「これは・・・」
愛紗は、戸惑っていた
彼女の、見渡す先
先ほどまで凄まじい勢いで襲い掛かって来ていたはずの“敵兵”が
どんどん、“消えていっているのだ”
例え話、などではない
本当に文字通り
彼女の目の前から、その視界から
この、戦場から
まるで溶けるように、消えていったのだ
「いったい、どういうことだ?」
故に、彼女は戸惑った
その手に未だに力強く武器を握ったまま、である
「お、おい愛紗
これは・・・いったい、どうしたってんだ?」
「ちょっと、混乱してきたんだけど」
ふと、すぐ近く
翠と蒲公英も、同じように戸惑っているようであった
そんな中、ふと聴こえてきたのは声
幾人もの兵士による、“大きな声”
愛紗は、その声の意味を知っている
“勝鬨”
間違いない
そう思い、愛紗は静かに武器を下した
「終わった・・・のか?」
そして、小さく呟く
それから見つめる先
白帝城
その城門から出てくる、己の主君の姿を確認すると
「桃香様・・・」
彼女は、ようやく安堵の溜め息を吐いたのだった
≪遥か彼方、蒼天の向こうへ-真†魏伝-≫
第二章 十八話【蜀の王、白き光】
ーーー†ーーー
「一刀っ!!!!!!!」
それは、幾人もいたはずの敵が消えてすぐのこと
未だ戦場であった場所に立っていた青年
鄧艾こと一刀の姿を見つけ、慌ただしく駆けてくる少女の姿があった
美羽である
彼女も恐らく、この戦場で戦っていたのだろう
僅かに汚れた衣服や乱れた髪もそのままに、一直線に彼のもとに駆けていた
「一刀っ!!!!」
「美羽・・・」
そして、そのまま彼の体に抱き着いたのだ
笑顔のまま泣くという、なんとも器用な真似をしながらである
「よかった・・・よかったのじゃ!!
心配したんじゃぞっ!?」
「ん・・・ごめん」
“よかったのじゃ”と、何度も言う美羽
そんな彼女の頭を、彼はそっと撫でてやる
その光景を見つめ、半ば呆然としていた少女
趙雲こと、星はハッとなった
「お主・・・もしや、袁術殿ではないかっ!?」
「うみゅ?」
“間違いない”と、星は驚いていた
彼女のことは、あの“反董卓連合軍”の時に一度見ている
あの頃よりも背も大きくなり、全体的に大人びた美羽だったが
それでも尚、何処か面影があったからだろう
彼女にはすぐにわかったのだ
「美羽様~、ちょっと待ってくださいよ~~~!」
そんな彼女たちのもとに
また一人、女性が駆け寄ってきた
その女性もまた、星の記憶の中に残っていた
「貴殿は・・・張勲殿、だったか?」
「あら?
申し訳ありませんが、何処かでお会いしましたっけ?」
星の言葉
七乃は、“すいません、お嬢様のこと以外には疎くって”と照れたように笑っていた
今の言葉のどこに照れる部分があるのかわからず戸惑う星のよそに、七乃は美羽と一刀のもとへと歩み寄る
「一刀さん・・・よかった、ご無事だったんですね」
「七乃・・・久しぶり」
「はい、お久しぶりです♪」
“心配したんですよ?”と、七乃は笑う
そんな彼女の言葉に、一刀は“俺も”と頷く
「皆が、迷子になって・・・俺、心配した」
「「・・・・・・え?」」
この一言に、七乃だけでなく美羽までもが呆然とした
なんとまぁ
遡ること、数話も前
彼の中では未だに、迷子になったのは自分ではなく“美羽達のほう”だったのだ
「もう、迷子にならないよう・・・気を付けて」
「え、ちょ、待ってください
あの、迷子になったのはかz、むぐっ!!?」
「う、うむ!!
気をつけるのじゃ!!!」
“あははは”と、美羽は七乃の口をおさえたまま笑う
それから七乃を引っ張り、一刀から僅かに離れて言った
「馬鹿者!!
