No.738902

艦隊 真・恋姫無双 6話目

いたさん

取りあえず投稿致します。 11/25 ヒトキュウマルマル……誤字とか……島風の台詞を変更しました。

2014-11-22 23:25:39 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2260   閲覧ユーザー数:1910

【 于吉達 恋姫世界へ! 】

 

〖 鎮守府 裏山の避難場所 にて 〗

 

川内「一体全体どうなってるんだよ!? 資材探しに頼まれて行ってたのにぃ、皆で夜戦の模擬演習!? ふざけるんじゃないわよ!!」

 

于吉達を待っていたのは……川内だった。

 

加賀の頼みで資材探しと警戒で、鎮守府と避難所を往復。 その折に、鎮守府の予備倉庫にあった備蓄を見つけて、運んできたのだった。

 

于吉「貴女も味わってみます……? 飢餓で『怒髪天改修状態ボーキ大魔神』と対で夜戦したいのなら……遠慮は入りません。 直ぐにも……強固な闇結界を張り、あの魔神の封印を解いて……共に送り込んであげますよ……?」

 

川内「ごめんなさいっ!! その夜戦だけは───どうかぁ御勘弁して下さあぁぁい!! お願いしますぅぅぅう!!!」

 

『アノ魔神に多数で戦っても辛いのに、一人で夜戦など無謀過ぎる!』と考えた川内は、于吉に平謝りに謝り……ようやく許して貰った。

 

ーーー

 

島風「よいっしょっ! よいっ……しょっ…とっ! ふぅ~っ! 何とか此処まで持って来れた……えぇっ!? うわあぁあああ─っ!! な、何ぃ?!」

 

反対方向より島風が、資材を幾つか見つけて、自力で運び込んできた。 だが、避難所近辺で……気絶する艦娘達を見付けて、悲鳴を挙げる!

 

島風は……『新たな敵ッ!?』と身構えるが……艦娘達に残る『無数の歯型』を見て察した。 

 

島風「………って……あれっ!? もしかして……この状況……赤城さんの例の病気が出たのぉお!? アレになった赤城さん……島風でさえも追い付けないんだよ? どんな構造になっているんだろう……!?」

 

年に数回現れて、緊急任務『大魔神を討伐せよ!』の激戦を思い出し、震え出した自分の肩を抱いたのだった。

 

ーーー

 

左慈「……他に運ぶ物があれば……言え! 俺も手伝って……グッ!?」

 

于吉「貴方も……満身創痍なのですから……私に任せて下さい。 傀儡兵達よ! 資材を急いで……ここまで持ってくるのです! 川内……でしたか? 案内を頼みます! この者達が資材運びを、手伝ってくれるでしょうから!」

 

川内「あぁ………それじゃ……こっちだ! 付いて来いッ!!」

 

傀儡兵「──────ゾロゾロッ!!」

 

ーーー

 

左慈「………お前の方は……いいのか?」

 

島風「……えっ!?」

 

左慈は、一人待っていた島風に声を掛けた。

 

島風「わ、私の方は……大丈夫だよ! あるだけ纏めて持ってきたから。 ほらっ! ボーキとか色々残っていたんだからね!」

 

左慈「………そうか。 なら、大丈夫か。 于吉……少し休むぞ! 準備が出来たら……起こ……せ……」

 

島風「あわあわあわっ! 大丈夫なの!? 大丈夫なのっ!?!?」

 

于吉「心配しなくても……大丈夫ですよ。 力を使い過ぎただけです」

 

島風「そ、そうなんだぁ………」ホッ!

 

于吉「どうやら……私も……力を使い過ぎました。 少し……一寝入りさせて下さい。 傀儡兵は、命じ終わるまで動いていますので……資材が運び込まれましたら……起こして下さい……ね?」

 

島風「えっ!? ちょっ! ちょっとー!? ………って寝ちゃたよ。 加賀さん達は、何か警戒してたけど……こうも無防備で寝られると……。 仕方無いよ……ね? 少しは信じてあげよう~とぉ!!」

 

島風は、川内達が戻るまで……皆の様子を見ながら警備をしていた。

 

★☆☆

 

朝日が昇り、避難所を日が照らす。

 

昨夜の急な鎮守府の夜襲から……一晩が過ぎた。

 

鎮守府が壊滅状態になる事さえ、トンデモナイ事態なのに……謎の人物、此処とは別の世界、新たに出現した強力な深海棲艦の事実!!

