幽霊
C1 ティータイム
C2 亡霊
C3 帰還
C4 見えない成果
C5 遠征
C1 ティータイム
グリーンアイス連邦ペルリア都市国家の成層圏を移動する成層圏小型飛行船空母ウチェブニー。特別寝室のベットの上に横になり、組んだ両手を後頭部に置き、天窓から空を見上げる左右の髪が橙、真ん中の髪が金色で、おさげ髪でグリア都市国家クローン製造工場ベレゾフスキ製作所製造No666のクローンの少女ナタリーヤ。彼女は頬を膨らませる。
ナタリーヤ『…つまんない。』
ナタリーヤは起き上がり、左右を見回す。
ナタリーヤ『よし…。』
忍び足で扉へ歩いていくナタリーヤ。
モジャコーワの声『いくら基地内で訓練を積んでいるからとはいえ、危険すぎる!初の野外訓練だぞ!』
シフの声『心配ありません。その為の教育プログラムです。』
扉を少し開けるナタリーヤ。特別室の壁に映るグリーンアイス連邦グリア都市国家の女教育学者の眼鏡をかけ、髪型はオールバックのグリーンアイス連邦グリア都市国家女教育学者のシフとグリーンアイス連邦グリア都市国家の航空学者のモジャコーワの影が映る。
モジャコーワの声『自信は結構!だが、失敗すれば、国際問題だぞ。』
影を見つめるナタリーヤ。
シフの声『それは重々承知です。しかし、訓練の成果とデータははるかにいいものが取れます。』
ナタリーヤは左右を見回して、階段の扉を開ける。
モジャコーワ『…確かにそうだが。』
忍び足で階段を下りていくナタリーヤ。
階段を降り、ウチェブニーの食堂の手前で立ち止まるナタリーヤ。彼女は目を閉じて鼻を動かす。
ナタリーヤ『…いい匂い。』
眼を開けて、食堂の扉を見つめるナタリーヤ。
ナタリーヤ『ここからだ。』
食堂の扉を開けるナタリーヤ。電気サモワールのティーポット受けからティーポットを取り、ティーカップに紅茶を注ぐグリーンアイス連邦グリア都市国家少佐でウチェブニー船長の制帽を被ったチューリン。眼を見開くナタリーヤ。
ナタリーヤ『おお。』
振り返るチューリン。彼とナタリーヤの目が合う。紅茶を啜った後、ティーカップから口を離すチューリン。
チューリン『おやおや。これは珍しい客人だ。どうしました?お嬢さん?』
眼を見開いて、チューリンの傍によるナタリーヤ。彼女はチューリンを見上げる。
ナタリーヤ『えっと…いい匂いがしたから…その。』
ナタリーヤを見つめた後、ティーカップを見るチューリン。
チューリン『ああ、これですか。これは紅茶ですよ。』
チューリンは微笑んでナタリーヤの方を向く。
チューリン『貴女も飲みますか?』
大きく頷くナタリーヤ。チューリンは手に持ったティーカップをテーブルに置き、水切りカゴの中に整理されて置かれているティーカップを取り、紅茶を入れる。椅子に座り、座枠を掴んで両足を動かし、チューリンの方を向くナタリーヤ。ティーポットからティーカップに紅茶を注ぐ。
チューリン『しかし、便利な時代になったものです。昔は炭でお湯を沸かしていたんですがね。』
ティーポットを電気サモワールのティーポット受けに置くチューリン。
チューリン『今はボタン一つで沸きますからね。』
紅茶の入ったティーカップをナタリーヤの前に置くチューリン。
チューリン『はい。どうぞ。』
ティーカップに入った紅茶を見つめるナタリーヤ。椅子に座るチューリン。
チューリン『…炭の方が、風味があってよいのですがね。』
ティーカップを両手で持ち、紅茶を啜るナタリーヤ。片手でティーカップを持ち、紅茶を啜るチューリン。ティーカップをテーブルの上に置き、紅茶を見つめるナタリーヤ。チューリンはナタリーヤの方を向く。
チューリン『おや、お口にあいませんでしたか?苺のヴァレーニエでもあれば…。』
ナタリーヤ『う~ん…不思議な味。』
