No.574296

なんか神の不手際で転生するらしい

さん

第七十四話:「そんな人質で大丈夫か?」「一番良い人質を頼む」

2013-05-08 17:29:47 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:11464   閲覧ユーザー数:10069

魔力の乱気流が収まりそこに居たのはボロボロになったアリシアを首の部分を片手でつかんで持ち上げている伸がいた。

 

 

 

「さて・・・と」

 

 

 

もう一仕事と言わんような感じで伸が左手に魔力を込めはじめた。

 

 

 

「アリシアちゃん!・・・・アクセルシューター・・・シュート!!」

 

「アリシアちゃんから離れてや!ブラッティダガー!」

 

 

 

そう言って高町と八神が攻撃をしてきた

 

 

 

「これで・・・・」

 

「ふう・・・危ないな・・・」

 

 

 

伸は無傷だった。アリシアを盾にして

 

 

 

「あ・・・あ・・・」

 

「姉さん!」

 

「いかん!テスタロッサ!!」

 

 

 

シグナムの制止も聞かずにフェイトが慌てて接近していった。

 

 

 

「ふん・・・」

 

 

 

そして伸は徐にフェイトに向かってアリシアを投げ飛ばした。それを見てフェイトは慌ててアリシアを受け止めるが

 

 

 

「ッ!?」

 

「何自分で両腕封じているんだ?」

 

「させないよ!」

 

(バインドか・・・・それも相当硬い・・・・ユーノか・・・いやこれだけのバインドを作ることはできても維持するのは難しい・・・・となると・・・・・・シャマルかアリアの手も借りているか。)

 

 

 

「今のうちに離れて!なのは・・・・なのは?」

 

「どうして・・・・」

 

「なのは!!」

 

「チィ!・・・・ユーノ此処は私が・・・・飛竜一閃!」

 

 

 

シグナムの連結刃が伸に襲い掛かった。伸はそれに対してシールドを展開して逸らした。

 

 

 

「何!?」

 

(いかにそれが砲撃じみていても所詮は連結刃の動きが全て・・・・なら少し逸らしてやれば狙いが逸れることも当たり前)

 

 

 

だが伸はここで気づいた・・・・・シグナムが不敵な笑みをこぼしていたことに

 

 

 

「今だ!シャマル!」

 

「!?」

 

 

 

突如伸の胸から手が突きだされた。

 

 

 

「こ、これは・・・まさか!?」

 

「このままあなたのリンカーコアから魔力を取りだす!!」

 

「ク・・・・こんなもの・・・・!?」

 

「させへんで!アリシアちゃんを盾にした報いを受け!」

 

 

 

そう言って八神がバインドを使ってさらに拘束してきた。

 

 

 

「小癪な・・・・クソ・・・」

 

 

 

そう言って伸が崩れ落ちた。

 

 

 

「やった・・・勝ったで!!」

 

 

 

八神がそう言ったが

 

 

 

「貴方達・・・・いったい何やっているのよ!!」

 

 

 

プレシアの明らかに怒気を含んだ声に全員ハッとなって伸を見た。そこには倒れているべき伸はおらず――――

 

 

 

「みん・・・な」

 

 

 

アリシアがそこに倒れていた。そして―――

 

 

 

「キャアアアア!!」

 

 

 

フェイトが悲鳴を上げた。そこには伸が刀でフェイトを斬りつけ心臓に突き刺していた。そしてそのままフェイトは崩れ落ちた。バリアジャケットも強制解除され彼女の身体は血の池に沈み

 

 

 

「う・・・う・・・どう・・・して」

 

 

 

私にという前に伸が刀を心臓に突き刺した。

 

 

 

「さて・・・まずは二人」

 

 

 

そのいきなりの展開とあまりに凄惨な状況を見て他の皆は悲鳴を上げるより唖然としていた。そして―――

 

 

 

「な、なんで・・・こんなことをする・・・の?」

 

 

 

高町が震えた声で言った。

 

 

 

「同じことを何度も言わせるな。『この中ではあらゆる魔法攻撃が殺傷設定になる』それはお前等にも適用されることだ。」

 

「そんなだってこれは・・・なんで・・・なんで殺したの!?」

 

「・・・・手が滑った」

 

「ふざけるなぁ!!」

 

