No.643209

涼宮ハルヒの恋姫7

ガリ眼鏡さん

久しぶりの投稿です。

どうぞお楽しみに〜

2013-12-06 21:43:27 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1396   閲覧ユーザー数:1334

 

 

気だるいがいたってごく平凡な………

 

 

 

…とは話せないのは何故だろう?

 

 

孔明を旅仲間に加えた俺達は、再び先へと進んでいた

 

関羽「鈴々。一人で勝手に先へ行くな、はぐれても知らんぞ」

 

どんどん前へ進んでいく鈴々を関羽さんが注意する横で、ふと諸葛亮が口を開く

 

諸葛亮「そう言えば霧の中ではぐれてしまったお仲間の方……名前は確か……」

キョン「趙雲だよ。」

諸葛亮「そう、その趙雲さんとは結局はぐれたままでちょっと心配ですね。」

 

そう……水鏡さんの屋敷から出た後も、前回霧の中ではぐれた星とは再会できず、結局それっきりになってしまったのだ。

 

 

関羽「……けど、あやつも子供ではない。きっとこの空の下で、元気にやっているさ。」

 

そうだといいけどなぁ……まぁ、野倒れていなければいいが……

第七話『張飛、関羽と仲たがいするのこと』

 

 

ふと、鈴々が立ち止まっていたため俺と関羽さんと諸葛亮も足を止める。その前には……またあの分かれ道だった。

 

関羽「む……分かれ道か…」

諸葛亮「どっちにいきます?」

キョン「そうだなぁ……」

 

鈴々「こんな時は鈴々におまかせなのだ!」

 

そういって前に出た鈴々に、関羽さんは「またあれ(=占い)をやるのか」と軽くため息をした。蛇矛を地面に軽く突き立てた後、鈴々が軽く念じる…すると、

 

 

カタン

 

 

音を立てて、蛇矛が右側へ倒れる

鈴々「あっちなのだー!」

 

関羽「うむ……それじゃあ行くのはこっちだな。」

 

なんとっ!?関羽さんは占いの結果をあっさり無視して左へ行こうとしている。

 

鈴々「なんでそうなるのだ!?」

関羽「当り前だ!この間お前の占い通りに行ったら、霧に捲かれるわ、崖からすべって怪我をするわで散々ではないか……」

 

そりゃそうだけどなぁ…

 

鈴々「うぅ、そ、それは……けど占いではあっちって!」

関羽「だから、その占いが信じられないというのだ!! 」

 

先日の経験から占いを信じようとしないと関羽さんと、絶対に占いが正しいと言い切る鈴々。にらみ合う2人に対し、孔明が戸惑いながらも

 

諸葛亮「はわわっ。関羽さん…確かに鈴々ちゃんの占いに根拠はないと思います。でもそれなら、占いどうりにしたからって必ず悪いことは起きるとは限らないと思うんです。」

キョン「そうだな、鈴々の方に行っても良いと思いますけど……」

関羽「孔明殿とジョン殿が言うのなら……」

俺と諸葛亮の言葉を聞いて、関羽さんがそうしようとするが…

 

鈴々「余計なこと言わなくていいのだ!」

諸葛亮「えっ……」

鈴々「これは鈴々と愛紗の問題なのだ!お前には関係ないから黙ってるのだ!」

キョン「おい、そういう言い方は無いだろう!」

 

あろうことか、鈴々が諸葛亮を邪魔者扱いしたのだ。あぁ…今にも泣きそうだ。これには俺も黙ってはいられない。そして関羽さんも…

 

関羽「鈴々!なんてことを言うんだ!! 孔明殿はお前のことを思って!! 」

 

鈴々「それが余計ことなのだ!! 」

 

更に関羽さんの言葉を切り捨て、鈴々は右へ進もうとする。

 

関羽「鈴々!! 」

キョン「おい、鈴々!」

鈴々「とにかく鈴々は占いどうりこっちに行くのだ!! 」

関羽「っ………勝手にしろ!! 」

鈴々「勝手にするのだ!! 」

 

そのまま鈴々は、勝手に右へと進んでしまった。なんでこんなことに……

諸葛亮「鈴々ちゃん!」

 

 

諸葛亮が声をかけるが、止まらない。

 

諸葛亮「いいんですか!あのまま一人で行かせてしまって……!」

関羽「構わんさ。どうせすぐに寂しくなって『やっぱり皆と一緒の方に行くのだー!』とか言って追いかけてくるさ。」

 

だといいんだが……

 

 