食堂の扉が開き現れるシフ。シフの方を向くチューリンとナタリーヤ。
シフ『ナタリーヤ!何処に行ったと思ったらこんな所にいたんですか。』
ナタリーヤ『あ、先生。』
シフ『…まったく、重要な訓練があるというのに…。』
眉を顰め、頬を膨らませるナタリーヤ。
ナタリーヤ『だってぇ、退屈なんだもん!』
一歩後ろに下がり、額に手を当てるシフ。
シフ『まったく!この子は…はぁ。』
シフはチューリンを睨み付ける。
シフ『機長も機長です!こんな年端のいかない女の子とお茶なんて!行きますよ!ナタリーヤ。』
椅子から立ち上がり、シフの後ろに歩いていくナタリーヤ。
ナタリーヤ『はぁ~い。』
ナタリーヤはチューリンの方を振り向いて手を振る。手を振るチューリン。
C1 ティータイム END
C2 亡霊
グリーンアイス連邦ペルリア都市国家の成層圏を移動する成層圏小型飛行船空母ウチェブニー。ウチェブニーの下部デッキとつながっている上部管制塔。機長席に座るチューリン、隣にはシフとモジャコーワ。彼らの前方の多数のモニターに取り囲まれた席に座るナタリーヤ。下部デッキのオペレーター席に座るウチェブニーのオペレーターA、隣にはウチェブニーの機銃手A。下部デッキの正面で操縦桿を握るウチェブニーの操舵手A。上部デッキを見上げるウチェブニーのオペレーターA。
オペレーターA『目標空域に到達。』
チューリンはウチェブニーのオペレーターAの方を向き、頷いた後、ウチェブニーの操舵手Aの方を向く。
チューリン『よし!滞空!』
ウチェブニーの操舵手A『滞空!了解!』
周りを見回し、眉を顰め、チューリンを見つめるシフ。
シフ『…ここは、まだペルリア内部では?』
チューリン『これ以上行けば、ロズマール帝国に気づかれることになります。』
頷くモジャコーワ。
モジャコーワ『うむ、妥当だな。』
モジャコーワはシフの方を向く。
モジャコーワ『それとも、あんたの自信の教育プログラムというものがこの程度の問題で破たんするのであればお笑い草だが…。』
シフ『ぐっ!』
シフは眼鏡のブリッジに人差し指を当てて、眼鏡を押し上げる。
シフ『いいでしょう。やってみせましょう!ナタリーヤ!』
ナタリーヤはシフの方を向いて頷く。機器のボタンを押すナタリーヤ。彼女を取り囲むモニターに一斉にウチェブニーの格納庫内の画像が映る。動き出すウチェブニーのエレベーター。飛行板を見る上部管制塔の一同。エレベーターを見上げる下部デッキの一同。モニターに映るエレベーター内部の画像。飛行版へ上がるエレベーター。何も見えないエレベーターの方を向き、帽子の鍔を抑え、はしゃぐナタリーヤを取り囲む空と雲を映すモニターの方を向く。
チューリン『発進しましたね…。』
顎に手を当てるモジャコーワ。
モジャコーワ『光学迷彩も順調に機能しているな。』
ウチェブニーのオペレーターAの方を向くモジャコーワ。
モジャコーワ『レーダーの方はどうだ?』
ウチェブニーのオペレーターAは上部管制塔の方を向く。
ウチェブニーのオペレーターA『いつも通り、何も映っておりません。熱源反応も無し。』
顎に手を当て頷くモジャコーワ。
モジャコーワ『後は…。』
ナタリーヤの後姿を見つめるモジャコーワ。
モジャコーワ『パイロットの技量…ということになるな。』
モジャコーワの方を向いた後、ナタリーヤの方を向くシフ。
ナタリーヤ『やっほー!』
操縦桿を握りモニターを見回す笑顔のナタリーヤ。一歩前に出るシフ。
シフ『こら!ナタリーヤ、遊んでいないで所定の空域まで行きなさい!』
シフの方を向いた後、頬を膨らませるナタリーヤ。
ナタリーヤ『はぁい…。』
モジャコーワ『…イーデリアは空には空雷、地には地雷、河畔には機雷が設置されている危険地帯だ。くれぐれも触雷して、機体を破壊しないようにしてくれよ。』
