3ヶ月後
一刀「あ~終わった~。」
風「ですね~」
月「お疲れ様です。お茶どうぞ。」
一刀「ありがとう月。」
風「どうもです~」
一刀「それにしても意外だったのは・・・・」
風「はい、まさか詠ちゃんが月ちゃんおいて出ていっちゃうなんて・・・・」
月「はい、霞さんも突然の事で怒ってましたね。」
一刀「そのまま護衛として一緒に出ていってしまったけどね」
風「これは仕方ない事かと~。記憶が有るものと無いものの差ですよ~お兄さん。」
一刀「それで二人はどこ行ったか分かる?」
風「明命ちゃんの報告によると・・・・・あ~、華琳様のとこですね~」
一刀「うへ~大変だな~こりゃ」
風「う~ん、ここは桂花ちゃんに連絡してこっちに来てもらったほうがいいかもですね~」
月「来てもらえるんですか?」
風「・・・・・・さぁ?」
一刀「難しいんじゃないかな。桂花は男嫌いで華琳の事を一番に考えてるだろうし・・・」
風「それはどうでしょう。お兄さんは居なくなった後の桂花ちゃんを見てないのでそう言えるかもですよ~?」
一刀「え?」
風「まぁ、風にお任せあれです。」
調練場
深月「まだまだ行くぞ!全員抜刀から突撃!!ひと当てしたら前衛は中衛と交代!後衛は援護!・・・・よし!そのまま退きつつ相手に哨戒かけろ!相手に気持ちで負ければ自分だけではない、友の命ひいては大切な物の命が失われると思え!!」
全兵「応!!!!!!!!!」
茉莉「ほへ~、相変わらず調練ってすごいね~」
璃々「こんなの序の口だよ?」
明命「深月さんのは特別厳しいんですよね。3分の1は脱落して私たちの隊に降格してるそうですよ?」
茉莉「え!そうだったの?」
璃々「華雄隊、北郷隊。この二つは現在の北郷軍の二本柱、巷では黒龍隊と白龍隊って呼ばれるほどになってるんだよ?」
明命「まぁ、そう呼ばれるのも一月前のあの軍団を退けてからですね~」
一月前
一刀が太守となりそれに反発した張遼、賈詡は天水を出て行った。それから二カ月が経ち華雄隊、北郷隊が二人の才覚あってか一人ひとりが副将、あるいは将並みの実力を誇る部隊となりつつあった。しかし部隊人数は少なく、千人ずつぐらいである。(通常の軍では二万人相当の実力、つまり二隊で四万相当の実力と言える)
そんな中五胡の軍勢十万が州境ロウ西側に現れ、暴挙の限りを尽くしていると伝令があった。伝令を言い終えた兵は礼をしたまま事切れていた。
一刀「風、この人の家族は?」
風「ここ天水に居ますよ」
一刀「なら後の事は頼む。俺は五胡撃退の準備に取り掛かる。」
風「御意です~」
一刀「深月は自分の隊をまとめてくれ。ついでに俺の部隊を西側調練場に集めていてくれ。明命は兵站を頼む、茉莉は明命について戦準備と戦の流れを現地で勉強、璃々、左慈は留守を頼む。風は遺族への手配が終わったらそのまま軍全体の把握を頼む。何か質問は?」
風「お兄さん、迎撃は良いですがたぶん集めても三万が限界ですよ?」
一刀「そこは北と南に救援要請を出す。益州に関しては正直期待はしてないが涼州の馬騰殿は期待してもいいだろう。明命の報告でも最近は向こうで五胡の動きは沈静化してるらしいし。」
風「ふむ、それなら何とかなりそうですね~」
一刀「もちろん留守を任せてる二人には新兵の訓練からさらに徴兵とやる事は沢山だ。しばらく内政は滞るだろうけど五胡を撃退するのが優先だからね。さて、他に質問等ある?・・・・・・無いようだね。じゃあ皆、よろしく頼む」
全員「御意」
天水、ロウ西 境
明命「一刀様!」
一刀「お疲れ、馬騰殿はなんて?」
明命「は、『三万の軍勢を娘たちに率いて向かわせる』とのことです」
一刀「合わせて六万・・・・風、どうかな?」
風「お兄さんと深月さんの隊の錬度はどの隊よりも高く一人ひとりがものすごく強いですから・・・・逝けそうですね。」
一刀「・・・・・仕様?」
風「こういう場面では仕様と言う事で」
一刀「・・・・わかった。じゃあ策の立案は頼む。明命、翆・・・・馬超殿をこっちに誘導してきて来れ。」
明命、風「御意」
中継陣天幕
翆「失礼する。」
一刀「あなたが馬超殿ですね。此度の援軍要請に応じてくれてありがとうございます。」
翆「いや、こっちとしても南部を五胡の連中に抑えられるわけにはいかないからさ。それで益州のほうからは援軍はないのか?」
一刀「それが・・・武都の連中こっちに任せるなんて事を言ってきやがってな・・・・」
翆「何だと!?あいつら危機感ないんじゃないのか?」
