No.739531

恋姫†無双〜私だけを見てください〜 第6話

マットさん

お待たせしました。第6話です。

是非とも楽しんでください。

2014-11-25 20:39:40 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2039   閲覧ユーザー数:1842

私達がお互いを支えあう事を確認した後に、街の皆さんがそれぞれ農具や作りだされた弓を持ってきました。

 

これから戦争が起きる……その事は今になってもやっぱり恐いです。

 

人が人を殺していく……そんな事はあってはいけない事です。

 

でも、そんな事に怯えていたら何も出来ず。

 

……それに、こんな事を言ったら、私の復讐も達成出来ずに終わっちゃいます。

 

……結局私は、自分の目的の為に街の皆さんを騙して、戦争を引き起こしています。……こんな私は最悪の人間となるでしょう……

 

でも……それでも私は、もう後には戻りません。一刀様と共に歩んで、一刀様の愛を一身に受け止めて、一刀様を奪っていった女達に復讐をします。

 

「んっ?零里、一体どうしたんだ?」

 

「……えっ?」

 

振り向いて見ると、一刀様が声を掛けてきました。

 

「あ、あの一刀様?どうして私の事を心配なさったのですか?」

 

私がそう聞いたら一刀様が……

 

「いや、だって……何だか零里、凄く思いつめた感じの顔をしていたから……あっ!もしかしてこれからの戦争の事を気にしてるのか?」

 

と、仰ってきました。どうやら、思っていた事が顔に出ちゃったようです。

 

「心配は要りませんよ。相手はまともな統率も取れない烏合の衆の賊軍ですから、今の私達の敵じゃありません。……その代わり、一刀様はなるべく前線に出ないで私の側に居てくださいね。」

 

私は戦争の事を気にしていた一刀様に、私の側に居るように伝えます。そして……

 

「この軍は、一刀様を中心に構成されていると言っても過言ではありません。……だから要の一刀様がやられてしまったら、軍が総崩れになってしまいます。……それに私は、一刀様に死んでほしくないのです。」

 

……と、さりげなく告白をしました。

 

「うん。それはもちろん分かってるよ……俺なんかが前に出ても、皆の足手まといになるだけだろうし、男としては情けないけれど、零里の側に居させてもらうよ……だけど零里、俺と一つだけ約束をしてくれ。」

 

「はい?」

 

一刀様は私と共に居ることを、承諾なさったようですけど、私として欲しい約束があるようで私は首を傾げました。

 

「俺を守るのはいいけれど、零里……お前も死なないで生き残ってくれ。俺は……『好きな子』に死んでほしくはないから。」

 

「…はへっ!?///」

 

い、いいいいい今、一刀様はなんて///……『好きな人』……そ、そそそんな、大胆な告白を///

 

「は、はわわわわわ///」

 

もう私はどうしたらいいのか分からずに、「はわわ」とうろたえてしまいました。

 

「あ、いやその///……ほ、ほら零里は、一番に俺の事を見つけてくれたから……その///……そ、それに零里だって、この軍の要なんだから死んでもらっちゃ困るから……だから、その///」

 

一刀様が何やら呟いていましたが、私の耳には殆ど入っていませんでした。……と、そんな時に、

 

「……いやぁ~見せてくれますね、御遣い様も。」

 

突然、一刀様とは違う方向から声が聞こえてきました。

 

その方向を見てみると、街の皆さんがニヤニヤしながら私達の事を見ていました。

 

「なっ!?///こ、これはその……」

 

一刀様は何かを言いたそうに呟いていましたけど、街の人達は表情を変えないで……

 

「いやいや、御遣い様と司馬懿様がお似合いなのは此処に居る奴らは皆知ってますから。」

 

「けどそうゆう事は、せめて賊の退治を済ませてからお願いしますね。」

 

なんて言われてしまいました。……うぅ、恥ずかしいです///そ、それに私と一刀様がお似合いなんて……はふぅ~///

 

「そ、そうですよね!!こんな事はこんな時にする事じゃありませんからね!!」

 

私はこの状況から早く逃げ出したかったので強引に話を終わらせました。

 

「そ、そうだよな!!これから俺達は戦わないといけないのに……」

 

一刀様もこの場の空気を変えようと、話をつなげました。

 

でも、この戦いが終わったら……///

 

 

……………………

 

「…はぁ~」

 

私はついつい深い溜め息を吐いてしましました。街の人達から私達の事をからかわれて、一刀様と一緒に弁解をしたんですけれど、その姿を見た街の人達に……

 

「やっぱりお似合いだわ~」「照れなくてもいいでしょ~」

 