 

普通なら、正気が保てなくなるぐらいの……非現実的な事。 

 

それなのに……皆が意気消沈せず、新しき目標に向かって動いているのは、加賀が先頭に立ち、皆を引率している事も事実。

 

だが、鎮守府と共に殉死したと思われた……北郷一刀提督達が、生き残って合流できる事が、精神的に大きかったのだ!!

 

ーーーーー

 

于吉「────さて! 資材の確認、工具類、整備に使用する物は全部揃えてありますか? 妖精さんや艦娘の皆さんは、全員揃っていますか?」

 

加賀「私も確認しましたが………持てる物、使える物は、全部準備が出来ています。 後は、向こうの土地の確認、材料の調達が必要でしょう!!」

 

赤城「原材料の調達先も、早急に調査しなければぁ………!!! ………それにしても……昨日……何があったのですかね? 加賀は知りませんか?」

 

加賀「………どうかしたんです?」

 

赤城「私が寝ている間に、ぐるぐる巻きに縛られ、額に御札が貼ってあるんです……。 誰がやったか分かりませんが、私を『荷物扱い』するなんて……酷いですよ!!」

 

加賀「…………………そうね」

 

赤城「まぁ……一刀提督と逢える今の私なら、寛大に許してあげます! だけど……二度も同じ事をしたら……!」

 

赤城の言葉に……全員が頷き、心が一つになる。 

 

『ボーキの調達を早急に行わないと!? あんな事、二度と御免被りたい!!!!!!』

 

ーーー

 

左慈「よしっ! それでは、次元の扉を開く!! 皆! 該当する物を持てよぉ!? 忘れ物があっても取りに帰ってこれん!! 大丈夫か!?」

 

『─────────コクリッ!』

 

左慈「ふっ! 良い面構えだっ! 扉を開けるぞぉ!!! 総員準備!!」

 

左慈は呪文を唱えると、煌びやかな巨大な門が開かれた!

 

唖然とする───艦娘達や妖精さん達を、殆ど強引に連れ込むと……門は音もなく閉められ、次の瞬間に消えた。

 

後には、何も残らないままで───────。

 

 

◆◇◆

 

【 一刀達 恋姫世界へ!! 】

 

〖 扉内の部屋 にて 〗

 

一刀「うぅ…………………ッ!!」

 

港湾棲姫「カ、一刀!? シッカリシテェ───!!」

 

一刀は、左慈に殴られ絶賛気絶中、港湾棲姫が一生懸命に看護をしている!

 

ーーー

 

天龍「あのヤロー! 一刀提督を殴りつけやがって! 今度会ったらオレが、提督の代わりに殴り返してやるッ!!」

 

龍田「天龍ちゃん~! 一刀提督を殴るんじゃなかったの~? それとも……愛しい提督が傷つけられて~気分を害しちゃたのかなぁ~??」

 

天龍「ばぁっ! 馬鹿ぁ! ちぃ、ちげぇよぉ!!!」

 

ーーー

 

長門「おのれぇ───ッ!! 結局逃げられたか!? 私の砲撃を悉く紙一重で避けまくり、急に消えるとは!? ────卑怯者めぇ!!」

 

金剛「まったくデース! 優雅なtea party(お茶会)に乱入、一刀提督に暴力を振るう愚か者は、worth thousands of deaths(万死に値する)ネー!」

 

ーーー

 

雷「ちょっと! 幾ら司令官が殴られたからって、砲撃はするんじゃないわよ!! せっかくのお菓子が煤だらけじゃない!! 食べ物を粗末にするんじゃないわよ!? もぉう……お子様なんだからぁ────っ!!!」

 

電「一刀さん!? 大丈夫なのですか? あぁ……良かった。 大したこと無くて……良かったのですっ!! ………でも、あの人の言いたい事も……分かる気がするのですよ……。 決して悪い人では……ないと思うんです……」

 

ーーー

 

卑弥呼「───せっかちで不器用なオノコだわい。 北郷一刀を心配して、ワザと自分に憎しみを注目させたか……。 だが……これで、覚悟は決まったとみえる……。 やはりぃ……覚悟が決まったオノコの顔……惚れ惚れよの!」

 

貂蝉「だぁけどぉ~~貴女達ぃいぃぃ!! ヒドいぃヒドいわぁぁあん!! 私ぃの精魂込めたインテリアコーディネーションがぁ……あばら屋同然になっちゃたわぁぁああ!!!? どうしてくれるのよおぉおお!!!」

 

これが……左慈が去った後の様子である。 

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

簡単に状況説明すれば……

 

『修羅場の中に空気を読まず左慈が乱入! → 左慈が一刀を殴る! → 艦娘、激怒……室内ゆえ素手で殴る! → 左慈、笑いながら逃走 → 暴走した二人の艦娘が砲撃! → 左慈、小破で退避! 部屋内部、大破!!!!』

