戦乱の世が終わり、大陸に平和が訪れた。
国が一つとなったわけではないが、それでも国同士の関係が良好なため、人の行き来は多く、物流も推進している。
そんな誰もが平和を謳歌している世界で蜀の都、成都において未だかつてないほどの修羅場が展開されていた。
「う~~」
「………」
「………」
なにがどうなって、こんな状況になっているのだろうか。
今、正座をして小さくなっている自分を中心にして三国の女王が睨み合いをしている。
桃香も華琳も蓮華も三人とも一歩も引かず、一刀の頭の上ではバチバチと火花が散っている。
三人のほかに朱里に愛紗、春蘭と秋蘭、穏と思春がいるが、朱里は状況にテンパって「はわわ」してるし、愛紗と春蘭と思春は得物を抜いて警戒してるっていうか乱闘待ちの外国人選手みたいになってるし、秋蘭は今にも暴れそうになってる春蘭を宥めることに必死、穏だけがいつもと変わらずのほほんとしている。
「あの~、もう少し仲よ…「「「………(ギロリ)」」」…なんでもないです」
すいません。マジで怖いです。
一刀が声をあげた瞬間に三人が一斉に一刀を睨む。
華琳や蓮華はともかく、桃香までもが見た者を一瞬で畏縮させるような眼で一刀を睨みつけたのだ、これはただ事ではない。
ある人が言っていた、想像することが生きぬく手段であると…。
けど、無理。
こんな事態になる予測なんて無理だし、こんなことになる可能性だって考えられない、そんな事態に備えるなんて無理。
ただ、今言えることは、この場から逃げようとしたり迂闊に口を開いたら最後、殺されるということだけ。
誰に?なんてのもない『三人に』だ。
これだけは、はっきりと想像できる。
「ともかく…」
長い沈黙を破ったのは華琳だった。
「状況が不鮮明な以上、ここで睨みあっていても無駄だわ。私は帰らせてもらうわ」
「そのようだな、なぜ貴様がここにいるかも気になるが、このままでは埒が明かない」
「そうですね。じゃあ一旦解散して状況を整理してから、もう一度話し合いをしましょう」
三人とも、睨み合うのをやめてその場を治めようとする。
一刀は、やっとこの場から解放されると思い、安堵した。
時間を先延ばしにしただけだとしても、その時間で最良の策を考える、呉で教わったことだ。
……のだが。
「じゃあ、行くわよ一刀」
「待て、何故お前が一刀を連れていく!!」
「そうですよ。華琳さん!!」
一刀を連れていこうとする華琳を桃香と蓮華が止める。
「だから、何度も言ったはずよ。一刀は私のものなんだから、私が連れて行くことの何がおかしいというの」
眼を釣り上げ、何度も言ったセリフをまた言うことに苛立ちながら桃香と蓮華を睨む。
「だから、それがおかしいと言っているのだ。百歩譲って貴様がここにいることを許したとしても一刀は呉の副軍師なのだ、それを何故貴様が連れて行こうとする」
これだけは譲れないと、蓮華も負けじと睨みかえす。
「ち~が~い~ま~す~、ご主人様は、私たちのご主人様なんですってば!!」
普段は大人しい桃香も一刀が関われば、二人に負けじと強くなる。
一歩も引かずに二人を睨む。
その結果、先ほどと同じく緊迫状態へともどってしまった。
周りも同じく、朱里ははわわと目を回し、愛紗たちは今に暴れだしそう、穏は我関せずと、のへ~としている。
正直、この状況でマイペースを貫ける穏が羨ましい。
(俺も穏を見習おうかな~)
「「一刀!!」」「ご主人様!!」
「はい!!」
空気になろうとした瞬間、それを察知したかのように三人が一刀を呼ぶ。
急なことで一刀は声が裏返って返事をした。
「なに自分は無関係のような顔しているのかしら?あなたは」
「そ、そんなことは無いぞ。うん」
華琳が声を低くする。
「なら、一刀は誰のところに行くつもりなのかしら」
怖いです蓮華さん、目が戦場のときの雪蓮みたいになってます。
