No.705445

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~

soranoさん

第168話

2014-08-01 19:27:50 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1980   閲覧ユーザー数:1841

11:30―――

 

~湖畔の町”レグラム”~

 

「…………………」

「これは……見事だな。」

「俺も初めてだが……噂に違わぬ光景だな。」

「とても綺麗です……」

「霧と伝説の町、ですか……」

列車から降り、駅を出たリィン達は目の前に見えるレグラムの光景に見惚れ

「……まあ、綺麗なのは間違いないけど霧が鬱陶しいね。」

エヴリーヌは静かに呟いた。

 

「フフ、気に行ってくれたようで何よりだ。生憎、霧が出ているので見晴らしはよくないが……晴れていると湖面が鏡のように輝いて見えることもある。」

「いや……恐れ入ったよ。」

ラウラの説明を聞いたリィンが苦笑しながら答えたその時

「―――お嬢様。お帰りなさいませ。」

「え―――」

一人の執事がいつの間にかリィン達の傍にいた。

 

「い、いつの間に……?」

「気配を感じなかった……」

執事の登場にユーシスごガイウスは驚き

「5分くらい前からいたよ。」

「ええっ!?エヴリーヌさんはわかっていたんですか!?」

「ほう……」

エヴリーヌの答えを聞いたセレーネは驚き、執事は目を丸くしてエヴリーヌを見つめた。

 

「爺(じい)、出迎えご苦労。隠形の技……衰えておらぬようだな。」

「ハハ、寄る年波にはさすがに逆らえませぬ。もはやお嬢様の成長だけがわたくしめの唯一の楽しみでして。」

「ふふ、戯言を。……しかし、この場に父上がいないという事はやはり留守にされているか。はい、残念ながら……いつお戻りになるかもわからないとのお言葉です。」

苦笑しながら言った執事の話を聞いたラウラは微笑んだ後残念そうな表情をした。

 

「それと今アルゼイド家には客人がいらっしゃっています。」

「客人?」

「――――かの”風の剣聖”すらも足元に及ばず、”剣皇”リウイ陛下と互角か、それ以上とも噂されているかの”嵐の剣神”セリカ・シルフィル様です。」

「へっ!?」

「その名前は確か……」

「ヘイムダルで出会ったあの美しい剣士の方ですね。」

「そして異世界では”神殺し”の異名を持つ者か。」

「………………」

「へえ、セリカがこの町にいるんだ。」

(セリカがいるんだったら、シュリとメティもいるかな~?)

執事の説明を聞いたリィンは驚き、ガイウスとセレーネは目を丸くし、ユーシスは静かに呟き、エマは真剣な表情で黙り込み、エヴリーヌとエマの身体の中にいるヴァレフォルは興味ありげな表情をした。

 

「……一体何故”嵐の剣神”殿がアルゼイド家に?」

そしてラウラは不思議そうな表情で尋ねた。

「ゼムリア大陸最強の剣士とも噂されているセリカ様の噂を聞いていたお館様が前々から一人の剣士として手合せをしたく、トヴァル様の縁を頼ってはるばるクロスベルからお越しいただいたのです。」

「父上が……」

「ねーねー、それで勝負はどうなったの?」

執事の説明を聞いたラウラは驚き、ミリアムは興味ありげな表情で尋ねた。

 

「お館様も善戦しておられたのですが、セリカ様の剣技は異名通りもはや神憑っており、勝敗はセリカ様が勝利するという形で終わりました。」

「なっ……父上相手に勝利したのか!?」

執事の話を聞いたラウラは驚き

「はい。その後もお館様は機会を見つけては何度も挑まれたのですが、残念ながら全敗でした。」

「……………」

「ふええ~っ、”光の剣匠”に何度も勝利するなんてどんな人なんだろう~。」

(そりゃ、”神殺し”が相手だとどんな”達人”も負けるわよ。少なくとも”神格者”クラスでないと太刀打ちできないでしょうね。)

自分にとって”最強の剣士”である父親が何度も敗北した事にラウラは口をパクパクさせ、ミリアムは驚き、ベルフェゴールは苦笑し

「まあ、当然の結果だね。リウイお兄ちゃんでも負ける相手だもん。むしろ人間の身でありながらセリカと斬り合う事ができただけでも十分凄いよ。」

「ええっ!?」

「”剣皇”と謳われているリウイ陛下でも勝てないんですか……」

「まさに異名通り”剣神”と言った所か。」

「一体どんな強さなんだろう……?」

エヴリーヌの話を聞いたリィンとエマは驚き、ユーシスは静かに呟き、ガイウスは目を丸くして考え込んでいた。

 