「おいおい・・・まあ、実際のところ俺もこのまま殺したままにしておくと事後処理が面倒臭いから・・・・・ほら」

 

 

 

そう言って伸がパチンと手を叩くと

 

 

 

「え?」

 

「あ、あれ?」

 

 

 

高町達の居るところにはさっき殺したはずのフェイトとアリシアがいた。

 

 

 

「二人共!」

 

「大丈夫か!」

 

「う、うん」

 

「な、なんとか」

 

「何ボサッとしている?構えろ。それともまたさっきのように斬られたいか?」

 

 

 

二人の無事を喜ぼうとした高町と八神を伸の声が冷酷に遮った。そして、二の舞を踏まないためかシャマルが時間を稼ごうと伸に話し掛けた。

 

 

 

「待って!いったいどうして彼女たちは無事なの?」

 

 

 

ある意味シャマル達にとっては当然の疑問だ。彼女たちに死者蘇生の技術は無い。あっても守護騎士が行動不能になった時に主の指示で復活するぐらいしかない。だが、その他の生身の人間は彼女達では甦らすことはできない。となれば、伸が何かやったとしか言いようがない。

 

 

 

「それをわざわざ教えてやる義理は無いだろう?」

 

「それは通らないだろう?」

 

 

 

今度はシグナムが言った

 

 

 

「お前はさっきこういったな?『ネタバレはそれが起きてからのほうが楽しい』と・・・そして今回のこれはお前にとってはデメリットの方が大きい。つまりこれもお前の張った結界の効果なのだろう?」

 

「・・・・そう言えばそんなことも言っていたな。いいだろう。確かにこれも結界の能力の一つだ。『結果内にいる人間が死んだ場合、最初に入ってきた状態にまで巻き戻す』というものだ。故に、お前たちが死んでもお前たちのスペックは最初の模擬戦が始まる状態にまで戻る・・・・生死を含めてな。」

 

「・・・・一つ聞く」

 

 

 

今度はザフィーラが質問してきた。

 

 

 

「なんだ?」

 

「その能力・・・・お前にも(・・・・)適用されるのか?」

 

 

 

その言葉に守護騎士以外の全員が疑問符を浮かべていたが、伸は笑みを浮かべて言い放った。

 

 

 

「ククク、察しがいいな。守護獣・・・・いや守護騎士ども。流石は数々の戦場と修羅場を潜っただけはある。」

 

「なら・・・」

 

「おそらくお前の想像通りと言っておく・・・・この第二の結界能力は『俺にのみ適用されない』という制約をつけてある。」

 

「・・・・やはりな」

 

「予想はしていたけど・・・・」

 

「誤算が無かったのが最悪の誤算だったな。」

 

「え?なんなん?どういう意味?」

 

 

 

未だよくわかっていない八神のためにヴィータが答えた

 

 

 

「分かんないかはやて?アタシたちは元々アイツに高町の治療をしてもらうためにこの戦いを行っている。けれど殺しちまったら確かにアタシたちの勝ちにはなるけど根本にある『高町を治療してもらう』ということができなくなる。・・・・ただでさえはやて達は・・・・その・・・(手加減とかできないし・・・・知らないし・・・・・)」

 

 

 

最後のほう(主にただでさえから)はゴニョゴニョ言って聞き取れなかったがヴィータは概ねの状況を伝えた。

 

 

 

「そんな!そんなの卑怯や!!」

 

「だけど、これはこの上なく有効な戦術ね。高町を直すだけの存在なら次元世界中を探し回ればいるかもしれない。けれど、それはあまりにも分が悪く現実的ではない。少なくとも管理局が管理にしている世界にはまずいないわ。言ってしまえば、これは最初で最後のチャンス・・・・・殺さずにしとめるにしてもテスタロッサのザンバーによる一撃ですらダメージ足りえなかった・・・・だけど逆に高町のスターライトブレイカー級の技を撃てば彼は塵も残らずその時点でアウト。私達には死者蘇生の魔法はありませんから。」

 

 

 

アリアが状況分析をしていた。

 

 

 

『もっと言えばさっきのセリフからエクセリオンバスターでもアウトでしょう。マスター』

 

 

 

レイジングハートがさらに絶望的な発言をした。

 

 

 

「そ、そんな・・・それじゃあうち等に勝ち目あらへんやん・・・」

 

