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真・恋姫†無双 異伝「空と命と夢の狭間に」第四十話


 お待たせしました!

 それでは今回は拠点第四回目です。

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2014-05-17 22:08:29 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:8046   閲覧ユーザー数:5489

 

「さあ、着いたぞ」

 

「何処まで行くのかと思ったら…洛陽から結構離れてますね。でも此処は一体…何だか家の

 

 ような物まで建ってるようですけど?」

 

「此処はな、私が十才まで過ごした家なんだよ」

 

「へぇ…確か空様は皇族ではあったけど、結構長い間中央から離れてたんですよね?」

 

「ああ、ほぼ忘れられたような存在だったな」

 

 空様はそう言って遠い眼をしていた。

 

 ちなみに何故俺と空様がこのような所まで来ているのかというと…ほとんど無理やりに連

 

 れてこられたというのが事実なんだけどね。

 

「ところで…一体此処には何の用事で?」

 

「ほぅ、一刀は用事が無いと私と一緒にいてくれないのか?」

 

「へっ!?いや、そういうわけでもないですけど…今までそんな事が無かったもので」

 

「そうだな、今まではちょっとばかり娘達に遠慮していたからな…でも、私だって女だぞ」

 

 まあ、確かに空様は女性だよね…それも命や夢の母親だけあってかなりの美人だし。正直

 

 な話、たまに俺も空様の凛とした瞳の輝きについ見とれてしまう時があったりする位だ。

 

「それでだ…今日はあまり体験した事が無い事を一刀としたいと思ってな」

 

「体験した事が無い事…ですか?」

 

 皇帝にもなった人がした事が無い事…何だろう?

 

 俺は少し疑問に思いながらも空様に連れられて家の中へと入っていった。

 

 

 

「さあ、どうぞ召し上がれ…で、良いのかな?」

 

 そう躊躇いがちに言った空様の前には色とりどりの料理が並べられていた。 

 

「これって、空様の手料理…ですか?」

 

「そうだが…何か問題でもあるのか?」

 

「い、いえ…ええっと、いただきます」

 

 空様の手料理というあまりにも意外過ぎる展開にかなり戸惑いながらも、俺はとりあえず

 

 一番近くにあった肉団子を一個口にする。

 

「おおっ、美味しい…美味しいです!」

 

 そして他の料理にも箸をのばすが、どれもすごく美味しい…正直空様にこのような特技が

 

 あった事にびっくりしていた。

 

 空様は俺が料理を平らげているのをただ嬉しそうに見つめている。

 

「空様は食べないのですか?」

 

「私の事は気にしなくて良い。今日の料理は一刀の為に作ったのだからな」

 

「俺の?」

 

「ああ、私もそうだが命や夢も一刀には世話になりっぱなしで何も返してなかったからな…

 

 今日はそのお礼だ、遠慮無く食べてくれ。こうやって誰かの為に料理をするのは結構久々

 

 だったからうまく出来ていたか少し心配だったのだが…喜んでくれているようで私も作り

 

 甲斐があったというものだ」

 

 

 

「へぇ…久々にって事は旦那様の為に作って以来とかですか?」

 

「実はあいつの為にに料理を作った事は無かったんだよ。あいつが私の夫になる少し前に私

 

 は皇帝になってな…他の身の回りの事も含めてほとんどの家事をする事を制限させられて

 

 しまったのだ。ようやく多少の自由がきくようになった矢先にあいつは急な病で死んでし

 

 まって、結局こうやって手料理を作る機会に恵まれずに終わってしまった」

 

 空様はそう言うと少し瞳を潤ませていた。

 

「すると命や夢に振舞って以来とかですか?」

 

「なかなかそういう母親らしい事もしてやる事は出来なかったんだよ。皆二言目には『皇帝

 

 らしく振舞え』とばかりでな…こうして誰かの為に食事を作ったのは子供の頃に両親に作

 

 って以来だったりするのさ。だから出来が心配だったんだけど…お前のその様子じゃ問題

 

 無かったようだな」

 

「問題無い所か今すぐ店に出せる位の出来ですよ」

 

「ふふ、そんなに褒めても何も出ないぞ?」

 

 俺が料理を褒めると空様はそう言って少し照れくさそうに笑う。その笑顔に少しドキッと

 

 してしまう。そういえば此処にいるのって俺と空様の二人きりなんだよな…いかん、何だ

 

 か妙にドキドキしてきたぞ。

 

 俺は内心の狼狽を隠すかのように料理をがっつくように平らげる。

 

 結局、空様は俺が食べ終わるまでじっと見つめ続けているだけであった。

 

 

 

「ごちそうさまでした。本当に美味しかったです」

 

