No.711032

義輝記 星霜の章 その十

いたさん

義輝記の続編です。よろしければ、読んで下さい!

2014-08-24 18:02:53 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:900   閲覧ユーザー数:833

【 水面下の内輪もめ の件 】

 

〖 徐州 下邳 黄河対岸 にて 〗

 

《 晋軍 陣営 》

 

韓馥「この大軍の前では、曹孟徳といえど迂闊に攻め込む事もできまい! そう思うであろう………閔純?」

 

顔を真っ白に白粉を塗り、口に紅を引いた韓馥が、閔純の顔の直前まで寄せて意見を聞いてきた。 

 

勿論、久秀や順慶に好意を抱く閔純にとって、韓馥の行為は気色悪いの一点しかない! 

 

閔純は、考えるフリをして顔を横に向け、その攻撃を逸らしつつ、違う事を返答していた。 

 

閔純「まさか……勝手に、兵を十万も余分に持ってくるとは……! 久秀様や順慶様に許可を得ず、このような事をして宜しいのかぁ!?」

 

韓馥「ふん! 何を言うかと思えば……。 勝てばいいのよ、勝てばなぁ! そもそも……洛陽軍が十万も満たない軍で、野戦で止めようとしているのに、何故……五倍以上の兵力で出陣しなければならんのだ!! 

 

ここで、曹孟徳を打ち破り『北郷一刀』を殺害すれば、背後の憂いや外史の仕事やらが、早く済むではないか!」

 

閔純「………しかし、その分……本隊が手薄に………」

 

韓馥「心配無用じゃ! 昔、寝物語で聞いた話じゃが、百万の兵を呼べるとな! それに、洛陽軍の到着も、まだ刻があろう! その内に曹操軍を落とし、洛陽軍を挟み打ちにすれば、お褒めの『調教』があろうかもな?」 

 

閔純「………なるほど! それなら更なる褒美を頂ける可能性が!!」

 

韓馥「納得いったかの? それと……例の『人型』を目立つところに出しておけ。 劉焉作の見事な絵……久秀様と順慶様に瓜二つじゃて……ぐふふふ」

 

★☆☆

 

〖 徐州 下邳 城謁見の間 にて 〗

 

華琳「…………貴女達に、兵を預けよと?」

 

道雪「客将としての権限を越えますが、華琳殿も早急に敵軍勢を撃破したいとお思いのはず。 私達が軍勢に攻め入り、隙を作り出しますので、決死の勇者は二万! お貸し下さい!!」

 

華琳「私としては有り難い申し出だけど……貴女達に何かあれば……颯馬達が悲しむのでは?」

 

義弘「大丈夫! 虎牢関の戦とか見ているでしょう? 私達は簡単には死なないわよ! それにね、颯馬の顔が悲しみに彩られるなんて……見たくないから! 必ず生きて……再会するのよ!!」

 

ーーー

 

宗茂「流石、『鬼島津』です! 私も兄様(あにさま)に会って、褒めてくれるまで倒れません!!」

 

家久「そうだよ! 鬼の二つ名を持つ二人が、先頭に立って行くんだもの! そう簡単に、やられる訳ないもんね!」

 

紹運「お前達………褒めているのは分かるが、若いオナゴに『鬼』を連発で言うのは………な。 ─────相当キツいぞ?」

 

ーーー

 

義弘「………また、言われた………もぅ! やだぁ!!」

 

道雪「はぁぁぁ………………」

 

ーーー

 

春蘭「私は羨ましいぞぉ! その言葉は、『天の国』では勇猛果敢な勇者を讃える褒め言葉と聞いている!! もの凄い名誉ではないかぁ!!!」

 

鈴々「鈴々はねぇ、虎なのだぁ!! がおぉぉぉ──!!」

 

ーーー

 

義弘「………なんでかな? もの凄く癒やされる……」

 

道雪「………ふふふっ。 そうですね……」

 

ーーー

 

春蘭「???」

 

鈴々「にゃぁ───???」

 

 

◆◇◆

 

 

【 何進の裁きと瑞祥 の件 】

 

〖 益州 成都近辺 にて 〗

 

────霧の中で、何があったのかは………よく分からない。

 

霧が晴れ上がった後、そこには…………牛や人の死体。 呻き声を上げる怪我人。 そして、縛られて正座させられていた迷吾と仲間の兵、気絶している阿貴の姿があった。

 

桔梗「此方は粗方、片が付いたぞぉ! そっちはどう………おぉ! 見事な物ではないか!! 流石だな、紫苑よ!!」

 

紫苑「それがねぇ~私達の活躍が殆ど無かったのよ! 残念だわ……」

 

