「明日、二時にいつもの所。」
携帯電話のディスプレイに表示された、メッセージ。昨日の夜、亜輝から届いたメールの中身はたったこれだけ。物事を端的にとらえ考えるアイツらしいメール。
まぁ、何の事かはだいたい察しがつくけど、もう少し書きようがあるんじゃないかと思いながら、いつもの場所へと歩き始めた。
いつもの場所に行く途中、時間つぶしのために公園のベンチでタバコをふかしながら、二人の事を考えたがすぐに止めた。
二人がどうなるか、なんていくら考えてもしかたない。今、考えないといけないのは、これから俺に何ができるかってこと。できる事ってなにがあるかな。
へこんでいるアイツの気晴らし役か?支えになるってのは気恥ずかしいな。でもそんなところかな。
さてどうやったらいいか、何も思いつかんが、亜輝と話してれば思いつくかな。その他もろもろの事情を話すために呼ばれたわけだし答えはまだいいか。
自分なりに、これからする事がまとまったところで、空を見上げた。空は、タバコの煙がよく映えるほど澄み切った青さだった。
「そろそろいくか、遅れるとうるさいしな。」
くわえたタバコを携帯灰皿に押し込め、いつもの場所に向かった。
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どこかで起きていそうで、でも身近に遭遇する事のない出来事。限りなく現実味があり、どことなく非現実的な物語。そんな物語の中で様々な人々がおりなす人間模様ドラマ。