No.954995

ビーストテイマー・ナタ101

リュートさん

昔、書いていたオリジナル小説の第101話です。

登録タグはありません

2018-06-04 07:55:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:91   閲覧ユーザー数:91

ゲイザーたちが宝石を強奪して逃げた後、騎士団員は教会のステンドグラスを破壊して中に侵入しました。

 

「騎士団長!教会の中を隈なく探しても、人っ子一人おりませんでした…」

 

「やはり先手を打って逃がしていたか…。ゲイザーめ、相変わらず食えぬ男だ」

 

「いつも我々より先回りしているので、悔しいであります」

 

「ギルバートならゲイザーの手を読めたかもしれないのに、国王陛下が一時の怒りに任せて安易に首をはねたりするから、誰も奴の手を読めない…」

 

「ギルバート様はそれほど優れた策謀家だったのですか?」

 

「ああ、おそらくはゲイザーの次に頭のキレる奴だった。故にギルバートはゲイザーをライバル視していたのだよ?」

 

「今回の件もギルバート様がおられれば、こんな事にはならなかったと?」

 

「そもそもフラウ・マルヴェールを一度捕らえたのはギルバートの策によるものだ」

 

「確かに…。誰も尻尾を掴めなかった獣人の手がかりを、いとも簡単に掴むのは容易ではありませぬ」

 

「国王陛下がもう少し賢い人ならばな…。フラウを盾にして、獣人どもを一網打尽にする事も出来たのだ」

 

「ギルバート様も天国で、さぞ悔しがっている事でしょう」

 

「おそらくギルバートを生かしておけば、汚名返上の為にゲイザーを是が非でも追い詰めてやろうと躍起になっていた事だろう。私が国王ならばチャンスを与えて奴にゲイザーを捕らえさせたと思う」

 

「私には騎士団長殿もなかなか頭のキレる方だと思いますが?」

 

「私は凡人だよ?ただし凡人の中では良く出来る方ではあるな」

 

「騎士団長殿が凡人ならば、私はただのゴミですね…」

 

「自分の事をゴミなどと言うではない。本当にどうしようもないゴミは…いや、これ以上は言わないでおく…」

 

「はっ!自分も今の言葉は聞かなかった事にして置きます」

 

「国王陛下に今の話が知られると私も首が飛ぶからな」

 

「騎士団長殿までいなくなっては、もうアラヴェスタは終わりです…」

 

…つづく


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択