余計なことを言って、一刀を傷つけてしまったらどうするんじゃ!!(小声)」
「え、えぇっ!?
そんな繊細なんですか一刀さん!?(小声)」
「当たり前じゃ!
一刀は何と言うか、こう・・・触れたら壊れてしまいそうな、さながら薄い鏡のようなもんなんじゃぞ!?
もし、七乃の一言で泣いてしまったらどうするんじゃ!!?(小声)」
「いやいやいや
それはちょっと、過保護すぎるんじゃ・・・」
「お主がそれを言うようになったか、七乃よ」
「え?」
不意に、聞こえてきた声
七乃が振り向くとそこには、祭と夕の姿があった
「お二人とも、無事だったんですね」
「うむ、当たり前じゃ」
「こちらも、問題はない」
“それよりも”と、夕はその視線を七乃から一刀へと向ける
彼は、そんな二人に気付いたのか少しばかり微笑んでいた
「祭、夕・・・」
「無事だったか、一刀」
「まったく、心配したんじゃぞ?」
一刀のもと
夕と祭は歩み寄り、その肩をポンと叩いた
それから、フッと笑う
「もう、迷子になるんj・・・」
「とりゃぁぁぁああああ!!!」
「おおぅふっ!!?」
いきなり、だが
それはもう、見事な蹴りだった
美羽のそのあまりに見事な一撃に、祭は自身の尻をおさえながら震えていた
・・・若干、涙目である
「ふ、ふふ・・・良い蹴りを放つようになったのう
お主に教えることは、もう、なにも、ない・・・・・・」
「さ、祭ーーーーーーーーーーーーー!!!??」
そして、ガクリとその場に倒れる祭
夕は慌てて、“お尻をおさえたまま倒れる祭”のもとに歩み寄った
「じゃから、一刀を傷つけることは許さんっ!!
なにせ妾は、一刀の保護者じゃからな!!!!」
「何時の間に、家族から保護者に!!?」
「それから、それくらいじゃ一刀さんは傷つきませんってば!!?」
“過保護すぎる!!”と、2人は同時にツッコんでいた
そんな四人の姿を見つめ、呆然としているのは星だった
彼女はやがて溜め息を吐き出すと、その光景を何処かソワソワしたまま見つめる一刀に一言
「鄧艾殿・・・彼女達とは、どのような関係で?」
「ん・・・俺の、家族」
“家族”
そう言って、彼は微笑んだ
その笑顔につられ、星も思わず笑みを零してしまう
それから、彼を見つめ言うのだった
「ところで、鄧艾殿・・・その“手に持ったハリセンは”?」
「ん・・・そろそろ、止めてくる、から」
やがて
戦の終わったばかりの未だ整然とした場の中
場違いなほどに、軽快な音が響き渡ったのだった・・・
ーーー†ーーー
「・・・落ち着いた?」
「「「「はい」」」」
頭をおさえながら、四人は一刀に向いそう言った
唯一人、祭だけは“なんで儂も?”と不服そうだったが
「一刀さんも、大分ハリセン使うのが上手くなってきましたねぇ」
「そうだな
本当なら“派手な音がするけどあまり痛くない”が用途なのに、一刀が振るうと“派手な音がするぶん痛い”だもんな」
「う、うみゅ・・・我が家族ながら、恐ろしいのじゃ」
「いや、じゃから何で儂まで・・・」
と、思い思いの言葉を吐く四人
其の四人から視線を逸らし、一刀は星を見つめ言う
「これが・・・俺の、家族」
「そ、そうか」
と、星は苦笑
それから、呆れたような感心したような
なんとも複雑な表情を浮かべた
「袁術殿に張勲殿・・・それに、黄蓋殿に華雄殿とはな
