No.663801

【恋姫二次創作】死神の毒 参入と離脱

みんな大陸に参加だYATTA!!
今更なんですが、一刀君って人妻をNTRってどうかと思うんです。
NTRは良いけど、寝取られる夫(死んでる?けど)が可哀想で可哀想で…

2014-02-16 13:23:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:1433   閲覧ユーザー数:1369

『蓬莱』

 

蓬萊(ほうらい)とは、古代中国で東の海上(海中)にある仙人が住むといわれていた仙境の1つ。

 

日本の浦島伝説の一つ『丹後国風土記』などでは、蓬莱と書き『とこよのくに』とも読み『理想郷』として伝承されている。

 

竹取物語でも、蓬莱の玉の枝や、東の海に蓬莱という山あるなりと書かれている。

 

蓬莱は現実でも存在し、中国には蓬莱市というのも存在している。

 

そして、この物語の蓬莱は『楽園』を指していた。

 

 

 

 

 

 

 

かつて卑弥呼が治めていた地『邪馬台国』

 

卑弥呼が現れるまで、各地で民族争いが勃発し、人が死ぬのは当然の世となっていた。

 

そこに現れた一人の男と一人の漢女。

 

瞬く間に民族争いを治め、邪馬台国を建立。

 

が、その後、女王卑弥呼は居なくなり、一人の男がその地を治めることとなった。

 

男は四人の部下を連れ、邪馬台国を『蓬莱』つまり『楽園』と命名した。

 

繋がりを大切にし、正義を貫き、人の心の温かさを感じ、緑を豊かに。

 

それが楽園。

 

秩序、正義を絶対とし、反乱分子は早急に始末。

 

平和に生き、平和に死ぬ。

 

それが楽園だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

蓬莱に住む、五人の王と崇められる人物。

 

そのうちの三人は大陸へ。

 

残りの二人も旅支度をしていた。

 

反正と雄略。

 

反正の方は容姿美麗で、生まれながらにして綺麗な歯並びであったと言われている。

 

対する雄略は、のほほんとしており、何も考えていなさそうな風貌。

 

しかし、肌はとても肌理細やかで、美しいというよりは可愛いといった風だ。

 

二人は大きめの鞄のような物に、いろいろな物を話をしながら詰め込んでいた。

 

雄略「あ、庭の手入れはどうしよう……です。僕が居なくなったら、養分を埋めてあげる係の人が居なくなっちゃうです。」

 

反正「雄略、貴女さっきも同じこと言ってたわよ。庭の手入れは、もう良いの。二度とここには帰ってこないのよ?」

 

雄略「え?あ……そっか!!です!!」

 

雄略は困り顔だったのを、嬉しそうに笑い、鼻歌を歌いながら鞄にいろいろ詰め込んでいく。

 

反正も水晶を手に取り「これは鞄に入れると割れるかしら?」とかを言い、荷物を纏めていく。

 

その後しばらく経ち、ようやく二人の旅支度が終了した。

 

二人は部屋の戸を開けると、円卓の部屋へと繋がっている。

 

そのまま、外を目指して玄関口へ進む。

 

かつて、程遠志に大陸での話を聞き、四王が卓についた一番新しい記憶を思い出す。

 

反正「そう言えば、あの時の男は結局どうなったの?」

 

雄略「んー?あの男?」

 

雄略は猫?のぬいぐるみを抱きかかえ、首を傾ける。

 

反正「ほら、貴女が惚れて、楽園へ案内をした……。」

 

雄略「あぁ、思い出したです!!」

 

雄略が思い出した反動で、ぬいぐるみに回した腕が閉まる。

 

雄略「ボコボコちゃんが、欲しがってたから、あげたです。」

 

反正「ボコボコちゃん?」

 

雄略「ボコボコちゃんです。」

 

雄略が手入れをする庭。

 

その中の一つの植物。

 

元々は装がどこからか持ってきた植物を、雄略が改良を加え、その植物から作られる薬は、ある幻覚作用を引き起こすため、非常に危険な植物で雄略のみが手入れをする庭に植えられている。

 

雄略「それがボコボコちゃんです。ちなみにこれがボコボコちゃんで作った薬です!!」

 

ぬいぐるみの口に手を突っ込み、小さな紙包みを取り出して言う。

 

反正「へー。」

 

反正はあまり興味無さそうに返す。

 

街を歩く二人だが、周りには人はおらず、普段門を警備している者も居なくなっていた。

 

館から門をくぐり、街を通り、これまた門をくぐって、港へと歩く。

 

港にはそこそこ大きな船があり、二人を待っていた。

 

反正「さ、これからは私たちも大陸よ。気を引き締めなさい。」

 

雄略「はい、です!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、大陸では――

 

星「ソウ殿!!」

 

朱里「先生!!」

 

装「おぉっと!?」

 

星と朱里のタックルを胸に受け、一瞬よろめくが何とか体制を保つ。

 

一刀と桃香は後ろで苦笑いをする。

 

装は二人の頭を撫でて軽く微笑む。

 

その光景は仲の良い師弟で、実に微笑ましい。

 

桃香「あれ?愛紗ちゃん達は?」

 

桃香は星たちの後方を見て、自分の義姉妹が居ないことを発見する。

 