焔耶「────────ブルブルブルブル」

 

桔梗「ん? 焔耶は風邪か? 体調には気を付けろと何時も言っておろうに。それと、閣下の姿が見えぬが………? な、何かあったか!?」

 

紫苑「うぅうん……寧ろ大活躍だったわ! ほらっ! 閣下が問責を開始されるわ! 私達も早く参りましょう?」

 

桔梗「う、うむっ!」

 

焔耶「ワ、ワタシも行きます!!」

 

★☆☆

 

上半身を縛られ、正座をさせられ、一カ所に集められた羌、氐の兵士に何進が出向く。

 

何進「………儂が何進だ!」

 

迷吾「…………フンッ!」

 

阿貴「……………………」

 

何進が呼びかけるが、それぞれ無視をした。

 

何進「………羌、氐の王よ! 戦での数々の無礼……謝らせて貰う。 誠に申し訳ない!」

 

そう、言い放つと、何進は地面に正座して……土下座! 謝罪の意を示す!

 

始めは、意味が分からず、苦笑していた二人の王だが、『天の国式最高謝罪姿勢』と聞いて、口を大きく開けて唖然としていた。

 

後から来た三人の臣下により押し止められ、渋々止める何進。

 

何進「……因みに、最高謝罪行為が『切腹』になるそうだ。 流石に、それをやると命に関わるらしいからな! これで……我慢して貰いたい!」

 

迷吾「お前、馬鹿だろう!? 絶対、馬鹿だと言われているだろう!?」

 

阿貴「………静かに! 漢の大将軍よ、お前は我々に勝った。 圧倒的な兵力を前にして、此ほどまで鮮やかに勝敗を付けられると……悔しさの前に諦めがつく! 

 

だが、最後に私からの頼みだ! 私の命と引き換えに、兵達は許して欲しい! これらは、私の命令に忠実に従い付いて来た連中だ。 罪は我にある!! 我を罰し、この者達を国へ返してくれ!!!」

 

迷吾「………しゃあねぇ。 俺も同じだ……コイツらの罪は、俺の命で償う! だから、コイツらを許してくれや!!」

 

桔梗「………我等は、閣下の判断に従います! ───ご決断を!!」

 

『……………………………………』

 

何進「………………良かろう。 全員! 洛陽に連行する!!  罪は罪! 罰は罰! ただで国許に返さん!!」

 

阿貴「──────!」

 

迷吾「なっ────!?」

 

『─────────!』

 

何進「………さて、説明する前に言っておくが、全員生かして国許に帰って貰うからな!」

 

阿貴「ど、どういう───!?」

 

迷吾「分かるように説明しやがれ!!」

 

何進「まず、お前達の罪は……漢に攻め込み、戦で我が軍の兵士を傷つけた。相違は無かろうな?」

 

コクリと阿貴、迷吾以下が、首を縦に振る。

 

何進「………しかし、我が漢王朝も……お主達を虐げてきたのも事実! 寧ろお主達の罪より重い! それらを踏まえ公平に見ての判断だ。 

 

羌、氐の王は、漢王朝で一定の期間働いて貰う! 同時に、今の王朝内羌、氐の慣習を見て貰い、昔と違う事を感じて国許に広めてくれ! また、漢からの悪習があれば、即取り除く為、政務の確認も頼む!!

 

兵士の皆は、同じように一定期間、洛陽で働いてくれ! 勿論、衣住食も面倒みるし給金も出すぞ! よぉーく洛陽を見物して、国許へ土産話で語って欲しい!!  ─────以上だ!!」

 

何進は、そう言い放つと……左右に控える臣下に語り掛ける。

 

何進「こんな裁きで……どうかな?」

 

桔梗「我等は、従うだけ………のぅ紫苑、焔耶?」

 

紫苑「えぇ! 誇りと笑顔を持って従いますわ!」

 

焔耶「同じく!」

 

ーーー

 

迷吾「ば、馬鹿じゃねぇ…………。 大馬鹿野郎だ………!!」

 

阿貴「…………感謝! 感謝する!!」

 

★★☆

 

バァ─────ン!

 

バァ─────ン!

 

急に………山頂で、鳴り物が響き渡る!!

 

羌、氐の軍勢も、何進達でさえ、この事が何の合図だか分からない!

 

すると………空に………『竜』と『鳳凰』の影が…………!!

 

迷吾「お、おいっ! あ、あれって!!」

 

阿貴「…………瑞祥(ずいしょう)か!!」

 

迷吾と阿貴、配下の兵士達は、何進に向けて座り直し、頭を深く下げる!