鄧艾殿、貴方には相変わらず驚かされるばかりだ」
「そう?」
“ああ”と、星は笑った
しかし、その笑みもすぐに消えてしまう
彼女は辺りを見渡すと、今度は辛そうに表情を歪めた
「しかし、酷いな・・・」
“酷い”とは、今のこの状況のことである
消えていった兵のあと、残ったのは悲惨な状況であった
幾人もの兵が、静かに横たわっているのだ
向こうの兵は全て消えた
つまり・・・倒れている兵は、全て此方側の兵なのだ
「いったい、何故・・・このようなことになったのだ」
星はそう言って拳を握り締めた
途中からこの戦場に来た星には、今の状況があまり理解できていない
それは、一刀も同じであった
「そのことも含めて、少々よろしいかしら?」
そんな彼の耳に
凛とした声が響き渡る
振り向くとそこには、黄忠こと紫苑の姿があった
彼女は未だ涙の痕が残ったまま、フッと微笑む
「君、は・・・」
「私は、黄忠という者です
星ちゃん・・・趙雲ちゃんと同じく、蜀に仕えています」
“よろしくお願いしますわ”と、紫苑は笑った
それから彼女は、ゆっくりと頭を下げる
「それから、感謝しています
貴方のおかげで、蘭は思い残すことなく逝けたようです」
蘭・・・“呉蘭”
蜀に仕え、蜀に殉じた男
その愛ゆえに、苦しい思いをした
“真紅の青年”
『大好きな人が、未だに苦しんでいる
そんな紫苑の姿を見て、俺は決めたんだ
この“二度目の命”は、君の為に使おうって』
二度目の人生
その“仮初の命”を、最期まで大切な人の為
精一杯に、“生き切った男の名前”
その男の顔を思い出し、一刀は自身の胸に手をあて“そう”と呟いた
「けれど、不思議ね
貴方にはどうしてわかったのかしら?
蘭の・・・彼の、“真意”が」
紫苑の言葉
“そういえば”と、星は首を傾げる
そんな二人に向け、彼は困ったように口を開いた
「真意、とか・・・難しいこと、わからないけど
だけど、隠し事してる、とは・・・思った」
と、一刀は言う
それから、背負った弓に触れ笑みを浮かべた
「俺がやらなくても・・・あの子は、死んでなかった、から」
「あの子?」
少し考え、紫苑はその“あの子”という言葉の意味を理解する
あの子とは恐らく、“劉備”こと桃香のことであると
「あの矢は、きっと・・・彼女の、“腕に当たるはずだった”」
「そう、だったのね」
呟き、紫苑は溜め息をついた
それから、笑みを浮かべてみせる
「本当に・・・馬鹿ね、蘭は」
「けど、好き?」
“ええ”と、紫苑は笑う
「愛してる
私は蘭のことを、愛しているわ」
そう言って、彼女は何かを思い出すように瞳を閉じる
その何かが、何なのか
考えるだけ無粋だと、星はフッと笑みを浮かべる
が、すぐに思い出したようハッとなった
「そうだ、紫苑よ
何故、このようなことになったのだ?
我らがいない間に、いったい何があったのだ?
成都が、何者かに落とされたと・・・そう聞いたのだが」
この言葉に、紫苑はその瞳を開いた
それから、真剣な表情を浮かべ言う
「そう、成都は落とされたわ
死んだはずの劉璋の手によって、ね」
“なんと”と、星は言葉を失った
それでも何かを言おうと、そうした時のことだった
「星っーーーー!!」
遠くから、自分を呼ぶ声が聞こえたのだ
その声が誰のものか、彼女にはすぐわかった
「愛紗っ!」
「星!
