~なのは視点~
「(クロノ君!?説明した筈だよ!?)」
私は酷く混乱していた。
今来た援軍の先程の攻撃を見たからだ
援軍に来たのは
くすんだ金髪の方が聖 槍(ひじり そう)
いぶし銀色の髪の方が聖 弾(ひじり だん)
"あの二人"は双子で小学校に入学して以来の付き合いだけど、彼らは人によって付き合い方が極端に変わる。特に私達に関わろうとする男子達に対しては敵意を隠そうともせずにする。男の子の友達が出来ないのも絶対にあの二人のせいなの。
それに私達に対する視線が何だかモノを見ているようですごく不快な感じがするし、私達の事を『俺の嫁』とか勝手に周りに言っているせいで、たまに誤解を受けるの
途中から学校に編入してきたフェイトちゃん、はやてちゃんに対してもそんな態度で接するため私達の中で彼に対する
評価は最悪。
おまけに勝手に魔法を使って私達の取り合いするせいでアリサちゃんとすずかちゃんに魔法の事を全部話す事(つまりA’s入る前から)になったりで迷惑しか掛けてないの……
クロノ君もあの二人の事嫌っているし……
「二人共なにしてんのや!!?」
あ、はやてちゃんが怒鳴ったの
「お、はやて、俺が来たからにはもう安心だぜ!!」
「あ?てめぇ俺のはやてになに気安く話し掛けてんだ、モブ」
「は?てめぇなにが俺のだ?はやては俺のだ下がっていろモブ」
「あ?やんのかモブ?」
「あぁ?」
二人が喧嘩を始めたの、今それどころじゃないのに……
「なぁ、援軍さん?」
そんな時にあの二人に話し掛けた人がいた
先程まで一緒に闘っていた柊さんなの
~なのは視点終了~
「あ、なんだよ?てめえ」
「今それどころじゃねぇ、話し掛けんな」
「ごめんねぇ、あのモンスターについて何か聴いていないか確かめたくて」
剣也は聖と銀にフレンドリィに話し掛けているが目は滅茶苦茶笑っていない。怒っています、物凄く
「あ?そう言えば言ってたな……ま、オリ主の俺には関係無いがな」
「おいモブ、オリ主は俺だ!!寝言は寝て言え!!」
「オリ主は俺だ!!黙っていろモブ!!」
二人が喧嘩をまた始めたが剣也は敢えて気付かないフリをし、話を続けた
「じゃあ、どういうモンスターか聞いたんだな?」
剣也の口調が変わり、その場にいた槍と弾以外の全員が凍りついた
「うっせえぞ!!モブ!!」
「いい加減黙っていろ!!」
「……はぁ~…」
二人の言葉にとうとう我慢出来なくなったらしい
剣也は魔方陣を展開した
「出ておいで、"瞬雷の邪眼竜"…刹那」
魔方陣から現れたのは……
蝙蝠の様な翼を持ち、
蛇の如く長い体を持った……
「ド……」
巨大な……
「ドラゴン!?」
ドラゴンだった
そのドラゴンは身体中に雷を纏っており、銀色に輝いている体を更に輝かせていた
「あれ?目がないよ?」
なのはの言う様に確かに、見た感じ眼がないのだが……
「《お前ら、目つむれ》」
「……?」(援軍以外)
剣也の念話に全員目をつむった
「あ?なんだよ、こいつ」
「蛇か?」
槍と弾の二人は刹那を見ていた
「殺れ」
剣也がそう言った途端に、刹那の顔にあたる部分に一本の線が引かれ、それが広がると禍々しい巨大な目が現れた
刹那という名前の由来……それは
「「ギヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!?」」
"その邪眼見た者、刹那に竜の雷落とされん"という刹那のいた世界の伝承からである
案の定それを見た槍と弾の二人は雷を落とされていた……合掌
「もう良いぞ」
目をつむっていた人達全員が目を開け、二人(ボロボロだった)を見たフェイトが心配して剣也に話し掛けた
「さすがにやりすぎな気が……」
「いや、あれ見たら誰だって怒るよ……ほら」
「??」(剣也以外全員)
剣也が指差した先には……
巨大ツチギンチャクが……
無傷で……
"二体"いた
「…………増えてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!??」(剣也以外全員)
「なんで増えとるんや!?」
「先程の二人の攻撃で体液が飛び散り、増殖、集合したのではないかと……」
はやての言葉にウィルが声をひくつかせて答えた
「まぁ、他にも理由はあるがな…」
「?それは?」
ユーノの質問に剣也は答えた
「生理的に嫌だった」
「あ、それは解る(の)(よ)(わ)(な)」(剣也以外全員)
みんなが納得しているとウィルが剣也に話し掛けた
「ロード、早くしないとアレに間に合いませんが?」
「え……まじで?」
「まじです」
「……使うか…才牙を」
「良いんですか、管理局の方々の目の前で使って」
「あまり時間掛けてまた増殖させる訳にはいかない、それに…」
「?」
「アレに間に合わないのは痛い」
「そっちが本音ですか!?」
ウィルの突っ込みをとりあえず無視して刹那に話し掛けた
