No.74577

とうたくけ ~第1話~

南風さん

お待たせしました、~とうたくけ~です。~そんごけ~の外伝という形で投稿させてもらいました。キャラ崩壊、オリジナル設定が苦手な方は申し訳ありません。感想をおまちしております。

2009-05-20 09:11:20 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:11293   閲覧ユーザー数:8788

~とうたくけ~

 

作者からの諸注意。

キャラは真・恋姫†無双から選出しています。ですが、真・恋姫†無双の物語とは一切関係ありません。そのため、お隣さん感覚で呉以外のキャラも出てきます。例をあげると袁術さんとは親戚同士です。あと北郷一刀は存在します。時代は三国時代そのまま。戦争はありません平和です。でも孫家は呉を治めています。まぁ何か色々と面倒な作品になりましたが、単純に楽しんでいってください。時代は三国時代だけど、そこは何か作者クオリティーで色々とオリジナル設定や時代錯誤異物がでてきます・・・・・・・ごめんなさい。

ネタはみ●みけより使わせて頂いています。ではどうぞ。

 

 

この物語は董卓家の平凡な日常を淡々に書いたものよ。

過度な期待はしないでちょうだい。。

あと部屋は明るくしてPCから1尺は離れて見るのよ!! By詠

 

~そんごけ~外伝 ~とうたくけ~

第1話 ~月、がんばる~ その1

 

メイド服に着替え、部屋の掃除をしている月。

「~♪」

今日の月はとても機嫌が良い。

元々、とても優しい彼女が怒る事はなく、ましてや機嫌の悪くなることなど無い。

そんな彼女ですら今日の機嫌のよさは尋常では無い。

その理由は簡単で、あの北郷一刀が呉から泊まりがけで遊びに来てくれるのだ。

 

だが、そんな喜ばしい日なのだが機嫌の悪いのが一人。

いや二人いた。

 

一人は音々音。

主である恋が北郷の事が好きだからである。

 

二人目は詠。

今日という日を月よりも望んでいたはずの詠。

ではなぜ機嫌が悪いのか?

理由は天候。

今日という日に雨が降ってしまったのである。

 

「もぅ~、よりによって雨なんて!」

「仕方が無いよ。」

「なんで月はそんなに笑顔なの?せっかく月のためにつくった計画が雨のために台無しになっちゃったのよ?」

「私は北郷さんに会えるだけで嬉しいから。それに私のためじゃなくて詠ちゃんや恋さん、霞さんのためでしょ?」

「・・・・・・・・でも、それでも、月には幸せに・・・・・・・・。」

歯切れの悪い詠。

「ありがとう、詠ちゃん。」

そんな詠の手をにぎり、笑顔を見せる月。

詠がこのようになるのも、月の前だけだろう。

そして月も詠の事が大好きだから親友だから、詠の気持ちを大事にする。

 

 

 

「あ~、取り込んでいるところ悪いのだが。」

「「!!」」

声をかえられ、二人とも手を放す。

「あ、あら、華雄じゃないの。どうかした?」

声をかけたのは華雄。

「そう驚くものではないだろう。二人がそういった趣味をしていたとはさすがに知らなかったがな。」

「へうぅぅぅぅぅ・・・・・・・。」

「違うわよ!!それにだから何のよう!?」

「ふふふふっ、それでこそ詠だ。いやなに、雨も強いので少しはやいが北郷を迎えに出向こうと思ってな。」

「はい、よろしくお願いします。」

「頼んだわよ。」

「わかった。では、早速行くとしよう。」

華雄がその場を離れようとする。

「ちょっと待って。」

その華雄を呼び止める詠。

「恋や霞がどこで何してるか知ってる?」

「あぁ、あいつらなら・・・・・・・。」

 

 

――城門――

石と木材で作られている城門。

この門が閉められるのは夜と、有事が発生したときのみ。

今日は雨だが、まだ午前のため門は開いている。

その城門の下は広く雨宿りができる場所。

そして、常駐する兵の休憩所も近くにある。

 

そこに恋はいた。

 

そらから降ってくる雨を眺めながら。

城門から流れ落ちてくる水を眺めながら。

体育座りで座っていた。

そしてその恋の横であたふたしながら音々音もいた。

 

「恋殿、こんなとこにいたら風邪をひいてしまうのです。」

「・・・・・・大丈夫。」

「ですが・・・・・・・・。」

「・・・・・・セキトいる、暖かい。お腹減ってない・・・・・・・・大丈夫。」

バフッ

セキトは名前を呼ばれると、恋の膝の上に顔を出した。

「もしお腹が減ったらどうするのですか?」

「・・・・・・・・・・・一刀が来るまで、ここにいる。我慢する。」

「うぅ~~~~。」

「・・・・・・ねねも一緒に待つ。」

「・・・・・・・わかりましたです。」

音々音も観念して恋の隣に座る。

 

絶対にあいつに蹴りをかましてやるのです!