モジャコーワの方を向くナタリーヤ。
ナタリーヤ『空雷。そんなのへっちゃらだよ!』
ナタリーヤを取り囲むモニターに映るグリーンアイス連邦とロズマール帝国の国境イーデリア上空。
シフ『下降しなさい。』
頷くナタリーヤ。モニターに映る多数の旧式空雷。眉を顰めるモジャコーワ。
モジャコーワ『早速、お出ましか…。』
チューリン『対ロズマール王国戦争の時に遺棄された亡霊対幽霊ですか…。』
空雷をアップで映すモニター。眼を見開くモジャコーワ。
モジャコーワ『こら!近づきすぎだ!』
笑うナタリーヤ。
ナタリーヤ『え~、だって面白そうなんだもん。』
シフ『では、空雷の間を全速力で飛びなさい。』
胸に手を当てるモジャコーワ。
ナタリーヤ『わかった!』
モニターに映る、通り過ぎていく空雷群。
C2 亡霊 END
C3 帰還
グリーンアイス連邦グリア都市国家成層圏を移動する成層圏小型飛行船空母ウチェブニーの食堂。椅子に腰かけるモジャコーワとグリーンアイス連邦グリア都市国家大尉でウチェブニーの副機長のブダーリン。机に置かれるティーカップ。ブダーリンはティーカップを持って立ち上がり、電気サモワールのティーポット受けに乗っているティーポットを取る。
ブダーリン『昼2回、夕2回、夜3回、明け方1回ですか。』
ため息をつくモジャコーワ。
モジャコーワ『まさか、ここまであの空雷地帯を飛ばすとは思わなかったがな。いつ触雷するかとひやひやしたぞ。』
扉を開け現れるナタリーヤ。彼女の方を向くブダーリンとモジャコーワ。駆けて椅子に座るナタリーヤ。
ナタリーヤ『私も飲むー。』
ナタリーヤの方を向くモジャコーワ。
モジャコーワ『…紅茶が飲めるのか?』
頷くナタリーヤ。
ナタリーヤ『うん。』
ブダーリンは手に持ったティーカップを置き、水切りカゴからティーカップを取り出して、紅茶を注ぐ。
モジャコーワ『しかし、お前の先生はスパルタだな。』
首を傾げるナタリーヤ。
ナタリーヤ『すぱるた??』
ナタリーヤを見つめ、ため息をつくモジャコーワ。
モジャコーワ『立て続けに飛び続けて疲れないか?』
眼を見開き、モジャコーワの方を向くナタリーヤ。
ナタリーヤ『…えっ?疲れ??』
首を傾げるナタリーヤ。ナタリーヤの前に紅茶の入ったティーカップを置くブダーリン。
ブダーリン『はい。どうぞお嬢ちゃん。』
紅茶の入ったティーカップを見るナタリーヤ。
ナタリーヤ『わぁ。いただきま~す。』
紅茶を啜るナタリーヤ。
ナタリーヤ『そんなことないよ。だって楽しいもん。色々なところが見れるし。』
紅茶を啜るナタリーヤ。
ナタリーヤ『それより、苺のヴァレーニエって…。』
紅茶を見つめた後、モジャコーワとブダーリンの方を向くナタリーヤ。
ナタリーヤ『これにあうの?美味しいの?』
顔を見合わせるモジャコーワとブダーリン。彼らはナタリーヤの方を向く。
モジャコーワ『わしゃサクランボのヴァレーニエの方が合うと思うが…。』
ブダーリン『そうですか?私はラズベリーの奴が好きですがね。』
グリーンアイス連邦グリア都市国家バルコフグラード起動エレベーター、成層圏滑走路に降り、ホバー走行で移動する成層圏小型飛行船空母ウチェブニー。デッキからタラップが降り、降りていくモジャコーワにシフ、ナタリーヤ。伸びをするモジャコーワ。
モジャコーワ『ふぅ、一時は冷や冷やさせられたが、無事済んでよかった。』
モジャコーワはナタリーヤの頭を撫でる。
モジャコーワ『たまには先生にお茶を入れてやれよ。』
モジャコーワを見つめるナタリーヤ。
ナタリーヤ『うん。分かった。』
モジャコーワ『さてと、機体の整備とデータの整理があるからな…。』