さすが姉妹、怖いところもよく似てるなぁ。
「………」
「あの…桃、香さん?」
「ん~なに?ご主人様」
あれ?桃香さん、もしかして怒っていらっしゃいますか。
顔は極上の笑顔なのに眼がまったく笑ってない。
「…え~と」
進退窮まる、確か古代中国の詩集から生まれた言葉だっけ。
今、まさにそんな感じだ。
時代は違えど、その言葉が生まれた国で、それを体験するとは一体どんな運命のいたずらだろう。
「……俺にどうしろと?」
「はぁ~~~~~~」
蜀での行き付けの店の店内で一刀は頭を抱えて盛大な溜息をついた。
一応、城に自室があるのだが状況が状況なだけに、とてつもなく居づらかった。
「なにがどうなってんだ、いったい」
「そりゃ、こっちのセリフやで一刀」
ぼやくように言う一刀に向いに座っている霞が呆れ混じりに言う。
「急に居なくなったと思たら、急に帰ってきて。そしたら、蜀や呉の娘らと仲よーなってて、しかも…」
霞は一刀のとなりに目を向ける。
一刀の隣では恋がモキュモキュと点心を食べている。
「?」
霞が自分の方を見ていることに気づいて恋は食べ物を頬張りながら首を捻る。
「恋や月っちからご主人様なんて呼ばれとるし」
話を振られ、月は困ったような笑みを浮かべる。
ちなみに、一刀と一緒にいるのは月に詠、恋にねねと霞の元董卓軍のメンバーと亞莎である。
つい先ほど、桃香、華琳、蓮華に迫まれ、進退窮まった一刀を救ったのは恋だった。
恋は突然、修羅場に現れると、一刀の腕を引いて連れて行こうとした。
もちろん、そんな漁夫の利のようなことを三人は許すはずがなかったのだが、三人を言葉を打ち消すかのように聞こえた恋の腹の音に毒を抜かれ、『ご主人様、困ってる』の一言で恋は一刀を連れ出すことに成功した。
ただ、恋と一刀だけで行かせるわけにも行かせられなかったため、それぞれ自国の人間を付けたのだった。
「…で?あんた、今度は何やったわけ」
詠が目を細め、呆れきったように言う。
「なに…って。どうなってるんだろう?」
本当になにがどうなってるのか全く分からない。
ただ、自分の覚えていることが真実だとしたら、自分が三人いることになる。
「はぁ?何言っての、北郷一刀はあんただけだし、あんたは一人だけでしょ」
「まぁ、それが当たり前のことなんだけどね」
「どういうことよ?霞も居なくなったとか帰ってきたとか」
霞は詠は何を言っているのか分からないような表情をする。
「なにって、詠も知っとるやろ?宴会の最中に一刀が姿消したの」
「知らないわよ。だいいち、こいつが宴会ほっぽりだして居なくなる理由なんて女絡みにきまってるじゃない」
蔑むように言われ、一刀は否定したいところではあったが、事実のため否定できない。
「ちゃうねん!そういう居なくなったやなくて、ホンマにどっか行ってもうたんや」
「でも…ご主人様、昨日も執務室でお仕事してたよ」
「何言ってるんですか。一刀様は昨日から蜀に着くまで蓮華様と一緒だったんですよ。一刀様が蜀にいるはずないじゃないですか」
月と詠の記憶では、昨日一刀は桃香と一緒に夜遅くまで政務励んでいて、月は二人にお茶をいれ、詠は二人の手伝いをしていた。
「そんな訳ないでしょ。月が言ってたけど、昨日こいつは執務室で桃香と仕事してたし、その後はボクと月が(ゴニュゴニュ)…だ、だから、他の女のところになんて…」
途中、声が小さくて聞き取れなかったが、頬を赤らめて言うあたり、昨夜何があったかは容易にわかる。
月も詠につられて昨夜のことを思い出して赤くなる。
「なっ!そんなはずありません!!確かに一刀様は女性にだらしないところがありますが、けど…、それでも…」
そして、それを否定するのが亞莎の記憶である。
亞莎の記憶では、昨日一刀は蜀の成都に向かう途中で寄った街の宿で蓮華と酒を酌み交わしていて、自分も途中で強制参加させられていた。