一刀「元々このあたりの五胡の連中は涼州で対応していたしな・・・・我関せず、なんだろう。まぁ、下手に協力してもらっても連携とれなきゃ意味がない。その点では援軍がなかったという事は良い事につながる。」
翆「だがなぁ。相手は十万なんだろ?こっちは三万、そっちは?」
一刀「三万だ」
翆「合わせて六万、数は負けてるぞ?」
一刀「そこは将の質、兵の質で勝負だろう?涼州の錦馬超、その二つ名は伊達かい?」
翆「はは!そこまで言われたら頑張らないとな!」
一刀「ならよろしく。風、策は構築出来た?」
風「・・・・・ぐ~」
一刀「寝るな!」
風「おぉ!いや~良い策が出来たのでその安心感からついうとうとと・・・・」
翆「だ、大丈夫なのか?」
明命「こうなった風様の策はかなり信頼できます!」
深月「だな。」
翆「そうなのか?」
風「ところで馬超さん、そちらの将はだれが来てますか?」
翆「私の他は馬岱、馬鉄、馬休の三人だ。鉄と休はそれぞれの副官だよ」
風「ほほ~これは本当に圧倒できそうですよ。」
一刀「説明頼む」
風「はい、まず馬超さんは兵二万を連れ北のこの場所に身を潜めてください。そして・・・・」
そのまま風は自分の策の説明をしていく。大まかな概要はこうだ。まず中央前局に周泰一万四千、右翼に馬岱の涼州兵一万、左翼に茉莉の一万4千、中央後局に一刀と華雄の千づつで陣計は鶴翼、だがこれは包囲殲滅ではなく右翼を崩れやすくした陣容である。相手を右翼に向かわせ馬岱はそのまま陣を離れ崩れたように装う。その後馬超の伏兵、そこから混乱した五胡の軍勢に一刀、華雄の隊で突撃と言う戦術だ。これには風の思惑も絡まってくるのだった。
蒲公英「私囮!?ふえ~きついよ~」
一刀「う~んうまく言ったら天水のうまい店に俺が直々に連れて行ってなんでもおごるよ?」
蒲公英「乗った!私は涼州きっての囮の達人、馬岱!!」
翆「たんぽぽ!は~、しかしいいのか?大将の隊が千でしかも突撃するって。」
風「問題ありません~。馬超さんもしかと見届けてください。天水に二龍有り・・・・と」
翆「・・・・二龍・・・・?」
一刀、深月「?」
茉莉「私、大丈夫かな・・・・初陣で隊を任されるって。」
明命「大丈夫ですよ。人を切るのに関してはためらうと思いますが左翼には極力兵が行かないようにしますので。」
茉莉「うん、お願いね。明命」
明命「はい!」
こうして五胡迎撃の陣容が決定した。そして・・・・
開戦
北郷、馬超連合は五胡兵を三里先に見据えて陣を展開。一刀の号令が響き渡る。
一刀「みんな、五胡の連中は有ろうことか我らが漢に攻め入ってきた。近隣の村はひどい有様だ。彼らを救うため、我らが祖国を守る為、何より我らが家族が待つ街を守るためにもこの一戦負けられない。いや、今や馬超殿が味方に来ている時点で負けなどは有ってはならない!この一戦で我らの力を天下に知らしめる!!北郷軍初陣は圧倒的勝利で飾ろうではないか!!!」
全兵「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
一刀「よし!全軍騎乗!かかれーーーー!」
全兵「うおおおおおおおおおお」
一刀「風、どうだい?」
風「いい感じに右翼に敵が傾いてますね」
一刀「よし後は・・・」
涼州兵「申し上げます。馬岱さまこれより予定通りに撤退を開始するとのこと。」
一刀「了解。下がっていいよ」
涼州兵「は」
風「じゃあお兄さん。よろしくお願いしますよ~」
一刀「うん・・・・・風」
風「はい?」
そのまま立ち去ろうとする風を呼び止め振り返ろうとしたところに・・・
ちゅ
一刀「行ってきます」
風「/////――――いってらっしゃい」
風(お兄さん・・・・御無事で・・・・)
そのまま馬超隊の奇襲が成功し五胡の軍勢はその統率に一瞬の乱れが生じるその隙を見逃さず二つの旗印をなびかせ突撃した。
華雄率いる漆黒の華一文字
北郷一刀率いる純白の十文字
この旗がなびく時二匹の龍が大地に降り立つ。
深月「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
華雄が金剛爆斧を振り抜くと五胡の兵が吹き飛ぶ。その一合で吹き飛んだ兵数50
一刀「・・・・・・・・・・・・抜刀、十閃!!」
一刀の刀から10本の斬撃が飛び出し五胡の兵を切り裂いていく。その一撃で斬り伏せられる兵数一閃に付き80
