No.556401

ドキドキ!?三国皆の懺悔パーティー♪

月千一夜さん

はい、どうも
こんばんわ

お久しぶりです
月千一夜と申します

続きを表示

2013-03-18 01:00:50 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:7990   閲覧ユーザー数:5979

「らんらんる~~~♪」

 

 

本日も、都は晴天なり

思わず歌まで歌ってしまう程に、今日も心地の良い青空が広がっていた

そんな青空の下、俺・・・北郷一刀は何時にもまして軽い足取りで歩いていた

いや、これはもはやスキップかもしれないな

それは、天気が良いという理由だけではない

 

 

「今日は久しぶりのお休みなのだ~♪」

 

 

まぁ、こういうわけである

そのまんまである

しかし、まぁ、察してほしい

“たかが、休み”などとは言わないで貰いたい

ここ最近、たぶん軽く一か月くらいの間

俺はまったく休めなかったのだから

というのも、まぁ仮にも俺はこの都を治めるという立場にある以上は、やはり多くの政務があるのだ

 

 

 

 

・・・そして“その政務を全てサボって、昼夜を問わず誰かと性務に勤しんでいたのだから”

 

 

 

そりゃ、そんくらい仕事も溜まるよ

つまりは、自業自得

因果応報である

 

 

「しかし、自業自得とはいえ・・・あれは地獄だったなぁ」

 

 

などと言いながら、俺はふとここ一か月間の仕事の時間を思いだす

 

執務室の中

山のよう・・・っていうか、“崩れてしまったジェンガのようにバラバラと積まれた書簡”

その書簡に向い、黙々と目を通していく俺

そして、その後ろ

 

俺の首もとに青龍偃月刀を突き付けながら、ニコニコと笑う“軍神”

無論、愛紗のことである

ハッキリ言って、生きた心地がしない

というか、それだけじゃないのだ

彼女の、その隣

其処に立つのは・・・我らが“覇王様”である

言わずもがな、華琳のことだ

彼女のその手には、彼女の愛用の“絶”が握られていた

 

 

その刃は・・・俺の“息子の首もとに突き付けられていた”

 

 

これは、あれである

もし俺が政務の最中に邪なことを考えたとき(主に性務のこと)に、息子が“スーパーひ○し君ばりのガッツポーズ”を披露してしまった瞬間

その首が見事に“斬首”されてしまうという、“彼女曰く画期的な政務方法”である

 

 

『あ、あの、華琳さん?

これ、ちょっとシャレにならないっていうか、その、“本体が可哀想すぎる”ような気がしませんかね?』

 

『ならばよし』

 

 

全然よくないよ、華琳さん

 

 

と、まぁ

こんな感じで過ごした一か月間

達成感よりも、“無事に生きて帰ってきた”という何とも言えない“疲労感”のほうが多いから堪ったものではない

ともあれだ

ようやくあの地獄から解放されたのだ

今日は、ゆっくり“羽と息子を伸ばすとしよう”

 

 

 

「さって、まずはどうしよっかな~」

 

 

確か前の休みのときは、“麗羽のクルクルにコッペパンを入れて遊んだんだっけ”

なら、今回はその続きかなぁ

 

 

「そうと決まれば、麗羽を探すか」

 

 

呟き俺は歩き出す

と、その時だった

 

 

「北郷、ちょっといいか?」

 

 

ふと、俺の名を呼ぶ声が聞こえたのだ

振り返った先

其処には、冥琳の姿があった

 

 

「どうしたんだ、冥琳」

 

「いや、お前に少し用事があってな」

 

「用事?」

 

 

首を傾げ、腕を組む

冥琳なら、俺が今日は一か月ぶりの休みだということは知っているはずだ

それでも尚、こうして用事があって訪ねてくるのだ

きっと、何か事情があるに違いない

 

 

「なにより、その用事の後に“しっぽりむふふな展開が待ってるかもしれないし”

よし冥琳、用事ってなんだい?」

 

「見事に“煩悩がダダ漏れているが”、まぁいいだろう

なに、少々付き合って貰いたい場所があるのだ」

 

 

“いいだろうか?”と、冥琳

俺はその言葉に頷き、さっそくその場所へと向かうべく

彼女の隣を、ゆっくりと歩き出したのだった

 

それから、少し歩いた先

城内の中庭

その中心に、見慣れない小屋が見えてきた

 

 

 

「あれ?