なんて言われて、ますますからかわれる始末でした。……はぅ、すっごく恥ずかしかったです///

 

その後に何とか皆さんの事を、鎮め(?)ることが出来、そして今は皆さんを連れて行軍中です。

 

……どうでも良い事ですけれど、こんな談笑をしていたのに何故賊たちは街を襲おうとしなかったんでしょうか?あの時の私達は、すっごく油断をしていたと言うのに……まあ、そんな事も分からないような人達なんでしょうけど。

 

……だって賊と言うのはおそらく、私が前に殺したクズ三人組の仲間なのでしょう。あんな頭の悪いクズ達の仲間ですから、その仲間達も頭の使えないクズ達なのでしょうから、こんな絶好の機会も見逃してしまうのでしょう。けれど、そんなクズ達が相手ですから私達は余裕で勝てるんでしょうけれど。……まぁ例え、万が一襲ってきたとしても、私一人で賊は一掃できるんですが。……そんなクズで哀れな賊達の事を考えると……

 

「…はぁ~」

 

また溜め息を吐いてしまいました。

 

「ん?どうしたんだ零里、溜め息なんか吐いたりして……」

 

私が溜め息を吐いていた事に気付いて心配してくれたのでしょう、一刀様は私に聞いてきました。

 

「あっ、いえ……ただ、これから討伐をする賊の軍団が余りにも鈍重な動き方をするので、もうただの『馬鹿でクズの集まり』だと私には思えてしまって、呆れて溜め息が出てしまったんです。」

 

私は思っていた事を、正直に一刀様に伝えました。……こんな事を隠しておいても、別にどうと言う事は無いでしょう。

 

「そ、そうなんだ……じゃあそんな賊に対してなんだけど、零里は策とかは考えているの?」

 

一刀様は少々、身を引きながら策があるかと聞いてきました。……なんでそんなに身を引く必要があるんですか?

 

「そうですね……基本的には、それぞれ二人一組になって賊を攻撃します。……若い男の人には、槍兵として前線で奮闘をしてもらって、お年寄りの人達は弓を用いて後方にて援護射撃をしてもらいます。こんな感じに当たったら、自然と賊軍の前線は崩れ去るでしょう。」

 

「えっ!?そ、そんな簡単な策で大丈夫なのか?」

 

私は取るべき戦略を簡潔に教えたら、一刀様は策の内容が簡単すぎる事に驚いていらっしゃいました。

 

「心配要りませんよ。相手はろくに統率も取れないで数を頼りに進んでいくようなクズ達です。そんな相手には、そう言った初歩の初歩くらいで十分なんですよ。……と言うより、そんなクズを相手に正当な兵法を用いる事自体が馬鹿らしいんですよ。」

 

「そ、そうなんだ……」

 

一刀様に思っていた事を打ち明けたら、一刀様は理解をしてくださったようです。

 

「ですがそんなクズが相手でも、一刀様の身に危険が全く無いとも言えないので一刀様は、本陣に必ず居てくださいね。」

 

私は一刀様の心配をして、そう忠告しました。

 

「ああ。本当だったら俺も皆と一緒に戦う事が一番いいのかもしれないけど、俺にはそんな力は無いから、素直に安全な所に居させてもらうよ。」

 

一刀様も素直に忠告に応じてくれました。事実一刀様は、今の私と比べたら全然相手にもならない程弱いです。……でも、それでもいいのです。私は一刀様をお守りをして、愛していければいいのですから。……でも、私の事を守ってくれる一刀様って言うのも…………///

 

「えっと……零里、どうしたんだ?」

 

「…へっ!?///」

 

突然一刀様の声が聞こえてきて、私の声がひっくり返ってしまいました。

 

「な、ななななんでもないでしゅよ!!///」

 

まさか一刀様が、私の事を守ってくれた時の事を想像していて、顔を赤くしていたなんてとても言えずに、思わず舌を噛みながら答えてしまいました。

 

するとそんな時に……

 

「御遣い様、司馬懿様。賊が見えてきました!!」

 

男性の一人が、賊の部隊を確認した事を伝える声が聞こえてきました。

 

「あっ、そろそろ敵が見えてきたみたいですね!!そろそろ戦闘態勢を取りましょうか、一刀様!!」

 

私は、少々強引に話題を変えて一刀様に戦闘態勢を取る事を助言しました。

 

「えっ、あぁ……うん、そうだね。じゃあ零里……前線部隊の指揮を任せる事になるけど、よろしくね。」

 

一刀様は話を変えられた事に戸惑いながらも、私に指揮を任せてくれました。そんな一刀様に私は……

 

「御意です♪」

 

と、笑顔で言いました。


 
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