 

★ーー★ーー★ーー★ーー★

 

 

★☆☆

 

『───────申し訳ありません!!!』

 

少し経って………一刀は目が覚めて……艦娘達の話と現状を見て、状況を素早く把握。 自ら先頭になり、全員『土下座』して謝罪した。

 

貂蝉「もぉ─────ぉ! ホントォ激おこ状態なのよぉ!? こぉ~んなか弱い私ぃを苛めて……何ぃぃいがぁ楽しいのかしらぁん!? みんなぁ嗜虐趣味なのぉ? 私ぃを苛めてぇそんなに楽しいのぉおお!?!?」

 

『─────(首を横に)ブンブンブンッ!!』

 

卑弥呼「………貂蝉! 戯れもそこまでにしておけぇい! あの部屋の装飾は、儂等の概念で具現化した物だ。 直すのも消すのも、儂等の意志次第!」

 

貂蝉「卑弥呼ぉ! もうちょっと……楽しませてくれてもいいのにぃ~!! 家具はそうだけど……お菓子やお茶はぁ本物よぉ!? 私の手間暇掛けて、一刀ちゃん達に味わってもらいたい一心で用意したのにぃいいいッ!!!」

 

『……………………シュンッ』

 

 

卑弥呼「ふっはっはっはっ!! ───貂蝉!! お前の菓子作りの腕前は、また今度……堪能させて貰うぞ!! どうやら……于吉達が行動を起こしたようだわいっ! 北郷一刀! そして………付き従う乙女達よ!!!」

 

『─────────!?』

 

卑弥呼「儂等と……いや、于吉と左慈達も共に、異世界に渡ってもらいたい! 三国志の外史であり……原因となった乙女達が居る『真・恋姫無双』の世界へと!! 深海棲艦から世界を救う為に───っ!!」

 

一刀は、改めて……自分に目を向ける艦娘達に意見を問う。

 

一刀「…………皆の気持ちは分かった! 向こうでは……どんな苦難が待ち迎えているか分からない! それでも……付いてきてくれるかいっ!?」

 

『─────────コクッ!!』

 

艦娘達は……全員が頷いた。 真剣な顔で頷く者、少し怒り顔で睨む者、捨てられそうな子犬が幻視できる悲しそうな顔の者。

 

一刀「………では! 長である北郷一刀が命じる! 一緒に異世界へ向かってくれ! 俺は、皆を守れる術は……今は無い! しかし、必ず見つけて……君達を守れるよう……頑張るからな!!」

 

『─────────────!』

 

艦娘達の顔に、笑顔が浮かばして……一刀に駆け寄ろうとした瞬間! 貂蝉が爆弾発言を言い放った。 

 

貂蝉「そぉそう! 向こうにはねぇん? 鎮守府に居た加賀ちゃんや赤城ちゃん達も待っているわよぉ~? 皆でぇ、一刀ちゃん達が到着するのを待っているわあぁ! 鎮守府を準備しながらねぇん!」

 

一刀「ちょっ!? まっ、待てぇ!! そんな話! 聞いてないぞ!?」

 

貂蝉「当然よぉ! 一刀ちゃん達に言えば……反対される事は分かっていたしぃ~。 私達だってぇ……あの子達の今後や気持ちを配慮したのよぉん?  あのまま……避難させておくつもりだったのぉ?」

 

一刀「い、いや……大本営の指示に従って貰えばと………」

 

その言葉に……卑弥呼は太い溜め息を吐き、一刀に向き直る!

 

卑弥呼「まだまだぁ……乙女達の心情を察するに、修行が足らないようだわい! 向こうに到着したら……儂が直々に漢女心を教えてやろう! 一つの狭い部屋で……儂との個人レッスン! むぅ! ……滾るぅ滾るぞぉおお!!」

 

貂蝉「狡いわよぉ~卑弥呼ぉ! 私にも……教えてアゲル資格があるわよぉお!? 二人だけで部屋に閉じこもるなんてぇ~絶対駄目ぇええぇん!!」

 

卑弥呼「ふんっ! 狭い部屋に三人も入れると思うかぁ! 未熟者がぁ!!」

 

貂蝉「………こんなところで……策を弄するなんてぇ? やるわねぇん!?」

 

一刀「その前に──俺は断固拒否する!! 舌噛んでもだぁああ!!」

 

ーーーーー

 

そんな殺伐なやり取りがあったが、艦娘達の猛反対もあり卑弥呼の案は潰えた。 非常に残念そうな二人だったが、一刀達の協力が無いと始まらないのだ。 仕方なく妥協して……『外史の世界』へと扉を準備したのだった。