 

その心によからぬ事を考えながら・・・・・・・・・だが、

「・・・・・・ねね。」

「どうかしましたか?」

「・・・・・・一刀、蹴っちゃ駄目。」

その心の内は読まれていた。

「・・・・・・考えておきます。」

「・・・・・・駄目。」

「・・・・・・うぅ~、わかったのですぅ。」

 

 

 

――霞の部屋――

霞の部屋。

霞、彼女は武人である。

そして無類の酒好きである。

彼女の部屋は意外と質素で、酒瓶や自身の得物。

そういった物以外は必要最低限しか置いていない。

そんな彼女の部屋で一つだけ異質なものがあった。

それは写真立て。

この時、魏の真桜と一刀の力により写真が完成していた。

 

その写真立てに飾られている写真とは、満面の笑みを浮かべて肩を組んでいる霞と一刀の写真である。

 

それだけで、彼女の一刀への想いは伝わるだろう。

 

そして、そんな彼女はというと・・・・・・・

 

寝床の上で、枕を抱いて丸くなりながら・・・・・・・・

 

まだ寝ていた。

 

なぜなら昨日の夜、興奮しすぎで寝れずお酒を呑みすぎてしまったのである。

 

彼女にとっても今日は楽しみだったというのが、凄くわかるだろう。

 

「・・・・・・一刀・・・・・・・・そんなぁ、駄目やって・・・・・・・・・・・。」

 

そんな彼女がどんな夢を見ているかは、ご想像にお任せしよう。

 

 

そして場所は戻って、

「だから、ここには来ないぞ。」

「まぁ、期待はしてなかったからいいけど・・・・・・・これじゃあ準備に手間取るわね。」

「北郷なら気にしないだろう。なぜそこまでする?」

「さすがに呉から来て頂くお客さまですし・・・・・・。」

「そうよ。確かにあいつは気にしないだろうけど、それに甘えて何もしなければいい笑いものになっちゃうじゃない。」

「そんなものか。では、私は行くぞ。」

「はい、気をつけてくださいね。」

「なに、これでも私は武人だぞ!わっはっはっはっは!!!!!」

腕に力瘤をつくってみせ、華雄は大笑いしながらその場を後にした。

「大丈夫かしら?」

 

 

 

華雄が部屋を後にして暫くたったが、雨音は強まる一方である。

「さすがに酷いわね。」

「そうだね。華雄さんたち大丈夫かな?」

「それは大丈夫だとは思うけど・・・・・・・・・・・・・・・そう言えば、こんな時に何かあいつが言ってたわね。」

「一刀さんが?」

「そうよ。あいつの世界で雨をやませる呪い・・・・・・・・・・・・・・・何とか坊主。」

「テルテル坊主?」

「そう、それよ。月はどういうのか知ってる?」

「えっとね、確か・・・・・・・白い布から頭だけだして紐で吊るすものだったはずだけど。」

「それって・・・・・・・人を吊るすの?」

「へう!?」

 

二人の間に流れる微妙な間。

 

「それ、おもしろそうやね。」

そして、いきなり現れる霞。

「へう!?」

「な、なによ、寝てたんじゃなかったの?」

「さっき起きた。それより、さっきのてるてる何とかやろう。」

「それはいいけど・・・・・・・・人を吊るすとして誰を吊るすつもり?」

「それは・・・・・・・なぁ?」

「なぁ?じゃないわよ!?なぁ、じゃ!!」

 

「・・・・・・・・・あ!!」

ポンッと何かを思いつく霞。

 

「な、なによ?」

「月がおるやん。」

「それは駄目!」

「なんで?」

「だって月よ!月!ボク達の主!!!!!」

「でもなぁ?うちやと重くて吊るせそうにないし、詠は暴れるやろ?」

「当たり前でしょ!!」

「だったら、月しかおらんやん。」

「だーかーらー。」

「私はそれでもいいよ。」

 

・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・。

 

・・・・・・。

 

「へ?」

「大丈夫だよ、詠ちゃん。」

「で、でもね。月は・・・・・・・・。」

「わかってるよ。でも、それで雨がやむなら私はやってもいいよ。」

「なら、決定♪」

「霞は少し自重しなさい!」

「詠ちゃん・・・・・・。」

「・・・・・・・わ、わかったわよ。」

 

 

その頃の一刀

「助かったよ。ありがとう。」

「気にするな、客人を迎えるのは礼儀だ。」

華雄と合流して一路、月たちへの城へと向かっていた。

その途中で、とある変化に気付く。

「ん?」

「どうかしたか?」

「いや、雨が・・・・・・・。」

「あぁ、やんだな・・・・・・・。」

先程までと変わって雲間がひらけ、太陽が顔を出した。

「では、今のうちに急ぐぞ。」

「そうだね。」

 

 

 

そのころの月たち

「嘘、やんだわ・・・・・・・・・・。」

「おぉ、試してみるもんやな。」

「へうぅぅぅぅぅ・・・・・・・。」

その月はというと、

白い布に巻かれ、

紐に吊るされて、

まさに、テルテル坊主そのものだった。

まぁ、こんなに可愛いテルテル坊主は他にないだろうが。

 

「じゃあ、雨もやんだことだし、月を下ろすわよ。」

「せやなぁ。」

 

こうして雨がやんで月をおろす。

すると、

 

ザァーーーーー

 

吊るす。

 

ピタッ

 

おろす。

 

ザァーーーーー

 

吊るす。

 

ピタッ

 

おろす。

 

ザァーーーーー

 

吊るす。

 

ピタッ

 

「「・・・・・・・・・・。」」

 

「ごめん、もう暫くこのままにさせて。」

「せ、せやね。」

「・・・・・・・・・・・私なら大丈夫だよ。」

 

「じゃあ、私はゴミとか捨ててくるわ。」

 

「うちも詠を手伝うわ。」

 

「いってらっしゃい。」

笑顔で見送る月。

 

静寂が支配する部屋。

 

 

 

「へうぅぅぅぅぅ・・・・・・・。」

 

 

 

雨という日が少しだけ嫌いになった月であった。

 

 

 

 


 
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