中庭に、あんな小屋あったっけ?」

 

「知らぬのも、無理はない

北郷が“処刑台にいる間に建てたモノだからな”」

 

 

冥琳の例えが的確過ぎて、一瞬泣きそうになった

と、まぁそれは置いておいてだ

 

 

「まさか、ここが付き合って貰いたかった場所?」

 

「ああ、そうだ」

 

 

やがて、その小屋の傍までたどり着いた

その小屋は小さいものだったが、壁は清潔感のある白で塗られていた

なによりも目を引くのが、この小屋の屋根につけられた“十字架”のマークだろう

 

 

「あれ、これって・・・」

 

「ふふ、北郷から以前に聞いたものを作ってみようと思ってな

流石に大きなものは無理だったから、このように小さな規模で試してみることにしたのだ」

 

 

そう言って、彼女は笑う

その視線の先

 

“懺悔室”と書かれた小屋を見つめながら・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ドキドキ!?三国皆の懺悔パーティー♪≫

~悔い改めなさい、だが断る!!~

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

「“懺悔室”・・・?」

 

 

俺の呟き

冥琳は、“そうだ”と返した

 

 

「いつか北郷が言っていただろう?

己の罪を告白し、反省し許しを請うことをそう言うと」

 

「言ってたような、言ってなかったような・・・」

 

 

ハッキリ言って、覚えていない

しかもなんか、その意味すら正しいのか正しくないのかわからない

大方、酔った勢いで変なことを言ったのだろう

しかし、だ

 

 

「なんで、いきなりこんなの作ったのさ?」

 

「こんなの、とは言ってくれる」

 

 

俺の言葉

冥琳は“心外だ”とばかりに声を出した

 

 

「北郷よ

お前は知らぬかもしれぬが、我々だって間違いを犯し後悔することぐらいある

その時、そのことを相談したり話したりできるかと言えば・・・否、だ」

 

「冥琳・・・」

 

「確かに、我々にはお前がいる

他の者に話せずとも、お前に話したり相談すればいい

何人かはそうしている

しかし、やはり面と向かってお前に話すことを躊躇う者だって多い

そういう者は皆、おのれの中にその後悔を延々と抱え続けなければならない」

 

 

冥琳の言葉

俺は、己の言葉を悔やんだ

 

 

「だからこそ、これを作ったのか」

 

「ああ・・・」

 

 

なるほど

流石は冥琳だ

彼女はいつだって、皆のことを考えてくれていたのだ

 

それなのに、俺は何をやっているんだ?

政務をサボり、あまつさえ性務に明け暮れていたなんて

かっこわるすぎるだろうが

 

 

 

「よし、冥琳!

俺に手伝えることがあるんだったら、何でも言ってくれ」

 

「ふっ・・・お前だったら、そう言ってくれると信じていたぞ」

 

 

“ついて来てくれ”と、冥琳はさっそく小屋の中へと入っていく

その後についていき、俺は思わず言葉を失ってしまう

その原因は、この小屋の構造であった

 

 

 

「これは・・・鏡、か?」

 

 

鏡だった

この小屋の中心

それを区切るよう、大きな鏡で仕切られていたのだ

その鏡には、確かに俺の姿がハッキリと映しだされていた

 

 

「驚くのは、まだ早いぞ

此処は“懺悔する側の者の為の部屋だ”

お前に見せたいのは、こっちの方だ」

 

 

そういって、彼女が向かう先

よく見れば、向こう側に行くための扉が見える

彼女はその扉を開き、俺をその向こうへと案内した

そしてまた、俺は驚愕してしまう

 

 

「こ、これはっ・・・」

 

 

さっき、向こう側から見た時

この鏡には、確かに俺の姿が映っていた

しかし今この鏡に映っているのは、先ほどの部屋に唯一置いてあった小さな椅子だけである

 

こ、これはまさか・・・

 

 

 

 

「まさか・・・“マジックミラー”!!?」

 

 

あの、一方からは見えてもう一方からは見えないという、あの夢の鏡がここに!?

