No.912568

英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルート

soranoさん

第42話

2017-07-03 00:45:11 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2230   閲覧ユーザー数:1948

~パンダグリュエル・パーティーホール~

 

「わかったわ。――――初めまして。私の名はプリネ。メンフィル皇女プリネ・カリン・マーシルン。前メンフィル皇帝リウイ・マーシルンとペテレーネ・セラ神官長の娘にして、レンの姉です。以後お見知りおきを。」

「―――プリネ皇女殿下の親衛隊長兼専属侍女長を務めるツーヤ・A・ルクセンベール准将と申します。妹のセレーネ共々、よろしくお願いします。」

「ふええっ!?そ、その名前って確か……!」

「プ、”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”に”蒼黒の薔薇”じゃないか!?」

「あのプリネ皇女殿下まで”特務部隊”の一員だなんて……」

「貴女達があの………」

「………二人は有名なのか?」

プリネとツーヤの自己紹介を聞いたトワとマキアス、ジョルジュは驚き、ラウラは興味ありげな様子でプリネ達を見つめ、驚いているアリサ達の様子が気になったガイウスは不思議そうな表情で首を傾げてアリサ達に訊ねた。

「あ、当たり前だよ!プリネ皇女殿下はその異名通り容姿や性格、仕草を含めた”全て”がまさに”姫君”を示すようなお姫様として有名で、”蒼黒の薔薇”はプリネ皇女殿下の親衛隊長である事からリベールで有名なユリア・シュバルツ准佐と並ぶ女性騎士として有名で、ユリア准佐と合わせて”プリンセスナイツ”の異名で有名なんだよ!?」

「フッ、巷ではユリア准佐は”リベールの白き薔薇”、ツーヤ君は”メンフィルの黒き薔薇”とも呼ばれていて、二人ともとても凛々しい女性だから多くの女性達を虜にしているのさ♪」

「う”っ………オリヴァルト皇子、お願いしますから、その話を持ち出さないで下さいよ………」

「ア、アハハ……私達の噂は私達自身、正直誇張されたものだと思っていますから、できればあまり気にしないで頂けるとありがたいです。」

エリオットの説明に続くように静かな笑みを浮かべて答えたオリヴァルト皇子の答えを聞いたツーヤは唸り声を上げた後疲れた表情で指摘し、プリネは苦笑しながら答えた。

「そう言えばツーヤ准将はセレーネさんの姉君と仰いましたが………」

「まさかとは思うけどアンタも”竜”で、契約相手は”姫君の中の姫君(プリンセスオブプリンセス)”なのかしら?」

「ええ。あたしとセレーネは双子の姉妹ですよ。」

ある事に気づいたエマはツーヤとセレーネを見比べ、セリーヌの推測にツーヤは頷いて答えた。

 

「フッ、既に俺の事は知っているだろうが改めて名乗らせてもらう。――――プリネ皇女親衛隊副長、レオンハルト・ベルガー大佐だ。かつてはそこの”死線のクルーガー”と同じ結社”身喰らう蛇”に所属していたが、色々な理由があり、”身喰らう蛇”からは脱退した。よって、既に俺は”身喰らう蛇”とは何の関係もない。――――最もそれを信じるかどうかはお前達次第だがな。」

「ちなみに私達が呼んでいる”レーヴェ”様の名前は本名である『獅子(レオン)の果敢(ハルト)』を愛称にした名前ですわ。」

「シャロン……」

レーヴェの自己紹介に続くようにシャロンがレーヴェの代わりに説明をし、シャロンの様子にアリサは複雑そうな表情をし

「……いささか不本意だが、”死線”を含めて俺の事をそう呼ぶ者達は多いな。まあ、お前たちも好きなように呼ぶがいい。」

「フン……少なくてもあたしはあの悪名高き”剣帝”が結社から抜けたなんて信じられないわね。結社とメンフィル。本当は”どちらの意図”で動いているのでしょうね。」

「お、おい、サラ。」

厳しい表情でレーヴェを睨みつけているサラの様子にトヴァルは冷や汗をかいた。

「やれやれ………どうやらその様子では2年前の件を随分と恨んでいるようだが………俺自身はあの件には直接関わっていないのだがな?」

「ああん!?ギルドを襲撃した連中を育てた張本人がぬけぬけとよくそんな事が言えるわね!?」

「お気持ちはわかりますが、今は落ち着いてください、サラさん!」

レーヴェの答えを聞いて怒りの表情でレーヴェを睨んで今にも攻撃しそうな雰囲気を悟ったクレア大尉はサラを諫めようとしていた。

 

「くふっ、結社から抜けた事を全然信じられていないね♪まあ、今までの事を考えたら当然だろうね。――――わたしの名前はエヴリーヌ。リウイお兄ちゃんたちの国―――メンフィルの客将。終わり。」