だから…
「だから、その、ほかの女性に、というか蜀にいること自体ありえないと思うのですが」
なにより、その後蓮華は自力で自室に戻ったが酔いつぶれてしまった亞莎は自力では無理だったため、一刀に部屋まで送ってもらっていた。
もちろん、その後何もなかったなどということは一刀に限ってはあるはずもない。
酔いつぶれた女の子を部屋まで送ったら、そのまま送り狼をするこそが一刀である。
そして、その晩のことを思い出して亞莎も赤くなる。
「だぁー!!なんやねん、ウチらに天下を取らせることが俺の天命だったとかカッコイイことぬかし消えといて、穏気に種蒔きしとったんかい自分!!!」
赤くなる三人を見て、何かが切れたのか霞は卓越しに一刀の胸倉を掴むとガクガクと揺する。
「お、お、お、落ち着いて霞、…く、苦しい。ちょっ…話を…」
「なんや?言い逃れでもする気か、三人も抱いといて逃げられると思うとるんか」
まるで、一刀が結婚詐欺でもしたかのような物言い。
月と亞莎が霞を止めようとするが、文官と武官、二人掛かりでも霞を止めることなどできるはずもない。
そんななか、食事に夢中だったはずの恋が食事の手をとめて、一刀の胸倉を掴んで揺すっている霞の腕を掴んだ。
「恋?」
「……ちがう」
「ちがうって、何がや?」
「月と詠だけじゃない」
嫌な予感がした。
恋はいつもどおり、無表情でのほほんとしていて何を考えているかわからないが、これから何を言おうとしているのか一刀は不安で仕方がない。
「恋もご主人様と一緒に寝た」
予感的中。
恋からしてみては、仲間外れにされないように言ったことなのだろう。
だが、その発言のせいで一刀の寿命を縮めるものだった。
「あと、ねねも」
(恋!!もっと空気読もうよ!!)
「か~…ず~…と~…」
一刀の胸倉を離すと霞は指をパキパキと音を立てる。
その気迫に霞の背後に鬼が見える。
『遼来来』、合肥の戦いでの張遼の鬼神のような戦いぶりを見た孫呉の民が泣く子を黙らせるためにできた言葉。
今一刀はそれのことを身をもって体験していて、逃げだそうにも足が竦んで逃げられない。
しかし、華琳達全員でフルボッコにされないだけありがたいと思ってもらいたいところだが、どちらも大差ないように感じる。
「ちょ…待て霞…話を」
・
・
・
・
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「………」
テーブルに突っ伏したまま動かない一刀。
ねねが突っつくと痙攣したようにぴくりと動く。
「…返事がない、ただの死体のようです」
「生きてるよ」
のろのろと一刀が顔を上げると、顔にはパンダのように目の周りに青痣ができている
「いい加減遊んでないで説明しなさいよ」
「別に、遊んでるわけじゃ…」
詠に文句を言われながら、霞の方を見ると霞は屈託ない笑顔をする。
体中痛いことに文句を言いたいところだけれども、何も言えなくなる。
「我慢しい。どーせ、恋が行かなかったら華琳たちにやられてたんや。それなら、うち一人にシバかれたぐらい、安いもんやろ」
たしかに、あんな状況でやられたらリンチにしかならない。
しかも、あのメンバーなら本気で殺されかねない。
そう考えると、血の気が引くと同時に助かったのかなと思える。
「そんなことより、あの状況どうにかしないと、このままだと三国の関係に良くないわよ」
「そうは言われてもな、普通に考えて信じられることじゃないんだよな」
「あんた自身、普通じゃないんだから、いまさらでしょ」
「ひどッ」
もう何度も言われたような気がするけど、俺はいたって普通だ…と言いたいところではあるが、正直自身が持てない。
「なんで、こんなことになってるのかはともかく。その原因になってるのはあんたで間違いないんだから、全部話しなさいよ」
