私の頑張りも虚しく、情けなく戦闘不能になってしまった

私が退いてから次に現れたのは

乱世の頃から華琳殿を支えてきた

『魏の大剣』・春蘭だった

　　　 五節　〜魏剣は舞う〜

……………ここから春蘭視点……………

ようやく私の出番がきた

ここで私が響窃に敗れれば後に残ってしまうのは華琳様ただ一人……

それだけは避けなければならない！

華琳様を危険な目に合わせるわけにはいかぬ！

春蘭「響窃!!貴様をここで葬る!!」

私は得物を抜き響窃に向けた

響窃「やってみろ、夏侯惇!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

響窃は直ぐさま『龍走』を行い私に突進してきた

春蘭「はあぁぁっ!!」

ﾌｫﾝ!!

響窃「はあぁぁっ!!」

ﾌｫﾝ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

我々の得物が激しくぶつかり合った

春蘭「くっ………この…………!!」

響窃「むっ！……くっ…………」

っ!?私が押されている!?

くっ……ここまでの力とは………

響窃「ふっ………」

春蘭「っ!!」

響窃は片手の指先を私に向けた

響窃「『極死の魔光』!!」

ﾋﾟｭﾝ!!

春蘭「うわっ!!?」

瞬時に横に躱したためどうにか回避出来たのだが

私の太刀を片手で受け止めていたのか!?

響窃「………よく躱したな」

春蘭「そんな簡単に当たると思うなよ!!」

響窃「そう言うと意地でも当てたくなるな………」

春蘭「やってみろ!!」

響窃「言われなくとも!!」

ﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾝ!!

春蘭「だあぁぁぁっ!!」

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

響窃「っ!?何と………」

私は己の力のみで響窃が放った『極死の光波』を叩き落してやった

響窃は驚きを隠せていなかった

春蘭「はっはっはっ!!どうだ!?響窃!!」

響窃「やるな………しかし、まだまだいくぞ!!」

春蘭「来い!!」

響窃「そらそらそらそらっ!!」

ﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾝ!!

春蘭「何度やろうと無駄だ!!」

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

またも響窃は『極死の光波』を放ってきたが、先程と同様に私はそれをたたき落とした

響窃「ならば、これはどうだ!?」

ﾋﾟｭﾝ!!

響窃は『極死の閃光』を放ってきた

春蘭「でぇりやあぁぁっ!!!」　

ﾌｫﾝ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

春蘭「むっ!?」

同様に叩き落とそうとしたのだが、寸前のところで持ち堪えていたのだ

響窃「『極死の光波』は一発一発威力が低いが、『極死の閃光』は単体の威力が大きいのだ………

そう簡単に叩き落されてたまるか！」

ｺﾞｵｯｯ!!

『極死の閃光』の勢いが増していく！

春蘭「くっ!?………うおぉぉぉっ!!」

響窃「むっ！…………はあっ!!」

私が押せば響窃も押し返し、逆に響窃が押せば私が押し返す………

そんな事を繰り返していた

響窃「おのれ………強情な奴だ……諦めが悪いぞ!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

響窃は恐らくであるが、本気を出し私を殺しにかかってきていた

春蘭「くっ!?……………残念だが……

元々……私は………」

ｺﾞｵｯｯ!!

響窃「なっ………何だと!?」

今あるだけの力を振り絞り押し返し

春蘭「諦めが悪いのだ!!!」

ｶﾞｷﾝｯ!!

ﾌｫﾝ!!

ｻﾞｼｭ!!

響窃「ぐあっ!!?」

『無型烈皇』を放ち、『極死の閃光』と響窃を同時に叩き斬ってやった！

春蘭「はぁ……はぁ………はぁ……どうだ!?響窃!!」

響窃「ぐうっ………がはっ！」

響窃は口から大量の血を吐き出した

響窃「調子に乗りおって…………仕方がない………」

ｷﾞｭｫｫ！

春蘭「？？なんだ？」

華琳「危険な感じがするわ………」

秋蘭「姉者！響窃が何かをするつもりだ！」

春蘭「あぁ！分かっている!!」

響窃「ふっふっふっ………」

春蘭「っ!!何が可笑しい!?」

響窃「いや……『この技』を貴様にどうにか出来るのか？っと………思ってな………」

春蘭「何っ!!?」

響窃は右手の人差し指と中指を私に向け、こう言った………

響窃「燃え尽きろ……『焼失の輪(しょうしつのわ)』!!」

ｺﾞｵｯｯ!!

響窃の指先から赤色の光線が放たれ、その光線の回りには橙色の輪があった

ひと目で分かった………

あの光線は………………炎だ!!

春蘭「っ!!『無型烈皇』!!」

ﾌｫﾝ!!

私は『無型烈皇』を放ち、『焼失の輪』を切り裂こうとしたが

ｺﾞｵｯｯ!!

春蘭「なっ………何だと!?」

『焼失の輪』は切り裂かけたかと思ったが、直ぐさま元に戻ってしまった

そして

ｺﾞｫﾝｯ!!

春蘭「ぐあっ!!?」

秋蘭「姉者!!?」

華琳「春蘭!?」

私は『焼失の輪』を受けてしまい、そこで意識が途切れてしまった………

……………ここから華琳視点……………

華琳「春蘭!!」

私は春蘭の元まで駆けつけた

秋蘭「姉者!!」

華琳「春蘭…………っ!!」

春蘭はその場で倒れ、気を失っていた

華琳「……………秋蘭」

秋蘭「はっ……………」

華琳「春蘭を………頼むわ………」

秋蘭「華琳様!!?」

華琳「響窃…………待たせたわね」

響窃「遂に………最後だ！」

華琳「最後の相手はこの私、『覇王』・曹操よ!!!」

　　　　　　　　　　　……終……