No.744474 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-12-19 19:51:39 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:1725 閲覧ユーザー数:1568 |
双龍橋を占領した正規軍がそれぞれ動き回っている中、補給の為にケルディックに向かうリィン達はクレイグ中将とナイトハルト少佐、そしてフィオナに見送られようとしていた。
~双龍橋~
「士官学院の皆さんも……危ない所を助けてくださって本当にありがとうございました。」
リィン達と改めて対峙したフィオナは頭を深く下げて感謝の言葉を述べ
「まさか皇女殿下にもご尽力いただけたとは……このクレイグ、どのようにしてご恩に報いればいいのやら……!」
クレイグ中将は申し訳なさそうな表情でアルフィン皇女を見つめた。
「ふふっ、中将。どうかお気になさらず。」
「えへへ……本当によかったです。」
アルフィン皇女と共にトワは微笑みながらクレイグ中将達を見つめた。
「はは……」
「みんなの勝利、だね。」
「はい♪」
「みんな、無事で何よりね……」
「兄様や皆さんの御力になれて、よかったです……」
「フフ、お見事でしたわ。」
”第3の風”としての初めての勝利にリィン達が喜んでいる中、ゲルドとエリスは静かな笑みを浮かべ、シグルーンは微笑みながらリィン達を称えた。
「それにしても、少佐。タイミングが良すぎませんか?ずっと第四機甲師団から離れて別行動だったんでしょう?」
「たしか帝国西部にも行ってらっしゃったとか?」
ナイトハルト少佐が現れたタイミングを思い返したサラ教官は苦笑しながらナイトハルト少佐に尋ね、マキアスも続くように問いかけた。
「ああ、第七機甲師団を始め、各機甲師団との連絡を取っていた。昨日、フィオナお嬢さんがこちらへ移送されたという情報を聞き―――取り急ぎ駆け付けた次第だ。」
「ナイトハルトさん……どうもありがとうございます。」
「いや……当然のことをしたまでです。」
リィン達に対してはいつものような雰囲気で答えていたナイトハルト少佐だったが、フィオナに話しかけられると堅苦しい雰囲気を若干柔らかくしてフィオナと接していた。
(あれれ、なんかイイ雰囲気?)
(照れてるね、あれ。)
その様子を見ていたミリアムは目を丸くし、フィーはジト目になり
(うふふ、将来はひょっとしたら結ばれる事になるかもしれないわね、エリス♪)
(ひ、姫様……お二人に聞こえたらどうするのですか?)
興味津津な様子で二人を見つめるアルフィン皇女の小声を聞いたエリスは冷や汗をかいて指摘し
(うーん………昔からの知り合いではあるけど。)
(まあ……そうなんですか。)
エリオットの小声を聞いたセレーネは目を丸くした。
(ねーねー、ゲルド。二人って将来結婚するの~?)
(ミ、ミリアムちゃん!)
(リィンと”契約”したアルティナやフィオナさんの件でゲルドの”予知能力”は本物である事が証明されたから、信憑性はかなり高いでしょうね……)
ゲルドに質問するミリアムの小声を聞いたエマは焦り、アリサは苦笑し
(ちょっと待ってね………………)
(だから何度も言っているように、アンタもそんな下らない事に”予知能力”を使う必要はないわよ。というかアンタ達もせっかくの”予知能力”を下らない事に使わせないで。)
ミリアムの質問に真面目に答える為に二人をジッと見つめ始めたゲルドにセリーヌは呆れた表情で指摘した後ミリアム達をジト目で睨んで指摘し
(アハハ……僕にとっては他人事じゃなくなるから、結構気になるんだけどな……)
エリオットは苦笑しながらゲルドに視線を向けた。
「コホン……しかしナイトハルト。独断専行とはお前らしくないな?フフ、良い意味で軍人としての柔軟性を身に着けたようだ。」
愛娘と見つめ合っているナイトハルト少佐の様子を見たクレイグ中将は咳払いをして自分に注目させた後ナイトハルト少佐の動きを想い返し、苦笑した。
「いえ……今回については奇妙な導きもありまして。砦への進入路が判明したため思い切った次第です。」
「奇妙な導き……?」
ナイトハルト少佐の話を聞いたクレイグ中将は眉を顰め
「そ、それって……」
「……もしかして。」
エリオットとフィーはナイトハルト少佐の言葉から自分達が双龍橋を超える際に出会ったフードの男を思い出した
「まさか……怪しげなフード姿の男ですか?」
「ああ、その通りだが。なんだ、お前達の知り合いだったか?」
リィンの問いかけを聞いたナイトハルト少佐は目を丸くして尋ねた。
「い、いえ……知り合いというわけでは。」
「わたくし達もナイトハルト少佐のように、フード姿の殿方の”奇妙な導き”によって双龍橋を越えてガレリア要塞跡に向かう事ができたのです。」
「怪しさ満点ね。」
マキアスとセレーネはそれぞれ戸惑いの表情で答え、セリーヌはジト目になって答えた。
「ふうん……?ちょっと気になるわね。」
「……あくまで推測になりますが、皆さんにとっては”敵”ではないと思われますわ。」
眉を顰めているサラ教官の言葉にはシグルーンが静かな表情で答えた。
「ふむ―――まあとりあえずはいいだろう。今後、この双龍橋は第四機甲師団が管理する。後の事は我らに任せておぬしたちは出発するがいい。そうだ、補給の為にケルディックに寄った方がいいと思うぞ。確かおぬしらもメンフィル帝国領内での活動の許可は降りているのであろう?」
「父さん……うん。」
「物資も不足しているのでそうしようと思います。」
クレイグ中将の言葉にエリオットとトワはそれぞれ頷いた。
「今回は結果的に、正規軍と連携する形にはなったが……それでも、お前達が”第三の風”として活動するのは意義があることだと思う。陰ながら応援させてもらうぞ。」
「少佐……ありがとうございます。」
「フフ、お互い頑張りましょう。フィオナさん、またね。」
「ええ……!皆さんもお気をつけて!」
こうして――――リィン達は双龍橋を後にした。そしてそのままメンフィル帝国領であるケルディックの町に立ち寄ることになり―――物資の補給がてら町の様子などを確かめる事にしたのだった。
エウシュリーちゃんたちを小説内に出していて今更なことに気づきました……魔導功殻にエウシュリーちゃん達、登場していません!!皆勤賞と言ってもおかしくないくらい各作品に何らかの形でほとんど登場していたのに何故でしょう??あ、でもZEROにも登場しなかったような……?後次回のエウシュリー作品は音楽関連ですから、前作の天秤のアペンドであったアイドルネタはまさか次回作のヒントを出していたのかと思ってしまいましたww
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第438話