No.77341

曹魏国伝記

南風さん

この作品はオリジナル要素が大変強いですので苦手なかたは申し訳ありません。また、詳しいことは本文中に書いたとうりです。単なる作者の気晴らしとでも思ってください。では、どうぞ。

2009-06-05 03:23:06 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:10530   閲覧ユーザー数:8298

南風の作品の中でボツネタです。初めてのボツ作品ですね。

理由は続編ネタが浮かばなかったためですが、ずっとお蔵入りするのも忍びなかったので投稿しました。

こういった視点もありかなっと思って書いたのですが、結局は普通の作品と変わりません。

ただ、カッコイイ一刀とカワイイ華琳を書きたかっただけです。

この作品の反響が大きかったら続きを書きたいですね。

またネタを募集したいところです。

と言っても書くのは作者たる自分なのですが、それでも良ければどうぞ。

 

 

 

曹魏国伝記

 

まず、ここで一つ説明しておこう。

外史といえども過去があり、未来がある。

これは、とある外史での歴史に関するお話である。

その外史の世界の歴史家の間では、最大の難題・封印された歴史として語られている。

また世界七不思議の1つとされている。

 

その歴史の謎とは古代中国、三国時代と呼ばれる時代に遡る。

 

戦や、その時の大陸の情勢、またその時の有力者の伝記など書物は多く存在している。

 

そして史跡も存在する。

 

そのように情報豊富な三国時代の最大の謎。

 

それは、とある者の存在。

 

その者は曹操に拾われ、文官としての才能を余すことなく発揮。

 

そして戦においても数多くの功績をあげたと書物は語っている。

 

しかし、名・出身・年齢などその者の情報は一切出てこなかった。

 

魏国の警備隊隊長であり一人の将でもあり、かなりの地位を築いているもかかわらず情報は無い。

 

ただ書物にはこう記されている「天の御遣い」と。

 

その言葉どおりなのか、その者の政策はその時代には画期的であり、様々なものの礎をつくったとさえ言われている。

 

そして、その者は三国同盟の功労者として第一に名があがるのだが、その後の書物にはその者について何も書かれていないのである。

 

突然現れ、風のように時代をかけたその者は歴史から突然姿を消すのである。

 

ただ、三国同盟の盟主である曹操が書いたとされる個人的な日記の中にはこう書かれている。

 

その者、天命を全うし天に帰る・・・・・・・と。

 

また曹操の側近が書いたとされる別の書物には消えた・逝ったなどの事が書かれている。

 

そのことから歴史家達は、病か何かにより急死したものと考えたのである。

 

しかし、ここで一つの矛盾が発生してしまった。

 

歴史の中での曹操にはたった一人だけ異性として愛した者がいるとされている。

 

曹操はその者と間に子を授かり、後々の世まで三国同盟を続けていくのだが・・・・・・問題は曹操の夫となったその人物である。

 

曹操が愛した者とは「天の御遣い」。

 

しかし曹操が子を生んだのは、「天の御遣い」が消えてから3年後の事なのだ。

 

人間の妊娠期間を考えても、そのような事はありえない。

 

また、曹操以外の側近達の夫も「天の御遣い」であると書物には記されていた。

 

「天の御遣い」とはいったいいかなる人物なのか?

 

それが、この世界での謎なのである。

 

また世界におおやけにはされていないのだが、「天の御遣い」の案により作成されたであろう、時代錯誤異物が数多く存在する。

 

所謂、オーパーツと呼ばれる物もあるのだ。

 

それが、さらに「天の御遣い」なる人物を謎にさせたのである。

 

そんな三国志時代の最大の謎の人物が書いたとされる伝記が一冊だけ発見された。

 

伝記とは個人の生涯を書いた書物である。

 

この伝記は謎とさている「天の御遣い」とその周りの人物との関係を書いてある書物であった。

 

また特殊なことに筆跡と名から、大勢の人物が一冊の本を書いたと判明した。

 

その書物の名は「曹魏国伝記」。

 

今回は、その「曹魏国伝記」を読み解いていこうと思う。

 

では、謎多き三国志時代にいざ行こう。

 

 

 

 

 

 

曹操の章

第一節

この話は「天の御遣い」が一度天に帰り、再び帰ってきてからの曹操と「天の御遣い」との間に起きた出来事を書いてある。

二人の関係性がどの書物よりも読み取れる。

 

あいつが帰ってきた。

それは、この国にとって大陸にとってとても喜ばしいこと。

あいつの知識はとても尊いものだから。

そして、何より人望の厚さは私以上かもしれないのだから。

あいつには人を惹きつけ魅了する天性の才がある。

行動力もある。

優しさがある。

 

