No.494387

真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 拠点:愛紗 素直になれない自分、武人として・・家臣として・・・一人の女として

syukaさん

何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。

2012-10-10 01:42:29 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:9130   閲覧ユーザー数:7382

まえがき コメントありがとうございます。今回はきました!無印のメインヒロイン。愛紗!!さて、今回は・・・どうしましょうかね。それにしても愛紗、いいですね。可愛いです。桃香と月を一刀にあげるから愛紗をください!!w・・・いや待てよ。ぬあー!皆可愛いじゃないか!・・・はっ!?げふんげふん。すみません。そ、それではごゆっくりしていってください。

 

さて、皆の姿も見えなくなったし俺たちもそろそろ移動しようかな・・・。

 

「愛紗、とりあえず移動しよう。」

「・・・///。」

「おーい、愛紗。」

 

目の前で前で手を振ってみるが全く気付く気配がない。往来のど真ん中だけど、仕方ない・・・よね。仕方ないと思いつつも悪戯を思いついた子供のような表情をしている一刀。兵や街の人たちは微笑ましそうにそちらを眺めていた。

 

「愛紗~、こちょちょこちょ。」

「きゃっ!?ご、ご主人様、あはは、な、何をなさ、なされているのですか!」

 

おっ。やっと気付いた。けど、ちょっと面白くなってきた。愛紗には悪いけど続けてみよ~。

 

「ん?愛紗が気付いてくれないから擽ってるの。こちょこちょ。」

「あん、お、お止め、あっ、ください、あはははははは。」

 

ここまで笑う愛紗も珍しいな。もう少しだけ・・・。右手を離し指で彼女の背中を這わせていく。

 

「うひゃ!そ、そろそろ、お、あはは、お許し、ください。」

「うん。満足♪」

 

俺が手を離すと愛紗は女の子座りでお尻をついた。随分と息が上がってるな。

 

「ごめん、やりすぎた。」

「全くです。もう少し加減してください。」

「愛紗、立てる?」

 

俺が手を伸ばして愛紗を立たせようとする。だが彼女は首を横に振った。どうしたんだろ?

 

「さきほどので足腰に力が入りません。」

「あー・・・。」

 

愛紗ってこういうのに耐性ありそうだけど弱いんだな。まぁ、このままにしておくのは可愛そうだから・・・。

 

「ちょっと我慢してね。」

「え、何を?」

「よいしょっと。」

「へ!?」

 

ご主人様に体を抱えられたと思ったら・・・さ、流石にこの格好は///。

 

「ご主人様、これは流石に恥ずかしいです///。」

「お姫様抱っこ、嫌?」

「い、いえ、嫌というわけではないのですが・・・。」

「うーん。じゃあこっちで我慢してね。」

 

・・・。

 

「ご主人様、こちらも恥ずかしいのですが・・・。」

「ん?何か言った?」

「い、いえ!何でもありません。」

 

抱っこから解放されたと思ったらおんぶが待ち構えていようとは・・・。う~、この好奇の目にさらされている状態を何とかしたい。

 

「ところで、さっきぼぉ~っとしてたけど何か考え事?」

「え!?い、いえ、その~・・・。」

「言ってみて?」

「い、いえ!言えません!///」

「言って?」

「で、ですから・・・」

 

「言って?」

「~~~~~~。」

 

なんだ?桃香様をお相手しているような感じが・・・。ご主人様が黙って私の顔を覗きこんでくる//。この場合は私が折れない限りずっとこのやり取りが繰り返されるのは目に見えているからな。仕方ない・・・。

 

「そ、その俺の愛紗と言ってくださいましたから・・・。」

「え?」

「で、ですから!俺の愛紗と!言っていただきましたから・・・。」

 

し、しまった。思わず大声が・・・。こほん。ご主人様が唖然とした後に顔を紅潮させていった。

 

「お、俺、そんなこと言っちゃったの?全然気づかなかった。」

「はい。それで、その・・・、ご主人様の私というのは、つまり・・・。」

「まぁ捉え方は個人的に違うと思うけど、俺にとって大事な愛紗だっていうことに変わりはないよ。」

「///。」

「一緒に頑張ってきて、毎日鍛錬して努力してるのも知ってる。それに、何ていうのかな。ずっとそばにいてほしい。一緒に笑いあって生きていきたい。そう感じるんだよ。」

「ご主人様・・・。」

「これが俺の愛紗への言葉。通じたかな?」

「はい。私も、ご主人様をお慕いしております。同じ未来を共に歩んでいき、この魂魄尽きるまで、おそばにいさせてください。」

「勿論。」

 