その様子に口元に笑みを浮かべて答えたエヴリーヌは簡単な自己紹介を行い、エヴリーヌの自己紹介の仕方にその場にいる多くの者達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。

「もう少しまともな自己紹介はできないのですか、エヴリーヌお姉様……」

「まあ、エヴリーヌさんですし、仕方ないかと……」

疲れた表情で呟いたプリネにツーヤは苦笑しながら答え

「”殲滅天使”どころか”魔弓将”まで”特務部隊”の一員にするなんて、メンフィルはエレボニアとの戦争を和解した事で貴族連合軍を殲滅できなくなったから、和解条約を利用して貴族連合軍を殲滅しようとしているんじゃないの~?」

「同感。”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”を二人も投入するなんて、どう考えてもエレボニアに血の雨を降らせるためとしか思えない。」

「血の雨を降らせるって……」

「”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”……?」

「何なんだ、その物騒な姉妹の名前は……?」

ミリアムとフィーの話を聞いたジョルジュは不安そうな表情をし、ガイウスは不思議そうな表情で首を傾げ、マキアスは疲れた表情で自身の疑問を口にした。

 

「―――”殲滅の姉妹(ルイン・シスターズ)”。メンフィル軍の将の中でも最も好戦的かつ残虐な性格をしているメンフィルの”最凶の姉妹”ですわ。レン皇女殿下達が戦場に姿を現せば、レン皇女殿下達に討ち取られた者達の死体の血によって大地は真っ赤に染まるという噂ですわ。」

「うふふ、ちなみに姉妹(シスターズ)って言われている理由はレンがエヴリーヌお姉様とセオビットお姉様の事を”姉”呼ばわりしている事で他の人達が勝手にレン達が本当の姉妹だと思っているからだそうよ?」

シャロンがレン達の事を説明すると、レンがシャロンの説明を補足し

「死体の血で、大地が真っ赤に染まるって………」

「それと連中は人を殺す事を楽しんでいるって噂もあるぜ。」

シャロンの説明を聞いたアリサは不安そうな表情をし、トヴァルは厳しい表情である事をアリサ達に伝えた。

「うふふ、少なくてもレン達が人を殺す事を楽しんでいる事は本当の事よ?」

「ええっ!?」

「……失礼を承知で訊ねさせて頂きますが、何故レン皇女殿下達は人を殺す―――いえ、”命を奪う”という行為を楽しんでいるのですか?」

トヴァルの情報を肯定したレンの答えを聞いたトワは驚き、ラウラは真剣な表情でレンに問いかけた。

 

「くふっ♪それは”人を殺す事”がエヴリーヌ達にとっての”遊び”だからだよ♪」

「ひ、”人を殺す事が遊び”って……!」

不敵な笑みを浮かべたエヴリーヌの答えを聞いたアリサは信じられない表情をし

「クスクス……人を殺した時に感じる感触、殺された人達が浮かべる後悔や絶望の表情、そして殺された時にあげる悲鳴や断末魔を自分の手で生み出す事はレン達にとってはとっても面白い”遊び”なのよ♪―――特に今回の戦争はとっても楽しませてもらえたわ♪”狩る側”であった貴族連合軍が突然”狩られる側”になった事による絶望や後悔でとってもいい悲鳴をあげてくれたからね♪」

「レン!マーシルン家(わたしたち)やメンフィルが誤解されるような発言は慎みなさい!」

「ヒッ!?」

「ッ……!?」

「ハハ………メンフィルとの戦争による犠牲者達の中でも君達を相手にしてしまった貴族連合軍の兵士達が一番憐れな最後だったろうね……」

「なるほどね………可憐な容姿でありながら、その残虐さ……まさに異名通り”殲滅天使”ね。」

「こうして実際に本人達と会って話してわかったけど、まさに正反対の性格をしている姉妹だね。」

凶悪な笑みを浮かべたレンの話を聞いたサフィナは声を上げてレンに注意し、エリオットは悲鳴を上げ、エマは息を呑み、オリヴァルト皇子は疲れた表情で呟き、セリーヌは厳しい表情でレンを見つめ、フィーはジト目で呟いた。

「………レン皇女殿下達が歩もうとされている道は”人の心”を捨てる”修羅”の道である事をご存知なのですか?」

するとその時アルゼイド子爵は真剣な表情でレンに問いかけた。

 

「”修羅”だなんて、大げさねぇ。レン達の殲滅対象はメンフィルに仇名す愚か者達や民達を害する”賊”なのだから、レン達は”殺されて当然の人達”を殲滅しているだけよ?幾ら何でも敵国の一般市民達まで無差別に殺すような”人でなし”な事はしていないわよ。」

