~ 第114話 †怒れる錦3† ~
数回の曹操(そうそう)軍追っ手を追い払い私は舌打ちをする
このままだと私の合流地点まで持たないかもしれない
撤退時にはまだ数千いた部隊も少しずつ脱落し千を切るほど減っている
一応撤退先は予め言っているので合流はできると思うのだが
一番先頭を走る翠(すい:馬超真名)お嬢様の所へと馬を寄せる
「翠お嬢様!」
「・・・・・」
疲れの為か意識が飛んでるようだ、復讐戦の前の段階から
皆を鼓舞し、ずっと寝ないまま頑張ってきたせいでしょうね
事情を全て知ってる私としては心が痛いのだが・・・鬼になるしかないようですわね
「蒲公英(たんぽぽ:馬岱真名)!」
「菫(すみれ:ホウ徳真名)お姉さまどうしたの!」
「翠お嬢様を介抱しなさい、少し休憩をとりますわよ」
「お姉様どうしたのって・・・あぶ!危ないよ!?」
蒲公英が翠お嬢様の馬の手綱を操って上手く落ち着かせた
その間に私は他のついてきてる皆に指示を出す
「500人ほどこの周辺で休憩できるようにしておきなさい
残りは私と一緒に追っ手が来てないか、賊などが居ないか哨戒しますわよ」
「菫お姉様~私は~?」
「蒲公英、貴方は翠お嬢様の護衛をしながら一緒に休んでいなさい
では、ちょっといってきますわ」
再度馬に跨った時に蒲公英が私の服の裾をつまんできた
「蒲公英?」
「絶対帰ってきてね?」
少し潤んだ上目使いに私は笑みを作り頭を撫でる
「大丈夫よ蒲公英、私を誰だと思っていますの?
私が帰ってきた時にちゃんと休憩できるようにしておきなさい」
「う、うん!任せておいて菫お姉様!!」
安心したのか蒲公英もえへ~と笑って翠お嬢様の所へと戻っていった
私も自分の仕事をちゃんとしないといけませんわね
「それじゃもうひと踏ん張りお願いしますわ炎姫(えんひ)」
私の愛馬の鬣を軽く撫でると小さく嘶き駆け出す
他の哨戒組もそれに続き三人ひと組になり散っていった
暫く周辺を哨戒し、目当ての人達との話もできたので
翠お嬢様と蒲公英の元へと戻る
焚き火をしており、翠お嬢様は起きて今度は蒲公英が寝てるみたいだ
「ただいま戻りましたわ」
「菫さんおかえり、すまねぇ・・・私大将なのに」
「皇牙(こうが:馬騰真名)様がお亡くなりになってから
ずっと頑張ってたのですから仕方ないですわ
それでもあのような小娘相手に遅れ取ってたのは駄目ですけれど」
「だよな・・・焦りすぎてたと思う」
「まぁそれを差し引いても、翠お嬢様はまだまだですわね」
「うぐ・・・頑張る・・・
菫さんこの後はどうするんだ?」
「このまま南下・・・」
「伝令!曹操軍の追ってらしき部隊が接近中です!」
「はぁ・・・仕方ありませんわね
翠お嬢様、こちらの書簡を持って南下し黄忠という人物を頼って下さい
皇牙様とは知古なので問題ありませんわ
ほら、蒲公英さっさと起きて準備しなさい」
私は翠お嬢様の近くで寝ている蒲公英を揺すって起こし
書簡を翠お嬢様に渡す
「いいけどよ・・・菫さんはどうすんだ?
私が囮になってる間に翠お嬢様達は逃げてくださいませ」
「そんなことできるわけないじゃんか!
私も一緒に戦うぞ!」
「おね~さまうるさ~い・・・蒲公英も戦うよ~」
翠お嬢様は眉を吊り上げ怒り
寝起きでぼーっとしている蒲公英も手をあげて参戦する気でいるようだ
「お二人共良くお聞きなさい
貴方達二人には皇牙様と金剛(こんごう:韓遂真名)様のお約束がございます
私としては最後のご奉公としてそれを成し遂げたいのですわ
それに私とて死ぬつもりは微塵もないですわ
また道が交じり合う時がくるはずですの、その時まで暫しのお別れですわよ」
私の言葉に二人共俯き、翠お嬢様が先に顔をあげた
「分かった、菫さんの気持ちを尊重させてもらう
だから、さよならは言わない・・・いってらっしゃいだからな!
ちゃんと帰ってこないと蒲公英と一緒にあることないこと言いふらすからな!」
「菫お姉様・・・頑張ってね
蒲公英待ってるから!絶対ぜ~~ったいだからね!」
「分かりましたわ・・・二人共いってきます」
二人の頭を撫でて、近くに寄り添ってきた炎姫に跨る
「さぁ!私と共に戦場を駆けたい者は一緒にいきますわよ!!」
私はこの子達と一緒に行く事はできない
その代わり、この子達の未来の為に露払いをするだけだ
もし、全てが終わり私が生きてたらその時はまた一緒に生きよう
そう胸に誓いながら迫ってきた【合流部隊】と接触する
「ホウ徳、別れ終わった?」
「ええ、司馬懿(しばい)さん無事送り届けましたわ」
「こ、この辺にはも、もう曹操軍はい、いません」
「とう艾(がい)さんもお疲れ様ですわ
それで我が主は?」
「長坂」
「一体何がありましたの?」
「りゅ、劉備軍ので、ですね、だ、大移動です」
「それで私達はどうしたらいいのですの?」
「本拠地戻って、待機」
「た、待機で、です」
「分かりましたわ、それでは案内よろしくお願いしますわ」
「ん、こっち」
「こ、黒烏(こくう:司馬懿真名)さ、様ま、待ってく、ください~」
こうして、涼州は曹操の領地となったが
涼州の魂は馬超と馬岱が受け継ぎ黄忠と合流する
その頃、劉備と天の御使いがいる場所にも事件が起きていた
~あとがきっぽいもの~
投稿遅くなって本当にすいません!
休みが休みじゃなくなったので遅くなりました、後はもう知りませんなんとかなるでしょう
今回で涼州編が終わります
一応二つ前のコメント欄で指摘があったのでそれっぽく書いてますが・・・無理ありますね
もう一度設定などを読み直ししてから書いていきます
不自然になり非常にすいませんでした・・・そういう部分があればご指摘お願いしますm(_ _)m
そろそろ空気がバレンタインですが、駄文は平常運転です次回もよろしくお願いしますm(_ _)m
手首はだいぶ痛みは引きました。本当にスリップは気をつけてくださいね!
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この物語はオリ主メインの外史です
視点は基本オリ主となっています
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