 

 

「以前に、北郷にそのようなものがあると聞いてな

“真桜に頼んで作ってもらったのだ”」

 

「俺、時々本気で歴史を変えるのは俺なんかじゃなくてアイツのような気がするよ」

 

 

マジで

しかし、これは凄い

これならば、向こうからはこちらの姿が視えない

彼女達も、安心して自身の後悔と向き合えるだろう

 

しかし・・・

 

 

 

「冥琳

彼女達の懺悔を聞くのは、いったい誰なんだ?」

 

 

“まさか、冥琳?”と、俺

それに対し、彼女は待ってましたとばかりに笑みを浮かべた

 

 

「そんなの、お前に決まってるだろう?」

 

「お、俺ぇ!?」

 

 

彼女の言葉

俺は、“ちょっと待ってよ”と首を横に振った

 

 

「そんなの無理だよ

第一、声でバレるって」

 

「ふふ・・・心配無用だ

この“懺悔室”には、もう一つの機能が備わっている」

 

「なん・・・だと?」

 

 

マジックミラー以外にも、まだ他の機能があるだと?

俺は、思わず息を呑んだ

 

 

「北郷よ

其処に、“マイク”がみえるだろう?」

 

 

言われ、見つめる先

鏡のすぐ傍に、マイクが一本設置されていた

俺は“これか?”と、それを手に取る

 

 

「それに向い、“悔い改めなさい”と言ってみてくれ」

 

「わかった

えーと・・・“悔い改めなさい”」

 

 

すると、隣の部屋から僅かに遅れ・・・

 

 

 

『悔い改めなさい』

 

 

 

と、俺と同じセリフが“俺とは違い、なにやら厳格な雰囲気の漂う声色で響いたのだ”

 

 

 

「これって・・・」

 

「ふふ、こちらは地和に手伝ってもらったのだ

彼女の妖術を上手く使い、声の変換を可能にしたのだ」

 

「す、すげぇ・・・」

 

 

なんか、凄いことになってきちゃったぞ

しかしこれで、向こうからは此処に俺がいるとは思われないだろう

 

 

「しかし、このマイクには一つ欠点があってな」

 

「欠点?」

 

「北郷よ

ためしに、“悔い改めなさい以外の言葉を言ってみてくれないか”?」

 

「悔い改めなさい、以外?」

 

 

言われ、俺は少し考えた後に口を開いた

 

 

「おはようございます」

 

 

しばし、流れる沈黙

やがて、隣の部屋からは・・・

 

 

 

 

 

『ぐへへ・・・俺ぁ、まだ朝も早いうちから女の尻ぃばかり狙ってんのよ』

 

 

 

 

 

俺とは全く違う声で、“俺とはまったく違う言葉が響いてきた”

 

 

 

 

 

 

 

「・・・って、どうしてこうなった!!!??」

 

「だから、欠点があると言っただろ?」

 

「いや、欠点って“そんな簡単な言葉じゃ埋められないよコレ!!?”

なんか“すっごいエロい用務員さんみたいな声になってたよ!!!??”」

 

 

酷過ぎるだろ

これはもう、一発で“斬首”だろ

 

 

「まぁ、今聞いた通り

このマイクは、“悔い改めなさい以外の言葉を上手く再生できないのだ”」

 

「いやいやいや

こんなんで、どうやって皆の相談にのれっていうんだよ?」

 

「案ずるな

此処に来る者にはあらかじめ、“一回目の悔い改めなさい”で“懺悔開始”

“二回目の悔い改めなさい”で“懺悔終了”と教えてある」

 

「いや・・・それはちょっと、無理がないかな」

 

「はっはっは、心配しすぎだ」

 

 

言って、冥琳は笑う

う~ん・・・ま、まぁ冥琳がそう言うのならば大丈夫、なの、か?

いや、まぁ激しく不安だが

 

 

「とにかく、北郷

この懺悔小屋を成功させるには、お前の力が必要なのだ」

 

「まぁ、わかったよ

俺も言った手前、いまさら断る様な真似はしたくないし」

 

 

“なんとか、やってみよう”と、俺

そんな俺に対し、彼女は“感謝する”と微笑んだ

その笑みを見れただけでも、手伝うと言ってよかったと

そう思える様な、そんな素敵な笑顔だった

 

 

「では、始めるとしよう」

 

「ああ、頑張ってみるよ」

 

 

 

 

かくして、“懺悔小屋”の中

おれ達二人は、グッと固い握手を交わすのだった

 

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

あれから、しばらくたった頃

俺と冥琳は、懺悔小屋の中でスタンバッテいた

冥琳の話では、もう既にこの小屋のことは皆が知っているらしい

早い者ならばもう、いつ来てもおかしくないと言うのだ

そんな中俺は、緊張しながらも小屋の中で来訪者を待っている

隣に冥琳がいるのが、せめてもの救いだ

 