「協力してくれるか?」
「…………(御意)」
「ありがとう」
「なんで解るの!??」
剣也は刹那との意志疎通が出来るらしい……
「みなさーん、あとは俺達でやりますから下がってください!!」
「あんな化け物お前らだけで出来んのかよ!?……そっちのドラゴンは解るけど」
ヴィータがそう叫び、付け加えて言った、まぁ気持ちは解るけど……
「平気だよ、だって……」
そう言いながら両手を胸に翳した
「俺には……」
翳した途端、電気を伴う光球が一つ、二つと発生し、手を広げていくと数が増え、集まり、形を持ち始めた
「才牙があるからな!!!」
そう叫びながら右手に掴んでいたものは……
猛々しさを持った、美しい爪であった
その爪はカタール(刃と握りが垂直になった短剣)の様な造りになっており、鋭い爪が5本並び、手の甲に当たる部分にはジャガーの彫刻が付いていた
これが剣也が持つ7つの才牙の一つ……
「"天雷爪 (ボルトクロー)"」
その光景を見たなのは達は驚いていた
「爪!?」
「一体何処から!?」
「まさかロストロギア!?」
「物凄い力を感じるぞ!?」
「なんだあれは!?」
「ツチギンチャクが怯えてる!?」
「見たこと無いよ……アレ」
「資料にも無いのか?」
誰が言ったのか考えて見ましょう
「刹那、もう一体は任せる」
「…………(御意)」
「ウィル、"空中都市マチュピチュ"の起動、全操作を任せる」
「了解」
「よし…レディー……」ググッ……
剣也は獣の様に構え、準備を始めた
「ゴー!!!」
「グルォォォォォォォォォォ!!!!」
剣也が走り、刹那は雄叫びを挙げ、ツチギンチャクに向かって行った
*この戦いでは剣也は空で戦っています。
ツチギンチャクが右手を振り、攻撃をし始めた
「危ない!!」
なのはが叫んだが剣也は止まらずぶつかる寸前に真横にジャンプして回避、そのまま真上に跳び、再びジャンプ、相手の肩を切りながら瞬時に離れ、距離を取った
バチィッ!
切り裂いた肩から電気が発生、爆発し、追撃を加える
一方の刹那はツチギンチャクに長い体を生かして巻き付きを行い、そのまま放電、更に口から電撃を放っていた
剣也は止まらず、ツチギンチャクの前から攻撃を行おうとしていたが、ツチギンチャクの攻撃
を回避していくので精一杯だった
「刹那!!」
刹那は反応し、口から電撃を放つのを止め、自分の周りに電気を纏った玉を精製、発射し、ツチギンチャクの攻撃を辞めさせた
「"剃"!!……そしてブースト、パワー!!」
六式を使用して接近し、再び攻撃しながら刹那のサポートを行った
「刹那、終わったら帰って良いからな」
「……(御意)」
本当にどうやって意志疎通しているのだろうか……?
~はやて視点~
私達は今信じられない光景を目の当たりにしている
先程まで一緒に闘っていた柊さんがまるで獣の様に軽やかな動きであの化け物を攻撃しているだけでなく、召喚したドラゴンとお互いのサポートをしながら闘っているのだ
「どうやってあんな動きを実現してるんだろ…?」
フェイトちゃんの疑問は私も気になっていた。普通あんな動きは空中では不可能に近い筈…
「む?…成る程、そういう事か…」
シグナムが一人で納得していた
「シグナム、解ったんか?」
「はい、主はやて、あれはフィールド系魔法の応用です」
「フィールド系魔法の応用?」
どういう事や?
「主はやて、よく目を凝らして見てください」
そう言われ、よく見てみると薄い魔力が縦横無尽に張り巡らしてあり、街の様な造りを作り出していた
「その魔力を足場にする事であの様な動きが実現できているかと」
シグナムがそう言う頃には刹那はツチギンチャクを倒し、元の世界へと帰って行った
~はやて視点終わり~
ズザァァァァァァ!!!
「…ハッ!!」
ズバズバッ!!
剣也はあれから何度もヒット&アウェイを繰り返し、ダメージを与え続けていた
「ロード、アレまであと10分です」
「ここから帰るまで五分…早くしないとまずい、大技で決める」
そう言いながら天雷爪 (ボルトクロー)に天力、魔力、覇気を込め、巨大な爪を作り出した
「…"剃"!!」
六式でツチギンチャクの懐に潜り込み…
「オラァァ!!!」
爪を突き刺し…
「迅雷…撃破!!!」
更にそこから雷を流し入れた、天力、魔力で造り、覇気で強化した雷を
ツチギンチャクはそれに耐えきれず、燃え上がり、消滅した
「かなり疲れるな……(汗)」
あまりにも疲れが出てしまう為、出来るだけ使わない様にしている
「大丈夫ですか?」
「平気だ……急ぐぞ!!」
「了解!!」
会話しながら転送しようとしていた
「え、あの……お話は……」
なのはが止めようとしたが、間に合わず、行ってしまった
巨大ツチギンチャクvs剣也達
剣也達の勝利
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第六話 共闘(後編)