諸葛亮「でも……」

関羽「さぁ、孔明殿、ジョン殿、我らも行きましょう……」

 

諸葛亮が戸惑うのも構わず、関羽さんはそのまま左へと進んでいくのだった。……仕方ない。

 

 

キョン「諸葛亮。このまま関羽さんの所にいてあげてくれ。俺は鈴々の所に行くから。」

 

諸葛亮「…分かりました。」

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「愛紗ったら孔明の味方ばっかり……」

 

別れてから数分後……占いの通りに進んでいく鈴々は、にばかり味方する関羽さんにぶつぶつ言い続けていた。

キョン「鈴々!! 」

鈴々「お、お兄ちゃん。」

 

キョン「やっと追いついた……」

鈴々「なんでお兄ちゃんが……」

キョン「一人じゃ心配だから来たんだ。」

鈴々「そうなのか…?」

キョン「あぁ。」

 

 

ガバッ!

 

と鈴々が俺に抱きついた。

 

キョン「どうした?」

鈴々「良かったなのだ……お兄ちゃんは、鈴々の占いを信じてくれて……」

キョン「……あ、あぁ…。」

 

 

別に占いを信じてなんかいないんだけどな……

 

 

 

 

 

 

そして俺達はしばらく歩いていくと…前方に街が見えてきた

 

鈴々「あ!街なのだ!やっぱり鈴々の占い正しかったのだー!」

キョン「……そ、そうだな。」

鈴々「ざまぁみろなのだー!! 」

 

 

と言いながら鈴々は街に向かって走って行った。…って勝手に行くんじゃありません!!

 

 

仕方が無いから俺も後を追いかけた。

 

 

 

 

 

そんなこんなで俺達は街を歩いていたが

 

グギュルルルル~

 

鈴々「お腹すいたのだ……」

 

突然の腹の虫が鳴る。ちなみに俺の財布は関羽さんに預けているため無い。我慢してくれ……そんで考えていると

 

キョン「ん?」

 

 

看板の前に人だかりが出来ているのを気付いたため、近づいてみることにした。

 

鈴々「うーん、難しい字はあんまりないけど、やっぱ読めないのだ」

キョン「じゃあ、俺が読む……ええっと、大食い大会本日開催、飛び入り歓迎!」

???「優勝者には賞金と、豪華副賞あり!」

 

二人の後ろで看板を読む者たちがいたので振り向いてみると

 

キョン・鈴々「「馬超!! 」」

馬超「よ!久しぶりだな!」

 

そこにいたのは以前袁紹の街で鈴々と仲良くなった馬超だった。

 

鈴々「ど、どうしてここにいるのだ?故郷の西涼に帰ったんじゃ……」

馬超「んー、一度は西涼に戻ったさ。で、やることやって武者修行の旅に出たのは良いんだけど……ここに来て路銀が底をついちまって///」

キョン「……ひょっとして…」

馬超「ああ!あれに優勝して、賞金をいただくって寸法さ!」

 

俺の予想通り、馬超が大食い大会に出場する気マンマンである。やはり賞金が手に入るだけあって、意気込みも大きいようだ。

 

 

…恐るべし金。

 

鈴々「そうはいかないのだ!優勝は鈴々達がいただくのだ!」

馬超「ほーう、やっぱお前らも優勝狙いか!相手がお前らなら不足はない!」

 

二人とも燃えているなぁ……まぁ、俺は出ないけど。

 

馬超「勝負だ、張飛!! 」

「望むところなのだ!! 」

 

 

 

 

 

ところ変わって、ここは大食い大会の会場。さまざまな勝負が繰り広げられたこの大会も、いよいよ決勝戦が始まろうとしていた。

 

司会の女の子『さーぁさぁさぁさぁ!毎年恒例の大食い大会もいよいよ大詰め!決勝戦まで勝ち残った三人の勇者をご紹介しましょう!まずははるばる西涼からやってきた馬超選手!! 続いて、虎の髪飾りとイカヅチ模様は伊達じゃない!猛虎もびっくりの食べっぷり、張飛選手!! 』

キョン「二人とも頑張れよ。」

 

 

一応応援しとくか…

 

司会の女の子『最後に!! ちっちゃい体からは想像もできない脅威の食欲……許褚選手!! 』

 

それはピンクの髪をとがった形のおさげに結った小柄な少女、許緒であった。

許緖「……ちっちゃいって言うな…#」

 

しかし、少女は小柄なのを気にしているらしく、客席からも「ちっちぇえー!!」「ちっちぇえなーおい!」と歓声(?)をあげられやや不服そうだった。

 

……え?あの子が許緖!!?