だけど、

 

それが、

 

今はとても辛い。

 

 

 

「大丈夫ですか?」

側近である秋蘭にそう言われた。

「どういうことかしら?」

「・・・・・・・・いえ、何でもありません。」

秋蘭がそんな事を言う理由は検討がついている。

 

あいつが帰ってきた時、皆が喜んだ。

そう、私以外の皆が。

 

 

 

それ以降、私はあいつに冷たくあたってしまっているらしい。

 

私自身、そんな事は無いのだけれども。

 

「私は忙しいから、私用で話しかけないでくれる?」

 

「なぜ、そんな事ができないの!?」

 

「お前は何のために帰ってきた!!」

 

「私は王!!」

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

・・・・・・・。

 

 

そんな事もあってかしら、城の雰囲気は良いものではない。

 

秋蘭も春蘭も季衣や流琉さえも、元気がない。

 

それもこれも私のせいなのかしら?

 

私が悪いの?

 

王たる責務を果たしているのに。

 

民のために働いているのに。

 

私の何が悪いの?

 

私が・・・・・・・・・・・・・・・何をしたの?

 

 

 

 

 

あいつが帰ってきてから暫くして、私は部屋で星空を眺めていた。

 

万の星の中に輝く一つの大きな琥珀の月。

 

それを眺めていた。

 

いつだか、この空の下で私は泣いた。

 

最初で最後の涙。

 

 

 

コンコン・・・・・・

 

 

 

ガチャ

 

 

 

ノックという手段を使って私の部屋に入ってくるのはあいつだけ。

 

「こんな時間に仕事の話かしら?もし違うなら今すぐ出て行きなさい。」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「何か言ったらどうなのよ?」

 

「・・・・・・・・・。」

 

「そう何も言わないのね。・・・・・・・・なら今すぐの頸を刎ねてあげましょう。」

 

「・・・・・・・・・・。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・何しに来たのよ。」

 

「愛しにきた。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・何しに来たかたと聞いてるの。」

 

「愛しにきた。」

 

「っ!!・・・・・・・・何しにきたと聞いているのよ!!何をしにここに来た!!」

 

「愛しにきた。」

 

「うるさい!!!!・・・・・・・・・・・・・・・・質問を変えましょう・・・・・・・・・・・・・何がしたいの。」

 

 

 

 

 

 

 

「愛したいんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「っ!!!!!」

 

 

 

 

 

馬鹿みたいよね。

 

そんな恥ずかしい事を大声で叫んで。

 

あげくのはてに、王たる私を抱きしめるのよ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・ごめん。」

 

「なんで謝るのよ。」

 

「悲しませた、寂しい思いをさせた・・・・・・・・・泣かせた。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・本当よ。この私を泣かせるなんて、どんな罰を与えても許せない。」

 

「本当に、ごめん。」

 

 

 

「だ、だから、何で謝るのよ。」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

「わ、私が・・・・・・・・悪いことをしたのに。」

 

 

 

「冷たくあたって・・・・・・・・・・怒って、皆を困らせたのよ。」

 

 

 

「私が・・・・・・・・謝らなきゃいけないのに。」

 

 

 

「何で・・・・・・・・謝るのよぉ・・・・・・・・・・・・・・・。」

 

 

 

「私のことを怒ってよ!叱ってよ!」

 

 

 

「あぁ・・・・・・・・わかった。」

 

 

 

本当に馬鹿なのよ。

 

だって、いきなり私と唇を重ねて、

 

「これが罰だ。」

 

何て言うんだから。

 

けど、それがとても嬉しかったわ。

 

だから、本当の気持ちを伝えられた。

 

 

 

「怖かったのよ・・・・・・・・・。」

 

 

 

「私が夢を叶えたから・・・・・・・・・・・・・・消えたのよ。」

 

 

 

「私のせいで・・・・・・・・・。」

 

 

 

「だから・・・・・・・・!!」

 

 

 

何度も言うけど馬鹿なのよ。

 

また唇を重ねて、

 

「わかってる、全部俺が悪いんだ。ごめんな。」

 

何て言うのよ。

 

その後の事はあまり言いたくないわ。

 

今思い出すと恥ずかしすぎるもの。

 

三日三晩・・・・・・・・

 

ここまで言えばわかるでしょう?

 

女にこれ以上言わせないで。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・。

 

・・・・・・。

 

 

 

 

 

これを読んでいる誰かがいるとして、

 

何を思うのかしらね?

 

そうね、最後に一つだけ教えておいてあげる。

 

私が泣いたのは、

 

この日が二度目よ。

 

 

 

 

 

 

 


 
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