすかさず裏拳を甘寧の顔面右側に放つ。これを真面に喰らった甘寧はそのまま吹っ飛ばされて、最期には地面に倒れ込んで動かなくなった。

 

 

 

 

孫堅「おい、信之の奴、本気で女の顔面に裏拳打ちを決めやがったぞ?」

 

黄蓋「あ奴にとって、戦場に出れば相手が男や女など関係ないのじゃろう」

 

程普「でも今のもろに喰らわなかった?あれで思春、痕が残ったらどうなるのかしら...」

 

孫堅「そうなったら信之の責任ってことで、これを理由にアイツを孫呉のモノに....フフッ♡」

 

 

2人「「はぁ~」」

 

 

 

太史慈「ウッワァ~、痛そぉ~」

 

孫権「思春っ!!」

 

周瑜「ふむ、あれではもう」

 

孫策「そうね、でも....」

 

周瑜「ああ、まだ終わっていない」

 

 

 

 

 

 

甘寧「ぐっ....まだ...だ」

 

信之「....」

 

 

信之の拳を受けて、尚立ち上がろうとする甘寧。しかしながら、彼女の足は先ほどとは打って変って震えていた。しかし彼女には孫呉の武将としてのプライドがある、それをいきなりポット出の男に瞬殺されるなど持ってほか。故に彼女は立ち上がり....。

 

 

 

甘寧「ぐう!!.....まだだぁーーーーっ!!!」

 

 

彼女は我を忘れ、先ほどよりも凄まじいスピードで、連続しての斬撃を繰り出した。この攻撃に対して信之は梯子槍で冷静に防御する。

 

 

甘寧「どうしたぁ!!!守ってばかりではないかぁ!!!この腰抜けぇ!!ウオオオオオオオオオォォォォォ―――――――――っ!!」

 

 

信之「.....」

 

 

 

 

 

孫権「よし!いいわ!思春!!そのまま勝てるわ!!」

 

孫策「....いいえ」

 

太史慈「....うん」

 

周瑜「これは....」

 

孫乾「はい」

 

 

 

 

黄蓋「最早....」

 

程普「ええ」

 

 

 

 

孫堅「思春の....負けだ」

 

 

 

 

 

彼女たちが呟く中、信之はこう言った。

 

 

 

 

 

 

信之「......見るに堪えん」

 

 

甘寧「っ!?なんだと!!」

 

 

信之「話に....ならん」

 

 

甘寧「(ゾクッ!!)」

 

 

その時、甘寧の全身全神経が警鐘を鳴らした。「不味い今すぐ逃げろ」っと....。しかし時既に遅く、信之のターンが回って来てしまった。

 

 

 

信之「こちらは十分に受けてやった。次は貴様の番だぞ?....甘寧」

 

 

ドォンッ....っと、その場全体の空気が、何かに容赦なく潰されるような感覚に襲われた。観戦している者達全員例外なく、皆無意識に震えだしたのだ.....江東の虎、孫堅も例に漏れる事はない。

 

 

 

孫堅「....オレが....震えている....?」

 

黄蓋「け...堅殿....」

 

程普「な...にこれ...?」

 

 

張昭「なん...じゃ?何か...恐ろしい...」

 

陸遜「な...なんでしょう...」

 

周泰「い...一体何が....あ!お猫様たちまで震えてます....」

 

 

太史慈「な!何なの!?」

 

孫権「な...に...?」

 

孫乾「の...ぶゆき...さま?」

 

周瑜「これは....一体....「ダメ!」雪蓮?」

 

 

 

その中で、孫策は力一杯振り絞りながら訴えた。

 

 

 

孫策「今すぐ中止してっ!!!早くッ!!!」

 

周瑜「雪蓮....どういう...「このままだとっ!!」...え」

 

 

 

 

 

孫策「このままだとっ!!!思春が死ぬわっ!!!」

 

 

「「「「「「っ!!?」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

信之「昨日、文台が言っていたなぁ?“真剣にやって貰う...どちらが死んでも”っと」

 

甘寧「そ...それが...どうしたと言うのだッ!!」

 

