「ふむ・・・なるほどね・・・」
今俺達はラボで有意義に雑談をしている。科学者的なことから管理局がどうこうとか・・・因みに俺のデバイスについて触れてみたいというから少し貸してやったら『君はどうやってあれを作ったんだい?一割しか解読できなかったよ?』って言われた。俺は逆に一割も解読したのか・・・って思ったけど。間違いなくこの人天才だ。
「そもそも本気で次元世界を文字通り管理したいのなら。そもそも不必要に『管理外世界』などという枠組みを作る必要性は無い。そんなものは未だ見つけていない世界のみで十分だ。つまりこの時点で奴らの行動理念は破綻している。そしてそれを作る理由は―――」
「私たちのような犯罪者の住みやすい環境と自分達が手に入れた力の実験と有効活用というわけか・・・・」
「そもそも、魔法がある世界ならともかく、地球のような星を管理するだけなら魔法は必要ない。いや、むしろ魔法のようなものがある方が稀だろう・・・これで人手不足も大分解決する。」
「ふむ・・・確かにそうだね。私もいろいろな世界に行ったが管理外世界で魔法のある世界は数えるほどしか見たことが無い。まあ、資質云々は別だけどね。それにしても、先ほどの三権分立もだが、君の世界の地球はずいぶんと世界のまわし方がうまいね。権力を一点集中させるとどうなるのかを良くわかっている。もっと言うと人間の分をわきまえている。最も奴らがそれを認めるとは思えないけど。」
「だな。『法を決める』『法を適用する』『法を執行する』これらの三つに分け、そのそれぞれの機関が互いに指摘し合えるようになっているから、権力の集中、濫用を抑えることが出来る・・・・・なんて保守的な上層部やお前を創った最高評議会が絶対に認めないだろうな。誰が有罪を無罪に都合よく変えられる権限を捨てるものか。そもそも人間が回すシステムに欠陥が無いわけがない。アイツ等は其処をわかっていない。やはり人間としての格なら管理内よりも管理外だな。」
まあ、最も管理局の正偽の味方の影響は表のハラオウン一家やギル・グレアムにすら及んでいたからな・・・・・しかもコレの場合、本人たちは自覚症状が無いのだから性質が悪い。まるで『正義』という麻薬に中毒になった中毒者だ。ジャンキーだ。正義なんて所詮問い詰めたところで答えなんて出ない。
「・・・・・それよりよく俺が地球にいると分かったな。」
「なに、簡単だよ。あの場所の残留魔力・・・と言っても君のは無かったしもう一つのほうもほんの少ししかなかったけど・・・それを分析してそれが闇の書のものと一致したからね。そこから後は逆算して闇の書が最後に転生した場所を探し出した。と言うわけさ。顔はチンク達がおぼえていたからね。」
「やっぱ、お前天才の部類に入るな。」
「いやいや、それより私は君に興味がある!君の中にあるアルハザードと結合する。
「・・・やらんぞ」
「分かっているよ。」
「流石は
「だろうね。君とは一目見たときに仲良くやっていけそうな気がしたからね!」
「それは俺も思った。」
「しかし大丈夫なのかね?」
「何が?」
「私のことだよ。」
「それなら問題ない。どうやらアイツ等アレを信頼しきっていたようでな、アレ以外何も施されていなかった。まあ、千年前のレトロな技術とはいえそれでも今の管理局じゃ到底たどり着けない領域にある技術だ。完璧だとでも思っていたんだろうよ。」
「まあ確かに明確な裏切り行為と敵対勢力に捕縛された瞬間に自動的に自爆して跡形もなく消滅する。となれば裏切るはずがないと思うのもわからなくもないか・・・」
「だが、一度拠点を変えたほうがいいだろう。今は眼が無いがいつ眼があるかわからんからな。潜入しているその娘とやらには一応潜入は続けてもらっておけばいいし、聞かれた時は其処に居たドクター共々全員死んだということにしておけばいいしな。」
「ああ、だがどうするか・・・次の拠点とはいえそれなりに資金はかかる・・・・まあアイツ等から搾り取ればいいのだが」
「そして管理内の住民の血税がどんどん上がっていくと」
「・・・・ああ、確かに」
あんな組織が資財を景気よく恵むわけがないからな。絶対横領とか用途不明金とかあるよ。賄賂とかならまだかわいいものだが違法研究等の資金援助は流石に笑えないからな・・・・いや、血税払っている者の身から考えれば前者も許されざるものだが