「……それでその手合わせの後、何故セリカ殿がアルゼイド家に滞在しておられるのだ?」

「はい。門弟の方達にも良い刺激になるだろうというお館様の頼みで従者の方達と共にしばらくアルゼイド家に留まってらっしゃっているのです。」

「ふう、クロスベルからはるばる招いておきながら、留守にするとは……ちなみにセリカ殿は今もアルゼイド家に滞在しておられるのか?私も父上の娘としてご挨拶をしようと思うのだが。」

執事の話を聞いたラウラは溜息を吐いた後尋ねた。

 

「いえ、門弟の方達との鍛錬に付き合った後ギルドの仕事の関係で従者の方達と共に外出中です。夜には戻ると伝えられています。それと明後日にはクロスベルに戻るとの事ですので、ご挨拶の時間は充分にあるかと。」

「そうか。なら今夜戻って来た時にでも挨拶に伺わせてもらおう。―――紹介しよう。アルゼイド家の家令を務める執事のクラウスだ。父の留守役として、アルゼイド流の師範代として世話になっている。」

「し、師範代……」

「へー、なんだか凄いおじいちゃんみたいだね?」

執事―――クラウスの説明をラウラから聞かされたリィンは驚き、ミリアムは興味ありげな表情でクラウスを見つめた。

 

「フフ……―――お待ちしておりました。トールズ士官学院、Ⅶ組の皆様。ようこそ”レグラム”へ。それではお屋敷の方へと案内させていただきます。」

その後リィン達はクラウスの先導に従って町を歩いていた。

 

「しかし、伝統的な雰囲気を残している街並みだな……」

「こちらの石碑も、精霊信仰の影響が強く残ってますね……」

「一体どれほどの歴史がこの町に残っているのでしょうね……」

町を歩いて気になった雰囲気や景色を見回していたリィンやエマ、セレーネは興味ありげな表情で呟いた。

 

「アルゼイド家が封ぜられるはるか以前からの物らしい。数百年以上昔の物になるな。」

「ふむ………不思議な形状をしている。」

「あー、なにあれっ!?」

何かの石像を見つけたミリアムは声を上げた。

 

「なるほど……”槍の聖女”の像か。]

(ん~……?真ん中の槍を持っている石象……どっかで見た事があるような??)

石像を見たユーシスはラウラに確認し、エヴリーヌは首を傾げた。

 

「うむ、それと”鉄騎隊”の面々だな。そちらも確か200年ほど前のものだったか。」

「ええ、聖女様の功績を讃え、作られたと聞いております。ちなみに、右下に控えているのが子爵家の祖先にあたりますな。」

「へー。ラウラのご先祖様かー。」

「フフ、十代くらい前のな。」

クラウスの説明を聞いて興味ありげな表情をしたミリアムを見たラウラは苦笑した。

 

「ラ、ラウラお姉様!?」

「おお、ラウラお嬢さん!お帰りでしたか!お館様からそんな話は聞いていましたが……」

「お久しぶりです、ラウラお姉様~っ!」

その時町の住人達がラウラに近づいて声をかけた。

 

「皆、ご無沙汰している。士官学院の実習で、2,3日ほど戻ってきた。後で挨拶に伺わせてもらおう。」

「ええ、ええ!ぜひ立ち寄ってください!」

「学院でのお話もお聞かせくださいね!」

(ふふ……慕われてるみたいですね。)

(ああ、子爵家自体も住民といい関係が築けてるみたいだ。)

(民の方達があんなに慕っているのですから、領主のラウラさんのお父様もきっと素晴らしい方なんでしょうね……)

(……………)

町の住人達の様子を微笑ましそうに見つめるエマとリィン、セレーネとは逆にユーシスは真剣な表情で黙って見つめていた。

 

「……おいでなすったか。ま、忙しくなってきたし、”嵐の剣神”をあんまりこき使う訳にもいかないしせいぜい手伝ってもらうかね。」

ラウラの帰郷で騒がしくなってくると遊撃士協会の支部から金髪の青年が出て来て館に向かうリィン達を見守っていたが、セリーヌがリィン達の後を追って行く様子を見つけた。

「??まあいいか、念のため課題のチェックをしとくか。」

セリーヌの登場に首を傾げた青年だったが気を取り直して支部の中に入って行った。

 

 

 

と言う訳でようやくセリカ達の出番が近づいてきました!!それとリィンの使い魔4人目を思いついてしまい、しかもこの章で登場させる事になりました!ちなみにそのキャラは戦女神シリーズのキャラクターで、残念ながら皇族ではないです(オイッ!)……まあ、ベルフェゴール達同様美女ですけどね!(激怒)ただそのキャラ、ほとんどオリジナルキャラと言ってもおかしくないです(汗)何せ原作での会話シーンが非常に限られているので、性格とか全然わかんないですし。でも強いです。滅茶苦茶強いです。数ある光と闇の軌跡シリーズのキャラの中でも”最強”を誇るフェミリンスやセリカと一対一で戦えるほど強すぎです(汗)


 
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