「第一エヴリーヌは”魔神”だから、人の心とか関係ないし。」

「そういう意味ではありませんよ、エヴリーヌさん………」

アルゼイド子爵の問いかけにレンは呆れた表情で答え、エヴリーヌの答えにツーヤは疲れた表情で指摘した。

「”魔神”………?それは異世界のオレ達人間とは違う種族―――”闇夜の眷属”の種族の一種なのだろうか?」

「ちょっとだけ違うわね。正確に言えば”闇夜の眷属”は秩序を重んじる魔族や”表”の社会を追われてきた人達が自ら社会を形成した集団の事を言うから、メンフィルの民達の中にはガイウスお兄さん達と同じ”人間”もいるわよ?」

「ちなみに”魔族”は私達”闇夜の眷属”にとって最も侮辱的な言葉に当たるので、私達に対してその呼称で呼ばないように注意してください。」

「”闇夜の眷属”とは異種族の事ではなかったのですか………」

「………なるほどね。つまりアンタ達メンフィルは秩序を重んじる裏―――いえ、”闇の一族”なのね。」

「そんな”訳あり”ばかりの連中の集まった国が”表”の世界で堂々としているのだから、ある意味裏でコソコソと動いている結社よりも性質が悪い国家ね……」

「お、おい、サラ。幾ら何でも、それはさすがに言い過ぎだぞ……」

ガイウスの疑問に答えたレンの説明を聞いたクレア大尉は驚き、セリーヌは静かな表情で呟き、厳しい表情でレン達を見つめて呟いたサラの言葉を聞いたトヴァルは焦った様子で指摘した。

 

「で、さっきのガイウスお兄さんの質問である”魔神”だけど……”魔神”とは数多くいる魔族の中でも”最強”の種族で、”魔神”の中には”神”に匹敵する力を持つ人達もいるとの事よ?」

「ええっ!?か、”神”!?」

「まぞ―――いえ、”闇夜の眷属”の中でも”最強”の種族……それがエヴリーヌ殿と言う訳ですか……」

レンの説明を聞いたエリオットは驚き、ラウラは真剣な表情でエヴリーヌを見つめ

「クスクス……それと”魔神”一柱で一国を滅ぼす事もできると言われているわ。その事から、地方によっては”魔神”の事を”魔王”の呼称で恐れられている事もあるそうよ。」

「”魔王”ですか……」

「た、たった一人で一国を滅ぼすって……!」

「ひ、非常識な………」

「そしてそんなとんでもない存在が今回の内戦に介入してしまえば、貴族連合軍は……」

「間違いなく悲惨な事になるだろうね~。」

”魔神”の更なる情報を知ったエマは不安そうな表情をし、信じられない表情をしているトワに続くようにマキアスは疲れた表情で答え、不安そうな表情をしているジョルジュに続くようにミリアムは静かな表情で呟いた。

 

「うふふ、そんなに心配する必要はないわよ♪レン達”特務部隊”の目的はあくまで、アルフィン皇女―――”アルノール皇家”に両派閥を従わせて内戦を終結させる事だから、当然貴族連合軍―――領邦軍も従わせて正規軍と一緒に帝都(ヘイムダル)の奪還をさせる事も考えているから、貴族連合軍を”皆殺し”にするような事は考えていないわよ♪」

「ええっ!?き、貴族連合軍――――領邦軍を!?」

「しかも正規軍と一緒に帝都(ヘイムダル)の奪還をさせるのですか………確かに正規軍と領邦軍が協力して、帝都(ヘイムダル)の奪還をすれば、両派閥は派閥争いを止めた”証拠”として民達に示しやすいですが……」

「それ以前にどうやって領邦軍を従わせるつもりなのよ?」

レンの説明を聞いたアリサは驚き、シャロンは考え込みながら呟き、サラは真剣な表情でレンに訊ねた。

「それは”特務部隊”の今後の予定だから”今は”言えないわね♪今の”Ⅶ組”―――いえ、”トールズ士官学院”のみんなは”特務部隊”の指揮下じゃないのだから、指揮下にも入っていない人達に教える訳がないでしょう?」

「それは………」

「肝心な事は教えないなんて、もしかしてそれもわたし達が”特務部隊”の指揮下に入るように誘導する為?」

レンの正論に反論できないラウラが複雑そうな表情をしているとフィーはジト目でレンに訊ねた。

「クスクス、ご想像にお任せするわ。―――さてと。後は貴女だけよ、アルティナ。」

フィーの問いかけに対して小悪魔な笑みを浮かべて答えを誤魔化したレンはアルティナに視線を向けた。

 

 

 


 
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