 

甘寧は内心怯えながらも、刃を叩きこむ。だがそれら全て防がれる一方である。そして.....。

 

 

 

信之「ぬんっ!!!」

 

甘寧「ぐっ!!しまったっ!!」

 

 

信之の薙ぎ払いで距離を離されてしまった。すると信之が“ある行動”に出る。

 

 

信之「“これを”使うのは久しぶりだが、まぁ...貴様程度で試しに使うのは良いやもしれんなぁ」

 

甘寧「...な...何を...言って...っ!!(足の震えが...)...くっ!!」

 

 

甘寧の足に再び震えが襲い、真面に動かせない。しかし信之はお構いなしに、突如梯子槍を地面に突き刺した。

 

 

甘寧「貴様っ!!一体何を...!」

 

 

信之「ウオオオオオオオオオオオォォォォォォォ――――――っ!!!!!!!」

 

 

 

地面に突き刺したまま自身諸共360度に回転した。しかしこれには意味がある。なぜなら回転した際、抉られた地面の破片が次々に梯子槍の刃と一体に為っていく、最後には.....。

 

 

 

 

 

 

甘寧「......なん.....だ....なんだ?....それは........」

 

 

信之「.....」

 

 

 

信之の梯子槍....御嶽断が地面の破片と一体となった事に変化した姿....左右同じく凶悪に鋭く、最早槍と言う言葉では片づけられないモノとなった。

 

 

これこそ信之のバサラ武者としての固有奥義....「((煉獅士|れんじし))」である。無数の地面の破片と一体となり、その変化した槍を振う度に一体となった破片を周囲の敵を巻き込みながら攻撃する物である。

 

 

 

凶悪に変化した梯子槍を構え直し、信之はゆっくりと甘寧に迫ってく。

 

 

 

甘寧「くっ!!こんな事で怯みはしないっ!!」

 

 

甘寧は己の力を振り絞り、立ち向かう。

 

 

信之「よかろう....その勇気に答え、俺も全力で貴様を屠ろう」

 

 

甘寧「ハアアアアアアァァァァァァァァ―――っ!!」

 

 

信之「ヌオオッ!!」

 

 

ガギンッ!!っという大きな音と共に、互いの得物がぶつかる。だが......。

 

 

甘寧「っ!?」

 

 

甘寧の剣がひび割れを起こし始める。どうやら信之の轟撃に耐えられないのだろう、その時観客側に居る孫堅と孫策が大声で叫ぶ。

 

 

孫策「思春っ!!逃げなさいっ!!このままだと、貴方彼に殺されるわっ!!」

 

 

孫堅「もういいっ!!降参しろ!!思春っ!!」

 

 

甘寧「っ!?...そ!そのようなこと!在り得ませぬ!!私が...っ!!」

 

 

信之「もう...遅いっ!!」

 

 

甘寧「っ!?」

 

 

信之「オオオォォォ――――ッ!!」

 

 

 

相手の隙を見逃す程日ノ本の武士は甘くない。それを示すように、信之の剛の連撃が彼女を襲った。甘寧も何とか防御するが、最初の一撃で剣が砕けてしまい、そのまま為す術がなくいいように攻撃を喰らってゆく。

 

 

甘寧「ガハッ!!グハッ!!グアアアアっ!!」

 

 

信之「オオオオォォォォ―――っ!!、フンッ!!」

 

 

甘寧「グアッ!!」

 

 

連続の剛撃を食らわした後そのまま彼女を打ち上げ、自身も後を追う様に跳躍し、空中で彼女を地面に向けて叩きつける。

 

 

 

甘寧「ハァ.....ガハッ!!......ハァ....ハァ.....ハァ......」

 

 

 

これら全ての攻撃を喰らった甘寧は既に虫の息。地面に着地した信之は、ゆっくりと甘寧に迫る。

 

 

孫策「信之っ!!待ってっ!!」

 

 

孫堅「よせ!!」

 

 

しかし勘が鋭いのか、孫策と孫堅の母娘が彼女を庇うように信之の前に立ちはだかる。

 