私はいつの間にこんなにご主人様に依存するようになったのだろうな。ご主人様の一挙手一動作で喜び悲しむ私がいる。お慕いしているのは間違いない。しかしそれは・・・いや、駄目だ。私が望んでいい感情ではない。私は家臣だ。ご主人様には桃香様がいる。桃香様はご主人様を愛していらっしゃる。そこに私が入っていいわけがないではないか。・・・ご主人様の髪、良い香りがする・・・。

 

「愛紗?」

 

愛紗の頭が肩にあたった。立ち止まって愛紗の方を向いてみると眠っている。疲れてるんだろうな。さっきの騒動もあるし、ラーメンも食べたし。とりあえずゆっくり出来る場所まで行こう。月と行った木陰で一休みするか。

 

・・・。

 

「よっこいしょ。」

 

とりあえず木陰にもたれ掛かる。愛紗の体を横たわらせると俺の膝を枕にさせる。少し動かしても起きないんだな。愛紗の髪を撫でてみる。擽ったそうに身をよじった。くすっ。愛紗とこうやってのんびりするのも初めてだな。俺の上着を愛紗に掛けてやると俺も一時の仮眠をとることにした。

 

・・・。

 

「ん、んんっ、ご主人様の香り・・・。・・・はっ!」

 

ここはどこだ!?確かご主人様の背中におぶられて・・・。そこから眠ってしまったのか。ご主人様は、眠っていらっしゃる。気持ちよさそうに眠られて、無防備ではありませんか。ふふっ、全く仕方のないお方だ。上着を彼に掛け隣に座ろうとしたとき、体が固まってしまった。これでいいのか?ご主人様には桃香様がいると確認したではないか。私がいていい場所じゃない・・・。

 

「何で隣に座らないの?」

 

どうやら先に起きておられたようだ。お人の悪い・・・。

 

「そこは、桃香様のいるべき場所です。私のいて良い場所ではありません。」

「・・・?」

「私はあなたの家臣です。ご主人様をお慕いしておりますが、それで桃香様の居場所を奪っては裏切りになります。私にそのようなことは出来ません。」

「はぁ~。」

 

愛紗の頭が固いとは分かっていたけどまさかここまでとは・・・。でも、これが愛紗なりに悩んだ結果なんだよな。・・・。俺たちが向き合ったまま数分が過ぎた。

 

「愛紗、ちょっと俺の隣に座って。」

 

「・・・はい。」

 

俺は手招きして愛紗を隣に座らせた。何かもじもじしてるけど気にしない。とりあえず説得というか、考えを変えさせないとな。

 

「愛紗はさ、桃香の事、どう思ってる?」

「唐突にどうしたのですか?」

「いいから。素直に答えて。」

「桃香様は私の主人ですから。それに、私の義姉です。大切なお方です。」

「じゃあ鈴々は?」

「鈴々は手の焼ける義妹です。本当の姉妹のような存在ですね。それは桃香様も同様です。」

「星は?」

「考えてることがよく分からないやつです。ですが、己の正義を持っている大事な仲間です。」

「ははっ。確かに。」

 

俺は一度ふぅ。と息を吐くと愛紗の方に顔を向けた。

 

「愛紗は桃香や俺が主だからってそんなに特別な扱いはしてないでしょ?」

「そうですね。」

「それでいいんだよ。」

「え?」

 

愛紗が何故?って顔してる。これは本気で分かってない顔だ。

 