 

司会の女の子『最後は、深すぎないほどほどの味が人気の銘菓「十万斤饅頭」を制限時間内にどれだけ食べられるかを競ってもらいます!それでは用意が出来たところで…勝負開始っ!! 』

 

始まりを告げる銅鑼が鳴り、三人同時に食べ始めた。一つ一つを確実に食べていく馬超、容赦なく大量に頬張る鈴々、澄ました顔で口に放り込む許褚。全員が優勝をかけて十万斤饅頭を食べつくしていった。

 

鈴々「(くっ……許褚って奴、相変わらずごい勢いなのだ…!)

馬超(ここまでの勝負で誰よりも多く食べてるはずなのに、まだあんな底力が……!)

鈴々(でも…鈴々たちだって負けられないのだ……!)

 

許緒にただならぬものを感じつつ少しでも数を稼ごうと、鈴々も大量の十万金饅頭にがっつく。

 

馬超(くそ、このままじゃあの二人に置いてかれる……)

 

このままでは二人に取り残されると、馬超も必死に食べていたが……

馬超「う゛っ……!!!!?」

 

突然顔が青ざめてきた…どうやら流石に限界が近づいてきたようだ

 

馬超「(まずい……さすがにそろそろ限界が来た……ああ…この大会で食べ来た料理が走馬灯のように眼の前を…ここまでか……!私はここまでなのか…だがたとえ!! どぶの中でのたれ死にするとしても、あたしたちは前のめりに倒…れ……)

 

デーーーーーンッ!!!!!!

 

そのまま馬超は前のめりに皿に顔を突っ伏し撃沈した。まぁ、こうなるということは分かっていたが……

鈴々「(馬超が脱落……!?ということは、あいつとの一騎打ち……!! )あ!?」

 

 

ここで一気に決着をつけようとする鈴々。ふと鈴々が許緒の皿を見てみると……残り三個で手を止めているではないか!これはいけるか!?

 

鈴々(残り3個で手が止まっているのだ。ここで鈴々たちが追い上げれば逆転なのだ!! ここから追い上げれば一気に逆転なのだ!! )

 

 

必死に手に持ってる分をほおばる鈴々。流石にこちらも限界が来ているようだが、なんとか震える手で残り三個を取ろうとする。

 

鈴々(これを……これを食べれば…逆転なのだ!! )

 

 

と、それまで目を閉じていた許褚が目を開けたかと思うと

 

許褚「…………あ゛ーーーー(ザザーーーーッ)」

鈴々「ガーーーンなのだ!!! 」

 

なんと皿を持ちあげ、残り三個を一気に流し込んでしまったのだ。そのまま全部食べ終えて、鈴々に軽く笑うと……

 

許褚「おかわり☆」

 

 

まさかのおかわりを注文した。

 

鈴々「ま……負けたのだ………」

 

流石の鈴々も、これには完敗であった。…見てるこっちが腹いっぱいになってきた。

 

 

鈴々「うぅ……賞金貰えなかったのだ……」

馬超「でもまぁ、腹はいっぱいになったからよしとするか。」

キョン「俺は食ってないけどな。」

大食い大会が終わり、どこかさびしそうに帰っていく俺達三人。と、ここで、

 

馬超「あ、そう言えば関羽と趙雲はどうしたんだ?またどっかの店で働いてるのか?」

キョン「それは俺が説明する。」

 

 

 

 

 

 

 

 

馬超「えぇっ!?趙雲とはぐれて関羽とも喧嘩別れした!?」

鈴々「鈴々は悪くないのだ!?愛紗意地悪言うから、それで……」

 

打ち明けた後も、決して自分は悪くないと言い張る鈴々。その様子に馬超どこか複雑な面持ちになる…………と

???「おーい!! 」

 

と三人を呼ぶ声が聞こえ、現れたのは許褚だった。

鈴々「お前はさっきの……」

許褚「ボクの名前は許褚、字は仲康!全国を廻って大食い修行してるんだ!」

鈴々「鈴々は張飛、字は翼徳なのだ!」

馬超「あたしたちは馬超、字は孟起。西涼の出だ。」

キョン「俺はジョンスミスだ」

許褚「二人ともなかなかやるじゃん!! 大食いで僕にあそこまで挑む奴は初めてだよ!! 」

鈴々「鈴々たちもあんな化け物じみた大食いは初めて見たのだ……」

 

 

一般の人ならありえん話だが……

 