モジャコーワはシフとナタリーヤに背を向け去って行く。
ナタリーヤ『ばいばい。おじさん。』
モジャコーワに手を振るナタリーヤを見つめるシフ。
C3 帰還 END
C4 見えない成果
グリーンアイス連邦グリア都市国家バルコフグラード起動エレベーター。エレベーター内。レディーススーツを着るシフ。隣には白いドレスを着るナタリーヤ。
ナタリーヤはシフを見上げる。
ナタリーヤ『ねえ。先生。』
ナタリーヤの方を向くシフ。
ナタリーヤ『…いつもの服がいい。だってこれひらひらで…。』
シフ『今日は今から大事な人と会うの。』
シフはしゃがみ、ナタリーヤの両肩を持つ。
シフ『ちゃんとした格好をしなきゃだめよ。』
笑顔になるシフ。
シフ『ほら、可愛いわよ。』
ナタリーヤ『そうかな…。』
ドレスの裾を持つナタリーヤ。
バルコフグラード起動エレベーター。グリーンアイス連邦書記長兼グリア都市国家都市国家代表バルコフ・スターリングの執務室。椅子に座るバルコフ・スターリング。隣には書記官長のキーロフ、全体主義の教育学者のアントンにクローン研究者で眼鏡をかけたキツネ人のクレイジ・イカレトール。彼らの正面に立つシフとナタリーヤ。頭を下げるシフ、シフを見上げ、頭を下げるナタリーヤ。
シフ『お呼びいただき光栄でございます。』
彼らを見つめるバルコフ・スターリング。
バルコフ・スターリング『データは見せてもらっている。素晴らしい成果だ。射撃訓練、飛行訓練も、イーデリア上空における飛行は最も際立っている。公式の記録にのせられず、称賛する人数もこれしかいないのは残念な結果だが…。』
眼鏡の縁を上げ、ナタリーヤを見つめるクレイジ・イカレトリア。
クレイジ・イカレトリア『ふ~ん。…ハイクローンでも無く、エリートクローンでもないのに良くここまでの成果を上げれたものだね。無人無音ステルス光学迷彩戦闘機プラーズリク10の性能が優れているにしろ…。』
アントンはクレイジ・イカレトリアの方を向く。
アントン『遺伝だけでは駄目なのですよ。やはり教育が必要なのです。』
頷くクレイジ・イカレトール。アントンはシフの方を向く。
アントン『彼女の個人教育は、生産され、教育されたクローンの中でも選らばれたクローンに受けさせるのが良いでしょう。』
眉を顰めるシフ。薄目を開け、シフとナタリーヤの方を向くバルコフ・スターリング。
バルコフ・スターリング『引き続き、訓練を続けてくれ給え。』
頭を下げるシフ。
バルコフグラード起動エレベーター。エレベーター内、グリア都市国家の街並みを見下ろすシフ。ナタリーヤがシフの袖を引っ張る。ナタリーヤの方を向くシフ。
シフ『どうしたの?』
シフを見上げるナタリーヤ。
ナタリーヤ『あのね。ヴァレーニエが欲しいの。』
ナタリーヤを見つめ、微笑むシフ。
シフ『そうなのヴァレーニエが…そう、紅茶を入れないとね。』
ナタリーヤの頭を軽く撫でるシフ。
C4 見えない成果 END
C5 遠征
グリーンアイス連邦グリア都市国家遺伝子研究所。TVゲームをするナタリーヤ。扉が開き、現れるシフ。彼女の方を向くナタリーヤ。ため息をつき、青ざめた表情でナタリーヤを見つめるシフ。ナタリーヤはシフの顔を見つめる。
ナタリーヤ『どうしたの?先生…。』
音が鳴り、TV画面に映るGame overの文字。ナタリーヤはTV画面の方を向く。
ナタリーヤ『あ…やられちゃった…。』
シフ『ナタリーヤ…。』
シフの方を向くナタリーヤ。
シフ『…出撃の日が決まりました。』
シフの方を向き笑顔になるナタリーヤ。
ナタリーヤ『えっ!本当?』
眉を顰めるシフ。
ナタリーヤ『また、外を飛べるんだ!やった。』
飛び上がるナタリーヤ。下を向くシフ。
シフ『…今度は…今度は実戦になります。』