「だからさ、桃香が俺のことを好きでいてくれるのは嬉しいよ。けど、それで愛紗が俺と距離を置かなきゃいけない理由にはならないでしょ?」

「そ、そうですが・・・。」

「俺は愛紗とも皆みたいに仲良くしたいから。愛紗に好きになってもらいたいし、愛紗をもっと好きになりたい。これでも駄目・・・かな。」

「わ、私は武人です!私のような無骨者など・・・。」

「俺も武人だよ?」

「うっ・・・。」

「愛紗は自分は無骨者で可愛げのない女だからとかそんなことを思ってるでしょ?というか、前にそう言ってたしね。」

「・・・おっしゃるとおりです。」

「俺は愛紗に可愛げがないなんてこれっぽっちも思ってないよ。むしろ可愛いところの方が多いと思うんだけど・・・。例えば・・・。」

「いえ、いいです!結構です!降参です!」

 

私の負けだ。これ以上食い下がっても意味がない。というか私が墓穴を掘りかねない・・・。

 

「くくっ。愛紗、顔が真っ赤だよ!ぷっ、くくくっ。」

「~~~~~~//////!!!!。」

「はぁ~。お腹痛い。こういうところだよ。愛紗はすぐ顔に出るからね。喜怒哀楽がはっきりしてて、見てて面白いのと、いろんな表情が綺麗で可愛い!」

「ご、ご主人様、勘弁してください。恥ずかしさでどうにかなってしまいそうです・・・。」

「思ったことを言ってるだけだよ?」

 

そうでした。こういう方でした。素直というか、裏表がないというか。天然なんでしょうね。それでいて何気ない表情でドキッとさせられてしまう。ほっておくとどんな爆弾発言が出てくるか分かったものじゃない。・・・心配だ。

 

「と、とりあえず!城に戻りましょう!そろそろ戻っておきませんと!」

 

立ち上がろうとしたらご主人様が私の膝に頭を乗せてきた。突然のことに反応が遅れてしまった。

 

「ご主人様、どうなされたのですか?」

「もう少ししたら良いものが見れるから休憩。」

「でしたら城に戻ってからでも・・・。」

「ここからの眺めが一番いいんだ。・・・そうだ!」

「え?きゃっ!!」

 

ご主人様は私の手を取ると突然走り出してしまった。次はどこへ向かうのやら・・・。

 

・・・。

 

「着いた~。」

「この川辺で何が起きるのですか?」

「それは見てからのお楽しみ~。あそこが一番すわり心地が良いんだ。」

 

ご主人様は大きめな岩の真下に草を敷くとそこにもたれ掛かった。

 

「愛紗も、こっちおいで。」

「失礼します。」

「そろそろ冷えてくるから上着は貸しておくね。」

「それではご主人様のお体が冷えてしまいます!」

 

私が上着をお返ししようとすると脱ごうとした手を抑えられて脱げなくなってしまった。

 

「じゃあ片方だけ腕を抜いて。」

「?分かりました。」

 

半分だけ脱ぐとご主人様がその半分を手に取り・・・。

 

「よし、これで二人とも暖かいね♪」

「ご、ご主人様、これは近すぎるのではありませんか!?////」

「ぬくぬく~♪」

「き、聞いていらっしゃらない・・・。」

「・・・zzzzz。」

「寝た!?」

 

私の体にしがみつかれて眠られてしまった・・・。・・・うん。深いことは考えずに私も寝よう。

 

「zzzzz。」

「すぅ。・・・すぅ。」

 

二人は川辺で眠り始めてしまった。城で一騒動あっていることも知らずに・・・。

 

・・・。

 

「大変なのだ!お兄ちゃんと愛紗、まだ帰ってきてないのだ!探しに行くのだ!」

「大丈夫やろ、愛紗もおるし。いや、一刀と愛紗相手だとそこいらの山賊の方が逃げていくやろうし・・・。」

「主たちなら二人でしっぽりやっておるのだろう。野暮なことはするべきではないぞ、鈴々。」

「ねぇ、桃香お姉ちゃん、しっぽりって何なのだ?」

「え!?私!?・・・そ、それは~、その~//。しゅ、朱里ちゃん!お願い!」

「私ですか!?え、えと~、はわわ。雛里ちゃん!交代!」

「あわわ。む、無理だよ~。」

「へぅ//。」

「恋、お腹空いた・・・。」

「??」

 

ふふっ、みんな初心なのね。見ていて面白いからもう少し傍観していましょうか♪

 

・・・。

 

眠りについて約三刻が経ったころ、一刀は目を覚ました。

 