 

許褚「いやぁ~、それほどでも」

鈴々「別にほめてないのだ」

許褚「え。そなの!まぁいいや。なぁなぁ!こうして出会ったのも何かの縁!親睦を深めるためにも、これから四人で何かウマイもんでも食べないか!?」

馬超「って、お前まだ食うつもりかよ!?」

 

ホントに底なしの大食いだなぁオイ

 

許褚「あ、お金なら気にしなくていいよ。大食い大会の賞金で僕がおごるから☆」

馬超「いやぁそうじゃなくて……」

キョン「ははは」

 

先ほど大食い大会が終わったばかりだというのに、今から更に何かを食べようと意気込む許褚に、微妙な表情になる三人だった

 

 

その時、

 

 

???「何言ってんだよ!! 」

四人「「「「!?」」」」

 

 

突然聞こえた声の方に振り向くと、少年がガラの悪そうな三人組につっかかっていた

 

少年「借りた分はとっくに返したはずだろ!! 」

悪人A「小僧、借金には利子ってもんがつくんだよ。」

悪人B「ほれ証文も…この通りだ。」

少年「くっ……よこせっ!!」

悪人C「おっと危ねぇ危ねぇ……」

悪人A「おい、ちょっと痛い目見せてやれ。」

 

会話を聞く限り、どうやら三人組はよくいる悪徳な借金取りらしい。筆頭の男が取り出した証文を少年が奪おうとするが、即座に図体がデカイ子分に抑えられてしまう。これは見過ごせない。

 

鈴々「そこまでなのだ!! 」

借金取りA「あぁ?なんだテメェら」

許褚「通りすがりの大食い修行者だ!」

 

馬超「……いや、それはお前だけだから」

 

 

馬超のツッコミに対し、借金取りたちは横柄な態度をとる。

借金取りA「大食いだかアリクイだが知らねぇが、首突っ込むとケガするぜ。」

借金取りB「そうだ!とっとと失せろチビ共が!」

鈴々「チビって誰のことなのだ!」

 

チビと言われて黙ってられない鈴々。

借金取りC「誰ってそりゃあ、オメェとオメェと………コレ」

 

 

しかし、さりげなく最後に小さい子分を指差していたデカブツ。

 

借金取りB「……俺は入れなくていーんだよっ!! 」

鈴々「やーい!墓穴掘ったのだ!」

借金取りB「うっせーよチビ!! 」

許褚「……チビ……………」

 

 

とそれまで黙っていた許褚から得体の知れぬオーラが現われ始めた。な、なんだこのプレッシャーは……

 

許褚「またチビって言った………チビって言った……………!! 」

借金取りA「い、言ったらなんだってんだよ?」

許褚「ぶっつぶす!!!!!! 」

 

次の瞬間、どこからか巨大な鉄球を取り出し、それを振りまわす。

借金取り三人「どっからそんなもん出したー!!! 」

……確かに、

 

許褚「でええええええええええええええい!!!!! 」

 

 

ばごおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっっ!!!!!!!!!

 

 

………地鳴りがした………地面がめり込んでいる…これだったら大震災とかできそうじゃないか……

 

借金取り三人「………………………」

 

 

こりゃあ、三人組も固まるわな。

 

 

借金取り三人「ば………バケモンだぁーーーー!!! 」

 

逃げた。

 

 

鈴々「明後日きやがれなのだー!! 」

馬超「それを言うなら一昨日だろ・・・」

 

 

慌てて逃げ出した借金取りを小馬鹿にする鈴々であった

 

 

 

 

それから俺達は少年の家へと向かっていた

 

 

少年「あいつらホントにずるいんだ。借金は全部返したのに、いつの間にか変な証文を作って・・・まだ利子が残ってる。もしも返せないなら、姉ちゃんを借金の片に連れていくって……」

馬超「なんと非道な……!! 」

許褚「くそ~!! あと少しで潰してやったのに!! 」

 

 

あんなんで潰されたら終わりだ…

 

 

そんな道中でマントに身を包んだ少女とすれ違うが、気にせず先へと進んだ。………ん?嗅いだことがある匂い……何だっけな?

