白蓮が己の覚悟と誇りを持ち響窃に挑み、響窃と激痛を繰り広げ

かなりの時間を稼ぐことができた

この流れに乗るのは

『呉の暗殺者』・思春であった………

　　　四節　〜隠密は微笑む〜

私は得物を抜き、響窃を射殺するかのような目で睨みつけた

響窃「隠密や暗殺はそのように殺気を放出するのものではないのではないのか………？」

思春「敵に姿がばれてしまったら時点で暗殺など関係ない…………

そうなったらどれだけ自分が恐ろしい人間かと主張するのだ…………」

響窃「なる程な…………だがそのような威圧で怯む者は人間だけであろう………？」

思春「貴様も例外ではない………」

ｼｭﾝｯ!!

響窃「むっ!?速い!?」

思春「遅い！」

ﾌｫﾝ!!

ﾌｫﾝ!!

ｻﾞｼｭ!!

ｻﾞｼｭ!!

『空走』をしたあと、素早く得物で響窃を斬りつけた

明命「暗殺者は素早く、確実に敵を一撃で仕留めるのが仕事です

『空走』や『龍走』など高速での移動術は私達の十八番です!!

特に思春殿は『大陸一の隠密』と言われています！」

思春「まだまだいくぞ！」

ｺﾞｵｯｯ!!

響窃「っ!!何という速さの『龍走』だ………通常の二倍はありそうだ……」

明命が言っていた通り、我々隠密は素早さや一撃の重さに特化している

更に気の補助により数倍にまで跳ね上がった

響窃「だが………速いだけだ!!」

響窃は『極死の剣』を構え、私が斬りかかる方向へ身体を向けた

思春「先を読んだのか…………」

響窃「まずはその片目からだ！」

ﾌｫﾝ!!

思春「そうはいくか！」

ﾌｫﾝ!!

ｶﾞｷﾝｯ!!

響窃の太刀を受け止めた瞬間

ｻﾞｼｭ!!

響窃「むっ!?」

響窃の左腕が切り裂かれ、血が滴っていた

響窃「確かに受け止めたと思ったのだが………」

思春「貴様に分からぬほどの速度で斬りつけたのだ……」

響窃「なる程、な！」

ﾌｫﾝ!!

ﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾝ!!

響窃は一瞬体制を立て直し、『極死の光波』を放ってきた

思春「ふっ!!」

ｼｭﾝｯ!!

私は『空走』を行い、回避した

響窃「輪廻の鈴と地獄の輪………どちらが恐ろしいのかな…………？

はあっ!!」

ﾋﾞｭﾝｯ!!

思春「『殺円』か！」

響窃「地獄の輪をくぐれ!!」

思春「だが断る……ふっ!!」

ｼｭﾝｯ!!

『空走』で響窃の背後に移動した

響窃「後ろにいるのはわかっt………」

ｻﾞｼｭ!!

響窃「ぐっ!!?」

移動した瞬間、響窃の背中が斬れ、血が吹き出た

思春「どうだ？我が奥義、『辻狩瞬葬(つじがりしゅんそう)』の味は……………」

蓮華「『辻狩瞬葬』………？」

明命「『辻狩瞬葬』は私と思春殿で考案した合わせ技です

瞬時に『空走』を二回行い、一回目は敵に接近して斬りつけ、二回目は敵から遠ざかるのです」

祭「攻めて不利になる前に退く………という事か…………」

左慈「中々良い技じゃねぇか……」

響窃「面倒な事を………」

思春「敵を翻弄して何が悪い？」

響窃「それもそうだな………ならば!!」

ｷﾞｭｫｫ！

思春「っ!!あの掌の気の塊は…………」

翠「っ!!」

華琳「『終誇の砲弾』………」

響窃が作り出していたのは蒲公英を消し飛ばしたあの『終誇の砲弾』だった

しかも今回のはあの時より気が大きい……

恐らく響窃が自分の身体を取り戻したからであろう

響窃「馬岱の後を追わせてやろう！甘寧!!」

ﾋﾞｭﾝｯ!!

そういうと響窃は『終誇の砲弾』を放ってきた

思春「くっ!!」

ｼｭﾝｯ!!

ﾄﾞｯｯｶｱｧｧｧｧﾝｯ!!!

華琳「くっ!!」

翠「うわっ!!?」

『終誇の砲弾』は『空走』で回避出来たのだが

ｼｭﾝｯ!!

響窃「貴様の『空走』は見飽きた……」

思春「っ!?」

響窃も同様に『空走』を行い、私の背後に移動していた

響窃「吹っ飛べ！」

ﾄﾞｶｯ!!

思春「ぐうっ!!?」

私は響窃の強烈な一撃を喰らい、吹き飛ばされ

ﾄﾞｶｧﾝｯ!!

思春「ぐはっ!!」

激しく地面に叩きつけられた

蓮華「思春!!?」

左慈「蓮華さんよ………思春はもう戦闘不能だ

響窃の野郎の一撃に加え、地面に叩きつけられた……

思春の奴の身体中の骨が粉々になっちまってる、これ以上戦わせたら………死んじまうぜ」

蓮華「………思春!!」

ｼｭﾝｯ!!

蓮華様は『空走』を行い私の元まで駆けつけて下さった

思春「蓮華様………」

蓮華「貴方はよくやったわ………だけど、これ以上戦わせる訳にはいかない………」

思春「……………」

ｼｭﾝｯ!!

私は蓮華様と共に『空走』を行い、響窃の近くを離れた

蓮華「ゆっくり休みなさい……」

思春「はい……………」

春蘭「次はこの夏侯惇が相手だ!!

覚悟しろ！響窃!!」

響窃「………やれやれ、いつになったら曹操と戦わせてくれるのだ？」

春蘭「私を倒した時だ!!」

　　　　　　　　　　　……終……