一刀の案に従い、雑兵を負傷させ、治療班に回す人員を増やすように仕向ける。袁術軍がそれに気づいたのは、大きく兵士が減ってしまったあとだった。
「美羽様、どうしましょうか…このままでは負けてしまいますよ」
「妾の軍が負けるじゃと!?そんなことはあってはならぬ!その原因を直ちに討ち取らせるのじゃ!」
袁術軍が全将に武将同士の一騎打ちで勝利するよう動き出す。
強敵の気配を悟った一刀は愛紗を別の場所へ行くよう促す。もう慣れたと言わんばかりに愛紗は首を少し振るとそのまま急ぎで立ち去る。
「…やれやれ、重い腰をようやくあげたか。袁術軍」
一刀はそう呟くと、兵士の間を通ってきた敵将と戦うために構えを取る。
「悪いが名乗る時間もない。すぐに始めさせてもらおうか」
「望むところだ!完膚無きまでに叩き潰してくれる!!」
それ以上、両者は言葉を交わさない。ただ武器と武器がぶつかり合う金属音と火花が散り、間合いをみて攻撃し、躱し、守る。無言の打ち合いは尚も続く…
一方華琳、秋蘭の方にも…
「ふむ、なかなか骨がある相手じゃのう…」
「あらあら、お盛んだこと」
「来たか、予想通りとは…一刀は侮れんな」
「一刀だからこそよ。これが終わったら目一杯遊んでもらうんだから」
驚くような秋蘭と楽しむ華琳。そして二人の歴戦の将。その強大な力と力、智と智、両者の全てをかけ、戦いが始まる。
秋蘭が一瞬で矢を十数本飛ばすが、全く同じ軌道で全て弾き落とされる。
「なかなか手ごわいな…」
「何を怖気づいてるのかしら?秋蘭。このぐらいなら貴女でも出来るでしょう?自分が出来ることが人に出来た程度では驚かないわよ」
「全く、戦闘中に余所見とは…
ガチャ…
どういうことかのう!」
ドドドドドッ!
仕掛けもよくわからない武器から金属矢が打ち出される。華琳は絶で全て撃ち落とし、反撃の一歩を踏む。…と見せかけ、何処からか取り出した煙玉を叩きつける。
煙に巻かれ、周りの見えない敵将と対策済みの華琳、秋蘭。どちらが勝つかは火を見るより明らかだろう。無事に敵将を捕虜とした二人は本陣に戻り、敵の気配が近くに無いか探る。
先行した愛紗は誰にも見つからず、誰も見つけられず、ただ時だけが過ぎていく。
愛紗を離れさせた一刀と敵将の打ち合いはまだ続く。
「ここまで打ち合ったのは久々だ…だが俺はここで負けるわけにはいかないからな…本気で行かせてもらおう。北郷流…
カチャ…
一刀は刀を鞘に収め、腰のあたりで低く構える。
…一刀流、居合。豪烈斬」
光よりも速く刀を抜き放ち、敵将を昏倒させる。
「勝てる自信がある奴は来い、幾らでも相手になってやる」
一刀はそう言い残し、倒れた敵将を連れて戦場を後にした。
後書きのコーナー
はい、今回はここまでです。なんだろう…書いてて違和感しかないwww
どうしてこうなったと言わんばかりの文章ですが、読んでいただきありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。
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この作品の一刀はチートです。
また、少々オリジナルの要素が入っています。
投稿直後は付け足しがあります。
以上の点に注意してみていただければ幸いです。