それは圧倒的、まさに龍が這い進んだように蛇状の道を作る。その幅約四半里(約1キロ)に及び五胡兵はその圧倒的なものに言い用のない恐怖を刻まれる。それだけではないまだ密集してるであろう自陣の兵たちにはその二人の配下の兵が攻撃に出てきていたが自分たちの一般の兵ではまったく太刀打ちが出来ないのである。
翆「嘘だろ・・・・」
蒲公英「うわ・・・・私たち必要だったの?」
深月「そらそらそらそら!!!!」
どごごごごごごごごご・・・・・
一刀「シッ!!!はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ずががががががががが・・・・・
華雄隊「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
北郷隊「りゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
どどどどどどどどどど・・・・・
二隊突撃から四半刻(約三十分)五胡兵十万の軍勢は戦闘開始から僅か二刻程で壊滅したのであった。余りにも呆気なく、そして圧倒的な勝利に援軍に来ていた馬超達は唖然としていた。
戦闘終了後 本陣天幕
一刀「ただいま、風」
風「おかえりなさい」
二人は見つめあい軽くキスを交わす
茉莉「・・・・・・・(コ~ホ~」
深月「まぁ落ち着け茉莉」
明命「あう~///」
一刀「みんなもお疲れ」
明命「一刀様、私も・・・・」
一刀「うん?あぁ、おいで明命」
明命「はい!!・・・・・チュ・・・・えへへ~」
深月「ふむ、私は後でいただくとしよう(ニヤ」
一刀「あはは、お手柔らかに」
風「さすがお兄さんですね。明命ちゃん、他の人が増えてしまう前に頑張って点数を稼ぎましょう。」
明命「はい!!」
茉莉「・・・・・・・・・(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ」
深月「兄離れせい!(ゴツ」
茉莉「いた!でも・・・・深月姉ぇ~」
そんなやり取りの中、馬超達が天幕に来る
翆「失礼するぞ。」
蒲公英「お疲れ様~」
一刀「あ、馬超さん、馬岱ちゃんお疲れさまでした。」
翆「いや、むしろ私たちは要らなかったんじゃないかって思ってな・・・」
一刀「いえ、あなた達の働きで五胡の兵が減っていましたから勝てたんですよ。」
翆「・・・・そうか、それならいいんだ」
蒲公英(私が当たってお姉さまの奇襲、そこまでで倒した五胡の兵は二万ほど・・・・あの人達の二隊が倒したのは・・・・・五万だよ・・・・絶対敵対したくない!!)
一刀「えっと・・・・馬岱ちゃん?」
蒲公英「へ!?」
一刀「約束の食事はどうする?このまま天水についてくる?」
蒲公英「・・・・・あ、・・・・ねぇお姉さま・・・・」
翆「たんぽぽの好きにしろ。母様には私から伝えておく。」
蒲公英「うん!それじゃあ、一刀様。私は蒲公英って言うの。よろしくね」
一刀「真名だろ?良いのかい?」
蒲公英「うん!(真名も預けて仲良くなれば安心なはず!!)」
北郷側女性陣(・・・・・・・これは遠からずこっちに来るな)
一刀「どうしたみんな?」
北郷側女性陣「なんでも無い(です)」
一刀「そうか、それじゃ陣を引き払って帰るとするか。」
こうして北郷軍最初の戦いは圧倒的勝利に終わった。
天水調練場
璃々「まあ、あの後たんぽぽお姉ちゃんが一緒に来た時は驚いたけどね。まさか記憶があるのかと思っちゃった」
左慈「可能性は有っただろうが、一刀が籠絡して食事に来ただけだったとはな」
明命「あはは、正直そうなったら戦力増強で喜び、恋敵が増えて落ち込んでしまいますね」
茉莉(兄離れ兄離れ)
璃々(茉莉ちゃんが頭抱えてる・・・・どうしたんだろう?)
あとがき
・・・・長い!
どうも長くなりました。分けようかと思ったのですが圧倒的勝利を掲げた以上分けるわけにはいきません。
さて、風と一刀の行動は俺得です。前にも書きましたが風は第一夫人候補です
異論?認めないと言っている!!
あぁ、そんな石を投げないで!!言葉の石は投石器並みの威力なのだから!!
さて次回は猫耳ツンデレ・・・・いえデレデレ軍師さん登場にしましょう!!
それでは次回を乞うご期待。
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羽生なのです。
基本記憶持ちの子たちを集めるように動きます。
では本編どうぞ
・・・・今回は誤字ないといいなぁ