 

 

そして数分後、俺達は少年の家へと到着した。

少年「姉ちゃんただいまー!」

姉「おかえりなさい……その方たちは?」

 

それまで薬を作っていた女性が顔をあげると、弟だけでなく見慣れぬ者達がいた。もちろんそれは俺達だ。最初はキョトンとしたけれど、弟や俺達から事情を聞いて納得する。

 

姉「まぁ、そうだったんですか……弟の危ないところを助けていただいて、本当にありがとうございます。」

弟「姉ちゃん、この人たち旅の途中なんだって。まだ宿は決まってないっていうから、お礼の代わりにうちに泊まってもらおうよ?」

姉「そうね。そういうことですので、是非……」

鈴々「だったらお世話になるのだ!」

許褚「じゃあ宿代にこれ……」

 

 

そう言って許褚が大食い大会の賞金を取りだすが

姉「いけません。そんなことをしていただいては……」

 

 

女性は断る

 

弟「えーなんでだよ?これがあったら借金だっていくらか返せるのに…」

姉「何言ってるの!この方たちに泊まっていただくのは、あなたを助けてもらったお礼としてなのよ?それなのにお金をいただいてしまっては意味がないでしょう?そもそも貴方が軽はずみなことをしなければ…」

 

 

少年に女性が説教する……よくある姉弟喧嘩の光景を見て、鈴々の顔は、

 

キョン「ん?どうした、鈴々?」

 

鈴々「な、なんでもないのだ!なんでも……」

キョン「そ、そうか……」

その日の夜。

聞いた話。俺達と別れて左の道を進んだ関羽さんと諸葛亮は、森の中で野宿をしていた。未だ複雑な表情を浮かべる関羽さんに、諸葛亮が声をかける

 

諸葛亮「関羽さん……関羽さん」

関羽「!あ………な、なんですかな、孔明殿?」

諸葛亮「何を……考えてたんですか?」

関羽「いや、別に……何も……」

諸葛亮「嘘……本当は鈴々ちゃんのことを考えてたんじゃないですか?」

 

 

ごまかそうとする関羽さんだが、諸葛亮に核心をつかれ言葉が出なくなる。

 

諸葛亮「関羽さん、やっぱり今から引き返しましょう!」

関羽「えっ?」

諸葛亮「夜通し歩けば、どこかで鈴々ちゃん達に追いつけるかも……」

関羽「何をばかなことを……」

諸葛亮「でもこのままじゃ……」

 

このままじゃもう会えないかもしれない……その諸葛亮の言葉をさえぎるように関羽が口を開く。

 

関羽「孔明殿。もう夜も更けた……そろそろ寝た方がいい」

諸葛亮「関羽さん……」

 

 

そのまま横になる関羽さん……だが表情も未だ複雑なままだった

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、馬超と俺は泊めてもらってるお礼にと薪割りをしていた。一方屋根の上で寝転がってる鈴々はというと……未だに関羽さんのことが頭から離れないようだ。俺も考えとかなきゃな……

 

キョン「こんなもんかな」

姉「ご苦労様です。ホントにすみません……こんなことまでしていただいて……」

キョン「いえぇ…何もしないでいると飯がまずくなるというかなんというか……///」

姉「うふふ……」

弟「姉ちゃん、ただいま」

 

 

と許褚と一緒に食糧を集めに行った少年が戻ってきた。来てみれば、出かけた時は空だった籠の中にたくさんの山菜やきのこが詰まっている

姉「まぁ!こんなにたくさん…」

弟「姉ちゃん、この人すごいんだ!初めて入った山なのに、山菜やきのこの場所もすぐにわかっちゃうんだ!」

許褚「ふふーん、いかなる場所でも食材を見つけるのは大食い修行の基本だからな!」

馬超「そ、そういうもんなのか……」

 

 

ちょっと微妙な表情になる馬超

 

馬超「そういや張飛はどうした?一緒じゃなかったのか?」

許褚「へ?てっきり馬超達と一緒なのかと……」

キョン「張飛なら……」

 

 

と言いかけた瞬間

鈴々「お前ら何しに来たのだ!」

 

 

武器を携えとっさに屋根から下りてきた鈴々。馬超と俺と許褚も来てみると……

借金取り三人「「「へへへへへ」」」

 

 

昨日の借金取りたちが来ていた………飽きないなぁ。あんなの見たらもう来ないと思ったが………

 

借金取りA「やっぱりここにいやがったか。」

借金取りB「昨日は世話になったなぁ。」

許褚「なんだ?またぶちのめされにきたのか?言っとくけど今度は手加減しないぞ!」

借金取りA「おっと、今日の相手は俺達じゃねぇ………先生、おねげぇしやす!」

 

 

そう言って借金取りの筆頭が下がると…………紫の髪を束ねて後ろで止め、酒瓶片手にぐいっと酒を飲んでいた上半身サラシと上着だけの女性がいて、手には関羽さんと同じ偃月刀が握られていた