グリーンアイス連邦バルコフグラード起動エレベーター。成層圏滑走路に停泊する成層圏小型飛行船空母ウチェブニーのブリーフィングルーム。椅子に座るモジャコーワにシフ、ナタリーヤ及びウチェブニーのクルー達。壇上の上に立つ、グリーンアイス連邦グリア都市国家の政治将校のエジョフ。後ろに控えるエジョフの女秘書官A。
エジョフ『今回の諸君らに与えられた任務は、非公式なものである。クリシュナ王国と領土係争中のカルテカテナ島を不法占拠したビアフ国から解放し、我が領土として以来、国際世論の非難を浴び、表立って行動できないからだ。』
欠伸をするナタリーヤ。周りを見回すエジョフ。
エジョフ『その中で我々は、クリシュナ王国と係争を続けるウニュニュスタン地区の同胞を援助する。』
指を鳴らすエジョフ。頷く、エジョフの女秘書官A。エジョフの後ろのホワイトボードに映し出されるウニュニュスタン、エガド国際空港の地図。
エジョフ『この国際空港の機銃陣地を沈黙させ、速やかに我が同胞に占拠させる。それが今回の任務の目的である。』
ため息をつくモジャコーワ。
モジャコーワ『それには我がプラーズリク10が適している…と。』
ナタリーヤの方を向き、額に手を当てるモジャコーワ。
モジャコーワ『幼い幽霊だ…。幼すぎる…。』
エジョフ『…その為の訓練ではないのか?来るべき時の為の!その為のクローンであろう!』
ナタリーヤを見つめるエジョフ。
グリーンアイス連邦セヴァスミア都市国家成層圏に滞空する成層圏小型飛行船空母ウチェブニー。ウチェブニーの下部デッキとつながっている上部管制塔。機長席に座るチューリン、隣にはエジョフとエジョフの女秘書官Aにモジャコーワにシフ。彼らの前方にはモニターに囲まれた席に座るナタリーヤ。下部デッキのオペレーター席に座るウチェブニーのオペレーターA、隣にはウチェブニーの機銃手A。下部デッキの正面で操縦桿を握るウチェブニーの操舵手A。
モニターに映るウニュニュスタン上空とエガド国際空港。屋上に気付かれた土嚢に囲まれた機銃陣地。煙草をくわえたクリシュナ王国派の機銃手Aの隣にクリシュナ王国派の機銃手B。機銃の前に立つクリシュナ派の機銃手Cと双眼鏡で周りを見回すクリシュナ王国派の機銃手D。振り向くナタリーヤ。
ナタリーヤ『あれを射撃すればい~んでしょ。』
頷くエジョフ。下を向く一同。エドガ空港機銃陣地を映すモニター。トリガーを引くナタリーヤ。破壊されるエガド空港の機銃陣地。体に無数の銃傷が開き、そこから血が噴き出倒れるクリシュナ王国派の機銃手達。
瞬きし、眼を見開き、左右を見回すナタリーヤ。
ナタリーヤ『えっ、えっ…。』
モニターに映る煙と光。エガド空港に突撃するウニュニュスタン親グリーンアイス連邦派の兵士を乗せた人型機構。のたうち回るクリシュナ王国派の機銃手達。彼らの周りの床。モニターを覗き、体を震わすナタリーヤ。
ナタリーヤ『…怖い。』
モニターに映る人型機構の肩部から腕部を駆け下りていく親グリーンアイス連邦の兵士達。彼らは、のたうち回るクリシュナ王国派の機銃手達を撃つ。動かなくなるクリシュナ王国派の機銃手達。
頭を抱えて涙を流しながら、体を震わせるナタリーヤ。
ナタリーヤ『いや…いやいやいやいやぁあああああああああああああ!!』
眉を顰めるエジョフ。
エジョフ『…初の実戦でこれか。』
エジョフはシフの方を向く。
エジョフ『シフ博士。もっと死体に慣れさせておくべきでしたな。』
歯ぎしりするシフ。モニターに映るはためく親グリーンアイス連邦派のウニュニュスタン都市国家の旗。
C5 遠征 END
END
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