No.713147

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第228話

2014-09-02 15:54:58 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1600   閲覧ユーザー数:1479

 

 

~グラウンド~

 

「はあっ……はあっ……」

地面に倒れ込んでいるサラ教官は息を切らせ、その様子を見守っていたリィン達は冷や汗をかいた。

「ば、化物か……やはり遊撃士という連中は化物ばかりなのだな……」

ユーシスは信じられない表情でサラ教官を見つめ

「ど、同時じゃなかったとはいえこの数を相手にここまで……」

「は、反則と言ってもおかしくないくらい強すぎですよ……」

マキアスとセレーネは疲れた表情でサラ教官を見つめた。

 

「……次元が違うな。我らも一層、精進せねば。」

「ああ……」

ラウラの言葉にリィンは頷き

「フッ、また腕を上げたな……」

「フフ、それはレーヴェもよ。」

「エヴリーヌさんとプリネさんの3人がかりでようやく勝てましたからね……」

「……フン。どれだけ強くても”神格者”にならない限りエヴリーヌは絶対に認めないんだから!」

レーヴェとプリネは微笑み合い、ツーヤは苦笑し、エヴリーヌは鼻を鳴らして不愉快そうな表情でレーヴェを睨んだ。

 

「あー……さすがにクッタクタ……委員長、せっかくだから膝枕でもしてくれない……?」

「ええっ……!こ、ここでですか!?」

「ちょっと教官……」

「フフ……まだ余裕があるようだな。」

「あはは……そんな冗談が言えるくらいだもんね。」

サラ教官の言葉を聞いたエマは慌て、アリサは呆れ、ガイウスとエリオットは苦笑していた。

 

「いやいや……正直、ちょっと感心したわ。―――これで心置きなく実習地が発表できるわね。」

サラ教官が呟いた言葉を聞いたリィン達が顔色を変えたその時

「……よっと。さ、受け取りなさい。」

サラ教官は起き上がってリィン達に実習地とメンバーが書いてある紙を配った。

 

 

『9月特別実習』

 

 

 

A班:リィン、アリサ、フィー、マキアス、エリオット、ツーヤ、セレーネ、クロウ

 

   (実習地:鋼都ルーレ)

 

 

 

B班:エマ、ラウラ、ユーシス、ガイウス、ミリアム、プリネ、エヴリーヌ

 

   (実習地:海都オルディス)

 

 

「これは……」

実習地を見たリィンは驚き

「あ、お姉様と一緒です♪」

「う、うん。それはあたしも嬉しいんだけど……」

自分と一緒である事に喜んでいるセレーネの言葉に頷いたツーヤは心配そうな表情でプリネを見つめ

「やったね♪ようやくプリネと一緒になれたよ♪」

「フフ、私も嬉しいですよ、エヴリーヌお姉様……」

嬉しそうな表情をしているエヴリーヌに視線を向けられたプリネは苦笑しながら自分が向かう実習地を見つめた。

 

「ルーレに、オルディス……それぞれ帝国の五大都市か。」

「そ、そうなんだけど……」

ガイウスの言葉を聞いたエリオットは戸惑いの表情で頷いて言葉を濁し

「ル、ルーレもそうだがオルディスといえば……」

「……人口40万を誇る帝国第二の巨大海港都市。貴族派のリーダー的存在、『カイエン公』の本拠地だな。」

マキアスは疲れた表情でミリアムとプリネに視線を向け、ラウラは真剣な表情で呟いた。

 

「じょ、冗談は止めてもらおう!この状況で、貴族派最大の都にこのガキに加えて、”通商会議”の件でどう考えてもカイエン公の恨みを買っていると思われるプリネまで連れて行けと……!?」

その時ユーシスは怒鳴ってミリアムとプリネに順番に視線を向け

「た、確かに……」

「そのチビッコにとったら完全に『敵地』だし、世界中にカイエン公爵の醜態をさらしたプリネはカイエン公爵から間違いなく恨まれているだろうしな。」

「下手したら火あぶりかも。」

ユーシスの指摘を聞いたアリサは不安そうな表情になり、クロウは納得し、フィーは心配そうな表情で二人を見つめ

「……プリネ皇女に関してはアルバレア公爵の件もある事に加えて”魔弓将”まで同行している為、さすがに2度も同じ過ちは犯さないと思うがな。」

フィーの推測を聞いたレーヴェは静かな表情で答えた。

 

「んー、大丈夫だと思うけど。オルディスなら何度か潜入してるし、みんなも一緒にいることだし♪」

「それにプリネを襲う奴等がいたらエヴリーヌが皆殺しにしてあげるよ、キャハッ♪その為の”権限”があるんだし♪」

「お、お姉様……」

ミリアムとエヴリーヌは無邪気な笑顔を浮かべ、エヴリーヌの言葉を聞いたプリネは冷や汗をかいた。

 

「くっ……何を呑気な!」

二人の答えを聞いたユーシスはミリアムとエヴリーヌを睨み

「……さすがに心配だな。」

「そうですね……かなり遠方にある街ですし。」

リィンの言葉にエマは心配そうな表情で頷いた。

 

「まあ、その辺りの事は色々考えてるから安心なさい。ただ、テロリストの件といい、安穏とできる状況じゃないわ。オルディスもそうだけど……当然、ルーレの方もね。」

リィン達に助言したサラ教官はアリサを見つめ

「っ……」

見つめられたアリサは息を呑んで真剣な表情になった。

 

「ルーレといえばRFグループ……でも、都市を管理するのは”四大名門”のログナー侯爵か。」

「ゼリカの頑固親父だな。”四大名門”の中でも強硬派路線と聞いているが……」

「……ええ、だけどルーレ周辺には帝国正規軍の軍需工場なんかもあるわ……RFグループは中立だけど微妙な状況になっていると思う。」

リィンとクロウの言葉に頷いたアリサは複雑そうな表情で説明し

「そ、そうなんだ……」

「何も起こらなければよいのですが……」

「けっこうキナ臭そう。」

「バリアハートの時のように”貴族派”が露骨な事をしてこないといいのですが……」

アリサの説明を聞いたエリオットとセレーネは不安そうな表情をし、フィーとツーヤは真剣な表情になり

「父さん達もこの時期にどうしてそんな実習先を……」

マキアスは呆れた表情で呟いた。するとその時サラ教官は手を叩いて自分に注目させた。

 

「さっきも言ったけどそのあたりは一応考えてるわ。来月は学院祭で、特別実習もなし。その意味で―――今回の実習もこれまでの”総括”と言えるわね。」

サラ教官の話を聞いたリィン達は驚いた後表情を引き締めた。

「備えるべきに備えて……そして胸を張って臨みなさい。君達がこれまで築き上げた”Ⅶ組”の成果に恥じないためにもね。」

「はい……!」

サラ教官の説明を聞いたリィン達は互いの顔を見合わせて力強く頷いた。

 

そして数日後……いよいよ”総括”ともいえる9月の”特別実習日”が来た…………!

 

 

 

 

 

今の内に言っておきますが、ザクセン鉄鉱山の際ツーヤはクロウと共に抜ける予定です。ですが、クロウの代わりにアンゼリカがいるように、ツーヤの代わりにメンフィル陣営からゲスト参戦する助っ人がリィン達と一緒に戦う予定ですww……え?ツーヤが抜ける理由?ザクセン鉄鉱山でリィン達と戦う誰かさんがツーヤがいると厄介だと思って、リィン達から離したかとwwまあ、ハッキリ言ってリィンの契約している連中を考えればそんな事をしても無駄ですがww


 
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