No.495845

真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 拠点:詠 意外と役に立つじゃない・・・

syukaさん

何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。

2012-10-13 21:47:36 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:8408   閲覧ユーザー数:6750

まえがき コメントありがとうございます。今回はツン子ちゃんこと詠の出番です。月のお付きのイメージですがデレたときの可愛さは異常ですwはりせんで叩かれたい!罵って~!!月といちゃいちゃしてれば詠がツンモードになってツッコんでくれる。一石二鳥だー!それではごゆっくりしていってください。

 

おはようございます。愛紗です。起床し、鍛錬に向かおうと思ったのですが体が動きません。理由とはこれ、私の隣で寝ているご主人様が右腕にくっついていて離れていただけません。しかもご主人様の背中に鈴々がくっついていて余計に重みが増しているのです。寝ているにも関わらず結構な力なのでびくともしません。何か策はないか・・・。確か、桃香様がご主人様は脇腹が弱いということを言っていたような。・・・昨日、私も擽られましたしやられっぱなしは性に合わないので・・・。

 

「・・・失礼します。」

 

こちょこちょこちょこちょ。

 

「む~!」

 

なかなか手強い。身をよじりはしたが起きる気配はない。ではもう少し・・・。もう一度手をご主人様の脇腹に手を差し伸べようとしたとき、ご主人様が私の方に近づいてきて・・・。え?

 

「ん~、あいしゃ~、もうすこしおちついて・・・zzzzz。」

「~~~~~~~~~//////////。」

 

何故か私はご主人様に抱かれる形に。それで今はご主人様の胸の中にすっぽり収まってしまいました。事態が悪化してしまった・・・。これでは朝の鍛錬に、あ~、ご主人様の香りが・・・・・・・。

 

「・・・すぅ・・・すぅ。」

 

結局、再び眠ってしまった愛紗であった。

 

・・・。

 

おはようございます。月です。今日の朝ごはんは一刀さんに教わった『すきやき』というものを作ってみました。お肉とお豆腐と白菜と白葱をお醤油とお砂糖で味付けして、溶き卵で食べるらしいのですが、とっても良い香りがします。ご飯も炊けましたし準備完了ですね。ふふっ、一刀さんは喜んでくれるでしょうか。あとはこれをお庭に運ぶだけです。

 

「よいしょ、よいしょ。あれ?愛紗さんがいませんね。いつもこの時間には鍛錬を終えて手伝ってくれるのですが。」

 

・・・そういえば一刀さんが愛紗さんと鈴々ちゃんのお部屋でお休みになっていましたね。まだお休みになっているのでしょう。昨日はじゃんけんする前にお部屋に向かったようですがあの騒ぎでしたし、仕方ないですね。私もまた一刀さんとお出かけしたいな。今度はもっと甘えよう、うん。月はにこにことどこか嬉しそうに頬を朱らめながら庭へと足を進めた。

 

・・・。

 

「ん。ん~・・・。」

 

もう朝か。今日は何か妙な夢を見たな。愛紗とお弁当食べてたのにいきなり彼女が俺の脇腹を擽ってきていきなり二人で突然眠り出すなんて。どんなシチュエーションだ・・・。正夢にはならないだろう。愛紗は鍛錬に出ているのかな姿が見えない。俺の背中にくっついてるのは鈴々だし。とりあえず起きるか。

 

「ん?あ~、こんなとこにいた。」

 

俺が抱きついてたのか。視界に入らないわけだ。可愛い寝顔しちゃって。もう少し二人の寝顔を堪能してから起こそうかな。それからしばらく二人の寝顔をじっくり堪能したのだった。鈴々は起きてからもしばらくぼへぇ~っとしていて愛紗は寝顔を見られたことに赤面するのだった。

 

・・・。

 

「さて、これから何しようかな。今日はこれといって約束もしてなかったし。」

 

市をぶらぶらしてもいいんだけど、ひとりじゃどこか味気ない。蒼でも探して一緒に警邏に行こうかな。そんなことを考えていると侍女の子が大量の竹簡を運んでいるのが視界に入った。うわ、あんなにあるのか・・・。まぁ洛陽ほど栄えているならこれくらいあるだろうな。許昌や建業もこのくらいの竹簡があるのかな?曹操さんはちょっと怖いけど可愛い女の子で、あとは孫権か。・・・多分女の子なんだろうなー。

 

・・・。

 

「くゅん!」

「華琳様、お風邪ですか?」

「いえ、大丈夫よ。秋蘭おそらく劉備かあの御使いあたりが噂話でもしてるのではないかしら。」

 

・・・。

 

「へくしゅっ!」

「蓮華様!大丈夫ですか!?」

「くしゃみ一つで大袈裟ね、思春は大丈夫よ。姉様か母様が噂してるんじゃない?」

 

・・・。

 

コンコン。俺は扉を軽くノックして声を掛けてみた。

 

「詠~、竹簡持ってきたよ~。」

 

すると詠がぐったりした表情で部屋から出てきた。

 

「あ―、あんたね。ありがとう。」

「だ、大丈夫?手伝おうか?」

「えぇ、是非お願い。」

 

部屋に着いて真っ先に視界に入ったのは俺が持ってきたのと同じくらいの量がある竹簡。う、うへぇ~、これを毎日一人でしているのか?