朱里「先ほど、まだ雛里ちゃんが諜報から帰ってないので、お二人とも探しに行きました。」

 

一刀「朱里も探しに行きたかったんじゃないのか?」

 

朱里「先生に会いたかったですし、お二人が私たちだけで良いと仰ってくれたので……。」

 

星「主は本当に女心……いや、弟子心がわかりませんなぁ。」

 

星は軽く一刀をからかい、一刀は乾いた笑みしか返せない。

 

装「その事で少し話があります。お二人を呼び戻してもらえますかねぇ?」

 

真剣な顔で言う装に、ただ事ではないと察した桃香達は早速、愛紗と鈴々を呼び戻した。

 

 

 

 

 

鈴々「鈴々のせいなのだ……。一人にしたからきっと怒って隠れてるのだ。」

 

呼び戻された鈴々は最初は装と再開し、元気が出たものの、自分と行動を共にした雛里が居なくなってしまったことに、責任を感じ、暗くなっていた。

 

そんな義妹を必死に励ます愛紗。

 

劉備軍の面々が円を描いて椅子に座り、それぞれさまざまな心情をしている。

 

装「鈴々殿、そう暗くならず。雛里からは手紙を受け取っておりまして……。」

 

鈴々「手紙?」

 

装「えぇ。丁度、鈴々殿と別れた後に、本人から手紙を渡されまして。あのときの兵士たちは僕の独断ですが、護衛のために雛里について行かせました。」

 

愛紗「護衛?」

 

装「まぁ、とりあえず手紙を読んでみましょう。」

 

雛里からの手紙。

 

朱里さえも知らなかった雛里の心情が書かれていた。

 

長文の為、要約すると

 

『私の考えた策は華雄に打ち破られ、連合どころか、劉備軍全体の崩壊の危機にまで追いやってしまいました。

 

あの時、ソウ先生によって鼓舞された劉備軍はなんとか一面を保つことができたものの、私がやってしまった失態は死刑になっても文句は言えない程のもの。

 

しかし、劉備様は私たちのような仲間に、罰を与えることはできないと思いました。

 

その為、私から私に罰を与えようと考えました。

 

私は田舎へ帰って再度修行しなおそうと思います。

 

そして、またいつか、私が雛から鳳になった時には、劉備軍に恩を返そうと思います。

 

非常に勝手ながら、この鳳統の愚行を許してくださいとは、言いません。

 

ですが、いつかきっと恩を返します。

 

信じれないと思いますが、どうか、今はこの愚行をお見逃しください。』

 

一刀「……。」

 

愛紗「まさか、それほどまでに気に病んでいたのか。」

 

面々は下を向き、雛里の心の辛さに気づくことができなかった自分を責める。

 

桃香「私のせいだ。私が、雛里ちゃんに任せてばっかりで……。」

 

桃香はポロポロと涙を零す。

 

いつもならフォローするであろう一刀も自分の罪を知り、落ち込むばかりだった。

 

星「ならば、あの時諜報をかって出たのは、私たちに申し訳なくて、言うに言えなかったから……なのか。」

 

星も太股の上にのせる拳を強く握る。

 

歯を食いしばり、気づいていれば。という心情が伝わる。

 

しかし、装から言わせれば今の劉備軍の面々はただの笑いの種でしかなかった。

 

間違っても顔には出さないが、『気づいていれば』という心情に対し、下を向いて笑いをこらえるのが精一杯だった。

 

雛里が責任を感じていたことは本当のことだった。

 

天の御使いを担ぎ上げていた劉備軍。

 

明らかにこの漢では、大抵のものが担ぎ上げるのが帝。

 

帝に対し、天の御使いを周囲にさらし、反感を買う。

 

軍師ならばもっと早いうちに気づかなければならない。

 

その点は朱里にも責任はあるが、今回の反董卓連合では軍師は雛里。

 

押しつぶされそうな自責の念にも負けず、挽回しようと諜報をかって出た。

 

それが真実だった。

 

だが、劉備軍の誰か一人でも『気づいていれば』何とかなったのだろうか?

 

否、なんともならない。

 

いくら励ましたって、いくら支えたって、それは雛里ほどの自責の念を感じた者の言葉ではない。

 

仲間でもその時ばかりは、他人。

 

他人にいくら励まされたところで高が知れていた。

 

その為、劉備軍の『気づいていれば』という表情に、笑いしか吹き上がってこないのだ。

 

朱里「本当に、そうなのでしょうか……。」

 

装「ん?」

 

朱里「雛里ちゃんは、華雄さんに打ち破られた後、確かに自分を責めていました。でも、その後は汚名返上すると意気込んでいました。だから……。」

 

朱里は劉備軍の面々に呼びかけるように言う。

 

しかし、流石に反応できるものはいなかった。

 

絆。

 

仲良しこよしな劉備軍にとって、仲間の脱退は非常に心に傷を負わせる。

 

執拗に仲間との縁を大切にするが故に、負う傷。

 

劉備軍が立ち直るのはまだ先の話。

 

そして、大陸の終わりもまだ先の話。

 

通常ならば、曹操軍は北を、孫策軍は東を、劉備軍は西を。

 

しかしこの物語では、そこまでシナリオは書かれてはいなかった。

 

終焉は近い。

 

そして、新たな始まりもまた、近かった。


 
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