第一章‐参話 『旅は道連れなんとやら』
劉備達と別れてから暫く。一刀と和輝は森の中の川原に来ていた。というのも全く地理が分からないので、和輝の提案で水等を確保しておくことにしたのだ。
「飲みかけのペットボトルがあって助かったけど、これからどうするんだ?」
「憶測だが、貂蝉が俺達を此処へ送った理由は『乱世を治める』ってことだろう。劉備達も言ってたが恐らく『御遣い』として此処に送り込んだと思うしな。」
ガコッ…
手頃な大石を水面から飛び出した石にぶつけながら答える。そのまま何匹か魚を持って川原に上がってくる。
「でも、何の為に?」
「流石に其処までは解らねぇ。だが、『御遣い』なんていうお膳立てしてあるんだからほぼ間違いは無ぇと思うけどな。」
魚の内臓を取り終えて、今度は焚き火に火を点け始める。てか何?なんか手馴れてない?
そのまま手頃な枝に魚を刺して焼き始める。
「てか、魚多くないか?なんで五匹も?」
「お前はもう少し気配を探れ。そこ!」
「あいたっ!」
和輝が投げた石が茂みの中で誰かに命中したっぽい。というか女の子の声だったぞ!
「あと二人。とりあえず全員出て来い。」
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で、あの後和輝の呼びかけで出てきたのは女の子三人組。なんなの?この世界では三人一組のルールでもあるの?
なんてことを考えながらとりあえず、五人で焼き魚を頬張る。
「で?お前ら誰だ?」
まぁ、当たり前の質問ではあるが、食事勧めた後に聞くか?普通。
「自分は
「
「…
「俺は北郷一刀。」
「橘和輝だ。」
一通り名乗り終えて三人をよく見てみる。波才は短い髪をツインテールにしていてタンクトップに短パン、しかもローライズなやつだし、管亥はポニーテールでTシャツに袖なしジャケットを羽織ってるけど、スカートの丈が尋常じゃないくらいに短い。そして黄龍は黒髪ロングで和服に近い格好だが袖はついてなくてそのせいで脇とか横とか見えそうで、正直健全な男子高校生には色々刺激が強すぎる。
「・・・・・・。」
「えっと、どうした?黄龍。」
「…変態。」
なんかジロジロ視ていたことはバレてたっぽい。
「で・だ、おまえら三人はこんなとこで何してんだ?」
「ええ~とぉ、それは~。」
「・・・はぁ、金目のモンでも取りに来たってとこか。めんどくせっ。」
「あぅ。」
隠し通せずに、波才は項垂れてる。
「君達みたいな女の子が、なんでそんなことしようとするんだ?」
「だって、そうでもしないと生きてけ無いっす。」
「アタイらだって好きでこんなことしてる訳じゃないのさ。」
「…今の世の中よくある事だし。」
なんか可哀相になってきた。俺達が生きてきた世界では考えられないような、それは多分自分がいかに恵まれていたかを痛感させられる。自分とそんなに歳も変わらないような女の子が追い剥ぎみたいなことをしていて、それが『よくある事』で済まされる、そんなこの世界が無性に虚しい。
「なあ、和輝…。」
「わぁってるよ。どっちにしろ人手は必要になるしな。」
そう言って和輝は波才たちに向き直る。
「てめぇら三人。俺が面倒みてやるよ。」
「本当っすか?!」
「ああ。」
「じゃ、じゃあ、これからお世話になるっす。それと自分の事は
「真名ってやつか?」
「そうなのさ。ついでにアタイのことも
「…
「俺は一刀でいいよ。こっちではそれが真名みたいなものらしいしね。」
「俺の事は和輝でもなんでも好きに呼んでくれ。」
「えっとなら…親分!」
波才…もとい、太白が和輝をそう呼んだことで一瞬目を丸くするが、その後和輝は急に笑い出し、おれも釣られて笑ってしまう。三人はよく解らないって顔をしてるが無理も無いだろう。なぜならその理由は元居た世界で極道である『立華組』の跡取りである事を知っている二人にしか解らないのだから。
「もしかして他の呼び方の方がよかったっすか?」
「いいや、構わねぇよ。それより、近くに人が集まる処が在ったら案内してくれ。色々先立つモンも必要だし、なにより情報が欲しいしな。」
「了解っす。」
そのあと、火の始末を済ませて、新たに三人を加えて一路街へ向かうのだった。
あとがき
なんか勢いで書けてしまった。あれ?前の話ってたしか今日の早朝に投稿した気がする。
と思って確認したら弐話の投稿時間って7時間前だった(参話書き終え時刻7:50)
しかも眠くない……最っ高にハイってやつだな。
とそんなこんなで今回は一刀以外はオリキャラだらけでした。
オリキャラばっかだと話が書きやすかったです。
そういえば読者の皆さんこの作品のルートが気になってるようですが・・・
次回明らかになりますのでお楽しみに!
以上、ツナまんでした。
では、また次回!
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今回オリキャラ多いなぁ。
『Re:道』と書いて『リロード』ということで
注:オリキャラでます。 リメイク作品です