 

 

「緊張してるな?」

 

 

冥琳の言葉

俺は苦笑し、頷いた

 

 

「ま、頑張ってみるよ」

 

「ふふ、その意気だ・・・っと、いよいよ来たみたいだぞ」

 

 

その一言と同時に、扉の開く音が聴こえてきた

“ついに来た”と、俺は唾を呑み込んだ

 

 

 

「こ、ここが懺悔室

なんだか、妙な部屋だな・・・」

 

 

響く、少女の声

この声は・・・凪か

 

 

「一人目は凪、か」

 

「みたいだね」

 

 

顔を見合わせ、頷いた

それからマジックミラーの向こう、凪が椅子に座るのと同時に俺は言葉を吐き出す

 

 

「“悔い改めなさい”」

 

 

同時に、厳格かつ威厳ある声が響いた

凪はその声に驚きつつも、すぐに真剣な表情を浮かべていた

 

 

「えっと、確か・・・最初の悔い改めなさいで、言えばいいんだったな」

 

 

呟き、彼女は深く深呼吸した

それから、ゆっくりと言葉を吐き出す

 

 

「今から、数日前のことです

私は用事があり、“尊敬する殿方”の部屋に行きました」

 

 

“尊敬する殿方”というのは、言わずもがな俺のことであろう

何だか妙に照れくさいものがある

よし、後で会ったら頭を撫でまくってやろう

 

 

「その時、偶々その方は留守だったようで・・・部屋の中には、誰もいなかったんです」

 

 

そんな中、凪の告白は続いていく

どうやら俺が留守の間、部屋に来たらしい

 

 

「私は少し残念に思いながら、少し待てば帰ってくるかもと思い失礼ながら部屋の中にお邪魔させてもらったのです」

 

 

そして彼女は、少しの間待つことにしたらしい

今のところ、何もおかしなことはない

彼女のことだ

もしかしたら俺に黙って部屋で待っていた、なんて

たったそれだけのことですら、気にしてしまい申し訳なく思っていたのかもしれない

流石は、忠犬

 

相変わらずの良い子・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「気付いたら・・・“その殿方のパンツを頭から被っていました”」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・だ、な

 

 

「どっ・・・」

 

 

“どうしてそうなった!?”という言葉を、寸でのところで呑み込んだ

うっかり声を出そうものなら、マイクに拾われて“あの某用務員ボイスになってしまう”

それだけは、避けなくてはならない

 

しかし・・・

 

 

「なんで、そんな状況になったんだよ

部屋に来た、俺がいなかった

仕方なく待つことにした

そんで、なんで次の場面ではもう“俺のパンツ被ってんだよ”」

 

「話の前後が凄まじすぎて、私も一瞬何を言ってるのか理解できなかった」

 

 

“頭が痛い”と、冥琳

まさか一人目から、こんなぶっ飛んだ話が聞かされるとは思っていなかったのだろう

 

 

「私はもう、無我夢中でした

いけないことだと思っていながらも、気付いたら五着目に突入していました

懐は、もうあのお方のパンツで一杯でした」

 

 

ぱ、パンツーーーーーーーーー!!

そういやなんか、大分前に一気にパンツが減った日があった気がする

ま、まさか凪が犯人だったなんて

 

 

「もう、“パンツラグーンでした”」

 

 

そんで、何を言ってるんだこの子は

心なしか、というか確実にニヤニヤしとる

 

 

「しかし、これは許されざる行為です

部屋に戻ったあと、“大量のパンツをショーケースに並べながら”私は後悔の念に押しつぶされそうになりました」

 

「後悔しながら、ちゃっかり持って帰ったパンツは飾ったんだな」

 

「言うなよ、今スルーしようとしてたんだから

彼女、泣いてるしさ・・・」

 

「北郷よく見ろ

凪が涙を拭いてるアレ・・・」

 

「ああ、“俺のパンツだ”」

 

 

それも、スルーしようと思ったのに

俺は軽く頭痛を覚えながらも、必死に言葉を紡ぎだした

 

 

「帰ったら俺、パンツを金庫に仕舞うことにするよ」

 

「ああ、それがいい」

 

 

言いながら、冥琳に肩を叩かれた

なんだか、思いっきり泣きたくなった

 

 

「“悔い改めなさい”」

 

 