 

「これ、毎日一人で処理してるの?」

「うちにボク以外で竹簡を捌ける人間がいると思うの?」

「・・・ごめん。」

「まぁ良いわ。早く手伝ってちょうだい。お昼までには終わらせたいの。」

「了解。」

 

久々の書類整理だな。とりあえず詠の足を引っ張らないように頑張らないと。とりあえず椅子に座り竹簡の種別に分けていく。

 

「あんた、どこかで竹簡の整理したことあるの?」

 

ボクとそんなに捌く早さ変わらないじゃない。武官にしておくのはもったいないわね。

 

「竹簡じゃないんだけど、『天』にいたときにこういうのはたまにしてたんだ。知り合いに先生・・・子供たちに勉学を教える人がいて、その手伝いとかしてたからいつの間にか慣れちゃった。」

「たまにでここまで出来るものではないと思うんだけど。」

「何でも楽しんでやるのが俺の取り柄だからさ。武官の仕事も文官の仕事もね。そうやってたら色んなことに手を出したくなっちゃって。」

「仕事を楽しむね・・・。考えたこともなかったわ。」

「これからはそうすれば良いよ。そしたらちょっとは楽に作業できるから。」

「参考にするわ。」

「うん、そうして。」

 

こいつ・・・北郷と仕事してたらあの量も二刻で片が付いた。誰かと仕事したのなんていつ振りかな・・・。いや、初めてかも。

 

「ありがとう、助かったわ。」

「どういたしまして。」

 

詠は背もたれにもたれかかってぐてーっとしている。相当お疲れのようだ。俺が来る前からやっていたからそれも当然か。

 

「とりあえずお茶を淹れてくるよ。温かいのと冷たいの、どっちが良い?」

「あんた、これだけやっても全然バテテないのね。冷たいのをお願い。」

「これでも普段は武官だからね。了解。」

 

部屋を後にしようと取っ手に手を掛けようとしたら不意に扉が開いた。

 

「失礼します。きゃっ!」

「おっと。」

 

危ない危ない。月の肩を咄嗟に掴んだことでぶつかるところだった。持ってきてくれたお茶も零れなかったみたい。

 

「大丈夫?」

「はい、ありがとうございます。二人とも、お茶をお持ちしました。」

 

俺たちは三人でテーブルを囲んでお茶を飲むことにした。冷たいお茶が体に浸透していくのが分かる。仕事終わりの一杯は美味しいね。何か今、仕事から帰ってきた父さんが言っていたことを一句違わず同じことを思った気が・・・

 

「お二人ともお疲れ様です。」

「本当に疲れたわ・・・。というか!北郷たちが来てから竹簡が急に多くなったのよ!しかもどうでもいいのが!」

「どういうのなの?」

「一刀様とお近づきになりたいとか好きなものは何ですかとか劉備様は可愛いですねとか!本人に言え!って言いたくなる!」

「あ、あははは・・・はは・・・・・。」

「一刀さんは人気者ですね~。」

 

月がにこにこしてる。何か腹立たしいわね。いや、北郷が悪いんじゃないんだけど・・・。

 

「月、北郷のことなのに自分のことみたいに嬉しそうだね。」

「うん。一刀さんのことなんだよ、嬉しいよ~♪」

「ありがとう、月。」

「えへへ♪」

 

俺が月の頭を撫でると嬉しそうに顔をふにゃんとして微笑んだ。

 

「むむむ。」

 

イライラしてきた・・・。ボクをおいて二人の世界に入ってるし。

 

「けどそういうのって俺たちのことだけじゃないんじゃない?」

「月が太守になったばかりのころは凄かったけど今は落ち着いているわたまに来るけどね。」

「へぅ//」

 

月のへぅって聞くと何か落ち着くな~。今日も一日頑張ろうって思うよ。何でかね。

 

「月も人気者なんだね~。」

「私より霞さんや華雄さんの方が人気はありますよ。私はお料理や買い出しだけで他に何もしてないんですから。」

「それを言ったら桃香はどうなるんだ・・・。」

 

私なんて~って言って勝手に落ち込むのが容易に想像できるところが凄いところだ。今度は俺もこっそり手助けするか。

 

「詠ちゃんは軍師の仕事をしっかりこなしてくれていますし、いつも言うことは厳しいけど言うことは筋が通っていると評判も良いんですよ。」

「ボクはやるべきことをやっているだけよ。至って特別なことはやっていないもの。」

「それを当たり前のように出来るのはなかなか出来ないことだよ。もっと自信を持っていいのに。」

「あんたはいつも自分のことを謙遜しているのに何を言ってるのよ・・・ってなんでボクの頭を撫でてるのよ!」

 