 

 

信之「....何のつもりだ?」

 

 

孫堅「それはこっちのセリフだっ!!これ以上やればっ!!思春が死ぬっ!!」

 

 

信之「お前が言ったのだぞ?どちらが死んでも...っと」

 

 

孫堅「それは....」

 

 

信之「言った事には責任を持て......除け」

 

 

孫堅「....断る」

 

 

信之「死にたいのか?お主ら」

 

 

孫策「どうしても思春を殺るのなら....」

 

 

孫策と孫堅の二人は鞘から剣を抜く。が、相手は無傷で黄巾党を全て全滅せしめた男。そのような人物を相手に勝てるのか?内心そう思う2人。そんな彼女たちと信之は睨み合う中、孫権や黄蓋たちは甘寧の傍に駆け寄り安否を確かめる。

 

 

孫権「思春!!」

 

黄蓋「蓮華様、無理に動かしてはならんっ!誰か運ぶのを手伝ってくれ!!」

 

程普「それと穏と明命!!医者を呼んできて!!急いで!!」

 

2人「「はいっ!!」」

 

張昭「試合は終わりじゃ!!他の者たちは自分の持ち場に戻れぇ!!」

 

 

張昭の言葉に従い他の者たちは解散したが、未だ孫堅たちは信之と睨み合ったままであったが、突如信之は梯子槍を背中に背負いこみ、彼女たちに背を向けて歩き出したのだった。

 

 

孫堅「信之!!何処に行く!?」

 

信之「....これで理解したか?この俺を御する事など絶対に不可能なのだ....故に俺は出て行く。これ以上の厄介事はお断りだ」

 

孫堅たち「っ!!?」

 

 

彼の口から衝撃的な言葉が出てきた。これに孫策と太史慈が声を荒げる。

 

 

孫策「ちょっと待って!!信之!!どうしてそうなるの!?」

 

太史慈「そうだよぉ!!何も出て行かなくても!!」

 

周瑜「雪蓮たちの言う通りだ!!今一度考えなおしてくれ!!」

 

黄蓋「そうじゃ!!じゃから待ってくれ!!」

 

程普「待って!!信之!!」

 

張昭「信之...」

 

 

しかし信之は、彼女たちの声を無視して孫乾に視線を向けて口を開く。

 

 

信之「...お前はどうする?...美花」

 

 

孫堅たち「っ!?」

 

 

孫堅たちはもう一つの衝撃を受けた。自分たちの前で信之が孫乾の真名を呼んだのだ。

 

 

孫乾「わたくしは、貴方様の御傍に居ます...居させてください」

 

 

そう言って彼女は、彼の傍まで駆け寄る。

 

 

信之「....いいだろう。来い美花」

 

孫乾「はい!」

 

 

彼女を連れて再び歩き出した信之。

 

 

孫堅「待て!!信之!!お前!何で美花だけ真名で呼ぶ!?オレたちは!?」

 

孫策「待って!!信之!!」

 

 

 

しかし彼は足を止める事無く、歩きすすんで行く。

 

 

 

 

信之「.....ではな」

 

 

 

 

孫策「待ってっ!!信之ぃ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼は一切の情けなく、その場から出て行った....続く。っておい!なんだこれ?早くも主人公の離反とか早すぎだろうが!どうすんだこれ!!....えっと.....まぁ、うん!....続く。

 

 

こ、これも全部ディケイドの仕業だっ!!お、おのれぇ!!ディケイドォ―――!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誠にすいませんしたぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!あ!止めてください!!殴らないでぇ!!蹴らないでぇ!!くすぐらないでぇ!!悪かったから!!ゆるしてぇーーーー!!!

 

ある出来事で信之はちゃんと孫呉に戻るからぁ!!!許してぇ――――!!!何でもするからぁ――――っ!!

 

 

 

いや真面目にすいません。ですが誠にある出来事で、信之は孫堅たちの下に帰ってきます。これ本当です。

 

それまでどうか、寛大な慈悲深いお心でお待ちください。それではまた次回で.....。


 
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