No.708072 英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~soranoさん 2014-08-12 00:12:56 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:2598 閲覧ユーザー数:2402 |
~特務支援課~
「へ、並行世界の過去の局長の娘って……」
「い、色々と滅茶苦茶ですね……」
事情を聞き終えたロイドとノエルは表情を引き攣らせ
「というか私はヴァイスがエイフェリア達にも戦争を仕掛けた話が気になるのですが……」
「メルキア周辺の地方を全て制圧したって事はまさか”エレン・ダ・メイル”も制圧したんじゃないでしょうね~?しかもリセルが正室で、エイフェリアが側室なのに私が妾って、どういう事よ?私はこれでも”エレン・ダ・メイル”の女王よ?制圧した国の女王を娶るなら側室にするべきだと思うけど?」
「つーか、アンタは一体何人囲えば気が済むんだよ、このリア充王が!!」
「例え皇帝だとしても、正室、側室、妾全て合わせて15人はさすがに多すぎますよ……」
「アハハハハハッ!さすが局長だよ!」
アルは目を丸くし、エルファティシアはジト目でヴァイスを見つめ、ランディは悔しそうな表情でヴァイスを睨み、エリィは表情を引き攣らせ、ワジは腹を抱えて笑った。
「いや、そんな事を言われても並行世界の俺が何を考えてそんな事をしたのか、さすがの俺でもわからんぞ。しかし並行世界の俺とマルギレッタの娘―――”メサイア”だったか。フッ、不思議な偶然もあるものだな。」
ロイド達に注目されたヴァイスは戸惑いの表情で答えた後静かな笑みを浮かべた。
「へ……」
「不思議な偶然、ですか?」
ヴァイスの発言にロイドは呆け、ツーヤは目を丸くして尋ねた。
「ああ。メルキア皇帝だった俺はマルギレッタを側室として娶ったのだが、マルギレッタが産んだ長女の名前は”メサイア”だ。」
「まあ……確かに不思議な偶然ですね。」
「しかし人間を使い魔にする事ができるとは驚いたな……」
「え……」
「何を言っている?メサイアは”亜人族”だぞ。」
驚いている様子のヴァイスの言葉を聞いたツーヤは呆け、レーヴェは指摘した。
「”亜人族”だと?」
「局長?」
「何か気になる事があるんですか?」
眉を顰めて首を傾げているヴァイスの様子を見たロイドとエリィは尋ね
「ヴァイスハイトとマルギレッタの娘が亜人族って、さすがにおかしいわよ。」
「マルギレッタは純粋な”人間”ですから、二人の間に亜人族が産まれるなんてありえませんよ。」
メサイアの母を知るエルファティシアとアルはそれぞれ不思議そうな表情で答えた。
「……まあ、並行世界の話だからもしかしたらマルギレッタが亜人族だったのかもしれんな。―――しかし、並行世界とはいえ、俺の娘を使い魔にしているのだから、そのリィンとやらがどんな男なのか直に会って確かめないとな……」
「フフ、リィンさんはⅦ組のリーダー的存在で、クラス内の不和を何度も解決した人ですから、人格的には問題ないですよ。」
「……まあ、ある欠点はあるがな。」
「レ、レーヴェさん。」
まだ見ぬリィンに対して興味ありげな表情をしたヴァイスの様子を見たプリネは微笑みながら答え、静かな笑みを浮かべて言ったレーヴェの言葉を聞いたツーヤは冷や汗をかいた。
「ほう?どんな欠点なのか是非聞かせてもらおうか。」
そしてプリネ達はリィンの欠点――――鈍感かつ、無自覚で次々と周りの女性を落としてその結果多くの女性達に好意を寄せられ、その中にはアルフィン皇女も含まれている事を説明した。
「…………………」
「”ラインフォルトグループ”の会長のご息女どころかエ、エレボニア帝国のアルフィン皇女殿下がその人に好意を寄せているってとんでもない話じゃないですか!?」
プリネ達の説明を聞き終えたロイドは口をパクパクさせ、ノエルは驚き
「フッ、さすがの俺も”魔神”や”精霊王女”は落とせなかったな。まあ、それ以前に出会う機会もなかったが。」
「うふっ♪”精霊王女”どころか、”七大罪”の一柱に好意を寄せられているなんてとんでもない男の子ね♪」
「そのリィンとやらに好意を寄せている女性達は色々と苦労してそうですねぇ。」
「アハハハハハッ!今の話を聞いたら、どんな人物なのかもう、ほとんどわかっちゃったよ♪」
ヴァイスは静かな笑みを浮かべてまだ見ぬ並行世界の自分の娘を使い魔にした男に感心し、エルファティシアはからかいの表情になり、アルは苦笑し、ワジは腹を抱えて声を上げて笑ってロイドに視線を向け
(おおおおおおおおおおおおおっ!まさかそんな男がいるとはっ!ロイド、お前も負けずにどんどん増やせ!)