「今まで・・・誰かを人質にすることはあったけど。まさか自分で自分の命を人質にするようなマネをするなんて・・・」

 

「利用できるものなら何でも利用するわけか・・・・たとえそれが自分の命でも。」

 

「しかも向こうは・・・いや、なんでもない。(殺したい放題と言ったらどうなるかわからないからな)」

 

「さて・・・状況が分かってくれたところで―――」

 

 

 

再び伸が大量の魔法陣を展開する。

 

 

 

「続きと行くか・・・・何・・・臆することはない・・・死んでもまたお前たち『は』甦る。まあ、最も・・・俺もさすがにさっきの砲撃や雷弾幕を食らえば跡形もなく消えるだろうがな。」

 

 

 

そう言って再び魔法陣を放ってきた。それを全員避け各自で対処する・・・・・二人を除いて。

 

 

 

「フェイトちゃん!アリシアちゃん!!」

 

「な、なんで二人とも動けていないんや?」

 

 

 

そう・・・フェイトとアリシアだけはバリアジャケットは展開しているもののそこから動けずガタガタと震えていた。

 

 

 

(怖い・・・・怖い怖いコワイコワイこわいコワイ怖い恐い恐いコワイ)

 

 

 

(まあ・・・当然だよな・・・・生き返るとはいえ一度死んでいるんだ・・・その痛み・・・苦しみ、恐怖は味わった者にしかわかるまい・・・まして今まで『相手が死なない』ことを前提に戦っていた奴がそう簡単に立ち直れるわけがない・・・・・死ぬことの恐怖を克服している奴なら話は別だがな。)

 

 

 

まあ、そんな奴はそもそも死なないけど・・・と、思いつつ魔法陣を射出していく

だが、デバイスの性能がいいからか迫りくる魔法陣はデバイスがシールドを出して守ってくれているがいつまでもつかわからない。そしてその余波は他にも表れていた

高町と八神が反撃に出られないのだ。

この二人も同じだった。この二人も『相手が死なない』こと前提で戦ってきたために手加減ができず、人がそれも自分の仲間が目の前で死んだために『自分の攻撃で伸が死んだら』という恐怖概念にとらわれ攻撃できなくなっていた。故に今まともに戦えるのは、守護騎士と前線で戦っていたアリアとユーノだけだった。

そこに―――

 

 

 

「待ってくれ!」

 

 

 

クロノが結界内から叫んでいた

 

 

 

「なんだクロノ?言っておくがセルフギアスクロールには最初から書いておいたぞ?」

 

「それについてはいい。『この戦いにおけるあらゆることを黙認し一切外部に漏らさない。』だろ?僕が頼みたいのは別のことだ。」

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

とまあ、彼が作り上げた。舞台はこんな感じです。最も、彼自身SLB級攻撃食らってもケロッとしていれますけどね(笑)

そして精神攻撃もとい精神拷問中・・・・まあ今まで『手加減を考えずに戦っていた』ツケがここにきて来たと思っておいてください。そもそも『死なせない』と『死なない』は全く違いますからね。蒐集において「生かさず殺さず」をしてきた守護騎士や管理局歴の長いアリア。一族で放浪していたユーノ(普通に犯罪者や山賊みたいなのに襲われていそうですし)はともかくいつでも全力全壊だった彼女たちは・・・ねぇ?だって相手の身になって考えれば『向こう非殺傷だから俺死なねぇwww』ですからね・・・・少なくともスカさんクラスの犯罪者ならそれのおかげで最後まで抵抗するでしょうし非殺傷にした結果逃げられたじゃ目も当てられません。なので、アリアあたりはその辺分かっていると思っておいてください。ユーノも大体同じです。ロストロギアの発掘なんてしていて危機管理能力が全く無いなんてことないでしょうし。実際、ジュエルシードの時も責任感もそうですがアレが危険だと分かっているからこそ回収に乗り出したわけですし。因みに伸も当然手加減できますので・・・・

因みに書かれてはいませんがオカンはその使い魔と提督によって気絶させられております・・・・血涙を流しながら(笑)

そしてまだ彼女達を苦しめる制約は存在している。

 

 

次回!クロノ『僕、この戦いが終わったら晴れて提督になれるんだ』

 


 
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