「ん、ん~。・・・。っ!・・・。やっぱり綺麗だよな~。愛紗、ほら、起きて見てごらん。」

 

愛紗の肩をぽんぽんと叩くと彼女の瞼がゆっくりと開いていく。

 

「愛紗、ほら、見て。」

「ん?何が・・・。これは・・・美しい。」

 

空に広がるのは数多からなる星々。それが水面にも広がっていて。幻想的な光景が眼前に広がっていた。

 

「これを見せたかったんだ。とっても綺麗だからさ、誰かとこの感動を共有したいなって思って。」

「このような光景は初めて見ました。ご主人様、ありがとうございます。」

「喜んでもらえて良かった。」

 

俺たちは寄り添いながらそれから一刻の間、談笑しながら川と空に広がる星を眺めていた。

 

・・・。

 

城に戻ってきた俺たちを待っていたのは混沌とした雰囲気に包まれた謁見の間だった。星、霞、清羅は談笑しているのだが鈴々は頭上に?を浮かべたまま硬直しており、他の面々は顔を真っ赤にしながら悶えていた。・・・。俺と愛紗は思わず顔を見合わせてしまった。何でこんなことに・・・。

 

「愛紗、俺が愛紗と鈴々の分の料理作って部屋に持っていくから先に二人で戻っててくれ。」

「わ、分かりました。しかし、桃香様たちは・・・。」

「触らぬ神に祟りなしってやつだ。何か面倒だから・・・。」

「・・・そうですね。」

 

俺は先程の光景に苦笑いしながら厨房へと足を進めた。

 

・・・。

 

「ふぁあ~、お腹いっぱいで眠いのだ~。」

「ご馳走様でした。」

「お粗末様でした。」

 

食事を終え寝る準備へ。俺は椅子で寝ようととりあえず毛布だけ準備したのだが・・・。

 

「今日は三人で寝るのだー!」

「え!?」

 

俺と愛紗の声が見事に重なった。それからあっという間に愛紗の寝台で川の字に。毎度のことながら俺は真ん中なわけで・・・。

 

「ご、ご主人様、狭いなら私が鈴々の寝台で寝ますが・・・。」

「いや、俺は大丈夫だよ。」

 

狭さは大丈夫なんだけどね、どうも落ち着かない。

 

「すかー、すぴー。すかー、すぴー。むにゅ・・・。」

 

鈴々はいつの間にか寝ちゃってるし。ちゃっかり俺の腕を枕にしているあたり抜け目ない。

 

「愛紗は寝ないの?」

「ご主人様こそ。」

「俺は愛紗の寝顔を見てから寝ようかなって思って。」

「///。」

「くすくす、冗談だよ。」

「からかわれたのですか・・・//。」

「半分冗談。俺が寝る前に愛紗が寝たらね♪」

 

ご主人様も可笑しそうにくすくすと笑っている。私もつられて笑ってしまった。

 

「先にお休みください。今日は随分とお疲れでしょうし。」

「正直なところ、ちょっと眠い。じゃあ、お先に失礼するね。お休み、愛紗。」

「はい。お休みなさいませ、ご主人様。」

 

ご主人様が瞼を閉じてほんの数呼吸の間に寝息が聞こえてきた。随分と寝つきが良いようで。ご主人様の寝顔、いつもより随分と幼く見えるのだな。

 

「ご主人様・・・。」

 

私に少しだけ勇気をお分けください・・・。

 

ちゅ。

 

彼の額に触れるだけのキス。今の彼女にはそれが精いっぱいで。それから彼女が顔を真っ赤にしながら眠りについたのは三刻後のことだった。その三人の寝顔はどれも微かな笑みが浮かんでおり、本当に仲の良い兄妹と思われても可笑しくないものだった。

 

・・・。

 

私もお姉ちゃんなんだから~!ご主人様~!

そんな言葉がどこからか聞こえたのは気のせいだろう。

 

あとがき 読んでいただきありがとうございます。拠点;愛紗はどうだったでしょうか。今回は愛紗の少しの苦悩と少しの進歩を描いてみました。桃香に遠慮していた愛紗が変わっていく様子を感じていただければ幸いです。 それでは次回 拠点:詠 意外と役に立つじゃない・・・。 でお会いしましょう。

 

 


 
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