 

何進「な、何があったと言うんだ!?」

 

当の何進が慌てふためく!

 

阿貴「今、見えた物は竜と鳳凰の姿! 天からの祝福の使者で御座います!」

 

博識な阿貴が説明した。 

 

『竜や鳳凰などの聖獣が見えるとき、新しき皇帝が誕生する!』と!

 

しかし、何進には……その意志は無い! 自分には、そんな器も無いし、面倒事はこりごりだ!! さっさっと街の中へ民として戻りたいのだよ!! と説明する。 

 

しかし、阿貴は、この行動を謙虚として『───ならば、皇帝に近い『聖人』に違いない!!』 と言って、また頭を下げた。

 

阿貴「数々の無礼を働いた我々を許して頂くだけでなく、かのような厚恩を与えて下さる貴方様は───正に聖人! これから、誠意を持ってお仕え致す所存で御座います!」

 

迷吾「何進! い、いや! 何進兄者! 俺達もアンタを頭に働かせてくれ! アンタの心胆には───心底惚れた! 頼む! 頼むよ!!」

 

二人の王が縛られてたまま、何進に這い寄る。 

 

兵士達は……更に頭を下げる! 

 

何進「儂は、そんな立派な人物じゃなぁ─────い!!!」

 

何進の叫び声は、あっちこっちの斜面に跳ね返り、木霊を繰り返していた。

 

◆◇◆

 

【 久秀の異変 の件 】

 

〖 兗州 鳥巣 鳥巣砦 にて 〗

 

于吉「───さて、洛陽軍……いや『伏竜の軍勢』、いやいや『竜驤軍』ですか? とうとう天に昇る為、我々に挑んできますね!!」

 

久秀「……………………」

 

順慶「久秀!  久秀!!」

 

久秀「はっ!? あっ、順慶………」

 

于吉「久秀殿………貴女は、この私からの助言を、守っていませんでしたね? 無闇に術を使えば、寿命が尽きて身の破滅だと…………」

 

久秀「………………そのように操ったのは、貴方ではなくて? 于吉!!」

 

于吉「さぁ~~知りませんね? 

 

一つ言えるのは、様々な選択があった中、貴女は私の誘いに乗り、この外史へと来た。 日の本で天城の帰りを待つ事も、自力で探しに行く事もせず、安易に私を受け入れた。 つまり、原因は……久秀殿、貴女なのですよ!!」

 

順慶「くっ!! 老師!! 老師のお力で、何とか……なりませんか!?」

 

左慈「………勘違いして貰っては困る! ……俺は、コイツの仲間である『不定者側の管理者』だ。 確かに、コイツの事は気に入らん! 

 

だが、俺はお前にも……特別な感情は持ち合わさん!! お前も別世界の人形の一人! お前の力が限界以上使用してしまえば、この前のように手助けはしない! 醜い老婆の姿となり、息絶えるのだ!」

 

順慶「老師────!!」

 

久秀「………順慶、止しなさい!」

 

順慶「久秀、貴女は憎くはないのですか!? 後少し、後少しで……颯馬様に出会い、奪った姫武将達を殺害し、私の物に出来るのですよ!?」

 

久秀「フッ………どさくさに紛れて『私の』ね? 違うわよ! 久秀の物なの!! 久秀の……久秀の…………愛しい玩具………」グラッ

 

順慶「久秀!!!」

 

久秀「私は…………少し眠るわ。 颯馬の対決が始まったら……起こして頂戴。 くれぐれも、一人締めは駄目だから………………」スゥ─

 

順慶「────分かりましたわ。 洛陽の戦いでは、私を逃がしてくれましたからね。 この借りは、必ず……お返ししますわ!!」

 

順慶は、久秀をお姫様抱っこして、寝台に寝かしに行った。

 

ーーーーーーーー

 

于吉「フフッ! これで……私のシナリオどおり進んでいますよ? 後は、役者が足りませんね! 『北郷一刀』と『曹操軍』が!!」

 

左慈「…………………………」

 

于吉「どうしたのです? まさか、順慶に言った言葉を、後悔しているのですか? 確かに、左慈にとっては、初めての弟子になるのですね?」

 

左慈「ふんっ! 後悔だと!? あんな傍迷惑な弟子など、早急に手を切るつもりだったんだ!! ………………まぁ、これで綺麗に切れた! 後腐れも無くて、清々するよぉ!!!」

 

そう捨て台詞を残して去って行く左慈。

 

于吉「………嘘を付くのが、相変わらず下手ですね。 いつもの寡黙な左慈はどうしたのです。 まぁ、いいでしょう………。 私も経験はありますから。

今は、そっとして置いて、策の準備をしましょうかね?」

 

 

◇◆◇

 

 

【 軍師の願いを受けて の件 】

 

〖 益州 成都近辺 にて 〗

 

何進「なんで……こうなった!?」

 

紫苑「良いではありませんか! 結果としましては、私達の想定以上です!」

 

桔梗「───閣下! 焔耶に阿貴、迷吾以下数万の捕虜を引き連れさせ、成都に帰還させましたぞ!! ………ん? 何を悩まれておられる? もっと喜びなされよ!! このような成果、漢王朝成立以来ですぞ!?」

 

────スッ!