 

 

◆◇◆

 

【 署名人の反応は……? の件 】

 

〖 兗州陳留郡陳留 にて 〗

 

??「あらっ!? 朝方より流れ星が見えるなんて……!」

 

??「華琳様……如何なさいましたか?」

 

??「朝から流れ星が見えるとは……! 秋蘭……星の中にも、朝と夜を勘違いして出てくる、慌て者が居るようだな!?」

 

秋蘭「あぁ……誰とは言わんが……寝ぼけて真夜中に叩き起こす者も居るからな。 ………仕事で疲れて居る身には……些か堪えるのだが……」

 

華琳「春蘭……! 貴女、また同じ事を繰り返しているの? 最近、ヤケに多いわね? 何か……悪い病気とかじゃないんでしょう!? 貴女には、武の面で多いに期待してるのだから………」

 

春蘭「はっ、はいっ!! 大丈夫ですっ! 有り難き幸せぇ!!!」

 

秋蘭「………何にしても、朝方からの流れ星。 華琳様! これは、もしや不吉の前兆ではありませんか?」

 

華琳「貴女には……そう思えるのね……秋蘭?」

 

秋蘭「はっ!」

 

華琳「私には……時代の到来を示す使者に見えるわ。 漢王朝が大きく乱れる前兆なら……私達『才ある者』が活躍できる兆し! そうなれば……大陸で強大な勢力を育み、数多の軍勢を倒し、天さえも握れる好機!!」

 

春蘭「おぉ───っ! 流石は我が主『曹孟徳』様! 素晴らしい志です! この私、夏侯元譲も……華琳様の為に力を尽くします!!」

 

秋蘭「華琳様……私も姉者と同じ想いですが……くれぐれも城内とは云え、そのように発言する事……お慎む下さい。 どこで……聞き耳を立てているか……分かりませんので………」

 

華琳「ありがとう、秋蘭! 勿論……そんな事は、三人の集まりの時だけしか言わないわよ? 下手な所で漏れたりすると厄介だから………!?」

 

春蘭「…………? どうしました……華琳様!?」

 

華琳「今……私を……誰か呼んだ?」

 

秋蘭「この部屋には、私達だけで……誰も居ませんが………」

 

華琳「そう……そうよね。 きっと……私の気の迷い。 心配掛けてご免なさ────!」ポロポロッ!

 

秋蘭「か、華琳様───!?」

 

春蘭「どこか……お身体の具合でも………?」

 

華琳「お、おかしいわね……。 な、涙が……急に流れ出るなんて………!」

 

秋蘭「華琳様………仕事の御疲れが出たのでしょう。 お部屋に戻られて……休息をお取りになられるべきだと。 後で医師を向かわせますので……」

 

華琳「そうね……そうさせて貰うわ。 後はお願いね、春蘭! 秋蘭!」

 

春蘭、秋蘭「「 はっ! 」」

 

 

★☆☆

 

〖 揚州丹揚郡建業 にて 〗

 

??「ああぁ~~もうっ!! イライラする───ぅ!!」

 

??「策殿……お気持ちは分かりますが……。 今の孫呉の現状では……袁術からの束縛を逃れる術はありませんぞ?」

 

雪蓮「だけどねぇ~! 今日も呼び出され行ってみれば……『蜂蜜が欲しいから献上しろ~!』って!! 子供のお使いじゃあるまいしぃ!! 財だって私達より圧倒的に蓄えてあるのに……何で献上しなきゃならないのよぉお!?」

 

??「しかし、堅殿が亡くなってから……袁術からの要請で組み込まれ、その楔を抜くのには……まだ兵力も財力も足りますまい! 何かしら動きがあれば……!!」

 

雪蓮「それだから──頭に来てるんじゃない!! 冥琳に帰ったら相談してみなく────!? 祭ぃ!! アレ─────ッ!!?」

 

祭「おおーっ!? 朝から流れ星がーぁ!? なんと珍しいっ!!! ですが、流星は吉凶を呼び寄せる天の使者の乗り物と聞いておるっ! これが、孫呉に対して吉となるか凶になるかは────策殿?」

 

雪蓮「なんでかしらねぇ………。 あの流星を見たら、泣けてきたのよ……? おかしいわよね?」グスッ ヒックッ

 

祭「いや……おかしくはないの? 我等が主殿は……類い希なる感の持ち主。 何を感じ、何を掴んだか……凡人の我々では全く分からぬ。 じゃが、あの流星が……我々に与える影響は計り知れぬ……それだけは予想が付く!!」

 

雪蓮「…………そうねぇ! 何かしら……とてつもない事が起きる。 それだけは……ハッキリ分かるわぁ! この国どころか、私達の運命まで変えそうな程の……激動の変化が!?」

 

★★☆

 

〖 幽州五臺山近辺 にて 〗  

 

??「ほらっ! 桃香様!! 早く歩かねば……昼になってしまいます!!」

 

桃香「あ、愛紗ちゃん!! そ、そんな事……言ったってぇ! わ、私ぃ~疲れたよぉ~!!」ゼェ、ゼェ!!!