「う~ん…わかった。けど、信じてくれよ」
一刀は、自分の記憶の話を始めた。
五台山の麓で桃香たちと出会い。
自分が三人のまとめ役として桃香と共に蜀を治めてきたこと
気絶していたところを雪蓮に拾われ…。
呉に天の血を入れることを条件に保護され、穏や冥琳に軍師として鍛えられたこと
陳留で盗賊を追ってきた華琳たちに捕まって…。
華琳たちが追っていた盗賊の捜査を手伝い。その後、魏の警邏隊の責任者として華琳に仕えたこと
そして、それらに順番があるのではなく、すべての過程と結果を同時に体験しているということ
つまり、簡単に覚えていることをそのまま言い表すと俺は蜀の指導者で魏の警邏隊の責任者で呉の軍師でもあるという、なんとも訳の分からない状態になる。
ここまでの説明を聞いて詠は疑わしそうに俺をみる。
「とても、信じられないわね」
「いや、まぁ、そうなんだけどな…。嘘は言ってないぞ」
「わかってるわよ。あんたがこんなときまでいい加減なことを言うようなヤツじゃないことぐらいボクだって知ってるわよ。でもねぇ…」
「一刀様が信じられないというわけではないのですが…。少々突拍子もない話なので」
月やねねも亞莎と詠と同じ意見なのだろう、難しそうな顔している。
ただ、マイペースに点心を食べている恋を抜いて、霞が詠の言葉に反応して、一瞬霞にネコミミが生えて、ピクリと動いたように見えた。
「なんや、詠は一刀のことはなんでも知ってるような口ぶりやな」
霞は笑いながら詠をからかうように言うと、詠は顔を真っ赤にした。
「べ、べつにそういう意味じゃ…」
「ええやんええやん。ここにいる全員、みぃ~んな一刀にめろめろなんやろ?なら、べつに照れることないやん」
「へぅ…」
「はぅ…」
霞にそう言われ、亞莎と月は顔を真っ赤にして照れている。
詠とねねは「ふん」とそっぽを向いた。
「…霞も」
「ん?」
霞が四人の反応に楽しそうに笑っていると、さっきまで夢中で点心を食べていた恋が声を掛けた。
「霞も ご主人様、…一刀のこと 好き?」
「ああ、好きやで、大好きや」
「…恋も一刀のこと好き」
霞がそう答えると恋は嬉しそうな表情をする。
しかし、こう何度も好きと言われている一刀自身照れてくる。
「よっしゃ、なら恋も一緒に来るか?」
「…?」
「あんな、一刀は、あの約束覚えとる?」
「約束…ああ、平和になったら二人で羅馬に旅しようって約束したな」
あのときは、まさか自分が消えるなんて思っていなかった。
戦いが終わっても、そのまま華琳たちと一緒にいられると思ってた。
「せや。それにな、恋も一緒に旅しよう。一刀を独り占めできなくなるんは、残念やけど、恋も一緒ならかなり楽しくなりそうやろ」
霞が構わないのであれば俺は、それでもいいと思う。
どうせ旅をするんなら人数は多いほうが楽しいだろうし。
しかし、ハイテンションで旅に誘う霞に恋は首を左右に振ってこたえる。
「へ?なんで、楽しそうやろ?」
「…恋と霞だけじゃ、だめ。ねねや月、詠も一緒。二人だけじゃ、ずるい」
「恋殿が行くのでしたら、ねねも同行するのです」
「ええな、それ。なら、このまま一刀連れて行こうか」
テンション、そのままで霞はどんどん話を進めていく。
恋も乗り気になってきて、その勢いが止まらず、もうすぐにでも旅に行くような話になってきている。
しかし、そこでストッパーとなったのが知性派軍師の二人、詠と亞莎だった。
「ちょ、待ちなさいよ。あの騒ぎをほっぽり出すつもりなの」
「そうですよ。状況も分からない状態なのに、そこで一刀様までいなくなってしまったら収拾がつかなくなりますよ」
たしかに、どんな理由があるにせよ。
あの状態の三人をそのままにするのは、少々まずいな。
「え~。ええやん、いくらなんでも、いきなり戦なんてことにはならんやろ」