 

???「なんや、ごっつ強い奴らと撃ちあわせてくれるゆうから小遣い銭で雇われたってのに……相手はガキかいな。」

 

鈴々「ガキとはなんなのだガキとは!」

許褚「そーだ!張飛はともかく僕はガキじゃないぞ!! 」

鈴々「って、ちょっと待つのだ!?どういう意味なのだ!?」

馬超「今は仲間割れしてる場合じゃないだろ!! 」

キョン「はぁ……」

 

 

さりげなく馬鹿にされ怒る鈴々に突っ込む馬超

 

???「はっはっは!おもろい子らなー」

 

 

再び一口飲んだ後

 

???「これ預かっといて……まだ残っているからおとしなや!! 」

借金取りB「へ、へい」

 

 

酒瓶を小さいおっさんに預けてその手に携えた偃月刀を構え、

 

張遼「うちんの名は張遼!昨日までは旅から旅への風来坊で、今日は出銭稼ぎの用心棒や。アンタらに恨みはないねんけど、ちょっくら痛い目見てもらうでぇ。」

 

…合肥の戦いで活躍した。あの張遼か……

 

 

まさかとは思っていたがな……慣れるのは怖いものだ

 

鈴々「はんっ!痛い目に合うのはお前の方なのだ!?」

 

 

名乗りに対し、絶対に負けないと言わんばかりの意気込みを見せる鈴々

 

張遼「その意気や……それぐらい無いとおもろない。」

 

 

…! 目つきが変わった。

 

張遼「一匹ずつ相手にするのは面倒や!いっぺんにかかって来い!! 」

許褚「てええええええええええええい!!!」

 

 

張遼の挑発の直後に、許褚が鉄球を振りまわした!!

借金取り三人「うわーーー!」

 

 

3人の借金取りたちはあわてて逃げ出す

 

ドーーーン

 

と張遼の目の前に落ちた

 

「って、こないなもん、何処からだして……」

鈴々「おりゃ、おりゃ、ありゃーーー!」

 

 

直後に斬りかかる鈴々。不意打ち…

 

ガチン

 

「ツッコみ入れさせんか」

 

 

と攻撃を防ぐ

 

馬超「たあーー!」

 

 

と今度は翠が攻撃してきたが、撃ちあいをしたり、避けたりした。

 

鈴々「おりゃーー」

 

 

横から鈴々が攻撃してくるが、簡単に防ぎ

 

許褚「おりやぁーーー!」

 

張遼「ふん。」

 

 

許褚の鉄球で攻撃するが、宙返りでかわして距離をとる

 

張遼「ええでー!ええでー!ガキかと思うとったけどお前ら、3人ええ腕しとるわー(酒代目当てで引き受けた仕事やけど、久々に血たぎってきたわ………!! )」

鈴々「くそー。なんなのだこいつ!」

許褚「3対1なのに……」

馬超「戦いを楽しんでやがる…」

張遼「……そこのあんたも闘うんかい?」

 

キョン「!! いや、俺は……」

 

張遼「聞く耳持たんでぇぇ!」

……どうやら俺も巻き込まれちゃうパターンなのね。しかも早っ

 

スッ

張遼「!かわす根性はあるか……なら次はどうやぁ!!! 」

 

次々と攻撃をし掛けてくる張遼。俺は必死にかわしたり防いだりする……あっバランスが……

 

張遼(スキありっ!! )

 

ガシッ

 

張遼「!?」

 

 

俺は何とか白刃どりで攻撃を止めた

 

張遼(うそやろ、うちの攻撃を素手で……)

 

 

突然のことに張遼は驚いていた。

 

馬超「嘘だろう」

鈴々「すごいのだ!?」

許褚「たしかに」

 

 

他の三人も驚いている

張遼「男だと思って舐めていたけど、すごく強いやん。アンタ」

キョン「……それはどうも」

張遼「こりゃ、久々に楽しめそうやな……」

 

 

とその時

 

姉「きゃーっ!」

五人「「「「「!?」」」」」

 

 

許褚の鉄球攻撃にビビってひいたはずの借金取り三人が、姉弟を人質に取っていた

借金取りA「へへへ……勝負あったなぁ」

借金取りC「えへへへへ」

馬超「くっ……卑怯な!」

借金取りB「おい、武器を捨てろ。さもないとこのガキの命はねぇぞ」

 

 

少年に短剣を向けながら脅す小さいおっさん

 

張遼「ちょー待ち!何のつもりや!」

借金取りB「何のつもりって?」

張遼「これからおもろなってくるとこに水差しおって、どういうつもりかて聞いとんや!」

借金取りC「いや…でも……」

借金取りA「先生、アンタには悪いがこっちにはこっちの都合ってもんがあるんだよ」

キョン「くっ………」

借金取りA「さあ…お前ら早く武器を……」

 

あいつら卑怯な……ん?屋根の上に人が居る…誰だ?

