No.687600

リリカルHS 41話

桐生キラさん

こんにちは
キャンプ編二つ目、Sサイド

2014-05-18 13:00:04 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1540   閲覧ユーザー数:1380

 

 

 

 

 

 

別段、特別な理由やキッカケがあったわけじゃない。

ただ、気づいたらあいつがいて、あいつと笑い合ってて。

そしたら自然と、あいつを目で追うようになって。暇があればあいつの事を考えていた。

明確にいつとかはわからない。毎日をあいつと過ごす内に、俺の中にあった感情が、

いつの間にか友情から異性としての好意に変わっていた

 

はやて「お、流石士希やなぁ。相変わらず見事な手際や」

 

八神はやて。多分、俺の初恋に当たる女性。小柄で、まだ少し童顔な美少女。

とても明るくて、楽しくて、優しくて、暖かい人

 

はやて「うーん…ええ匂いやぁ。こら夕飯が待ち遠しいなぁ」

 

俺は、八神はやてを好きになった

 

 

 

 

現在、学校の仲良し組、八神家、アルフさん、そして俺とレーゲンで、

山中にあるコテージ付きのキャンプ施設にやって来ている。

バニングス家の私有地らしく、アリサが場所を提供してくれた

 

周りが思い思いにバーベキューを楽しんでいる中、俺はカレー作りに勤しんでいた。

用意された食材がなかなか良いものだったので、出来上がるものも良いものになるだろう

 

俺はカレーを作りつつ、はやての事を眺めていた。

はやてはなのは、フェイト、アリサ、すずかと何やら盛り上がっていた。

女の子同士、積もる話があるのだろう

 

シャマル「しーきさん!そんなにはやてちゃんが気になりますか?」

 

俺がボケっとしていると、シャマルさんがやってきた。

シャマルさんは俺に食べ物が刺さった串を渡すと、近くの椅子に座った。む、肉美味いな

 

士希「これ、ありがとうございます。それと、俺そんなにはやての方見てました?」

 

シャマル「それはもう!ねーみんな!」

 

シャマルさんがそう言うと、ゾロゾロと他のヴォルケンリッターとリインちゃん、

アルフさん、そしてレーゲンがやって来た

 

レーゲン「ていうかしきさん、もうすぐ夏も終わりますよ?

確かしきさん、夏の間にはどうにかするって言ってましたよね?」

 

あー…んな事言ったなぁ…

 

ヴィータ「ていうか、まだ付き合ってなかったのかよ」

 

リイン「良い加減にしないと、そろそろ怒るですよ?」

 

なんか責められ始めた。なんで俺、怒られてんの…

 

シャマル「士希さんは気づいてますよね?はやてちゃんの気持ち」

 

士希「あー…」

 

そう、俺は結構前から、あいつが俺に好意を寄せているのは気づいていた。

多分、向こうも俺が好意を寄せているのは気づいている

 

シグナム「ふん、しょせんはヘタレか」

 

アルフ「案外男らしくないんだねぇ」

 

あぁ、何も言い返せねぇ…

 

士希「ヴィータちゃんにも以前話したが、なんかタイミングってか、キッカケってか、

今更恋人になって下さいって言うには仲良くなり過ぎて、ちょっと気恥ずかしいんだよ」

 

そこで盛大にため息をつかれる。自分でもわかっている。こういうのは男らしくない

 

シャマル「士希さんも士希さんですが、はやてちゃんもはやてちゃんなのよね。

似た者同士というかなんと言うか」

 

リイン「はやてちゃん、待ってるですよ」

 

あぁ、それも知ってる。こういうのは俺の役目なのだろう

 

士希「あー…こういうの初めてでよくわかんねぇんだよ…なんて言うの?

こう、一歩が踏み出せないみたいな?どうしたらいいんですか?」

 

レーゲン「珍しくしきさんが弱気です」

 

ヴィータ「どうしたらいいもなにも、告白すればすむ話しじゃねぇか」

 

いや、まぁそうなんだけど…

 

リイン「せっかくこうしてキャンプに来て一泊するんですから、今日の夜告白するとか」

 

シャマル「それです!夜中に呼び出して、ひと気のない川辺で二人きり!