無事だったか!!」
やがて声の主・・・関羽こと愛紗は、彼女のもとに駆け寄り安堵の息を漏らす
その背後からは、ぞくぞくと蜀の主だった面々がついて来ていた
「雛里は?」
「雛里も無事だ
今は、戦場から離れた場所に音々と麗羽と一緒に隠れている」
「そうか」
“よかった”と、安堵の息を漏らしたのは愛紗だけではない
そんな彼女達の様子に、星は思わず笑みを零す
「実際、危なかったのだがな
此処にいる御方に、助けてもらったのだ」
「ほう」
言って、星が示す先
其処には、一刀が立っていた
集まっていく視線を感じ、僅かに首を傾げている
そんな彼の姿に笑みを浮かべ、星は声高々に言うのだった
「紹介しよう
我らの命の恩人である、鄧艾殿だ」
空気が、変わった
それこそ、先ほどまでの和やかなものではなく
一気に、“緊迫”したものに
其の場の空気が、一変したのである
「鄧艾、だと・・・?」
「あ、ああ」
星は、戸惑いながら頷いた
様子が、おかしい
愛紗だけではない
この場にいる、皆の様子が
明らかに、“変わった”
「皆・・・いったい、どうしたのだ?」
「星、済まぬ・・・下がってくれないか」
「愛紗・・・?」
“いったい何を”と、星が言うよりも早く
愛紗は、持っていた青龍偃月刀
その切っ先を、一刀に向けた
「貴様が・・・鄧艾、士載か」
そして、殺気を込めたまま言う
その表情には、鬼気迫るものがあった
「おい、愛紗っ!!
何をしているっ!!」
そんな彼女の手を掴み、星は叫んだ
それに続くよう、紫苑もまた“愛紗ちゃん”と声をあげた
「落ち着いて、愛紗ちゃん
ひとまず、まずは白帝城に戻りましょう
話はそれからでも、遅くはないわ」
「紫苑、しかし・・・っ!」
“落ち着きなさい”と、紫苑は必死に彼女を宥める
そんな中、一刀の前にはいつの間にか美羽達が庇うように立っていたのである
「美羽・・・これは、いったい」
「一刀、安心するのじゃ
一刀は、妾たちが守るからの」
「・・・?」
そう言われても、さっぱり状況はわからないままである
仕方なく、首を傾げる彼
その、彼の耳に・・・声が響いた
「貴方が・・・鄧艾さん、ですか?」
彼の目の前
愛紗の、すぐ隣
其処に、いつの間にか一人の少女が立っていた
愛紗は慌てて、その人物に向い声をかける
「と、桃香様っ!?」
「さっきの子・・・」
焦る愛紗
しかし、そんな彼女を知ってか知らずか
桃香と呼ばれた少女、“蜀の王”劉備は彼に歩み寄った
「桃香様!?
危険です、お下がりくださいっ!」
「お姉ちゃん!!」
「大丈夫だよ、愛紗ちゃん鈴々ちゃん」
言って、彼女はじっと一刀を見つめた
「君は・・・?」
「私は劉備、字は玄徳と言います
この国の・・・蜀の王です」
“蜀の王”
この言葉を聞き、一刀は息を呑んだ
そして、吐き出す様呟く
「蜀の、王・・・」
彼はそれから、その両目を閉じた
“ズキン”と、頭が痛む
同時に、彼の頭の中
浮かんだのは・・・“見覚えのある景色”
美しい月の下
その月に見下ろされ、立つ・・・“少女”
この光景を
彼は、思いだす
“あぁ、そうだ”と
これは、毎日のように・・・夢に見た、あの・・・
≪さようなら・・・愛していたよ、■■≫
「そうか、“君も”・・・“王だったんだ”」
「鄧艾、さん?」
ふと、彼の様子がおかしいと
桃香は、心配になった
その、直後のことだった
「ぁ・・・」
「一刀っ!!!?」
彼が・・・鄧艾が、其の場に倒れ込んだのは
本当に、その直後のことだったのだ
「鄧艾殿っ!?」
慌てて、星は駆け寄った
そんな彼女の傍、すでに一刀の体を支えていた美羽がオロオロと声をあげる
「よ、様子がおかしいのじゃ!
冷や汗もいっぱいかいておるし、呼吸も荒いのじゃっ!!」
美羽の言葉
星は、“しまった”と表情を歪めた
「そうだ、毒だっ!!
