―シュン
洞窟を転移魔法で脱出したジャンヌ達。
「……ふぅ」
「四使徒の一人が敗れたか」
「これで残りは三人ですね」
「土……と来たら……」
ジャンヌは、頭の中で何かを考えました。
「火、水、風が残りますね」
そう、魔法の属性で最も汎用的な四大元素、火・水・風・土です。
「確かに四使徒の人数に当てはまるのですが……それだけでいいんでしょうか」
ジャンヌは提示されていない手がかりで物事を解決する事を好みません。
なので、ゲールの言葉があまり信用できないようです。
「お姉ちゃん、あまりあたし達の事を疑わないでくれる?」
「……すみませんね」
「難しい事考える必要はないだろ。火・水・風・土! それが四使徒の全部じゃねぇか?」
「……そう、しておきましょうか」
ジャンヌは渋々、トールの意見を受け入れる事にしました。
「さあ、次に会う四使徒は誰なのかな? どっからでもかかってきやがれ!」
そう言いながら豪快にミョルニルを振り回すトール。
一応、ここは街中です……。
「う~ん、やる気はあるのはいいのですが、街中で武器を振り回すのはどうかと……」
「おっと! そうだったな」
「まずは、情報収集から始めましょう」
次の四使徒を探すため、ジャンヌ達は町の人達から情報を聞く事にしました。
「ここら辺じゃ、まだ何も事件は起きてないよ」
「では、この辺に四使徒はいないのですね」
「四使徒? 知らないなぁ」
「そうですか……」
町の人達に一通り聞きましたが、四使徒の情報は得られませんでした。
「別の場所に行くか?」
「そうしておきます……」
「では、ここで話を聞きましょうか」
ジャンヌ達は大陸中央にある首都「テンプレム」から、大陸東部にある町「ワクノニ」に向かいました。
ワクノニは、中世ヨーロッパを彷彿とさせるテンプレムと異なり、倭国のようなイメージをしています。
本来は遠い場所なのですが、神であるジャンヌ達にとっては近い距離です。
「四使徒?」
「はい。私達は彼らを探して、元の場所に帰ろうと思っていたんです」
「元の場所? ここは、お前達のお家じゃないの?」
「そうです。わたくし達、実は……」
「あーーーっとっとっとっと! オレ達はここの国に住んでないんだぜーっと」
トールは、慌てて素性を話そうとしていたジャンヌを止めました。
(オレ達が神族だって事を話したら、驚かれるじゃ済まないだろ?)
(……うぅぅ、そうでした)
「ま、そんなわけで、四使徒の情報はあるか?」
「う~ん、四使徒は知らないけど……最近、ワクノニの森で
人や動物が次々と石化する事件が起こっているわ」
「石化!」
生物を石に変える呪い、石化。
それを使える魔物は、三女神が知っているものの中では3体いました。
バジリスク、メデューサ、そしてカトブレパスです。
「犯人は一応分かっていると思うけど……ねえ、あたし達が解決していい?」
「え? 別にいいけど……子供だけで解決しちゃ駄目よ?」
「いや、一応オレもいるからな」
「あら、そう。それで、森があるのは……」
ジャンヌ達は、町の人に森がある方向を教えてもらい、そこへ行きました。
彼女達の目の前に広がっていたのは……。
「「「「これはひどい」」」」
枯れた植物と、あちこちに置かれている石像でした。
明らかに、何者かが呪いをかけたに違いありません。
「犯人は多分、この森を探せば見つかるだろう、奥に行ってみようぜ!」
「分かりました!」
三女神とトールは、森を石化させた犯人を捜すため、森を探索するのでした。
しかし……。
「ふっふっふ……」
森のどこかで、何者かがほくそ笑んでいました。
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主人公が二人目の敵幹部を探しに行きます。