それを我慢し、とりあえずそう言った

もう十分だと、そう思ったからだ

しかし、凪はまだまだ話し足りないようだった

慌てて声をあげたのだ

 

 

 

「し、しかしまだ、私は・・・」

 

「“悔い改めなさい”」

 

「北郷、“早く帰れ的な雰囲気が声に出まくってるぞ”」

 

 

その通りだから、俺はただ黙々と“悔い改めなさい”と言い続けたのだった

 

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

「ふぅ・・・一人目から、大変だったな」

 

「ああ、主に“俺のパンツがな”」

 

 

結局凪は、ハンカチ代わりに使ったあのパンツもしっかりと持って帰った

去り際に行った、“パンツラグーンに帰ります”という台詞が忘れられない

悔い改めるっていうか、言うだけ言って“これっぽっちも反省してなかった顔だったぞ”

 

 

「これは、先が思いやられるな」

 

 

呟き、俺は眉を顰める

聴こえたのは、扉を開ける音

さっそく2人目が来たのだ

 

 

「あわわ・・・ここでしゅか」

 

 

来たのは、雛里だった

俺は冥琳を見つめ、フッと微笑み言った

 

 

 

 

 

 

「“オチが読めたから、帰ってもらっていいかな?”」

 

「駄目に決まってるだろうが」

 

 

と、冥琳

俺は深く溜め息を吐き出す

 

 

「いや、だって雛里だよ?

あの“はわわ軍師(笑)”と対を為す、“あわわ軍師(笑)”だよ?

もう、“アッーーーーー”なオチしか見えないんだよ」

 

「そうとは限らんぞ

なにせ相手はあれでも蜀を代表する軍師・・・人には言えぬ、悩みもあるやもしれん」

 

 

冥琳の一言

俺は、ハッとなった

言われてみれば、確かにそうかもしれない

彼女だって、国を支える為に頑張ってるんだ

 

それなのに俺は、勝手に決めつけて・・・

 

 

 

「そうだな、冥琳

雛里だってきっと、皆の為に頑張ってるんだ

それなのに俺は、なんて馬鹿なんだ」

 

「北郷・・・」

 

「よし、冥琳

俺、頑張って彼女の話を聞くよ!」

 

「ふっ・・・それでこそ、お前らしい」

 

 

“悔い改めなさい”

決意も新たに、俺はその言葉を口にする

その言葉を合図に、雛里はソッと言葉を紡ぎ始めた

 

 

「つい先日・・・とあることで、親友の子と言い争いになってしまったんです」

 

 

親友とはきっと、朱里のことだろう

二人はいつも一緒で、大の仲良しのはず

そんな二人が・・・喧嘩?

 

これは、やはり只事ではない

 

 

「彼女の言いたいこともわかるんです

ですが・・・私にだって、私の意見があります」

 

 

ゴクリと、息を呑んだ

雛里の顔がいつになく真剣である

これは、思ったよりも大変な話なのでは・・・

 

 

 

 

 

 

 

「私は、“一刀×華佗”派なんですっ!!!!」

 

 

 

 

 

 

「そっ・・・!」

 

 

“それはそれで、大変な話なんだけども!”という言葉を、寸でのところで呑み込んだ

隣にいる冥琳は、盛大に噴きだしている

ち、ちくしょう

 

 

「朱里ちゃんは、“イイ男×一刀”がいいって言うんです

確かに、朱里ちゃんの言いたいことはわかります

ご主人様は、“受けでこそ輝くんだってことは”」

 

「イイ男って、なんだよ・・・恐すぎるんだけど」

 

「というか、お前は受けでこそ輝くらしい」

 

 

いらないよ、そんな情報

正直、聞きたくなかったよ

 

 

「ですが・・・私はあえて、御主人様を攻めにしたいんです!

普段は受けなのに、攻守を一転し攻めとする!!

“ご主人様のヘタレ攻め”で、本を書いてみたいんです!!!!」

 

「ぶっ・・・!」

 

 

冥琳が、また噴いた

ていうか、なんだよ“ヘタレ攻め”って

 

 

「ていうか、もう書いちゃったんです!!」

 

「書いたんかい!!?」

 

「ば、北郷っ!?」

 

 

 

あ、しまった!?

思わず、ツッコんでしまった!!

 

やばい、このままだとあの・・・あの、声がっ・・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

『かいてるかって?

