No.682354 魔法少女リリカルなのは ある意味チートな転生者 第三話真庭銀孤さん 2014-04-28 23:28:23 投稿 / 全2ページ 総閲覧数:5321 閲覧ユーザー数:5156 |
蓮夜を追って倉庫にたどり着く。蓮夜の雰囲気は普段の静かな感じを一切感じない、刀のようなものだった。これはキレてるな。
「よっす蓮夜。お前がキレてる状態でここにいるってのはアリサに何かあったのか?」
「……影か。俺が一時期離れた隙を窺って奴等がお嬢を誘拐した。すずか嬢もいたからおそらく彼女を攫った後にお嬢もってとこだ。二人共恵まれた家系の令嬢だ。あの屑共はそこに目をつけただろう」
「なるほどな。『マスター』どうしたロキ?」
『主犯は前に食い殺した踏み台系の転生者と同類のやつだったよ』
「マジか」
『マジ』
「踏み台?」
「大抵が金か銀の髪+オッドアイで性格が最低なハーレム願望がある転生者の総称。自分のことをオリ主と信じて疑わない上にアリサやすずか達に嫌われてるのをツンデレとか思ってる。あと、転生特典がニコポ・ナデポと強力なものがほぼ確定で魔力が異常に高いってとこが特徴だ」
「そうか。そいつは俺が殺す」
「あ、その役俺がやるから。食い殺して特典奪わないと」
それに恐怖に染まった下種の味は中々いけるんだよな。あ、食い殺す時はちゃんとモンスター化してから食い殺すから。
「食い殺すって、お前……。まさか、数ヶ月前に報道された血痕と鱗は」
「YES! 俺が殺りました」
「陽気に言うな。まあいい。さっさと潰すぞ」
「『あいさ了解』」
それじゃ変化と隠蔽をしますかね。
「『
ミシ、ミシミシミシ! ベキバキゴキン!!
「初めて見るが、さすがにエグいな」
蓮夜がさっきまでの雰囲気をある程度弱くした状態でこっちを見る。今の俺の姿は蟲と人を足して二で割ったもので、背中から蜘蛛の足を生やした上に両腕が甲虫の外骨格を纏ったものに、左目が複眼に右目の白い部分が真っ黒になっている。
「そりゃそウダ。俺は転生特典のおかげで一時的な変化ですむが、
「暫くってどのくらいだ?」
「四、五ヶ月「鬼畜外道にも程があるぞ!?」は冗談として、咳は二日か三日、過呼吸は十分ってとコダ」
「………(なんか納得できないが飲み込んでくか)行くぞ」
「オウ」
倉庫の扉を蹴り飛ばす。何か「オベッ!?」なんて声が聞こえたが無視だ無視。
「うぃっす、すずかとアリサ。助けに来たぜ」
「潰す。エレメンタルバースト!!」
『『『ぎゃああああああ!!!?』』』
侵入と同時に蓮夜の刀から放たれた風が二人を除いた誘拐犯をぶっ飛ばした。つうか、感染させた菌は即効性のものなのに殆ど無意味になっちまってんだけど。
「おーイ。ほとんど感染させた意味ねえんだケド。つうか、あの銀髪オッドアイとメイドには効いてないみてえガナ」
「蓮夜!! 影!」
「チッ、モブの分際でオリ主である俺様の邪魔をしやがって」
「ふーン。じゃ、そのオリ主さんに一つ忠告。お前は俺に食い殺されるノサ。“肺の感染 ウィンドミル”によってなァッ!!」
口を割いて出したクワガタの顎を銀髪に向けて突撃するがメイドによって塞がれる。その時、僅かにだが、腐敗臭が嗅覚を刺激した。
「(このメイド、まさかゾンビ)「
「ヒャハハハ! モブごときが俺様の人形に敵うわけねえんだよ!!」
「こいつはゾンビカ? 防がれたのとさっきの攻撃で腐臭がしてタゾ」
「ハッ、モブのくせに鋭いな。こいつは俺が拾った死体を俺好みにしたものさ。俺の命令は何でも聞くし、何がこようとこいつが防ぐ。俺様もモブが群れをなしても無駄に終わらせる力もある。故に俺様は最強だ」
