No.76849

真・恋姫無双~魏・外史伝9

今回、書いてて面白かったので、こんな時間になってしまいました・・・。ふあぁ・・・眠いです・・・。この様子だと誤字脱字、表現の間違いが沢山ありそう・・・。ここおかしくね?と思いましたら、教えて下さい。お願いします。
※冒頭のセリフの言い回しを修正しました。

2009-06-02 04:30:29 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:8987   閲覧ユーザー数:7490

第五章~優しい国の代償・前編~

 

 

 

  「そうですか、北郷一刀が呉にいましたか?」

  「うん♪しかも・・・すでにお爺さんと接触した感じだったよ。」

  「確かにあなたの『情報』から考察すれば、その可能性は高いでしょう・・・。」

  「それってまずいんじゃねぇのか?」

  「ええ、『南華老仙』と接触したとなれば、彼は計画の大きな障害となる

  事は明らか・・・。おそらく、北郷一刀はすでに『南華老仙』に保護されて

  いるでしょう。」

  「そうなると・・・、おいそれと近づけないじゃない。北郷君は、早いトコ

  始末した方がいいんでしょ?」

  「はい。彼の存在を完全に殺す事が出来れば、我々の計画は難なく進行できます

  から。」

  「面倒な話だこったぜぇ・・・!」

  「ええ・・・、この一年というズレがこのような形になって我々に返って来るとは

  思いもしなかった・・・。とはいえ、計画自体に何一つ支障はありません。」

  「だよね~。なら、どうしようか?このまま僕達の好きにやっていい?」

  「ええ、ですが表には出て来ないように。あと、北郷一刀を探すのも怠らない

  ように・・・。隙を見て、ここに連れて来るなり、殺すなりして下さい。」

  「うん、分かった♪じゃあ僕は、呉の方に戻って実験を続ける。上手く

  いったら君にも教えてあげる。」

  「はい、期待して待っています。」

  「じゃあ、俺は正和党の連中に近づいてみるわ。」

  「正和党ですか?成程、中々面白いモノに目を付けましたか。ですが、彼をおとす

  のは楽じゃないと思いますよ?」

  「わ~ってるよ。だが、一度火を付けちまえば、そう簡単には消えねぇ・・・。

  簡単に落ちねえなら、それはそれでいくらでも方法はあるしな。」

  「そうですか?では良い報告を待ってます。」

  「ああ、お前もな。せいぜい野蛮共が逆らわない様、ちゃんと手懐けて

  置くんだな?」

  「もちろんです・・・。」

 

 

  「一刀~~・・・!」

  後ろから声が聞こえた・・・。きっと尚香ちゃんだろう。

 彼女が近づいて来るのが分かる・・・。そう思った瞬間、

 一度治まったはずの衝動の様なモノが再び全身を駆け巡る。

 ・・・だ、駄目だ!来ないでくれッ!!

  ビュンッ!!!

  「きゃあ!?」

  自分が持っていた剣で、尚香ちゃんが自分に近づかないよう、牽制するように

 振り払った。そして彼女は、尻餅をついた。痛そうだった・・・。 

  「いたた・・・、ちょっと一刀!いきなりシャオに何をする・・・の・・・。」

  俺に文句を言おうとしたのだろうが、その言葉がしり込みする。怯えた表情で俺を

 見ていた。今の俺は、彼女を怯えさせるほどの顔をしているのか?そう考える一方で、

 俺の体を駆け巡るモノが先程よりも大きくなっていた・・・。このままじゃ、俺の理性

 はこの衝動に殺される・・・!何とか必死に理性を保たそうとする!

  「か、一刀?」

  尚香ちゃんが再び俺の名を呼ぶ。だが、そんな彼女の声は、衝動を大きくする起爆剤

 となった。

  「・・・うッ、う・・ぐぅ・・・ふぉ!」

  それでも何とか抑え込もうとする!でも・・・でも、だ、駄目だ・・・!

 これ以上は・・・持ち・・・こたえられ・・・ない!!

  「うぅ・・・ぅぅうう・・・・あああぁぁ・・・。」

  頭を抱える様に、その場に伏せてしまう・・・。こ、このままだと・・・!

  「一刀!?」

  「!?」

  だ、駄目・・・だ!来ちゃ・・・駄目だ!    

  「か、一刀・・・?」

  ここから離れないとここから離れないとここから離れないとここから離れないと・・・!!

 でないと・・・、俺はこの娘を・・・この娘を、この娘を、このこを、コノコヲ・・・!

  「あ、待って・・・待ってたら!」

  アトノコトハ・・・ヨクオボエテイナイ。タダハシッタ・・・。トオクニ、トオクニ。

 ニゲルヨウニ・・・トオクニハシッタ・・・。

  

  アノトキ、オレハ・・・カノジョヲ、コロソウト・・・シテイタ。

 

  「・・・はっ!」

  思わず、目が覚めた。

 その悪夢から・・・。だがそれは夢でなく、現実であったのだ。

 認めたくないが、俺は尚香ちゃんを・・・!