俺くらいになりゃぁ、毎日だってかいてるさ

勿論、自分の息子をなぁwwwwwww』

 

 

 

 

 

 

 

「や、やっちまった・・・!」

 

 

ああ、しかも予想以上に酷い・・・っ!!!!

 

雛里なんて、あまりの事態に唖然としてるぞ

冥琳は、なんかまた噴いてるし

ち、ちっくしょう

 

 

「え、いまの・・・?」

 

「北郷、不味いぞ!」

 

 

冥琳の言うとおり

このままではマズイ

ここは、ひとまず・・・

 

 

 

 

「“悔い改めなさい”(早く帰れっ!!)」

 

「何故だろうな

お前の心の声まで、聴こえてきた気がするよ」

 

 

 

“悔い改めなさい(強制終了)”

冥琳の言葉に、俺は笑顔を浮かべサムズアップで答えた

 

 

 

 

 

ーーー†ーーー

 

 

「まだ2人なのに・・・なんだろう、この疲れは」

 

「ああ、(笑い)疲れたな」

 

 

数分後

俺のお告げを聞き、雛里は帰っていった

“だけど、やっぱり一刀さんは受けでこそ”などと呟きながら帰った

なんだか、死にたくなった

 

 

「もう、帰りたいよ・・・」

 

「残念だが、北郷よ

また、きたみたいだぞ」

 

 

マジかよ

そう思った瞬間、扉が開く音が響いた

 

 

 

 

 

 

「へぇ~、これが冥琳の言っていた部屋ねぇ」

 

 

 

来たのは、雪蓮だった

これはなんというか、本当に意外である

 

 

「意外、だよな」

 

「うむ・・・いや、しかし雪蓮はあれでも元は呉の国王

様々な悩みを、後悔を抱えているのかもしれん」

 

「そうだな・・・」

 

 

冥琳の言葉

俺は、静かに頷いて見せた

 

確かに、彼女の言うとおりだ

雪蓮はあれで、結構気をつかったり世話を焼いたりしてくれている

 

 

「“悔い改めなさい”」

 

 

そんな彼女が抱える想いを、少しでも和らげてあげたい

俺は、始まりの言葉を告げる

 

その言葉と同時に、彼女はゆっくりとその口を開いた

 

 

 

 

 

 

 

 

「言いたいことはいっぱいあるけど・・・とりあえず、“ここ何か月かずっと働いてないの”」

 

 

 

 

 

 

 

 

「なっ・・・」

 

 

“何言ってるのアンタ”という言葉を、寸でのところで呑み込んだ

さっきまでの、なんかこう、シリアスな感じを返してほしい

 

 

「皆の注意が一刀に向いてるすきに、サボりまくったわ

楽しかったなぁww」

 

 

ていうか、何だコレ?

この人は、いったい何を話しにきたんだ?

 

 

「ていうか、あれ・・・?」

 

 

気付いた

隣に、冥琳がいない

 

ま、まさか・・・

 

 

 

 

 

「あ、あとお酒も飲みまくったわww

冥琳の秘蔵のお酒とかも失敬したりwwww」

 

「あ、あわわわわ」

 

 

ば、雪蓮

後ろ、志村後ろーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

 

 

 

「あ、あとねぇ・・・」

 

「あとは、なんだ?」

 

「え・・・?」

 

 

時、すでに遅し

さっきから喋りっぱなしだった雪蓮の口は、一瞬で止まった

 

 

「あ、あれ・・・めい、りん?」

 

「ああ、そうだ」

 

 

こ、これは恐い

彼女・・・冥琳の後ろに、スタンドが見える!

 

 

 

「さて、覚悟はできたか?

私はできているっ!!」

 

「え、あ、ちょ、まっ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

其処から先は、まさに“残虐かつ凄惨な光景”

俺は、今回一番のトラウマを植え付けられることになるのだった・・・

 

 

 

 

「ていうか、俺・・・どうすりゃいいんだよ」

 

 

 

結局

冥琳の気が収まったのは、もうすっかりと日が落ちた後でした

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・終わりたい

 

 

★あとがき★

 

えっと、皆さんお久しぶりです

月千一夜というモノでふ

 

約、一か月以上ぶりの更新です

いやぁ、長かった

相変わらずの、長い航海です

 

次回は四月中盤

四月の中盤までは、また時間があるので

それまでは、以前のように投稿していきたいと思います

 

こんな僕ですが、今後ともよろしくお願いしますw

 

 

では、またお会いしましょう


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
51
8

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択