「そうか、喜んでもらえて何よりだ。皿は私が洗うから一刀はお茶でも飲んでゆっくりして

 

 てくれ」

 

「いえ、皿洗いの手伝い位しますよ」

 

「いいから、私がそうしたいだけだから気にするな」

 

 空様は立ち上がろうとした俺を強引に座らせてお茶を出すと、台所で鼻歌まじりに皿を洗

 

 い始める。

 

 皇帝にもなった人が皿洗いをする姿を見るのは何だか妙な感じではあるが、それを抜きに

 

 して見れば空様がそういう事をしている姿は意外な程に似合っていたりする。何だか夫婦

 

 二人きりの生活みたいで…年齢的には親子に近いが『ヒュオッ!』

 

「うわっ!?」

 

 俺がそんな事を考えていた瞬間、空様は後ろを向いたまま箸を投げつけてくる。何とか俺

 

 はそれを避けたものの…箸は後ろの柱に見事に突き刺さっていた。

 

「ふふ、何だかお前が失礼な事を考えていたような気がしてな」

 

 …怖ぇ、マジで怖ぇ。やっぱりこの人は色々と洒落にならん人だな。

 

 俺はそのまま空様は皿を洗い終わるまで黙ってお茶をすすり続けていたのであった。

 

 

 

「ところで…これからどうするんです?まだ日没まで時間がありますけど…」

 

 俺がそこまで言いかけたその時、何だか体の調子がおかしく感じてくる。この感じは一服

 

 盛られたのか!?でも何で!?

 

 俺がそう思って空様を見ると、空様の眼が何だか妖しい光をはなっているように見えた。

 

「ふふ、どうやらようやく効いてきたようだな。一刀は薬の扱いに長けていると瑠菜から聞

 

 いていたからばれないようにするのに苦労したが、その甲斐もあったというものだ」

 

 えっ!?…一体それはどういう?

 

「まあ、死ぬようなものでは無いから安心しろ。とりあえずこっちに座れ」

 

 俺は抵抗出来ないまま、空様の導く所に座る。どうやら簡易式の寝台のようだが…。

 

「どうだ?体の芯の辺りから熱くなってこないか?」

 

 そう言われれば…しかも何だか体の一部に一気に血が集まるような。

 

 もしやと思って見てみると、俺の下半身は完全に戦闘態勢に入っていた…って、マジです

 

 かこれ!?

 

 そして空様がそれを見逃すはずもなく、

 

「ふふ、良い感じだな。さすがは華佗、なかなかの効能だな」

 

「効能って何のですか!?」

 

「おや、そんなになっているならもう分かるだろう?」

 

 …やっぱり媚薬っすか!華佗も何ていうものを!?

 

「本当は食事の中に入っていたからもっと早くに効果が出てもおかしくなかったはずなのだ

 

 が…なかなか出て来ないので少しばかり焦ったぞ。じゃないと…私一人でおかしくなって

 

 しまっている所だったしな」

 

 

 

 えっ!?どういう事だ?

 

 俺がそう思ったのが顔で出たのか(もはやこの状況で無表情など無理だが)空様は俺の手

 

 を取るとそっと自分の両脚の間に入れる。

 

 いきなりな展開に俺の頭はさらに混乱の度合を増すが、その瞬間俺の指先に感じたのは…。

 

「えっ…濡れてる?」

 

 そう、空様の両脚の間に差し込まれた形になった俺の指先からは何やらとろとろの液体の

 

 ような感触が…まさか!?

 

「ふふ、此処まで冷静さを保つのは苦労したぞ。実は既に私も同じ薬を飲んでてな…一刀が

 

 食事を始めた頃にはもうこんな感じだ」

 

 マジかこの人…何もそこまでしなくとも。

 

「さあ、此処まで来たらヤる事は一つだ。私のような年増が相手では物足りぬかもしれない

 

 がな」

 

 空様はそう言うなり唇を思い切り俺の唇に重ね、一気に舌が俺の口の中に入ってくる。

 

 それと同時に空様の手は俺の一物を握り、搾り上げるかの如くに責め立ててくる。

 

 そんな状態で俺が理性を保てるはずもなく…俺は空様の豊満な胸元に手を伸ばしていった。

 

 それからどれだけの時間が過ぎたのかは分からないが、俺と空様は激しく求めあっていた

 

 のであった。正直、もう途中からは薬なんか関係無かった気もする位であったが。

 

 

 

「ふぅ…まさか此処までになるとはな。一刀もなかなかの獣だな。壊れてしまうかと思って

 

 しまったぞ」

 

 事が終わった後、空様の第一声はそれであった。

 

「そもそも空様が変な薬なんか盛るからじゃないですか…」

 

「ほぅ、途中からはどう考えても一刀の方から来ていたじゃないか。あれは薬のせいとは思

 

