No.643576

真・恋姫無双~Re:道~

ツナまんさん

今回は蜀キャラが・・・

『Re:道』と書いて『リロード』ということで

注:オリキャラがでます。リメイク作品です

2013-12-08 00:46:11 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1489   閲覧ユーザー数:1342

   第一章‐弐話 『出会ってそして・・・』

「あっ。」

 

三人組の小悪党に和輝が『オネガイ』してお帰りしてもらってから煙管を銜えて火を点けた時に何かに気付いたのか和輝がそんな声を出した。

 

「どうした?」

「あいつらに此処が何処なのか訊きゃあよかった…。」

「遅いよ!」

「わりぃわりぃ。あんまウザイんでついな。」

 

とそんなやり取りをするが正直なところあの三人が教えてくれるかは微妙だったし、何より今更そんなことを言っても過ぎた事なのでしかたが無い。

 

「それで、これからどうする?」

「とりあえず、もう暫く此処に居る。もしかしたら楓が来るかもしれねぇしな。」

「りょ~かい。」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

(一時間は経ったか。)

 

煙を吐き出しながら、そんなどうでもいいことを考える。完全に暇を持て余している状態。

それは一刀も同じだが、一刀は一刀で座禅を組んで時間を潰しているようだ。

そんな時、不意に声が聞こえた気がして周囲を見渡す。

 

「和輝。あそこ。」

 

一刀も気付いていたようで、いち早く見つけた一刀が和輝に声を掛けて指を指す。その先にはさっきとは違う三人分の人影がみえる。その影は間違いなく此方へ向かって近づいているように思える。一刀と互いに顔を見合すと、煙管を仕舞い、帯刀して警戒する。

 

「またさっきみたいな奴らか?」

「さぁな。そんときはまたお帰り願うだけだ。」

 

だが、実際そうはならなかった。というのも現れた三人組は女の子、しかもその内の一人はどう見ても子供にしか見えない。

 

「あっ。愛紗~みつけたのだ~。」

 

しかもかなり無邪気な感じで思わず毒気を抜かれてしまう。が、その見た目に反して、身の丈以上もある矛を肩に担いでいる。

 

「こら鈴々あまりはしゃぐな。桃香さま、大丈夫ですか?」

「う~ん、二人とも歩くの早いよ~。」

 

さらに、後からきた二人、黒髪の方も長物の得物を所持している。桃色の髪の方は…まぁとにかく、正直奇妙な三人組ともいえる。

 

と、いうかやってきて早々、人のことをジロジロと見てくるし。

なんだ、こいつ等…喧嘩売ってんのか?

一刀もどうしていいか分からずに苦笑いを浮べている。

 

「あの…もしかして、お二人が『天の御遣い様』ですか?」

「なんだそりゃ?」

 

桃色の髪の少女の問いかけに意味が分からずに疑問で返す。

 

「『天の御遣い』とは今この大陸で占い師『管路』が予言した者のことです。大陸に乱世が訪れるとき、『天の御遣い』が現れ乱世を鎮めると。」

(なるほど、つまり貂蝉がやらせたい事ってのはそれか。なら奴が『貂蝉』を名乗ったことにも意味があるってことか。)

 

黒髪の少女の説明に大方の理解はできた和輝だが、一刀の方は未だに分かっていないらしい…後で説明してやるか。

 

「まぁ、『御遣い』とやらについては一応解った。んで、お前さん方は一体誰だ?」

「あっ、私は劉備、字は玄徳です。」

「鈴々は張飛!字は翼徳なのだ!」

「関羽、字は雲長です。」

(―ほぼ確定だな。)

「え?え?えええ?!」

 

三人がそれぞれ名乗ったことで一人何かを納得する和輝とその思いがけない名前に動揺を隠せない一刀だった。

 

「あの、それでお二人のお名前は?」

「えっと、北郷一刀。姓が北郷で名前が一刀だよ。」

「橘和輝だ。俺も一刀も字なんてもんは無え。」

「えっ?じゃ、じゃあ真名も無いの?」

「え?真名?何それ?」

「真名というのはその者にとってもっとも大切な名といいますか、その者を指し示す本当の名とでも云うべきものです。」

「う~ん解ったような解らなかったような。」

「まぁつまり俺達にとっちゃあ名前そのものがその真名ってモンだろうな。」

 

とりあえず、敵ではなさそうであると判断して和輝は煙管を取り出すと煙草を詰めて火を点す。

 

「で、お前さん()はこんなとこでなにしてんだ?」

「あっ、そうだった。あの、お二人にお願いがあるんです。」

「へ?お願い?」

「はい!その、私達に力を貸してほしいんです。」

「―何の為にだ?」

 

煙管を銜えたまま和輝が尋ねた。

 

「みんなを笑顔にするためにです。そのために私達には力が必要なんです。」

「劉備だったか。お前の言う力ってのはどんな力だ?」

「悪い人をやっつけてみんなを守れるような、そんな力です。」

「―そうか、そっちの二人も同じ考えって事だな。」

 

和輝が視線を向けると関羽と張飛の二人とも頷いている。それを確認して、銜えていた煙管を仕舞う。

 

「悪いが、協力はできねぇ。」

「え?どうしてですか?」

「どうしてもなにも、中途半端な覚悟で語る甘っちょろい理想に付き合ってやるほど暇じゃねぇんだ。」

「なっ、貴様!いくら御遣いであっても許さんぞ!」

「――なら、どうする?」

「桃香さまに詫びて貰う。」

 

そう言って関羽は得物である青龍偃月刀(せいりゅうえんげつとう)を向けてくる。

 

「和輝、一応謝った方がよくないか?」

「なんでだ?俺は謝る気はねぇよ。それより関羽お前にも訊いときてぇことがある。お前は『何』に対してその力を振るう?」

「―『悪』だ!この大陸から全ての『悪』を滅する。そうすれば民は平和に暮らせる。」

「なら、やってみろよ。」

 

途端に空気が重く冷たくなる。それを感じ取ったのか関羽は一瞬、身を強張らせたが平静を取り戻して構え直す。

 

「…来いよ。」

「っ、怪我をしても知らんぞ!」

 

和輝の誘いに関羽は弾ける様に飛び出すと得物を振り下ろす。だが、その刃は届くことはなく代わりに関羽の目の前には刀の切っ先が突きつけられていた。

 

「――その程度なんだよ今のお前らの覚悟なんてモンは。」

「くっ…。」

 

そう言って和輝は刀を納めて荷物を纏め始める。

 

「世の中の上辺だけ視て大層な理想を語るんじゃねぇ。正義も悪も関係無ぇ、その先のモンまで理解しやがれ。気が向いたらそのうちてめぇらの答えを聞いてやる。行くぞ一刀。」

「ちょっ、いいのか?このままで。」

「知るか。俺達には関係無ぇ。」

 

そのまま荷物を纏めて二人は荒野に消え、後には俯いた少女三人が取り残された。

あとがき

 

どうもこんな感じになりました第一章‐弐話です。蜀√ファンには多少申し訳ないかな等と思いながらの執筆でした。

まぁ、今回一刀が思いのほか空気になってしまった訳ですがここはどうしてもツナまん的に和輝推しでいきたかったので目を瞑ってください。

 

では、また次回


 
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