俺は気付けば詠の頭を撫でていた。

 

「あ、ごめん。つい・・・。」

「あんたねぇ・・・、そうやって誰かれ構わず頭を撫でてるんじゃないでしょうね。」

「ふふっ、でも一刀さんが撫でてくれると落ち着くんだよ。」

「ん~、そんなもんかしら。」

「そうだよ。撫でてもらった私が言うんだから間違いないよ~。」

「まぁいいわ。」

 

・・・ちょっと自制できるように心がけよう。あれ?前にも自制しようって思っていたような・・・まぁいいや。これに関してはそれからも全く自制できない一刀だった。むむ~、自制するぞ~。・・・そういえばもうすぐお昼だな。

 

「じゃあ俺は厨房に行ってご飯作ってこようかな。」

「あれ?一刀さんは恋さんと模擬戦をすると先日言っていませんでしたか?」

「・・・?」

 

「確かに言ってたわね。恋も頷いていたし。」

 

・・・。ちょっと記憶を掘り返してみよう。恋とそんな話をしたなら霞と模擬戦して休憩してた頃だよな。

 

・・・。

 

「一刀さん、霞さんとの模擬戦はいかがでしたか?」

「有意義なものだったよ。霞の連撃は光るものがあった。あそこで一度距離を取れたのが俺の勝因だったな。」

「一刀は強いでー!月、恋と良い線いくとうちは思うんやけど、恋と一戦やってもらうのはどないやろうか?」

「恋さんとですか。恋さんはどうですか?」

「恋も、一刀も戦ってみたい。」

「そうだね、じゃあ四日後とかでいい?」

「・・・(コクッ)。」

 

・・・。

 

えーとー、昨日は特に模擬戦なし。愛紗との朝の鍛錬くらい。二日前は星。三日前は華雄。四日前は霞。四日前・・・。ということは・・・。・・・・・・・・・(汗)

 

「一刀さん、忘れてました?」

「うん。見事に・・・。」

「私がご飯を作りますから一刀さんは恋さんを探してくると良いですよ。」

「お願いね。詠も今日の仕事は済んだんだからのんびりしておくといいよ。」

「ふん、あんたに言われなくてものんびりするわよ。」

「そっか。じゃあ言ってくるね。」

 

・・・。

 

そう言うとあいつは部屋から出て行った。まったく、お人よしなんだから。

 

「ふふっ、詠ちゃん。何だかんだ言って嬉しそうだね。」

「なっ!?べ、別に嬉しく何てないわよ!まぁ、手伝ってもらったことには感謝してるけど・・・。」

「もう、素直じゃないんだから~。」

 

あいつのことは嫌いではないのよ。ただ、月と仲良くしている光景を見ていると胸が疼くというか、もやもやしたものが体の中に渦巻いているような錯覚に陥る。こんな気持ち、今まで感じたこともなかったのに・・・。

 

「一刀さん、とっても良い人だよ?」

「分かってるわよ。けど、・・・あいつだけなのよ。こんなに不確定な感情を抱くのは。」

「くすっ。」

「今、何を笑ったの?」

「ううん。何でもないよ~。」

 

多分、詠ちゃんも一刀さんのことに少なからず好意を持ってる。私ももっと頑張ろう。・・・。

 

「そうだ。」

「どうしたの?」

「二人で一刀さんのこと好きになっちゃえばいいんだよ~。」

「・・・はっ?」

 

一瞬月が何を言ってるのか理解できなかった。二人で好きになる?月はともかくこのボクが?あいつを?ないない!断じてない!なんか月は一人でうんうんって頷いてるし。

 

「待って待って。ボクはいいよ。月に譲るよ。」

「そんなこと言って~。私と一緒に一刀さんを好きになろう?そしたらもっと一刀さんのいいところを見つけられると思うの。それに・・・~~~~~~。」

 

それから一時あいつのいいところを月に聞かされた。軽くトラウマになりそうだわ。

 

「ふぅ。基本はこのくらいかな~。」

「基本!?今ので!?」

「うん。」

「月~、もう勘弁して~。」

 

・・・。

 

「?何か詠の悲痛な叫び声が聞こえたような・・・。」

「一刀、気のせい。それより、お腹空いた。」

「恋殿のお腹を空かせるなんて何をやってるですか!早く何か作るです!ついでにねねとセキトの分も!」

「そう言われても月が作るって言ってたからな~。」

「お腹空いた・・・。」

 

月~、早くしてくれ~。

 

「まだまだあるよ~。」

「う~、絶対に好きに何てなってやるもんかーーー!!」

 

あとがき 読んでいただきありがとうございます。拠点:詠はどうだったでしょうか。いや~、ツン子です。詠は本人の前ではツンツンしていながらもそれ以外では・・・特に月と二人のときは結構素直ですよね。果たして詠が素直になれるのはいつになるのでしょうか。それでは次回 拠点:恋/ねね 武の頂・二頭の獣、寂しがり屋の憂鬱 でお会いしましょう。


 
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