 

三太夫「よっ! 何進の旦那! 上手く事が運んで良かったな!!」

 

桔梗と紫苑が警戒の目を向ける!

 

桔梗「───主は!?」

 

紫苑「──────!」

 

何進「大丈夫だ! その者は『天の御遣い』の一人『百地三太夫』、儂の策に一役買ってくれた功労者だ!!」

 

三太夫「何進の旦那より紹介あったけど、天城颯馬に仕えし忍びの一人『百地三太夫』……宜しく頼む、姐さん達!!」

 

桔梗「とんだ御無礼を! 儂の名は『厳顔』 真名は『桔梗』と申す! どうか真名をお預けしますので、『桔梗』とお呼び下され!! 今後とも宜しく願う!!」

 

紫苑「……私は何進大将軍閣下に仕える将の一人、姓は黄、名は忠、字は漢升、真名は紫苑と申します! 同じく真名を預けさせて頂きます!」

 

何進「それにしても、連絡も無しで、三太夫が来てくれるとは思わなかった! 随分助かったぞ! 礼を言わせて貰いたい!!」

 

三太夫「いや、礼なら『紫苑』の姐さんに言ってくれ! ちょっとした件で頼まれ事があってさ! 益州に寄ったら、何進の旦那が大変そうだったから、臨時の助っ人で参加したんだ!」

 

何進「ほぅ? 紫苑がか……? それは手間を掛けさせた! すまないな、紫苑! ありがとう!!」

 

紫苑「い、いえっ……!! とんでもありません/////////」

 

桔梗「…………………………」

 

★☆☆

 

桔梗「ところでの、閣下? どのようにして、あの者達を屈伏させたのだ? かなりの強者のようだったようですが…………?」

 

何進「そうだな……順番に説明しよう……」

 

▼☆▼  ▼☆▼  ▼☆▼  

 

第一策 《 縮地の計 》

 

最初、彼らの前に挑発行為をして、儂が逃げ出す。 

 

ある一定区間を通る時、例えば曲がり角とかあれば、細工をして隠れるようにする。 そして、同時に先で待っていた『何進の偽者』が進む。 

 

これの繰り返しで、ここまで誘導したのだ。 ワザと道が細くなる所を選んでおいてな…………。

 

三太夫「しかし、何進の旦那! アンタ運動不足だ! 

 

偽者は、ここの精兵だけあって動きは良かったが、旦那は最初で捕まりそうだったぜ? 勿論、アイツらの邪魔をしたり、旦那を背負って逃げたりしたから、バレなかったけどな!」

 

うっ…………面目ない。

 

★☆★  ★☆★

 

第二策 《 真・火牛の計、塩投求牛の計 》

 

これは、天城の策と儂の経験からの策だ。

 

真・火牛の計を破る者が出てくるとは、世の中進歩しているのだな……。

 

★☆★  ★☆★

 

第三策 《 七影武人の計、???の計 》

 

天城から授かった天の国に伝わる戦術『七影武人の計』だそうだ! 

 

武に腕がある配下と突撃し、それぞれが主の名を名乗り、混乱を引き起こす!

 

一種の捨て身の計略らしいが……儂も死ぬ訳にいかんのでな………。

 

そのため、生き残る事を優先にした戦法に変えたのだ。

 

ーーーーー

 

……そのために、霧を強制的に発生させ目くらましを作り出し、儂と三太夫と偽者が突っ込んだのよ!!

 

紫苑「どおりで……! いつもより霧の発生が早かったものですから!!」

 

火牛に点火する火を準備する為、篝火を幾つか燃やしただろう? あれは、皆に暖を取らせる事もあったが、霧を発生させる為の道具でもあったのだ!

 

『───────!』

 

三太夫「補足を入れれば、暖かい空気が冷たい空気と合わさると、細かい結露が出来る。 それが下がって霧になる………っても分かんねぇか?」

 

学が無い儂に、そのような事言われても……な。 二人なら別だろうが……。まっ、兎に角そんな訳だ! 