「ふーン。それなら対処法はコレダ。『悪刀七実・
所有者の死さえ許せず無理矢理生かすほどの『活性力』を主眼に置いた悪刀・『鐚』(調整済み)をメイドに投げる。予め施しておいたのはあの銀髪との繋がりを消すのと、感染力を大幅に上げた菌をあのメイドの服に付着させるようにした術式に、メイドを別の種に変える術式だ。あの銀髪の能力は
ザク
「…………」
「おい人形。さっさとモブをウグッ!? 何故持、ち主にはむ、か……う」
「え? な、なにあれ?」
「メイドの人が裏切りをしているの?」
「あいつ、あの苦無に様々な呪いなんかをブチ込んだな」
メイドが突然銀髪の首を絞めているのに銀髪を含め、アリサとすずかも驚愕していた。あと蓮夜は正解。
「キヒヒ。最期の忠告をしておくぜ。自称オリ主の女性の剥製死体の殺人鬼」
「ガッ……な、ぜ……それを」
「そりゃ知ってるさ。だってさ……」
そう言ってスキルも能力も解除してクズに目を合わせる。ただ無表情かつ嘲り笑うかのように俺は言った。
「俺は人の、いや生物や化物のカゴテリーを余裕で越してる無辜の怪物だからな。お前の前世も欲望も知ってるのさ」
「ヒ……! た、たす」
「キヒ、ムーリーってな。『
蓮夜side
「お嬢。すずか嬢。目を逸らすな。あれも一つの終わりだ」
目の前であの銀髪がメイドごと食われるのを俺達は見届ける。メイドの方は食われる少し前の一瞬にあいつを見て、穏やかな
「う……あいつがもとに戻ったら一発殴るわ」
「それなら俺がやっておこう。圧縮した風を幾らか叩きこめばいいのか?」
「蓮夜君さすがにそれは「いいわ! やってしまいなさい!!」アリサちゃん!?」
つうわけだ。あとで文句言わせず叩かれろ、無辜の怪物さんよ。
おまけ
「あの、アリサちゃん。私「すずかが純粋な人間じゃないってことでしょ。だって蓮夜は鴉天狗の半妖だから」え、ええー」
「夜の一族について少し調べたが、単に時々血を吸わなければならないしかデメリットがない超人に近い存在なものだな。カミガカリとアラミタマに比べればまだ可愛いものだ」
「おーい。そろそろ風の縛りを止めてくんね?」
「「まだだ(まだよ)」」
「さいですか」
『さすがに異世界の霊力は無理だよ、マスター』
「忍。俺達はいつ入るべきなんだ?」
「そうねぇ。少ししたら行きましょう、恭也」
笑いながらそう言った女性は楽しげに少年&少女達のやり取りを見ていた。
データが更新されました。
・
転生特典である
・ウィンドミル
肺の感染を司る
・
・エレメンタルバースト
TRPG『
・悪刀七実・
悪党七実に特殊な呪い・術式を相手に発動させる悪刀・『鐚』の改定奥義。発動の対象となったものは魔法を使えないが、驚異的な生命力と影が仕込んだ呪い等を使える。今回使われたのは繁殖力が異常なまでに上がった菌を操れる能力と魔力のラインを切るものだった。
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・
影が食い殺した自称オリ主の踏み台転生者。前世は女性を殺して剥製に仕上げ、コレクションにするといったイカれた思考を持つシリアルキラー(殺したのは34人)。転生特典はニコポ・ナデポに自分が殺した女性を死体のゴーレムに変えるもの、
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逢魔ヶ時に家族ごと殺され、ゴーレムにされていた女子高生。悪刀七実・
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踏み台と怪物 すずか&アリサ救出作戦