「しかし、どうするか・・・・」
「私にいい考えがある。」
「・・・・一人称が変わった瞬間から嫌な予感しかしないのだが」
「魔導師の本分はなんだと思う?」
「・・・・?」
「それはな、足りないところは他から補うものだ。」
「・・・・ああ、そういうことか」
「物わかりが良くて助かる」
「しかし君よくそんな
「もとより魔導に手を染めたときから・・・・人を殺す覚悟くらい持っているしすでにこの手は血に染まっている。てか、魔導師ならこれくらいの覚悟くらい持って当然だろ?」
「・・・・やっぱり君は小学生詐欺だよ。」
「褒めるな。照れるだろ。それよりもいい物件があるぞ」
「どれどれ・・・・これは・・・」
と、ここで緊急アラートがなった。
「「おや?」」
「ドクター!侵入者です!」
「それは分かっている。それで、詳細は?」
「侵入者は三人・・・ですが、その内の一人はゼスト・グランガイツです!」
「ゼストか・・・それは厄介だね・・・・・他は?」
「その他に二名・・・ですがこの二人も手練れで・・・・ガジェットが次々と・・・」
「今チンクが向かっているわ~」
「ゼスト・グランガイツと言えば管理局の数少ないストライカークラスだったな」
「そうだよ。こんなときじゃなければ実験材料としては結構いい部類なんだけどね」
こんなこと平然と言うあたり結構この人も頭ぶっ飛んでいるよな・・・・まあそれに対して特に何も思わない俺も俺だけど・・・・それにしてもゼストか・・・確かアイツは・・・
「ドクター・・・・」
「ふーむ・・・とりあえず「とりあえずお前等は逃げろ」!?」
その言葉に全員俺のほうを向いた。
「逃げるって貴方何処へ・・・」
「言っておくけど今他の拠点は諸事情で使えないわよ~?主に君のせいで・・・・」
「そこはホレ・・・・」
そう言ってスカリエッティの持つ資料を指さす。
「ドクター・・・それは?」
「
「「「「!?」」」」
「つまり彼はこのリストのどれかを襲って強奪しろと言っているんだ。そうすれば、此処から逃げることができ、新しい拠点も手に入れられ、なおかつ研究材料から研究機材まで手に入る。」
「成る程・・・」
「でも大丈夫なの~?」
「大丈夫、さっきも言ったがここは完璧にフリー・・・何せ管理局すら見つけていない文字通り管理外世界だからね。それにここなら戦力も無いに等しい、厄介なのはこの土地の環境だけだがそれも中に入ってしまえば問題ないし、むしろ強奪した後ならこれは逆に好都合だ。トーレとチンクなら10分もかからないだろう。仮に自爆装置を起動させられても私とウーノとクアットロなら並大抵のセキュリティも突破できる。」
「だけどその間此処はどうするの?」
セインがもっともな質問をしてきた。
「それは俺が引き受ける。同盟を受けた中だからな。これくらいはしよう・・・・それに」
『それに?』
「あのゼストとかいう奴は使えそうだ。風の噂だがアイツは使いにくい分類に入るのだろう?」
「ああ確かにそうだね。彼は正義に厚いことで有名だからね。前にも上官の不正横領や着服、隠蔽を告発したらしいし・・・・それにドゥーエの話によれば・・・・あ、ドゥーエと言うのは私の娘の一人で・・・・」
「話がずれるから娘の自慢話は後だ。」
「そ、そうだね(シュン)・・・・ともかくドゥーエの話じゃ彼は地上本部のレジアス中将とも親友らしい・・・」
「ほう・・・それは初耳だな。ならなおの事・・・・こっちに欲しいな。」
しかし・・・・・・レジアスってあのレジアス・ゲイズだよな?確かアイツはいろいろと黒いうわさが絶えない奴だぞ。普通親友がそんなことになっているなら、黙っているはずがないと思うのだが・・・・両方とも歪んだか?まあいい、それは本人から直接聞くとしよう。幸いこっちには切り札が那由多のごとくあるからな。ちょうど迎撃に出ようとしたチンクも戻ってきたし・・・行くとしよう。ちょっと色も付けて・・・・・ククク、どんな反応をするのか楽しみだ。
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第六十三話:この人とはうまくやっていけそうな気がする