No.744545

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第439話

2014-12-20 01:20:09 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2080   閲覧ユーザー数:1850

12月18日――――

 

~ケルディック~

 

「………………」

リィンが町を見回っているとゲルドが心配そうな表情で領主の館を見つめていた。

「ゲルド?領主の館を見ているようだけど、プリネさん達に何か話があるのか?」

ゲルドの様子が気になったリィンは尋ねた。

 

「あ……リィン……うん……この町の一番偉い人たちにどうしても伝えたい事があって……」

「プリネさん達に……?――――!まさか……また未来の出来事が”見えた”のか?」

ゲルドの話を不思議そうな表情で聞いていたリィンだったがすぐに察して真剣な表情で尋ね

「…………」

ゲルドは静かな表情でコクリと頷いた。

「そうか……じゃあ、是非伝えてあげないとな。ゲルドの”予知能力”は”本物”である事が証明されたし。問題はどうやってプリネさん達に会うかだよな……以前は運よくツーヤさんと出会えたからよかったけど……」

プリネ達に会う方法が難しい事を理解していたリィンはその場で考え込み

「ねえ、リィン。ARCUSで連絡を取って会う事はできないの……?確かこれには”通信機能”……?という機能がついているのよね?」

「!その手があったか……!プリネさん達がARCUSをまだ持っていたら繋がるはずだ……!」

ゲルドの助言を聞いてすぐに思いつき、プリネのARCUSに連絡をした。その後二人はプリネの手配によって領主の館に入り、客室の一室に通された。

 

~領主の館・客室~

 

「―――お待たせしてすみません。」

「あ……」

二人がソファーに座って待っているとプリネとレーヴェが部屋に入って来た。

 

「―――久しいな、シュバルツァー。」

「お久しぶりです、レオンハルト教官。それと……プリネさんも久しぶり。」

レーヴェに視線を向けられたリィンは会釈をした後懐かしそうな表情でプリネに視線を向け

「フフ、ようやく再会して話をする事ができましたね。随分前にケルディックに寄って頂いた際は仕事で会うことができず、申し訳ございませんでした。」

プリネは微笑んだ後申し訳なさそうな表情をした。

 

「そ、そんな!プリネさんはケルディックの臨時領主として忙しい事は知っていたから、俺は気にしていないよ!プリネさんこそ、無理はしていないか?内戦の影響で臨時領主としての仕事が増えて相当忙しい事をツーヤさんから聞いているけど……」

「お気遣いありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。状況はようやく落ち着いて来ましたし、双龍橋が正規軍によって占領された事によって、少しはマシになると思います。それにこれも臨時領主として……そして皇族としての”義務”ですから、泣き言を言う訳にはいきません。」

「………………」

プリネの答えを聞いたリィンは複雑そうな表情で黙り込み

「―――それで何の用でここに来た?そして何故そのゲルドとやらの身元不明の謎の魔女もこの場に連れてきたのだ?」

レーヴェは静かな表情でゲルドに視線を向けて問いかけた。

 

「えっと実はゲルドが臨時領主であるプリネさんに伝えたい事があるそうなんだ。」

「私に、ですか?一体何でしょうか?」

リィンの説明を聞いたプリネは不思議そうな表情でゲルドを見つめた。

 

「……………いつかはわからないけど、この街は複数の人達の手によって、焼き討ちされる所が”見えた”わ。私はそれをこの街の一番偉い人である貴女に伝えたかったの。」

「何だって!?」

「ええっ!?ケ、ケルディックが何者かによって焼き討ちをされるのですか!?」

「……………………シュバルツァー。その魔女は何者だ?記憶喪失である事は聞いているが。」

ゲルドの言葉を聞いたリィンとプリネは血相を変え、目を細めて黙り込んでいたレーヴェは静かな表情でリィンにゲルドの正体を尋ねた。

「その、実は――――」

そしてリィンは二人にゲルドには”予知能力”があり、実際にゲルドの予言が的中した話を説明した。

 