森の中、黄権とやらに襲われた時・・・」
「黄権ですって!?」
紫苑は、その名に驚きの声をあげた
次いで、“まずいわね”と唇を噛んだ
「もし、星ちゃんを襲った黄権が私の知る黄権だとしたら不味いわ」
「なんだと?」
「黄権の使う毒は特殊なの
そして、“強力”よ
その毒を負った者は、全身に“凄まじい程の痛み”を感じ続けるわ
それ以上も、以下もない
永遠に、それこそ死なない限り・・・痛みは続いていく
そして、彼が自分で作った“解毒薬”でなければ解けないの・・・」
「そ、んな・・・」
星は、其の場に膝をついた
そして、その両目から大粒の涙を零す
「そんな、状態で・・・」
『皆、助ける・・・!』
「そんな状態でも、鄧艾殿は・・・我らを、皆を救おうと・・・・・・!」
「星・・・」
そんな、星の姿を見て
愛紗は、思わず声を漏らしていた
同時に、何だか酷く“胸が痛んだ”
「ど、どうすればいいのじゃ?
このままじゃと、一刀が・・・」
「とにかく、解毒薬がなくちゃ始まらないわ
けど、解毒薬は黄権しか・・・」
そんな彼女の肩を、不意に誰かが掴んだ
振り向いた先
そこにいたのは、厳顔こと桔梗である
「どけ、紫苑」
「桔梗・・・?」
戸惑う紫苑
そんな彼女と変わり、一刀の前に立った桔梗が
その懐から、一本の“小瓶”を取り出した
「桔梗、貴女まさかソレ・・・」
「うむ・・・解毒薬だ」
言って、彼女はその瓶のフタを開けた
そして、それを一刀の口元に近づけ・・・飲ませる
「なんで、貴女が・・・解毒薬を?」
「細かいことは、あとじゃ・・・今は、この者を白帝城へと運ぶぞ」
そう言って、紫苑を見つめる彼女
その顔が、酷く“辛そうに見えた”
紫苑は、故にもう何も言わなかったのだった・・・
ーーー†ーーー
「呉蘭と雷銅が・・・逝った」
薄暗い、玉座の間
劉璋は、その瞳を閉じたまま言う
「ほぅ・・・あの二人が、ですか」
その向かい側
二人の男が、不気味に嗤う
その内の一人・・・その頬に、痛々しい傷を持つ男が言った
「まぁ、あの二人には・・・少々、荷が重かったようですな」
そして、嗤う
しかし、対してもう一人
白髪の男は、嗤うのを止めた
「李厳・・・そのような言葉は慎め
あの二人は、“蜀に殉じたのだ”」
「おやおや、黄権は相変わらず私には冷たい」
“ふん”と、李厳の言葉に対し
黄権は、腕を組み不快そうに声を漏らした
そんな二人の姿に、劉璋は呆れたように溜め息を吐き出すのだった
「相変わらず、絶望的なまでに“馬が合わぬか”
それでいて、その戦術は奇跡的に“噛み合う”のだからたちが悪い」
“まぁ、いい”と劉璋
彼はその瞳を開くと、二人を見つめ言った
「間もなく、奴らは此処に来る
ならば、歓迎してやらねばなるまい」
この言葉
二人は、殆ど同時に劉璋を見つめると
同時に、其の場に跪いた
「御意・・・歓迎してやりましょう」
「御意・・・歓迎してやりましょう」
そして、全く同じことを言う
瞬間
李厳は面白そうに笑い
黄権は不機嫌そうに溜め息をついた
そんな二人を見つめ
“またか”と、劉璋は呆れたように笑うのだった
「まぁ、いい
“幻影”よ、“森羅”よ・・・共に、歓迎してやるのだ
そして、この地で全てを終わらせるのだ」
「「御意」」
瞬間
二人は、其の場から消えていったのだった
「愚かな王に、凄絶なる最期を・・・な」
残ったのは、劉璋ひとり
玉座の間
不気味な彼の嗤いだけが
響き渡っていた
★あとがき★
ども、こんにちわ
月千一夜です
遥か彼方、二章・十八話
いかがだったでしょうか?
今回は、久しぶりのコミカルもあり
なんとまぁ、と拍子抜けしたことでしょう
次回からいよいよ、二章も中盤から終盤へ
物語の舞台は、成都へ・・・
それでは、またお会いする日まで
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どうも、こんばんわ
月千一夜です
今回は、いよいよ終盤に向け進んでいきます
では、お楽しみください