  「おや?ようやくお目覚めかい?」

  突然、声をかけられ驚き、その声の主を探す。

 主は、焚き火の火を見ながら、腰を掛けられるほどの大きさの岩に腰をおろしていた。

 その主は、目は眉毛によって隠れ、口は髭で隠れ、何処かの宗教のモノの服を着ていた。

 改めて自分をみると、毛布の様な布が被せられていた。

  「・・・ここは?」

  ここが何処なのかをその老人に訪ねた。

  「人に尋ねる前に、すべき事があるんじゃないのかのう?若いの。」

  そう言われて、少し思考が止まってしまう。

  「わしは道端で倒れておったお前さんを介抱しておったんじゃぞ。ならまずは・・・」

  そう言う事か・・・。

  「俺を介抱してくれてありがとうございます。俺は・・・北郷一刀と言います。」

  「変わった名前じゃのう・・・?」

  「・・・よく言われます。」

  「そうか、そうか・・・。」

  自己紹介した事だし、もう一度さっきの質問をする。

  「ここか?何じゃ、お前さん・・・ここが何処だか分からないで今まで旅して来たん

  のか?」

  「いえ・・・、旅をしていたわけでは無いんです。さっきまで建業に居たんですが、

  気が付いたらここに・・・。」

  「何じゃと!お前さん、あまり年寄りを馬鹿にせんでくれ!」

  いきなり怒られた・・・、ただ本当の事言っただけなのに。

  「すいません・・・、でもあなたを馬鹿にしたわけでは無くて、本当の事なので・・・。」

  「ここは、青州の北海の海岸沿いだぞ!ここから呉の建業まで、どれほどかかると

  おもっとるのじゃ・・・。」

  「え、青州・・・?」

  「そうじゃ、ここは青州だ。魏の東部に位置する。」

  「な、なんだって!?」

  いつの間に建業から、魏の青州まで移動していたんだ?

 がむしゃらに走っていたのは覚えているけど・・・、まさか青州まで走っていたなんて・・・。

 辺りを見渡すが、すでに夜になっているから暗くて遠くまで見えないが、耳を澄ませば波の音が

 聞こえてくる・・・。

  「ほ、本当に・・・海岸沿いなのか・・・?」

  「そういったじゃろうが・・・お前さんは人の話聞いておらんかったのか?!」

  また怒られたしまった・・・。

  それはともかく、俺が立たされている現状を確認しよう。

 

  ①俺は建業にいた。

  ②建業で、得体の知れない化け物のような大男に出くわした。

  ③何故かは分からないが、俺がその大男を倒した。

  ④尚香ちゃん達から離れようと、がむしゃらに走った。

  ⑤気が付くと、青州の海岸沿いで、この老人に介抱されていた。

 

  ・・・それにしても、あの時の俺は・・・どうなってしまったんだろう?

 自分でもよく分からない・・・。この世界に来てから変な事が立て続けに、俺の身に

 降りかかっている。とりあえず、今は別に何ともないようだけど・・・。

  「おい、お前さん・・・。」

  あ、そうだ・・・。華琳、今頃建業に向かっているのかな?

 ・・・また、すれ違っちゃったな・・・。なにやってんだろ俺?

 この世界に、やっと戻って来れたのに。一番会いたい人に会えないなんて。

 これじゃ、後で会えたとしても皆に怒られるな、きっと・・・。

 春蘭はきっと剣を振り回してくるな・・・。

 凪はきっと気弾を放ってくるぞ・・・。

 桂花はきっと『全身精液男』って罵ってくるな・・・。

  「聞いておるのか、おい・・・。」

 真桜には・・・掘られるな、うん、きっと。

 華琳にはきっと・・・。

  ゴンッ!!!