「いや、確かにそう思うけど。っていうかマズイだろ」
「そうよ。確かに、あの三人がそんな華雄みたいな短絡的なことはしないとは思うけど」
いや、何気にひどい例え方するな詠。
この場にいないとはいえ、元仲間なんだからさ。
「国同士の関係が悪くなれば、それも冗談じゃ済まないんだからね」
「でも、原因の一刀自身わからん状態なんやで。むしろ一刀抜きで話し合わせたほうがいいんとちゃうか」
「それは…一理あるかもしれませんけど」
霞が詠と亞莎を籠絡しにかかる。
「いくら、惚れた男が原因で仲悪うなったとしても、それで戦なんかしたら後世の恥やで、あの三人が、そんなことするわけないやろ」
「確かに、そうだけど」
「で、でも…大丈夫でしょうか」
「へいきやて、別に反乱起こそうしてるわけやないし。案外、帰ってきたら収まってるかもしれんよ」
「そ、そうでしょうか?」
「それに、一刀と夜二人っきりになりたいんやったら言ってくれれば邪魔せんから。そんかわりウチのときも邪魔は無しやで」
「ふっ、二人っきりだなんてそんな!!!」
顔を今まで以上に真っ赤にする亞莎。
この前のことを思い出したのかもしれない、確かにあのときの亞莎は可愛かったな。
もう、こうなれば砂上の城も同然、神速の張遼が一気に瓦解させようと追撃する。
「好きなんやろ?二人っきりのときに一刀に甘~い台詞を囁いてもらって」
「………!!!」
「そんでもって、雰囲気が出てきたら、そのまま……ゴニョゴニョ」
「はうっ…」
あっ、落ちた。
最後、トドメとばかりに霞が亞莎の耳元で何か言ったと思ったら、亞莎は茹でダコのように真っ赤になりながら目を回してしまった。
「な?ええやろ」
「は、…はい。とても…素適な提案…です」
「おっしゃ。月も一緒に来るやろ」
亞莎を攻略すると、霞は詠を一度見てから月の方を見た。
「え、でもいいの霞さん?ご主人様と二人でって約束だったんでしょ?」
「ええってええって。約束って言うても、どーせ誰かしらついて来ると思うてたし。さっきも言うたやろ、旅は人数が多いほうがいいって」
そう言われ、月は詠の方を見る。
「え、詠ちゃん…」
「ああもう、わかったわよ。月が行くんだったらボクも一緒に行くに決まってるでしょ」
さすが霞、詠の弱点をよく知ってる。
これで詠を攻略して、すべてのストッパーを排除したことになる。
「そんじゃ、華琳たちに見つかる前に出発するとしよか」
「いや、待て。いきなり出発って、準備とかどうするんだよ」
なんの準備もなしでいきなり出発なんていくらなんでも無茶苦茶すぎる。
隣町まで散歩にいくのとはわけがちがう。
「大丈夫やて。無一文ちゅうわけやないし、途中の街とかで稼げばええやん。そうゆうんも楽しいと思うで」
もうこうなったら止まらない。
確かに急ぐ理由も特にないわけだし、霞の言うとおり、そういう旅も案外楽しいかもしれない。
実際、斗詩が一緒だったとはいえ、麗羽たち三人もやっていたことだし無理な話でもないか。
「ちゅーわけで、羅馬に向けて出発や!!」
そして、意気揚揚と俺と元董卓軍メンバーと亞莎は誰にも見つからないように出発した。
しかし、一刀たちは誰にも目撃されずに出発したつもりでいたが、実は霞や恋が気づくギリギリのところで蝶が、その様子を目撃していた。
蝶とは、もちろん変t…もとい華蝶仮面である。
一刀たちが出発したすぐ後に、この現場を目撃していた華蝶仮面の密告によって、すぐさま三国協力での追跡部隊が組まれ、すぐに追跡が開始されたのだった。
つづく?
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三分の計EDではED三分の計です。
どういう意味かわからないという人も「ああ、なるほど」という人も読んでいただければわかります。