ピューーー(口笛)………プッ!ビシィッ!!

借金取りA「いってぇ!?」

 

 

なっ…!突然どこからか枝が飛ばして小さいおっさんの短剣を弾き飛ばした!?

 

皆「!?」

 

 

馬超達が驚く間もなく、先日通りすがったマントの人が現われ子分たちをふっ飛ばし、姉弟を屋根の上へ避難させた!

 

借金取りA「な、なんだテメェは!?」

借金取りB「顔見せやがれー!! 」

???「乱世を正すため、地上に舞い降りた一匹の蝶…………」

 

 

マントを勢いよく取って、その姿を見せる!!

 

華蝶仮面「美と正義の使者……華蝶仮面!! 推参!! 」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

キョン「なっ…………」

馬超「華蝶仮面って……おい…」

 

何やってんだ星……

 

はたから見れば蝶の仮面をつけたどっかの誰かさんでしかないため、一同はポカーン状態である。これは俺が頭を抱えてもおかしくないだろ?

星「鈴々、馬超、ジョン殿………久しぶりだな。」

鈴々「ん?」

許褚「あいつ……お前らの知り合いか?」

馬超「いやぁその……なんというか……」

 

 

何とも言えない気持ちになる馬超。まぁそうなるわな。

 

鈴々「あんな変な奴知らないのだ。」

 

え?

 

鈴々「おい!! 何処で鈴々の名前どこで聞いたか知んないけど、お前みたいなへんてこりんな奴に知り合いずらされたら迷惑なのだ!! 」

星「……………」

 

 

華蝶仮面から明らかに怒りのオーラが出ていた。怒ってる……あれは明らかに怒っているな……そして鈴々本当にわからないのかよ。

 

 

借金取りA「おい!! 華蝶だかガチョーンだか知らねぇが、降りてきやがれ!! 」

華蝶仮面「降りてもいいが、そうするとお主らがますます不利なるが……いいのか?」

 

借金取り三人「「「え?」」」

 

 

星の言葉にキョトンとしながら借金取り達が後ろを向くと

 

張遼「人質取るなんてド汚いマネして……よくもうちの楽しみを台無しにしてくれよったなぁ#(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ)」

 

 

めちゃくちゃ怒っていた張遼が居た……

 

許褚「今度こそペッチャンコにしてやるーーーっ!」

 

 

更に許褚が勢いよく鉄球を振りまわす

借金取りB「ア、アニキ!」

 

 

怯える借金取り…が

ガチーーーン

 

張遼が自分の武器で防いだ

 

許褚「なんで邪魔するんだよ!?」

張遼「金で雇われた身とはいえ、一応こいつらはうちの身内や……身内の不始末は身内で蹴りつける。おい!借金の証文を出し。」

 

 

証文を出すよう告げる張遼

 

借金取りA「は…はい……」

 

張遼「しっかり持っときや。」

借金取りA「は…はい……」

 

そう言った瞬間、証文を切り、跡形もなくバラバラになった

 

借金取りA「あ……あああ…」

張遼「えぇか、今後一切あの姉弟に近づくんやないで……わかったか!?」

借金取り三人「「「はっ、はいっ!! 」」」

張遼「ほなら、とっとと行けっ!! 」

借金取り三人「「「失礼しましたっ!! 」」」

 

 

張遼の釘差しにビビりながら、借金取りたちは逃げて行った……流石だ。

馬超「……やれやれ。」

鈴々「めでたし、めでたしなのだ。」

許褚「んん……」

 

 

安堵する馬超と鈴々。しかし許褚は納得していない表情をしていた

 

キョン「……よっと。」

張遼「おお、あんがとう。」

キョン「空だがいいのか?」

張遼「あらら……」

 

 

空になったのを見て若干しょげていた

 

張遼「ほんなら、うちも消えるとしよか……」

馬超「お前これからどうするつもりだ?」

張遼「さぁて。風の向くまま気の向くまま……これまでどうりの風来坊や…。」

 

 

と言い去って行った。

 

鈴々「なんか変わった奴なのだ」

馬超「変わった奴と言えば、あの妙な仮面野郎は……」

 