(お願いだから、そのリィンって子みたいな罪深い男にならないでよね……)
ギレゼルは興奮し、ルファディエルは頭を抱え込んだ。
「な、な、なっ、なんなんだよ、そのリア充野郎は!?おのれ……!まさか局長やロイドを超えるリア充野郎がいるとは!!お前らみたいなリア充野郎共がいるから、世の麗しいお姉さん達が俺達に振り向いてくれないんだよ!頼むから一人くらい分けろ!」
「ちょっ、ランディ!?何でそこで俺が出てくるんだよ!?」
一方口をパクパクさせていた後我に返ると悔しそうな表情で叫んで自分を睨むランディの発言を聞いたロイドは驚いて指摘したが
「……そうね。確かにランディの言う通りね。まさかロイド以上の”危険人物”がいるなんて。そんな人に好意を寄せているアルフィン皇女殿下達に同情するわ。」
「ロイドみたいにすっごいモテモテだね♪」
「エリィ!?それにキーアまで!?」
ジト目で自分を見つめるエリィやはしゃぎながら言ったキーアの発言に信じられない表情で声を上げ
「フワァ~……ウォン。(やれやれ。)」
その様子をあくびをかいて見守っていたツァイトは呆れていた。その後ロイド達は端末に来ている支援要請のチェックをし終えた。
「色々来ているけど……どれも気になるな。この演奏家の捜索っていうのはちょっとよくわからないけど。」
支援要請のチェックを終えたロイドは真剣な表情で呟いた後溜息を吐いた。
(あ、あのプリネさん、レーヴェさん。この”演奏家”ってもしかして……)
(……依頼人がヴァンダールの時点で既に誰なのかわかったようなものだな。)
(間違いなくオリヴァルト皇子でしょうね……しかもリフィアお姉様まで……ハア、二人して何をやっているんですか……)
一方ツーヤは冷や汗をかき、レーヴェとプリネは呆れていた。
「いや~、でもまさか遊撃士のお姉さんたちの要請とはねぇ。訓練ってのは色気がねぇけど時間があったら寄りたいよな。」
「ふふ、いい機会かもしれませんね。こちらの猫の捜索というのはあのご家族からみたいですけど……」
「ああ、東通りに引っ越したボンドさんのところだな。あの猫とも縁があるし……出来れば力になってあげたいな。」
「そうね、私も賛成。私達を頼ってくれたみたいだし、忘れずに訪ねてみましょう。」
「プリネさん達が手伝ってくれるおかげで人数も大幅に増えた事だし、チームを二つにわければ、今日中に手分けして全て片付けられるな。」
「あの……ちょっといいですか?」
ロイド達が話し合っているとプリネが申し出た。
「プリネさん?何か気になる事があるのかしら?」
「ええ。その、こちらのエリゼさんという方が出している依頼は出来れば引き受けて欲しいのですが……」
「?基本全ての依頼をこなすつもりだけど、何か気になる事があるのか?」
エリィの質問に答えたプリネの話を聞いたロイドは不思議そうな表情で尋ねた。そしてプリネ達は依頼人がリフィアの専属侍女長である事を説明した。
「ええっ!?この依頼を出しているエリゼさんがリフィア殿下の専属侍女長なんですか!?」
エリゼの事を知ったエリィは驚き
「つー事はこの”お嬢様の捜索”の依頼内容は……」
「ど、どう考えてもこれは………」
「”大陸最強”と名高いメンフィル帝国のお転婆姫の捜索って訳だね。」
ランディと共にある事を察したノエルは大量の冷や汗をかき、ワジはプリネ達に視線を向けて口元に笑みを浮かべて言い
「絶対に最優先で引き受けましょう!皇位継承者でもあるリフィア殿下に何かあったら一大事どころの話じゃ済まないわ……!」
「ああ。必ず見つけないと。」
(……まあ、聖魔皇女に危害を加える命知らずはいないと思うが……)
エリィは必死の表情で言い、ロイドは真剣な表情で頷き、レーヴェは考え込み
「身内がご迷惑をおかけして本当にすみません……」
「お詫びと言っては何ですがこちらでお世話になっている間はあたし達も出来る限りお手伝いしますのでどうかよろしくお願いします……」
プリネとツーヤはそれぞれ疲れた表情で謝罪した。
「い、いや、気にしないでくれ。」
「そ、そうよ。それにプリネさん達がいれば、ハロルドさんが出してくれた依頼を達成できるかもしれないしね。」
謝罪する二人を見たロイドとエリィはそれぞれ冷や汗をかいて苦笑しながら慰めの言葉を贈った。
その後ロイド達はメンバー編成をして、ロイド、エリィ、プリネ、レーヴェ、エルファティシアのチームがエリゼの依頼や遊撃士達が出した依頼、とある貿易商人が出した依頼を担当、残りのメンバーが残りの依頼を担当し、それぞれの”支援要請”を片付ける為に行動を開始した。
ロイド達がそれぞれの支援要請を片付ける為に動き出したその頃、ガレリア要塞を見学していたリィン達に実地見学の時間が近づいていた………
という事でリィン達がロイド達の事を知ったように、ロイド達もリィン達の事を知りましたwwロイド達側の話は子猫の捜索と手配魔獣以外の話を書きましたので、以前と違ってエオリア達の依頼の話もあります。
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第194話