「”未来が見える”能力―――”予知能力”ですか……しかもゲルドさんの予言通り、リィンさんはユミル郊外にある雪山の墓場にてアルティナさんと”契約”し……更に領邦軍によって双龍橋に連行されたフィオナさんの件を考えると……」

「既に2度も的中しているゆえ、”灰の騎神”を使った戦闘の際にもその”予知能力”通りになった話も考慮に入れるとなると信憑性は高いだろうな。」

ゲルドの事情を聞いたプリネとレーヴェは真剣な表情で考え込み

「ゲルド……ケルディックを焼き討ちした人達はどんな人達だ?まさか領邦軍か?」

リィンは真剣な表情でゲルドに尋ねた。

 

「………いいえ、私達が双龍橋で戦った兵士の人達ではないわ。銃を持っていて、双龍橋の砦内にいた魔獣と同じ魔獣に命令をして街に火を放ったり建物を破壊していたわ……」

「……それだけではわかりませんね。一体何者がこのケルディックを……」

「……―――――あくまでも可能性の一つだが、”猟兵”の事を言っているのかもしれんな。」

ゲルドの答えを聞いたプリネは考え込み、ある事に気付いたレーヴェは目を細めて呟いた。

 

「あ……っ!」

「……確かに貴族連合は多くの猟兵団を雇っているからその可能性はあるわね………」

「?その”猟兵”という人達はどういう特徴がある人達なの?」

「……”猟兵”の特徴とは――――」

不思議そうな表情をしているゲルドにレーヴェは”猟兵”の特徴についてわかりやすく説明した。

 

「うん……多分、その人達だと思うわ。」

「クッ……メンフィルに”報復”をされたのに、懲りずにユミルの件同様………いや、それ以上の卑劣な事をするなんて……!」

レーヴェの話を聞いたゲルドの答えを聞いたリィンは唇を噛みしめ

「エリスさんを救出する際に行った私達メンフィルによる貴族連合への”報復”に対する”報復”かもしれませんね……――――ゲルドさん、その時私達は何をしているのか、わかりませんか?」

複雑そうな表情で推測したプリネは真剣な表情でゲルドに尋ねた。

 

「………………その時、貴女達はこの館とも比べ物にならないくらいの大きな建物を攻めている双龍橋にいた兵士達が使っている兵器や兵士達の服に刻み込まれてある同じ紋章が刻み込まれてある兵器や兵士達と戦っているわ。」

「え……プ、プリネさん達がクロイツェン州の領邦軍と!?」

「大きな建物……―――まさか”ケルディック要塞”の事かしら?」

「ケルディックを守護する現状の俺達の事を考えるとその可能性は高いだろう。……そうなるとバリアハート方面からケルディック要塞を攻め、俺達がケルディック要塞の防衛に移って街が手薄になった隙を狙った猟兵達がケルディックを焼き討ちすると言った所か。」

ゲルドの話を聞いたリィンが驚いている中、プリネと顔を見合わせたレーヴェは目を細めて推測した。

 

「問題は猟兵達がどこからケルディックに潜入してくるかだけど……ゲルドさん、それについては何かわかりませんか?」

「……………………難民の人達が住んでいる場所から現れるのが”見えた”わ。」

「ええっ!?な、難民の中に猟兵達がいるって言うのか!?」

「…………………………――――ご忠告ありがとうございます、ゲルドさん。ゲルドさんの予言、決して無駄にはしません。リィンさん、申し訳ありませんが私はそろそろ仕事に戻らないといけませんので……」

ゲルドの答えを聞き、厳しい表情で考え込んでいたプリネはゲルドに頭を下げた後リィンを見つめた。

「……わかった。俺達はこれで失礼するよ。」

そしてリィンとゲルドは領主の館を後にした。

 

 

 

ゲルドの予言がここにきてとんでもない効果を発揮しましたwwケルディックの件は原作通りにするつもりですが”結果”は原作とは異なりますwwとりあえず北の猟兵達は果たして生きてバリアハートに帰れることやら(黒笑)


 
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