 えなかったがな。そもそもお前に飲ませた薬はそんなに長く効果があるものでは無かった

 

 しな」

 

 えっ!?…それを聞いた俺が固まった姿を見て空様はそれはそれは嬉しそうに笑っていた。

 

「しかしこんなに凄いのだったら、わざわざ薬を使うまでも無かったかな?これからもよろ

 

 しく頼むぞ、一刀。何せ夢とはしばらくこういう事は出来ないだろうからな…私が代わり

 

 に相手になるぞ」

 

「…空様は夢の代わりとかいうつもりで俺とこういう事に及んだのですか?」

 

「まさか…好きでもない相手とこのような事をするものか。でもな、私みたいにひねくれた

 

 年増はあまり素直になれないものなのさ」

 

「…空様はまだまだ若くて美しいですよ。正直、俺なんかが相手で良いのかと思ってしまう

 

 位に」

 

 俺がそう言った途端に空様の顔は耳まで赤くなる。そして、照れ隠しのつもりか俺の背中

 

 をバシバシと叩く…正直、凄ぇ痛いんですけど。

 

「まあ、何だ…そう言ってくれるのは正直嬉しいけどな。あれっ…一刀、お前あんなにシて

 

 まだそんなに元気があるのか?」

 

 

 

 空様の言われて俺は自分のモノを覗き込むと…何故だかまた完全に臨戦態勢に入っていた

 

 …本当に何故?

 

「まあ、こんな状態で帰るわけにもいかないな…私は問題無いぞ。きっちり治まるまで私の

 

 中に出してもな」

 

 空様にそう耳元でささやかれ、俺の理性は再びふっとぶ。そして結局夜が白むまで俺は空

 

 様とヤり続けたのであった。

 

 ・・・・・・・

 

「一刀、遅いぞ!何をやっていたのじゃ…一刀?」

 

 結局寝る間も無いまま俺は朝議に向かったのだが、少し遅刻してしまった。しかもそれを

 

 咎めようとした命が俺の様子を見て訝しげな顔をする。

 

「ど、どうかしたのか?…ええっと、遅くなったのは申し訳無かったけど」

 

「一刀…昨日は何処へ行っていたのじゃ?」

 

「えっ…何処へって?」

 

「その顔は完全に徹夜した後の顔じゃろう?しかも随分とやつれたような…どう見ても仕事

 

 をしてきたようには見えんが」

 

「ええっと…いえ、そんな命が気にするような事は」

 

「そういえば、一刀が空様と出かけるのを部下が見たと報告してきたなぁ」

 

 俺が何とかごまかそうとしたその横で突然、樹季菜さんがそんな事を言い出す…ちょっと

 

 いきなり何でそこに!?

 

 

 

「ほぅ…そうなのか?それは本当なのか?まさか一刀、母様と…」

 

 そう言葉を発する命の顔がみるみる内に夜叉と化す…ように俺の眼には見えた。

 

「そういえば、一刀の服装は昨日と同じだなぁ」

 

 ちょっ!?何でそこで義真さんまでそんな事言うの!?

 

「そうか…そうナノカ…夢だけでなく母様とまで…そウだったノカ…」

 

 ちなみに此処にいるのは命と俺の他は樹季菜さん・義真さん・王允さんだけである。他の

 

 面々はそれぞれ視察に出て洛陽を留守にしており、夢は華佗の所へ診察に行っていたとの

 

 事であった。当然誰も助けてくれるはずもないので…。

 

「失礼しました~!今日の所はこれで!!」

 

 此処は逃げるが勝ちだとばかりに俺はその場から逃げ出す。

 

「待~~~テ~~~~~、逃ゲるナ~~~~~~~~!!」

 

 そんなの無理です!!

 

 俺は振り向く事も無いままその場から逃げ出し、ようやく命と顔を合わせられたのは三日

 

 後の事であったのだが…。

 

(むむむ…まさか母様まで一刀とそのような事に…妾だって、妾だって…今に見ておれよ!)

 

 命の顔は何だか鬼気迫るものがあり、正直近付きがたいものがあったのだった。

 

 

                                       続く。

 

 

 

 

 

 

 

 あとがき的なもの

 

 mokiti1976-2010です。

 

 今回は…まあ、見ての通りのお話です。

 

 ちなみに空様は妊娠までいってませんので。

 

 そして命とは何時になるのか…乞うご期待!

 

 とりあえず次回も拠点です。でも命の出番は

 

 多分無いです(エ。

 

 

 それでは次回、第四十一話にてお会いいたしましょう。

 

 

 追伸 今回のは空様が事前に計画したものであるのは

 

    言うまでもありませんので。

 

 

 

 

 

 

 


 
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