 

??「お姉ちゃん! 早く行かないと……昼御飯が食べれなくなっちゃうのだ! 只でさえ……朝御飯、少ししか食べれなかったのにぃ!!!」

 

愛紗「鈴々は食べ過ぎだぁ!! 朝から、六杯飯なんて食べるんじゃない! お前の為で、今夜の宿は……野宿になりそうだ……」

 

鈴々「にゃあぁ~!! それは困るのだぁ!!」

 

愛紗「それなら、次の宿まで桃香様をお連れしなければ………!!」

 

桃香「ほぇーっ! 朝から流れ星だねぇ! 私達の行き先を祝福してくれてるように見えるよぉー!?」

 

愛紗「桃香様!! 流れ星の吉凶は、どちらの方にも取れるのですっ! 簡単に吉と決めるのは……? 鈴々……どうしたのだ?」

 

鈴々「あの流星に……『お兄ちゃん』が……乗ってた……」

 

愛紗「『お兄ちゃん』? ま、まさかぁ……『ご主人様』が来られたのか!? ば、場所は……南西側か………」

 

桃香「えぇ──とぉ? 愛紗ちゃんと鈴々ちゃんが云う『その人』は……誰なの? 鈴々ちゃんの呼び名は分かるけど……愛紗のご主人様って……。 普段の愛紗ちゃんなら……絶対呼ばない名称だよね!?」

 

鈴々「『お兄ちゃん』は『お兄ちゃん』なのだ────ぁ!!」

 

愛紗「………実は……私達二人……昔からある『夢』を見ていました。 白い服を着用した男性が居て……私達を慈しんでくれていた夢を。 名前は分かりません。 ただ、その夢の内容は……二人とも同じだった事だったので……」

 

桃香「その中に……私は居たの!?」

 

愛紗「えぇっ! 政務が出来なくて……ご主人様に泣きついておられました。

その方の名称は……鈴々は『お兄ちゃん』、私は『ご主人様』……桃香も『ご主人様』と呼んでおられましたよ。 優しく頼りがいがある方でした……」

 

桃香「へぇ───!? 愛紗ちゃんが……そう云うんなら……。 うん!! いつか……向こうの方向へ行ってみよう? 今は路銀が無いから無理だけど……お金が貯まったらねっ! 三人で行ってみようか!?」

 

鈴々「鈴々は、直ぐに行きたいのだぁ!!」

 

愛紗「そう行っても路銀が無ければ……どうしようも無い!! 一時の我慢だ! 路銀が貯まれば探しに行ける。 そ、それに……私もお会いしたい!」

 

桃香「と、言う訳でぇ~!! 向こうに早く着いて頑張って、お仕事を探しましょう!!! 野宿なんかして、体調悪くしたら、それこそ会いに行く機会が遅くなっちゃうよ! さぁっ! 次の街へ急ぐよぉ!!」

 

鈴々「うんっ! 分かったのだぁ!! それじゃあ──先に行くねぇ!!」

 

桃香「ま、待ってぇ─────ッ!? 鈴々ちゃん!!!」タタタッ!!

 

愛紗「桃香様──ッ! 鈴々──ッ!!」

 

二人の姿は………既に豆粒の如く小さくなる。

 

愛紗は、流星が落ちて行った方向に振り向き……呟く。

 

愛紗「やれやれ………『ご主人様』! ……必ず……お会いしましょう!! それまで愛紗は……『ご主人様』の楯となり、矛になれるように……精進致します!!!」

 

そう言うと……二人の後を追って走って行った。

 

 

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

賛否両論あると思いますが……この小説の恋姫達は……記憶を一部継承しています。 誰がどこまで持っているかなんて……考えていません。

 

作者の書き方は、前の作品読んで……頭に浮かんだ事を画面に打ち込むタイプです。 他の作者様のように、設定まで考えて、作業開始する丁寧なやり方では御座いません。 

 

この調子で………時間があれば、次の作品を出して行こうと思います。

 

 

 


 
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