No.499744

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百十一技 調査開始!

本郷 刃さん

第百十一話です。
事件の調査が始まります。

どうぞ・・・。

2012-10-24 11:00:14 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11501   閲覧ユーザー数:10748

 

 

 

 

 

 

 

第百十一技 調査開始!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

俺とアスナは証拠品であるロープを回収して建物の外にでる。槍も既に回収済みだ。

 

外に出た俺達を他のプレイヤー達が待っていた。

 

「すまないが、さっきの一件を最初から見ていた人がいたら話を聞かせてほしい!」

 

俺の問いかけを聞いてから、一人の女性が前に出てきた。

 

俺は見覚えがないので攻略組ではないだろう。出てきたのは彼女だけだった。

 

俺はアスナに視線を向け、彼女もその意図に気付いたようで頷いた。

 

「怖い思いをしたばかりなのに、ごめんね。貴女、お名前は?」

 

さきほどの様子を最初からみていたとするなら彼女の心は不安定なはずだ。

 

同性のアスナが話を聞いた方がいいだろう。

 

「あの、わたし…ヨルコっていいます…」

 

「もしかして、最初の悲鳴は君の…?」

 

「は、はい…」

 

彼女の声に聞き覚えがあったのでもしやと思い、聞いてみたがやはりそうだったか。

 

そこで彼女のダークブルーの髪と同じ色の瞳に涙が浮かんできた。

 

「私…さっき殺された彼…。名前をカインズって、言うんですけど……。

 友達で…昔、同じギルドにいたんです……。今でも、一緒にご飯を食べたりして…。

 今日も一緒に……食事をしようって…、だけど…私、広場ではぐれちゃって…」

 

ヨルコさんは涙を流しながらも懸命に話を聞かせてくれる。他の人達も悲痛な表情を浮かべている。

 

「それで、広場を少し探していたら…いきなり、彼が…、建物から…胸を槍で、刺されたまま……ぅぅっ」

 

「その時、誰かを見なかった?」

 

アスナは嗚咽を漏らしながら震えるヨルコさんの肩を、優しく抱き締めながら問いかけた。

 

「一瞬……なんですが、カインズの…後ろに、誰かが立っていた、気がします…」

 

つまりその時はまだ犯人はその部屋にいたという事だ。

 

だがそいつは大勢の衆人の中を易々と潜り抜けたというのか。

 

いや、いくら混乱していたとはいえ、ここに集まった者達全員の目を掻い潜るというのは容易ではないはずだ。

 

ならやはり《隠蔽》スキルやそれ系のアイテムなのだろうか?

 

だが隠蔽系の装備やアイテムは、移動中は効果が薄くなる。ならば未知の武器やスキルか?

 

未だに知られていない武器やスキル系統が存在し、誰かがその存在を知り、実行したと…。

 

とにかく俺は今回の事件は容易に終わるものではないと覚悟した。

 

 

 

その後、俺とアスナはヨルコさんを最寄りの宿屋まで送り届け、明日改めて話を伺う事にした。

 

そして俺達は転移門広場へと向かった。

 

そこには今回の事件の報告を俺達から聞くために三十人ほどの攻略組プレイヤー達が集まっていた。

 

「簡潔に説明させてもらうが、今回の被害者はカインズという男性プレイヤー。

 凶器に使われたのは貫通系の槍と証拠品のロープ。だが殺害の手口は今のところ不明。

 以上が現状で判明していることだ、何か質問は?」

 

俺の説明が終わり、一人の男性が挙手してきた。俺は彼の質問に答える。

 

「凶器の槍の詳しい能力などは?」

 

「槍はこの後、鑑定を頼むつもりだ。

 詳しい能力などが判明したらメッセージを飛ばすから、各自その時に確認してくれ」

 

続いてもう一人も挙手してきた。

 

「被害者について分かっていることはあるか?」

 

「カインズ氏については彼の友人の女性プレイヤーから証言がある。

 女性に関しては明日、血盟騎士団副団長である彼女が改めて話を伺うことになっている」

 

俺はアスナを示した。同じ女性でしかもKoBのサブリーダーであるアスナならば問題無いと、皆納得したようだ。

 

「他にはないか?……よし。最後に一つだけ、今回の一件は圏内における未知のPK手段の可能性がある。

 そういうわけで、街中でも十分に気を付けるということを出来る限り広範囲に知らせてくれ」

 

俺の言葉にみなが真剣に頷いた。

 

「俺が情報屋の新聞に載せてもらえるように頼んでおこう」

 

「よろしく。今回は以上だ。分かったことがあればメッセージを送る。皆もそうしてくれ!」

 

「「「「「おう(はい)」」」」」

 

俺の一言で今回は解散となった。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

『SAO警察団』結成www

 

キリトの求心力の高さに自分でも驚いてしまった・・・。

 

でも本作のキリトはそういうやつなんでいいですよねw

 

それでは次回で・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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