No.744437 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-12-19 15:35:46 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1569 閲覧ユーザー数:1444 |
~1時間後・メンフィル帝国軍・ケルディック地方・双龍橋方面国境防衛地点~
「こ、これは……!?」
アハツェンの車体の上に乗っているクレイグ中将は周囲の惨状を見て目を見開き
「りょ、領邦軍が……」
「ぜ、全員殺されている……!」
「まさかメンフィル軍によって殲滅されたのか……!?」
戦車兵達は驚きの表情で声を上げた。
「―――正規軍を率いている者は貴方と見受けられますが。貴方が双龍橋を占領した正規軍の”将”ですか?」
するとその時飛竜に騎乗したサフィナが上空から飛竜と共にクレイグ中将の前に着地した。
「なっ!?竜に乗った騎士だと!?」
「ま、まさかあれが噂に聞くメンフィルの”竜騎士(ドラゴンナイト)”か!?」
サフィナの登場に戦車兵達は驚き
「いかにも。私は帝国軍・第四機甲師団司令、オーラフ・クレイグ中将。貴女は?」
クレイグ中将は落ち着いた様子で自己紹介をした後サフィナを見つめた。
「―――メンフィル帝国領ケルディック地方の臨時領主の一人にして、メンフィル帝国軍竜騎士軍団団長、サフィナ・L・マーシルン元帥。トールズ士官学院では我が義娘達――――ツーヤとセレーネ、そして我が妹であるプリネが貴方のご子息にはいつもお世話になっています。」
「何と……!貴女がルクセンベール卿達の御母上でしたか……!こちらこそ、愚息がいつもお世話になっております。……それでこの惨状は一体どういう事でございますか?」
サフィナの言葉を聞いて驚いたクレイグ中将は会釈をした後、真剣な表情でサフィナに問いかけた。
「領邦軍はメンフィルの許可なく強引にメンフィル帝国領であるケルディック地方を突破しようとしました。よって我らはケルディックの民達を護る為にケルディックに危害を加える可能性が非常に高い領邦軍を殲滅しました。……何か問題がありますか?」
「……いえ、ありませぬ。我らの不手際により貴国にお手間を掛けさせてしまった事、お許しください。せめてもの償いに、貴国が殲滅した領邦軍の死体等の処理は我ら正規軍に任せて頂けないでしょうか?」
サフィナの説明を聞いたクレイグ中将は目を伏せて答えた後頭を下げた。
「わかりました。その申し出、ありがたく受けさせて頂きます。それと既に連絡は受けていると思いますが正規軍のケルディックの通過やケルディック市内での補給の許可は降りていますので、通過もしくはケルディック市内での補給をしたい時は兵達に言って頂ければお通しします。――――ただし、ケルディックの民達に危害を加えた際はその場で拘束し、厳重に抗議させて頂きます。末端の兵士達にも民達に危害を加えない事を必ず心掛けさせて下さい。」
「寛大なお心遣い感謝致します。……貴族連合が貴国に対して行った数々の卑劣な行為によって我が国を一切信用できない事は重々承知しております。部下達にも強く言い聞かせ、これ以上我が国が貴国に対する卑劣な行為などを働いて”罪”を犯さぬように誠心誠意を持って接しさせて頂きますのでご安心ください。―――第四機甲師団の兵達に次ぐ!もし貴様らがケルディックの民達に危害を加える等メンフィル帝国に対して卑劣な行いを行った際は厳罰に下すかもしくはメンフィルに裁量を任せる!その際は”処刑”もありえると思え!わかったな、貴様ら!?」
サフィナの忠告を聞いて会釈をした後重々しい様子を纏って頭を下げたクレイグ中将は第四機甲師団の部隊を見回して怒鳴り
「イエス・コマンダー!!」
クレイグ中将の怒鳴りに応えるかのように、第四機甲師団の兵達から返事が返ってきた。
双龍橋に陣取り、正規軍によって撤退せざるを得なかった領邦軍はメンフィル帝国軍によって殲滅された。双龍橋を占領し、ケルディックの通過も認められている正規軍だったが、トリスタ方面に貴族連合の別の軍が展開したため再び膠着状態に陥った為追撃は行わず占領した双龍橋での兵達の配置を整える事とメンフィル帝国軍によって殲滅された領邦軍の死体の処理等を行い、バリアハート方面との国境であるケルディック要塞を擁しているメンフィル帝国軍はバリアハート方面で防衛線を二重三重に張っている領邦軍と睨みあう形となった。
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第437話