 

そして、儂も入ろうとしたが、足手まといだから来るなと………。 慣れないと霧の中での敵味方は判別しにくいからとな。

 

ーーー

 

三太夫「後、俺が入り込み攪乱したんだが……。 

 

何進の旦那! その事で一つ聞きたいんだが……あの『声』ってのは、やっぱ旦那の仕業かい? アイツらが、『声』が聞こえてきた方角に向かい、防御したり攻撃したりしてたからさぁ……。 それに乗って動いた俺も俺だけど!」

 

あぁ! 前の戦で、果心居士より教えてくれた『大道芸』だ。 

 

簡単だと言う割には、難しかったぞ? 程仲徳の『腹話術』と似たようなモノでな。覚えると、結構役に立つんだよ。 仕事をサボると…………。

 

桔梗「ほほぅ? 誰も居ない部屋で、返事がする事があったが………」

 

紫苑「焔耶ちゃんにも、教えてあげないと……。 涙目で探している時があるから…………」

 

まぁ……そのぉ……すまん!! 詫びさせてくれぃ!!!

 

???の計は、その…………分かっているだろうから……省略!!

 

紫苑「私はよくわかりませんわ……? 具体的に仰て頂かないと……ね?」

 

桔梗「そうさのぉ! 閣下には、策を懇切丁寧に、配下へ説明する義務があるからのぉ~!」

 

い、嫌だぁ!! そんな死亡確定の説明事項など、誰が説明するものか!!!

 

大将軍の権限の下、却下する!!

 

▲☆▲  ▲☆▲  ▲☆▲  

 

何進「…………とりあえず、こんな理由だ!」

 

三太夫「あぁ、果心居士かぁ! 旦那が俺の忍術みたいの使えるから、なんでだろうと考えてねぇ! そぅか、そんな訳なんだ!」

 

桔梗「分かったような分からないような……話だが、怪しい術では無いわけじゃな! しかし、最後の竜と鳳凰の影は…………?」

 

三太夫「天城の旦那に頼まれた策でさ! この二組の鏡なんだ!」

 

背中から背負った『風呂敷包み』を降ろす。 

 

中には二枚の銅鏡。 綺麗に磨き込まれている一級品だ。

 

何進「………ふむ、『魔鏡』か! これで光を反射すれば鏡面の中にある絵が写りでる仕組み。 また、天城に一杯食わされたな…………」

 

ーーー

 

桔梗「あの颯馬殿の知謀………実際に体験すれば、確かに肌寒いものがある。 だが、敵味方になるべく、被害を出さないようにするか………。 儂には分からん御心の持ち主よ!」

 

紫苑「桔梗……今なら、理解できるのではない? 愛しい人を亡くす事、それが如何に辛くて、悲しい出来事である事か………」

 

桔梗「されど………戦は命のやり取りをするモノ故、死は必然的──」

 

紫苑「……私は……二度も三度も繰り返す事なんて………もう、嫌! 絶対に嫌!! 璃々を失う事も残して死ぬ事も、貴女と言う友人を亡くす事も、閣下と言う……愛しき殿方を再度……死別する事も!!!」

 

桔梗「………………そうか」

 

ーーー

 

何進「───さてっ、戦後処理は後に任せて、儂ら颯馬の手助けに行くぞ! 颯馬が今まで願っていた大陸の平和! 後、少しで実現出来るのだ! 桔梗! 紫苑! 三太夫! 主達の力を貸してくれ!!!」

 

桔梗「言われなくとも!」

 

紫苑「お任せ!!」

 

三太夫「任しときな!!」

 

何進「………………紫苑、先の話、最後の大戦が終われば聞かせて貰う!」

 

紫苑「──────はいっ! //////////」

 

桔梗「儂もじゃ! 儂も聞いて貰うぞぉ!? 閣下よ!!」

 

何進「生きていれば、何度でも聞いてやる! それまで死ぬでは無いぞ!!」

 

ーーーーーーーー

ーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

やっと、益州が終わりました。 あんまり待たせたので、久秀に異変が起きてしまったようですが、こればかりは…………。

 

魔鏡の技術は、漢時代には成立していた事実があるため、詳細は省きました。

興味ある方は、検索サイトにて調べて下さい。 販売もしているし、結構手頃な値段で買えるようですが。

 

近頃忙しくなり、最後をどうしようかと悩んでいましたが、戦の集結までは、何とか構想が練れました! どこまで作者の意図が、隠せれるかわかりませんが、宜しくお願いします! 

 

次回は来週金曜日を予定としますが、早くなるか遅くなるかわかりませんので、気長にお待ちください!

 


 
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