  「いったッ!?」

  頭に激痛が走る。何か頭に当たったようだが・・・。

  「わしを無視して、自分の世界に入るな!」

  「だからって、何も物を投げなくたっていいじゃないですか?!」

  少し涙目になりつつも、老人に訴える。この人、春蘭並みに短気だな・・・。

  「全く・・・、それはそうと・・・お前さんはこれからどうするのじゃ?」

  「どうするって・・・。」

  「どこか行く当てはあるのかって聞いておるのじゃ。まあ、お前さんは呉の建業に

  おったのだから、建業に行くのかのう・・・?」

  そうだ・・・、確かにこれからどうしようか・・・。

 建業に戻るのも1つの手だろうけど・・・。

  「ちなみに、ここから建業へはどう行けばいいんですか?」

  「知るか・・・!」

  一蹴された・・・。

  「わしはこれから洛陽に向かう途中なんじゃ・・・。」

  「え、洛陽に・・・ですか?」

  聞き覚えのある単語に反応する。

  「そうじゃ、わしは旅商人なんじゃぞ。ほれ」

  そう言って、岩陰から、風呂敷に包まれた荷物を見せる。

 服や装飾品が入っているのだろう。

  「お爺さん、無理を承知で・・・お願いします!俺も一緒に連れて行って

  もらえませんか?!」

  老人に向かって、土下座する。

  「なんじゃ・・・、お前さん。許昌に知り合いでもおるのか?」

  「はい、俺元々洛陽出身なんです。そもそも俺が建業に居たのも、洛陽の知り合いと

  合流するためだったんです。」

  「ふう~む・・・、そうだったのか。じゃがぁなぁ・・・。」

  決断に迷う老人。

  「お願いします、俺・・・どうしても会いたい人がいるんです!やっと、

  戻って来れたのに・・・なのに、俺は・・・。言いたい事がたくさんあるのに・・・!」

  「・・・、分かった、分かった。お前さんが言いたい事は分かったから少し

  落ち着かんかい。」

  「す、すいません・・・。」

  「・・・そんなに言うなら、わしの仕事を手伝い兼護衛を条件に・・・

  洛陽まで連れて行ってやるわい。」

  「ほ、本当ですか!?ありがとうございます!」

  地面に額が当たるまで頭を下げる。

  「・・・・・・。なら、もう寝んさい。明日は夜明けにここを発つからのう・・・。」

  「はい!」

 

  そして夜が明け、日の出が見える頃・・・。

  焚き火はすでに消え、炭と化した木々のみが残る。

 老人から渡された、旅人が着るようなマントの状の一枚布を上から着る。

  「・・・さて、忘れ物は無いじゃろうな?」

  「はい・・・。最も、最初から手ぶらでしたけど・・・。」

  「ほっほっほっほ・・・!それもそうじゃのう・・・。」

  「さあ、行きましょう・・・、ええっと・・・。」

  そう言えば、この人の名前・・・まだ聞いていなかったな。

  「お爺さん、名前・・・なんて言うんですか?」

  「ん、な、名前・・・か?そ、そうじゃなあぁ・・・。」

  考え込む老人。自分の名前くらいすぐに言えそうなものだが・・・ボケているのか?

  「・・・うん。ろじん・・・。わしの名は『露仁』じゃ・・・。」

  露仁・・・、ろじん・・・、ろうじん・・・、老人・・・?

 何か当て字な感じがするのは・・・俺の気のせいだろうか?

  「では露仁さん。行きましょうか?」

  「待たんかい・・・。」

  「?」

  そう言って、露仁は手に持っていた風呂敷から何かを取り出す。

  「こいつをお前さんに貸しとこう・・・。絶対に折るんじゃないぞ・・・!」

  そう言いながら、俺に渡したのは一振りの剣だった。鞘から剣を抜く・・・。

 それは、剣というよりも刀・・・日本刀に近い片刃剣であった。時折、刀身に

 日の光が当たり、反射する・・・。

  「そいつはな・・・、包丁で食材を切るように、相手を切る事を追求したと

  される業物なんじゃ・・・。」

  「どうして俺にこれを?」

  「ほんっとうに、お前さんは人の話を聞いておらんなぁ!手伝い兼護衛を条件

  に洛陽に連れていくと、昨日言ったじゃろうが!?」

  言われてみれば、確かにそう・・言っていた気が・・・。でも、俺なんかに

 護衛が務まるのかなぁ・・・。でもまぁ・・・こいつだったら、他の剣より手に

 馴染むし、何とかなるかなぁ・・・?

  ・・・ん?ちょっと待てよ?

  「・・・何で、あなたがこんな物を?」

  「何でじゃと?全く、つくづく人の話を聞かんやつじゃのう!

  昨日言ったじゃろうが・・・!わしは武器商人じゃと。」

  武器商人・・・?でも昨日は旅商人としか言っていなかった気が・・・。

  「何か言いたそうな顔をしとるのぅ、北郷?」

  「気のせいですよ・・・、じゃあその風呂敷に入っているのって全部武器ってこと

  ですか?」

  「武器商人なんじゃから、当然じゃろう!」

  そう言って、露仁は俺の目の前に、風呂敷を持ってくる。

 だとすると・・・、少し小さい気がするな?ていうか、この剣・・・風呂敷から

 普通にはみ出すサイズだぞ!?何なんだ、この風呂敷・・・某アニメのロボットが

 使っている『四次○ポケット』の類なのか?

  「また、何か言いたそうじゃのぅ・・・。だが、それ以上は言わん方がいいぞ?」

  この人・・・、俺の心を読んでいるのか?

  「分かりましたよ・・・。では、露仁さん。今度こそ、行きましょうか?」

  「そうじゃの。では行くぞ、北郷。」

  そう言って、そそくさと行く露仁の後ろを付いて行った・・・。

  

  目指すは、洛陽・・・。待っていてくれ、華琳!


 
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