月明かりだけが照らす中、星空を眺めながら告白!これしかないですよ!」

 

おー!なんかそれ、すげーロマンチック!

 

ヴィータ「いいんじゃねぇか?あたしは協力するぜ?」

 

アルフ「ま、フェイトにちょっかい出さないんなら、手伝ってやるさ!」

 

シグナム「私は協力しない。が、主はやての幸せは願っている」

 

ザフィーラ「男を見せる時だぞ、士希」

 

おぉう…なんか退けないところまで来てしまった…

 

レーゲン「いいですかしきさん?今日の夜ですよ?

もしヘタレたりしたら、僕らが総出でしきさんを殴りますからね」

 

いつからレーゲンは、こんなにも性格がハードになったんだろう…

 

 

 

 

昼食を終えた俺たちは、近くにあった川にやって来た。

皆いったんコテージに戻り、着替えて来るとのこと。

俺、レーゲン、ザフィーラの3人は既に着替え終え、先に川で待つ事にした

 

レーゲン「なんでこうして待ってる時って、体育座りになっちゃうんでしょうね」

 

士希「そういや、どうしてだろうな?」

 

ザフィーラ「待っています、という無意識のアピールではないか?」

 

なんていう、どうでもいいことを話しつつ待っていると、女性陣がやって来た

 

なのは「おまたせー!」

 

フェイト「やっぱり男の子は早いんだね」

 

ヴィータ「あ?なんで体育座りなんかしてんだ?」

 

リイン「ザフィーラまで…」

 

アルフ「なんかすげぇシュールな光景だな」

 

シグナム「待たせてしまったからな」

 

アリサ「ま、私達の水着が見れるんだから、待つくらいは当たり前よね」

 

すずか「ふふ、でも士希さんは私達より気になる子がいるよね」

 

シャマル「ほらはやてちゃん!そんな後ろにいないで、出てきて下さい!」

 

はやて「あぅ…」

 

やって来た女性陣はとても華やかだ。

おそらく大抵の男性なら泣いて喜ぶ光景が目の前に広がっているのだろう。

だが、俺の関心は彼女、はやてのみに向いていた

 

はやて「その、どうかな?」

 

はやてはゆっくりと、羽織っていたパーカーを脱ぐ。

すると、とても可愛らしい白のビキニが現れた

 

士希「ッ!?」

 

白という色は、はやてにピッタリ合っているのだろう。

清純さを演出し、なおかつ膨張色と言うこともあり、

バストをより強調しているようにも見える。可愛らしさの中の色気。パーフェクトだ

 

シャマル「あらあら、士希さん固まっちゃった」

 

フェイト「はやても、見つめられ過ぎて真っ赤になってる」

 

なのは「なんか、どっちも可愛いなぁ」

 

 

 

 

川ってのは、夏場でもとても冷たくて気持ちいい。

俺の沸騰しそうだった頭もクールダウンしてくれる

 

はやて「お!おーい士希ー!こっち中々深いでー!」

 

そしてすぐ様ヒートアップしてしまう。ヤベェよ、おい。

川ん中に入ってなきゃいろいろ大変な事になってたよ

 

士希「おいおい、気をつけろよ。足とかつるんじゃねぇぞ」

 

俺は努めて冷静に対応する。この辺、指揮官経験、軍師経験のある俺は得意だった。

どんな場面でもクールに。取り乱したら一気に攻め込まれる

 

はやて「ふふ、もし溺れても、士希が助けてくれるやろ?」

 

当たり前だバカ

 

士希「あぁ、今なら人工呼吸のオマケ付きだ」

 

はやて「え?なら溺れてみるのも…」

 

士希「やめろバカ」

 

勘弁してくれ、まったく…

それと、後ろからグサグサ鋭利に突き刺さってくる烈火の将様の視線が痛いです

 

なのは「それにしても深いねぇ。それに魚もいっぱい」

 