あっ忘れてた。後ろの方を振り向き俺達が顔を上げると………屋根の上には姉弟だけで、華蝶仮面の姿はなかった。……ていうかあの二人をどうやって降ろすんだよ。

 

許褚「いない」

鈴々「うーん。最初から最後まで怪しい奴なのだ」

馬超(張飛の奴、ホントに気づいてないんだ…)

 

 

翠は驚いた顔をしていた

 

 

 

その日の夕方…湖のほとり

 

 

???「かっこいいと思うんだけどなぁ……」

翌日

姉「本当にありがとうございました。」

馬超「元気でなーー」

 

 

姉弟に別れを告げて俺達四人は家を出た

馬超「ところで許褚、お前、この先どうするんだ?」

許褚「とりあえず洛陽かな。そこに行けばもっと大きな規模の大食い大会があるだろうし。」

 

 

この大陸でどれだけ大食い大会があんだよ。

 

馬超「そっか、じゃあこの先でお別れだな……張飛とジョンはどうする?」

鈴々「うーん………」

 

本当は仲直りさせてやりたいんだけどなぁ……………ん?

 

馬超「もし良かったらあたしと一緒に来ないか?どうせ二人だけで行くあてもないのなら「馬超。」ん?………張飛、今のは取り消しだ。」

鈴々「え?」

馬超「ほら」

 

 

馬超が前方を指差す。その道の先には……二日前に喧嘩別れした関羽さんがいた。

鈴々「愛紗ーっ!」

 

 

鈴々も思わず駆けより、飛びつく

 

関羽「こ、こら!! なんだ急に!」

鈴々「どうして……どうしてこんな所に居るのだ?何で?」

関羽「昨日の朝引き返して、夕方街について……宿を探したけど二人がみつからなくて……そしたら孔明殿が、街の出口近くの街道で待っていれば会えるかもしれないと…」

鈴々「孔明はどうしたのだ?」

関羽「もしかしたらお前が道を引き返しているかもしれないと言って、街の反対側の出口で待っている」

鈴々「愛紗は……愛紗は何で引き返しにきたのだ?」

関羽「なんでって……お前のことを探すためにきまっているだろう」

鈴々「だから…なんで鈴々を探しに来たのだ?なんでそのまま孔明と二人で行かなかったのだ?」

 

 

更に質問をされ、返答しにくい関羽さんだったが

 

関羽「あーもうめんどくさいっ!! いいか鈴々!私は姉で、お前は妹だ!だからどこに行くのも一緒だ!いいな。」

鈴々「……!うん!」

 

 

その答えがうれしくて、鈴々も笑顔でうなづいた。その反応に、関羽さんも自然と笑みがこぼれる。いいものだなぁ……

許褚「あの黒髪の女は誰なんだ?張飛の知り合いか?」

馬超「関羽は……あの者たちは張飛の姉だ。血は繋がってないが、本当に仲が良い。」

許褚「へぇー……」

 

 

遠くから光景を見ていた許褚に、馬超が説明する。俺も鈴々達に近づく

キョン「仲直りできて良かったな、鈴々。」

鈴々「うん!」

関羽「ジョン殿。」

キョン「何ですか?」

関羽「鈴々のそばにいてくれてありがとうございました。」

「別にいいですよ。俺は鈴々の兄として居たものですから。」

関羽「…そうですね。」

鈴々「これからも愛紗とお兄ちゃんの三人ならどこに行くのも一緒なのだ。」

関羽「ああ。」

 

キョン「おう。」

俺達三人は新たに強い絆で結ばれていることを証明していた。

 

 

 

 

 

 

……そういえばさっきの頭痛なのだが、あれから更に痛みがましている……

 

 

 

 

 

何なんだ?………いったい…………

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

 

 

 

お久しぶりです。

 

 

ガリ眼鏡です。

 

 

一ヶ月以上の間書いてなかったので久しぶりの投稿です。

 

 

この小説を書いてもう7話です。私にとっては短いようで長いもの……まだまだ先ですが、頑張って全話完成したいと思います。

 

 

……あっちなみにキョン達はアテレコ中です。

 

 

………まぁ、あまり話すことが無いので、次回予告をして終わりたいと思います。

 

 

こんな話し方で申し訳ありません。m(_ _)m

 

 

さて次回、涼宮ハルヒの恋姫。第八話、「関羽とキョン、黄忠の企みを阻まんとするのこと」

 

 

次回もお楽しみに〜♪


 
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