なのはが立ち泳ぎで浮きながら言う。あ、こいつ泳げたんだ

 

フェイト「ホントだね。ここの川、かなり綺麗に透き通ってるからよく見える」

 

確かに、ここの川は綺麗だ。おかげで水着がクッキリ見えている。

女性に対して免疫がなかったら、なかなか耐えられるものじゃない光景だろう

 

すずか「この川、バニングス家の私有地っていうこともあって、

ほとんど人の手が加えられていないんだよね」

 

レーゲン「へー、そうなんですか?」

 

アリサ「えぇ。パパが自然を大切にする人でね。

手を加えたのは、あのコテージくらいのものよ」

 

はやて「めっちゃええ場所やんなぁ、ここ。なんていうか、すごい落ち着く」

 

士希「はやての言う通りだな。自然を感じるって、心穏やかになれていいぜ」

 

隣にはやてがいるから、心臓バックバクで落ち着かないんですけどね

 

レーゲン「ところで、川遊びって何するんですか?」

 

レーゲンの発言に、時が止まる。

そう言えば、川って何して遊ぶんだ?今まで川に来た時、何して遊んでた?

あれ?真面目に考えれば考えるほど、わかんなくなるぞ?

 

ヴィータ・リイン「ふへー」

 

ヴィータちゃんとリインちゃんは、流れのない所で浮き輪を使ってダラっと浮かんでいて

 

シグナム「ふん!ふん!」

 

シグナムは滝に向かって拳を打ち込んで

 

シャマル・アルフ「むにゃー」

 

シャマルさんとアルフさんは木陰で昼寝をしていて

 

ザフィーラ「………」

 

ザフィーラがその隣で森林浴を楽しんでいる。心なしか、とても穏やかな表情だ

 

はやて「…多分、まぁ、泳いだりとか」

 

アリサ「そうよ!泳ぐのよ!川なんだもの!」

 

すずか「そうそう!魚を追いかけてみたりとか!」

 

皆がはやての案に便乗して泳ぐ事を提案する。

ていうかぶっちゃけ、これくらいしかないだろうし

 

レーゲン「なるほど!わかりました!魚追いかけます!とう!」

 

そう言ってレーゲンは全力で泳ぎ始めた。流石競泳用水着、速いな

 

なのは「毎年来てるはずなのに、いざ考えると出てこないね」

 

フェイト「きっとこういうのは、真面目に考えちゃダメなんだよ。

やりたいようにやる、って言うのかな?」

 

士希「ま、そんなとこじゃないか?せっかく泳げる季節なのに、釣りとかじゃつまらないだろ」

 

はやて「あ、やっぱそうやんな?川言うたら私も釣りやったんやけど、

皆で遊びに来て釣りってのもなぁって思てたんさ」

 

アリサ「まぁでも、気ままに泳ぐのもいいんじゃない?結構広いんだし、気持ちいいわよ」

 

すずか「ふふ、ならアリサちゃん、向こうに行ってみない?」

 

アリサ「!いいわよ。じゃあ競争ね!」

 

そう言ってアリサとすずかは少し離れたところまで行ってしまった。ホント、仲良いなぁ

 

フェイト「あ!なのは!私達は向こうに行ってみよ!」

 

ん?なにか、わざとらしいような…

 

なのは「え?どうし…って、わわ!!どうしたのフェイトちゃん?」

 

フェイトはなのはの手を掴んで、アリサ達とは別の方向に行ってしまった。残ったのは…

 

はやて「………」

 

俺と、顔が赤く染まったはやての二人だけだった

 

士希「まさかあいつら…」

 

多分間違いない。気を利かせて、俺とはやてを二人きりにしたんだ。

すずかは自然過ぎてわからなかったが、一瞬見せたアリサの何かを察した表情と、

フェイトの唐突な提案から十分に推察できる

 

はやて「あ、あはは、ど、どうしよっか…」

 

ホントにな…まったくあいつら、ていうか皆して、余計なお世話だっての…

 

 

 

 


 
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